■ 2017年10月 ブログ

気になった箴言

 毎朝、パソコンの電源を入れ、歯磨きやヒゲ剃りをしながら、登録しているブログのチェックをしているのですが、その中で気になった箴言(しんげん)があったので、改めて読み直しているところです。その箴言とは、『不平不満を述べる人が得るものは、得てして同情ではなくて軽蔑である』というものです。私自身は、早期退職以降に不平不満や愚痴らしい言葉を発した記憶はないのですが、今は、お店に訪れるお客様達の会話から、時々(やや抑えた表現)聞こえてきます。自分が言わなくなったら、かえって気になるのかもしれませんが、結局そういう箴言通りだと納得してしまいました。
 武田信玄の言葉にもこういうのがありましたね。『一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る』、まさに的を得た言葉だと思います。そもそも、一生懸命であれば、中途半端になる暇もないし、いい加減になる暇もありませんからね。何だか恥ずかしくなりますが、昔は自分を棚上げして不満や愚痴しか言ってなかったような気がしてきます。
 ところが今では、サラリーマン時代の完全週休二日制から、定休日は月曜日のみなっても、何ら不満はないですし、一人で全て切り盛りしているため、苦労する時や体力的にキツイ時もありますが、毎日が楽しくてしかたがありません。先日も、お客様から「マスターは楽しそうだもの。」って言われましたが、確かにその通りですからね。
 実は、そのお客様と偶然同席されていた方が話されたのは、「色々な自家焙煎珈琲店へ行くのですが、仲良くなったマスターが愚痴を言い出してガッカリした!」と真逆な内容でした。まさしく『不平不満を述べる人が得るものは、得てして同情ではなくて軽蔑である』を表しています。将来そうならないように気をつけなければと思ったのでした。
 箴言と信玄と掛けてみましたが分かりました?(しょーもな!)

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チラ見?!

 今日も朝から雨模様の天気でした。お昼ごろに少し雨が止んだものの、激しく降る時間帯が多く、地元の陶器祭りも盛り上がらない様子が、来店者との会話からも感じられます。こうした屋外でのイベント事は天候に左右されやすいので、運営される方は苦労が絶えなかったことと思います。

 お店の方は昨年のようなパンクしそうな状況にはならず、正直のところホッとしおり、いつものようにカウンターに座った方とお話をしたり、コーヒー豆を購入される方と雑談を楽しむことができました。雨にも関わらず来店いただいた方々に、楽しい時間を過ごさせていただき、いつもながら感謝するばかりです。(お客さんがこなければ会話もできないもんね。)

 そんな悪天候の日に来店された方の中で、カウンターに座ったお馴染みの方から「さっき買った本をです。」と、極一部で話題になっている本を出されました。

『BREW COFFEE TECHINIQUE ブリューコーヒーテクニック 各種の抽出器具と抽出法』(著者:旭屋出版編集部)です。「豆も、技術も、器具も。コーヒーの進化は日進月歩。現在入手できるさまざまな器具を用いて、高品質の豆を上手に抽出するためのプロの手法を詳細な連続写真とともに紹介する。」という商品説明どおりの本なんですが、松屋コーヒー本店とフレーバーコーヒーが紹介されている異色というか、珍しい本なんです。

 私自身も購入しようか迷ったのですが、価格に見合うか微妙だし、松屋の会長が書いた本でもないから注文しなかったところ、丁度現物をみることが出来たので、ちょっと拝借してチラ見をしたのです。チラ見程度なので特段特別な内容だとは思いませんでしたが、松屋コーヒー本店とフレーバーコーヒーが連続で紹介されたり、懐かしいアポロくん・ミニが「NEW STYLE ドリップ」の項目で紹介されるなど、ちょっと笑える内容もあります。なおかつ、フレーバーコーヒーの店舗写真が白過ぎるんじゃないのってくらい綺麗で、「開店当時の写真なの?」って思っちゃいました。

 そんなチラ見ができる程度の混み具合で、雨の日の日曜日も悪くないと思いながら一日が終わります。

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旅のしおり(草津温泉編)

 月末の31日(火)を臨時休業にし、定休日の月曜と合わせ、一泊二日で草津温泉へ旅行に行く計画です。台風の影響も心配されますが、久しぶりに温泉に入ってゆっくりしたいと思っています。

 そんな訳で、今回も「旅のしおり」を作成し、往復の道のりを把握し、めぼしい観光地の下調べをしました。もっとも、毎回のことながら、計画通りに進んだためしはなく、珍道中になること間違いないのですが。

 この「旅のしおり」ですが、作り始めたきっかけは娘の影響があったからです。友人との旅行の「旅のしおり」を作っていたのを見て、楽しそうだったので真似してみました。「いい大人が?」と思われるかもしれませんが、旅の具体的な工程をイメージするだけで楽しくなり、これだけで旅の楽しみが倍増します。あっと言う間に終わってしまう旅行も、出かける前から旅の気分を味わえるのですから、結構お得な一泊二日なのです。

 ところで、今日から二日間は、「下石どえらあええ陶器祭り」です。朝から雨模様ですが、お店の裏にある臨時駐車場は既に満車に近い状態なので、お祭りが賑わうと良いのですね。止めるに止められないようなお祭りでは寂しいですから、少しでも町が元気になってもらいたいものです。

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データを見てみる

 昨日、クッキー類が売り上げ全体に占める割合を調べたので、ついでに他の商品も集計し、過去2年のデータを見てみることにしました。円グラフすると、2年で大きく差が開いた項目は見当たりませんが、お店の売り上げが、何を中心に成り立っているかが良くわかります。

 開業に当たっては、将来、コーヒー豆の販売を中心にしたいと構想していましたが、現在は25%程度と収益の柱にはなっていません。ただ、開業年の18%から22%、そして今年は25%と徐々に増えており、じっくり腰を据えて取り組んでいこうと思っています。

 そもそも、生まれ育った下石町で開業することが目的の一つであるため、人口減少や地場産業の衰退という、事前に解っていた事業環境なのだから、むしろ期待以上にご利用いただいていると感じています。

 ところで、こんな個人店のデータを公表していいのか?って心配される方もあるかもしれませんが、何年か経過すれば過去の話になってしまうので、正直あまり気にしていません。むしろ、自家焙煎店の豆売りだけで経営されている方を尊敬しちゃいます。店舗の立地条件やネット販売の有無、カフェなどへの卸しなど、様々な形態によって異なるでしょうが、コーヒー豆が店の顔になるのは素晴らしい事です。

 データを見ながら考えるべきことは見えてきましたが、一人で切り盛りしているお店なので、焦らずコツコツと改善していくだけです。経営コンサルタント的な真面目な視点と、「楽しもう!」という気持ちを上手く噛み合わせながら。

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作ってて良かった!

 クッキーやビスコッティをコーヒーのお供に出すとともに、販売用にコーヒー豆の棚横に置いているのですが、全体の売り上げに対しては3~4%の割合で、決して大きなウエートを占めてはいません。けれど、時として日々の売り上げに大きく貢献することもあり、今日はそんな日でした。

 久しぶりの快晴で、「今日は気分がいいから、いつも以上に楽しくなるかな~。」と意気込んでみたものの、予想に反して雨の日よりも来店者は少なく、ちょっと残念な気持ちになります。普段から日々の売り上げには拘っておらず、「良い時もあれば、悪い時もあるもんだ。」と思ってはいるものの、「これは過去最低の売り上げ更新か?」と妙な期待感まで生まれる始末です。

 そんな日にも関わらず、来店者の多くが帰り際にクッキーやビスコッティを購入されます。時には、コーヒー豆を購入されるのかな?と来店された方を見ていると、沢山クッキーを選んでお買い求めになります。「ここはお菓子屋じゃないんだけど。」と思いながらも、自分が作った物を選んでいただけるので、悪い気は起きません。

 そんな一日が過ぎてみると、過去最低の売り上げどころか、いつもと大差ない売り上げになっていました。結果的にお菓子の売り上げが1/3を超える程になっており、「作ってて良かった!」という気分になったのでした。

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何気ない一日

 台風が通過した後も、雨の多い日が続いています。そんな天気の悪い日にも関わらず、コーヒー豆を買い求める方があり、感謝しながら毎日焙煎機に向かっています。

 今朝は、先日読んだ「珈琲の世界史」の後半を読み返しながら、巻末に記された参考文献の中の書籍を古本サイトで探してみるものの、欲しい本は在庫がありませんでした。とりあえず別の3冊を注文して、少しだけ深掘りしてみようと考えています。

 そんなことをしていると、午前中に来店客が続いてバタバタすることになり、読みかけた本をそのままにしていると、クッキーやブラウニーも売れ、ブラウニーを焼く準備を始めることになりました。来店があって嬉しい反面、読みたい本が落ち着いて読めないもどかしさがあります。

 お昼には、午前中に販売したコーヒー豆の補充のため、3種類の豆を焙煎しますが、豆が均等に売れれば良いのに、この日は同じ銘柄ばかりが売れ、ハンドピックしたばかりの豆を袋に詰めることになります。一度に沢山焙煎すれば良いものの、新鮮な豆が蒸らしで膨れる様子に喜ばれるお客様を裏切らないため、こまめな焙煎は止められません。

 午後は比較的静かな店内ですが、時折お馴染みの女性グループが何組か入れ替わり来店されます。夕方になり、「今日はこんなものか。」と片づけ始めると、初めて見かける若い男性がドアを開けました。丁度、自分のために淹れていたコーヒーを少し試飲用に出すと、「へ~。違うんだ。」と楽しそうに飲み比べ、お帰りの際にはコーヒー豆を購入いただきます。

 こんな感じで、何気ない一日が過ぎていきます。でも、この何気ない一日の時間が、自分には特別な時間だと感じるのです。そんな感覚を大切にしながら、明日も、生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす を実践していきます。

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珈琲の世界史

 台風の影響もあって、雨の日が続いています。そんなこともあって来客数も減り、読みたかった『珈琲の世界史』(著者:旦部幸博序章 講談社現代新書)を読む時間が持てます。※来客が減って喜んでるのは私くらいか? 春にコーヒーの歴史本を出すと聞いてから、待ち遠しい思いをしていましたが、意外と時の経つのは早いものだと実感しています。

 コーヒーに関する本を読むのは楽しいもので、友人知人のプライベートな部分を覗くような気分です。よくコーヒー豆を購入される方や、先日のコーヒー教室では、「コーヒーのことを知ることは、長く付き合う人のことを知るのと同じで、より仲良くなったり、親密な付き合いができるようになりますよ。」と言っていますが、この本の著者も似たようなことを書いています。歴史というと堅苦しいようですが、相手の生い立ちとして(少々長いですが)、好きなコーヒーのことを知っておくのもいいではないですか。

 今回は、全体の感想ではなく、各章ごとに感じたことを書き留めていきます。

コーヒーの基礎知識
 たった7ページに簡潔で分かりやすくまとめられ、これから読み進める期待が高まった。
1章 コーヒー前史
 ホモ・サピエンスまで遡った考察から始まるコーヒーの起源。アフリカ大陸の地図を広げながら、以前映像で見た、エチオピアの奥に残るコーヒーのマザーツリーを思い出した。アフリカ大陸は人類ともに、コーヒーの起源であることを改めて感じる。
2章 コーヒーはじまりの物語
 医学者らしい切り込みと、その時代背景を基に推理と証拠集めのような展開は、下手な刑事ドラマよりも面白い。最後に「実は。」と、意外な事実を突きつけられる定番の断崖絶壁は、アラビア海か紅海なのか。そして、海を越えてイエメンに渡り捜査は続くのです。・・・
3章 イスラーム世界からヨーロッパへ
 コーヒーがヨーロッパへ広がるのには四つのルートが存在し、それぞれのストーリーを展開しながら、しだいに複雑に織りなす人間模様。心を癒すはずのコーヒーが発端で人が死ぬことも。もう、これは事件だ!
4章 コーヒーハウスとカフェの時代
 コーヒーが多くの市民が集まる場所を作り、政治、経済、文学までも動かすも源となったイギリス。中産階級で華々しく飲まれたフランスは、その後に政変引き金の舞台へ。ヨーロッパ各地で、人々が集う場の中心にあったコーヒーは、歴史の流れを常に見続けていたんだと思いながら、複雑な歴史の糸を解くため、コーヒーをもう一杯淹れようか。コリコリコリ。
5章 コーヒーノキ、世界へはばたく
 盗難、略奪、詐取など、苦難の中を潜り抜けて中南米へ広まるティピカ。安息の地で長く留まるブルボン。いずれも、アラビカという種による悪戯なのか、人間という生き物に翻弄される運命に、ただ驚くばかり。
6章 コーヒーブームはナポレオンが生んだ?
 中津川市「ちこり村」のちこり珈琲を飲み、ナポレオンと違って「不味い!」とドリップでコーヒーを淹れ直した。美味しさを求める欲求が、コーヒーブームの基になるわけか。なるほど。
7章 19世紀の生産事情あれこれ
 主要コーヒー産地となった国々の足取りを辿りながら、カップに注いだコーヒーの香りから過去を想像するも、アラビカとロブスタのブレンドのような味しかしない。頭の中がさび病に侵されたか?
8章 黄金時代の終わり
 ヨーロッパからアメリカへ舞台が移り、生産国から貿易国へ力関係が移る。戦争という大きな渦の中で、金がすべてを支配し始める様子は今も続いているが、「ネスレ」「アメリカン」「コーヒーブレイク」と、近代史は知らないことばかりでワクワクする。
9章 コーヒーの日本史
 足元の日本のことなど知らないことだらけ、自分もコーヒーの世界に足を突っ込んだのに恥ずかしいばかり。「なるほど。」「そうなんだ。」と、頷く度に恥じるのでした。
10章 スペシャリティコーヒーをめぐって

 この辺になってくると近所のおじさん、おばさんの話題程度まで近づいてくる。スターバックスの貢献度は大きいのは理解できるが、あれだけ人気なのに私には美味しさが理解できない。

終章 コーヒー新世紀の到来

 今後いくつの波が来るのか、あるのか無いのかも想像できませんが、日本にいればコーヒーの新世紀が見られるかもしれません。ガラパゴス的存在だった日本だかこそ、今日のような多種多様な抽出方法で高品質のコーヒーが飲める環境は、そうめったにないのだから。ちなみに、私の携帯は未だにガラパゴスです。

 こんな良い本なかなかありません。頻繁にコーヒーブレイクを入れながら読ませてくれる歴史本なんて、サービス良すぎです。でも、コーヒー好きが読み始めたら、巷の珈琲屋さんはウンチク言えなくなって困るだろーな。と、余計な心配をしてしまうのでありました。

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うれしい絵手紙

 先日行った泉西公民館のコーヒー講座には、数人の知人が参加していましたが、その中の一人から絵手紙をいただきました。今まで自己流で淹れてたのが、時間や豆の量を守って美味しいコーヒーを飲んでいるそうで、嬉しい連絡でした。

 実はこの方、私が最初に絵手紙を教えてもらった人で、以後15年以上絵手紙を描き続けている訳ですから、貴重な出会いをしたことになります。そんな方が、またコーヒーを通じて再び出会うこととなり、コーヒーというものに感謝しなければなりません。お店で出会う方、お店の外で出会う方、日常の飲み物であるコーヒーなのに、特別な出会いが生まれる不思議な飲み物です。

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久しぶりのBE-PAL

 コンビニの本棚を覗いていたら、PRIMUSとBE-PALコラボのシリコン製ドリッパー付録が目に留まり、思わず雑誌を購入してしまいました。コーヒーに関わっていなかったら、手に取らない雑誌となってしまったBE-PALですが、1981年の創刊号から十数年間愛読していたのです。

 そんなBE-PALに登場する野田知佑に影響を受けて、「自分もカヌー犬とともに川下りを!」と一念発起するも、犬は早々諦め、折りたたみ式のファルトボードから、車の上に積むFRPカヤックになってしまったけれど、長良川や天竜川を川下りで遊んでいました。また、椎名誠にも触発され、夏には家族で県内のオートキャンプ場でテント生活や、冬にはスキーとアウトドアライフを満喫していたのです。

 そんな、増えていくキャンプ道具と車庫に吊るされたカヤックも、子供たちの成長とともに疎遠となり、いつしかBE-PALも読まなくなって現在に至るわけですが、シリコン製のコンパクト・コーヒードリッパーに釣られ、久しぶりに読むことになりました。では、せっかくなので、PRIMUSのガスをシングルバーナーにセットし、パーコレーターでお湯を沸かしてコーヒーを淹れ、ステンレスカップに注いで読んでみます。

 なんと!野田知佑の連載「のんびり行こうぜ」が続いています。この人79歳だよ。相変わらず何代目かのカヌー犬を乗せて川遊びしている。おじいちゃんだけどスゴイや!自分も分野は違うけど、そのくらいまでは珈琲屋で遊んでいたい。アウトドアとインドアじゃ遊び方は異なっても、何にでも興味を持って元気いっぱいでいたいものです。最近、ちょっとお疲れ気味だったので、エネルギーをもらった気分になりました。

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りんごのケーキ

 甘いリンゴのシナノスイートが手に入ったので、早速リンゴのケーキを作ります。色々なリンゴを使用していますが、個人的にはシナノスイートが一番相性が良いと思っており、できだけ手に入る時期には使用しています。

 このリンゴのケーキ、とてもシンプルで、パウンド生地にリンゴを刻んで入れて焼くだけ。ベーキングパウンダーも使わず、バターと砂糖を丁寧に泡立てるだけの物です。唯一特別なものと言えば、バニラビーンズを漬け込んでいるブランデーを、仕上にたっぷり塗ること。バニラの香りが浸み込んで、生地がカスタードのようになることぐらい。

 こんなケーキを作りながら、ケーキに合うコーヒーを想像し、コーヒー豆を焙煎しています。さてさて、マンデリンとエチオピアが棚からなくなりました。焙煎の準備を始めますか。

 

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全力で楽しむ

 今日は公民館講座当日です。お店へ8時に行って準備を開始し、搬入荷物の確認行ってから、試飲用コーヒーとウエルカムコーヒーの抽出を行います。お湯を沸かしている間に、前日食器乾燥機に入れたカップやソーサーを片付けますが、時間が気になって「普段よりもお湯が湧きにくくない?」って思ったり、緊張してか落ち着きません。

 そんな感じで9時に泉西公民館へ搬入しますが、店を引っ越すんじゃないかと思うような荷物の量で、12名分の資料と抽出道具を並べるだけで40分ほどかかってしまいました。そうこうしている間に参加者が集まりだします。年配の人は時間に余裕を持って集合されるので、こちらの方が焦っちゃいます。よく見ると、前回と違って知っている人が4人もいます。焦る気持ちも、これだけで少し安心するというものです。

 コーヒー教室では、抽出する技術を説明することはできても、参加者がたった数回の抽出で上達するはずもなく、あくまで抽出体験をした程度になってしまいます。それならば、いっそコーヒーの抽出を通して楽しんでもらおうというのが、講師を担当した私の役目だと考え、「こんなコーヒーもあったんだ。」、「こんなコーヒーを飲んだのよ。」、「へ~!そういうことなの。」って楽しんでもらえるような時間を設けることに専念しました。

 他ではきっとやらないような、10種類の豆を使用して試飲してもらったり、ナチュラルとウオッシュドの飲み比べ、パルプドナチュラルとウオッシュドの飲み比べ、軟水と硬水の飲み比べ、これだけでも詰め込みすぎる内容を2時間に消化させる無茶なものですが、私自身が全力で楽しんじゃおうという姿勢なので、やってしまいまいました。正直、参加者の反応を見ながら進めたのですが、言葉足らずを後から反省しながらも、「済んじゃったことは仕方がないじゃん!」と割り切った筈も、さぞかし戸惑われたんじゃなかろうかって思ってます。

 抽出方法は当然、「松屋式」なんですが、なかなか「やってみようか!」と思ってもらえる人は少ないかも?5段階に別けた抽出液の飲み比べをしてもらい、なぜ前半の濃い抽出液を希釈するのかは理解してもらえたと思いますが、やっぱり3分は長いのかな~?コーヒーを飲む楽しみは持っている人でも、コーヒーを抽出することを楽しむまで広がっていない気がします。

 そんな感じで終了しましたが、全力で楽しんだ分、めちゃくちゃ疲れました。でも良い疲れです。

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前回出来なかったこと

 明日は泉西公民館で珈琲講座を行う日です。内容は前回と大きく変えないつもりですが、前回出来なかったことが一つだけあり、時間短縮も考慮して事前に試してみることにしました。それは、水によって味覚が違ってくることです。具体的には、pHがほぼ同じ水であっても、水の硬度で酸味や苦味の感じ方が変わることを実感してもらうものです。

 科学的な理屈は抜きにして、「私は水にこだわっています!」という人の正体の一つとして、水の硬度が異なるものを試飲で確かめてもらいます。前回は抽出で使用する全ての水を沸かして準備しましたが、段取りが悪くて使用する時になって確認すると、あらっ!蒸発してる!という事態になり、残念ながら行うことが出来ませんでした。

 そこで、松屋式では濃い抽出液を希釈することを思い出し、一度淹れた濃い抽出液を三分割し、希釈するお湯の代わりに、常温の水道水、ボルヴィック、エビアンを加える方法を試してみました。コーヒー液が冷めてしまいますが、味覚の違いを検証するためなので、冷めた味気ないものになって仕方がありません。問題は使用する水の量が少なくなるため、明らかな違いとなって感じてもらえるかです。ちなみに、それぞれの水の硬度は、

■水道水:土岐市の水で硬度17mg/L(2013年6月土岐市広報掲載)

■ボルヴィック:フランス原産で硬度60mg/L

■エビアン:フランス原産で硬度304mg/L

となり、水道水とボルヴィックは軟水に区分され、エビアンは硬水に区分されます。

 懸念していたのが、希釈する水だけ異なるものを使用するため、水道水とボルヴィックに明らかな差を感じることができるかでした。しかし、実際に飲んでみると酸味は薄れ、苦みが少しですが強く感じられます。満足いく結果にホッとしました。

 さて、こんな事して遊んでばかりいられません。午前中に無くなったコロンビアの焙煎を始めますか。

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深煎りの魔女と

 某ブログで取り上げていた、『深煎りの魔女とカフェ・アルトの客人たち ロンドンに薫る珈琲の秘密』(天見ひつじ:著/宝島社:刊)が面白そうだったので、早速読んでみることにしました。ただし、その際には、深煎りのコーヒーを飲みながら、著者がリスペクトした「カフェ・ヘックス 魔女のいる喫茶店」を聴きながら読むのが好ましいということなので、ネットで探した音楽サイトで曲を流しながら読んでみることに。
 けれど、直ぐに問題発生。4分程度の楽曲では、いくらオムニバスストーリーであっても読みきれるものではなく、何度も繰り返し聴くことになりますが、いかんせん小説の内容としっくりきません。ひとつひとつの楽曲はそれなりに聴けるものであっても、小説を読みながらのBGMには適さないことが分かりました。どうも、楽曲のタイトルに無理やり小説の内容を合わせた感じがしてしまいます。
 そんな違和感は、最初の曲「配達少年とドリームマウンテンSHB」に合わせて、文中に、「豆は南米産のSHBを選択。」とありますが、中米ならともかく、南米で格付けにSHBを使う国ってどこなんだろう?って思ってしまいました。また、ペーパードリップなのに、「油分の浮いた漆黒の液体はいかにも苦そうで」も、マキネッタやパーコレーターと抽出道具を使い分けている関係で、無理やりペーパードリップにしたため、油分が浮くはずもないのに、そんな表現を使う羽目になっています。
 ただ、繰り返し「カフェ・ヘックス 魔女のいる喫茶店」を聴いていたので、愛着の湧く楽曲もできました。「酔いどれ元炭鉱夫とコーヒーエール」は唯一アイリッシュ系の曲で、とても心地よい曲です。通称ゴッツーと呼ばれるKou Ogata氏によるもので、一人で何種類もの楽器を演奏して編集する様子はYouTubeでも見られ、これからも聴いてみたいと思ったしだいです。トラックリストの最後の曲には、エンディングで店のドアに付けられたカウベルの音が聴こえ、客が店を出るのを想像させますが、最初の曲が入る際には、「チリン チリン」と二度鳴り、音色が異なっています。入店と退店を連想させるにしては不自然に感じます。
 肝心の小説から逸れてしまいましたが、内容の方はネットの紹介文を借りれば、「一見したところ学生を思わせる、チェックのスカートにダークブラウンのカーディガン。そしてシャツを引き締める赤いネクタイ、朱染めのエプロンに紅茶色の髪と瞳が、彼女を見る者の目を捉える。彼女の名はアルマ。イギリスはロンドンのブルームズベリーに店を構える『カフェ・アルト』のオーナーにしてマスターである彼女を、訪れる客たちは親しみを込めて『深煎りの魔女』と呼ぶ。並々ならぬこだわりで淹れられる彼女の珈琲に入れ込む客は数知れず、上品で気の利いた焼き菓子は紳士淑女を魅了してやまない。これは『カフェ・アルト』を訪れる客人たちの、ほのかに苦くてほろ甘いオムニバスストーリー。」といったところ。
 これまでカフェを舞台にした小説をいくつか読んできましたが、『珈琲店タレーランの事件簿』でがっかりされ続けていたので、久々に爽やかな気分にしてくれました。店主が魔女だといっても、気の利いたエッセンス程度に魔法がかけられており、とても後味がよいのです。また深く考えさせられる部分もあり、『酔いどれ元炭鉱夫と命の運び手』では、「わたしがなにかしても、しなくても、悲劇は起こる。わたしは運命を変えられるけれど、変えた先で新たな悲劇が起きることまでは止められない。ねえ、アルマ、わたしは誰を救って、誰を見捨てればいいの? 一つの運命を変えて、誰かを救ったことで起きる悲劇を、わたしはどうすればいいの?」と、「夢がいつか冷めるように。魔法はいつか解けるものなの」と魔法の限界を伝えているが、このとき私は、十数年前に経験した呪縛を思い出しながら、再び自問自答を繰り返してしまった。

 深入りのマンデリンを飲みながら、三角帽ではなくバンダナをはめ、お客様の話を聞くだけしかできない私は、夢がいつか冷めるように魔法はいつか解けても、少しだけ魔法が使えるようになりたいと思ってしまいます。一瞬でも心休まる空間のお店となるように。

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今夜は水道屋さん

 昼間はコーヒー生豆を焙煎し、お客様へコーヒーの提供を行う珈琲屋でしたが、今夜は水道屋さんに早変わりです。というのも、流し台の水道蛇口レバーが緩くなり、何度ネジを締め直しても直ぐだらしなく緩むため、妻から修理を頼まれていたのでした。

 昔ながらの蛇口のパッキン交換は慣れていますが、お湯と水の混合水栓が一般的となったシングルレバーとなると、どこをどうやって修理したら良いか分かりません。そこで、YouTubeで色々なタイプのシングルレバーを修理している動画を探し、自宅と同タイプに近い蛇口の修理する様子を確認します。「これなら業者に頼まなくても出来そう!」と妻に伝えて準備を進めることにしました。

 先ずは、流し台メーカーのホームぺージから、使用している蛇口のメーカーと型番を見つけ、交換が必要なシングルレバーカートリッジを探すことにしました。幾つか修理方法を分かりやすく解説したサイトがありましたが、既に販売期間が10年以上経過しているるタイプなので、代替品の選定に迷い自信が持てません。そこで、蛇口メーカーのホームページを検索してみますが、「旧製品についてはお問い合わせください。」とあり、結局、電話で照会することになりました。

 さて、これで交換部品が判明しました。後は工具と部品の注文をするのみです。ありがたいことにAmazonで全て購入することができ、翌日には自宅へ配達されます。購入費用は修理業者を頼むより大幅に節約できました。

 そんな訳で、今夜は水道屋さんになって、シングルレバーカードリッジの交換です。流し台の下の元栓を閉め、動画で確認したような段取りで修理を進めます。大丈夫だと分かっていはいるものの、実際に水漏れせず元に戻るかドキドキでしたが、無事に作業は終了し一安心です。

 今夜限りの水道屋さんでしたが、この調子なら他にも対応できそうです。どなたかご依頼があれば請負いますよ!って図に乗らないよう珈琲屋に専念しよっと。

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公民館講座の準備

 来週月曜日に行う予定になっている、泉西公民館でのコーヒー講座の準備を始めようと、資料の印刷と抽出練習に使用する豆の焙煎を行っています。前回と同じ方は参加しませんが、時間配分や抽出する回数を考えながら、多少の見直しをします。

 公民館講座といっても、基本的には「楽しむ」を最優先に考え、「教える」といった立場よりも参加者と一緒に楽しみたいと思っています。嗜好品であるコーヒーは飲む人によって好みが異なり、「こうあるべき」とか、「こうした方が美味しくなる」といった表現を使わないで、コーヒー豆によって「確かに味が異なる」ことを実感してもらいたいのです。

 コーヒーを生業にするする人には、それぞれの考え方で自分のコーヒーを主張するため、道具や抽出方法にこだわりを持っている訳で、その主張に対して共感を持つ人が顧客となって利用するのです。公民館講座では、お客様を対象にしていませんから、コーヒーへの客観的な情報は提供するものの、自分のこだわりは押し付けないつもりです。もっとも、こだわりらしいものは初めから持っていないのですがね。

 参加希望者は定員12名をオーバーしたため、定員を増やしてもらえないかと公民館から依頼されましたが、12名でも全員へ目が行き届かないので、申し訳ないですが抽選にしていただきました。そんな事もあって、えきるだけ多くの試飲をしてもらって、「へ~!」とか、「確かに!」と声を上げてもらえるような内容にしようと計画しています。

 その分、準備の方は大変になりますが、やりがいにつながりますから。

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秋刀魚の後に炭火焙煎

 妻が夕飯に七輪で秋刀魚を焼くというので、その残り火を利用して、コーヒー豆を炭火焙煎してみることにしました。とりあえず、三人分の秋刀魚を焼き終えて、夕食を食べ終えた後、7時過ぎに帰ってくる次女の秋刀魚を焼き終わってから始めます。

 用意したのはマンデリン50gです。銀杏煎りのサイズがちょうど七輪の口と同じ大きさで、なんとなく上手くできそうな感じがしましたが、火元からどれくらい離せば良いのか分からないので、最初は火元の炭から15cm程の間隔で行いました。

 2分経過後も、豆に熱が伝わる感じがしないので、10cm程に下げて振り続けると、7分経過後には黄色く色付いてきます。「よしよし!」、このままの状態で15分経過まで振り続けても、なかなかハゼ音が聞こえてきません。「もうそろそろ1ハゼが始まってもいいのに?」と思いながら火元を見ると、炭の火力が目に見えて落ちているのが分かりました。

 「お~い!」妻を呼んで団扇で七輪を扇いでもらいます。上で「シャカシャカ。」、下で「パタパタ」とおかしな共同作業が進むと、ハゼ音が出始めます。同時に煙の量も増えてきて、煎り止めのタイミングを計りますが、屋外での作業の為に暗くて豆の色の判別ができないし、「シャカシャカ・パタパタ」音でハゼ音が聞き取りにくく、香りと何となく見える豆の色を頼りに煎り止めしました。

 焙煎時間はトータルで約21分です。初めての割には煎りムラもなく、なかなかの出来栄えでした。明らかに炭火の効果があるとは言えませんが、煎りムラはガスコンロを使用した場合よりも少ないと思います。たった一度の事では判断できませんが、火力の調整が難しいことだけは実感したしだいです。

 ちなみに、コーヒーの味の方はというと、これが結構いけます。もともと豆が良いので当然なんですが、煎りたてでも充分美味しく飲むことができました。微かに炭火の香りが付いて、普段飲むマンデリンよりも香ばしさがあります。もちろん、秋刀魚の匂いは付いていませんよ!

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芸術の秋を楽しむ?

 日曜日のお祭りでは、慣れない御神輿を引きながら、小さな子供たちと町内を練り歩き、事故も無く無事に役目を終えることができました。片付け作業後には疲れがドッと出て、慰労会も食欲がでません。
 そんな疲れが少し抜けた今日は、祝日ということもあって妻と芸術の秋を楽しむ?というか、運転手というか?一緒に出かけることになりました。先ずは、瑞浪市地域交流センター「ときわ」に向かいます。ここでは、地元の画家や、グラフィックデザイナー、イラストレーターらによる展覧会、「第8回 トライ・アーツ・クラブ展」が、10月2日(月)から10月30日(月)まで行われており、お店に絵を飾っている中山尚子さんも参加していることから、毎年見に行っています。今年のテーマは、「みちのく」で、柳田国男の「遠野物語」や松尾芭蕉の「奥の細道」などを題材にした個性豊かな作品を楽しみました。
 その後に行く所は全て「国際陶磁器フェスティバル」に関わる施設で、フェスティバルの7館共通入場券に含まれており、先週に妻と次女が行っていない残りの施設に行きます。早い話、チケットを買わされたので全て廻ろうという訳です。

①瑞浪市陶磁資料館
 ここは、古代から現代に至る美濃焼の歴史を、時代を追って、歴史性・化学性・創造性の3つのテーマで紹介しています。屋外には、実際に年に数回焼成する登り窯や千本杵搗の大水車などが展示されています。今回は、瑞浪市出身の人間国宝、加藤孝造氏の作品を展示する、特別展『人間国宝 加藤孝造 陶・画の世界』がメインです。
②土岐市美濃陶磁歴史館
 「茶の湯」の歴史を紐解きながら、美濃桃山陶誕生に至るまでの茶陶生産に道のりをたどる、特別展『お茶と美濃焼』を見ますが、来るたびに他の施設と比べて貧弱さを感じてしまい、市内の別施設と合併したらどうかと思います。

③多治見市美濃焼ミュージアム
 初めて行く施設です。ここでは、企画展『荒川豊蔵「三つの喜び」展 -加藤孝造コレクションを中心に-』と題し、日本陶芸史の中でひと際光芒を放つ桃山陶が、瀬戸で焼かれたという定説を覆し、美濃桃山陶の存在を証明し、自ら桃山陶の再現・復興を果たした人間国宝「荒川豊蔵」がテーマです。生涯に三つの喜びがあったとして、昭和5年の美濃における志野古窯の発見、昭和35年の本阿弥光悦筆俵屋宗達画「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」の発見入手、そして昭和46年の文化勲章受章を作品とともに展示しています。でも、私には「三つの喜び」を共感するような展示には思えませんでした。
④多治見市モザイクタイルミュージアム
 今回、特別展『工場賛歌~釉薬編』となっていますが、2016年に実施された特別展「工場賛歌~原料編」を引き継いたもので、タイルの色彩、釉薬に注目する展覧会です。製造工程、素材、タイルならではの特徴などを、写真や古い道具、テストピースなどを用いて展示しています。お客様に釉薬の専門家もいるため、もし見ていたら感想を聞いてみたいものです。でも、ここの特徴は、やはり建物につきます。超個性的な外観であるデザインは、建築家の藤森照伸氏の手によるもので、これだけでも一度は見る価値ありです。

 7館全てを廻る理由には別の目的があり、スタンプラリーで記念品がもらえるからです。実は妻はこれが主目的で、どうやら芸術の秋を楽しむというのは口実だったかもしれません。もらった記念品は、地元下石町の窯元『カネコ小兵製陶所』の「ぎやまん」デザインのお茶碗です。妻は期待以上の品物に大喜びした。

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時には静まり返る一時も

 町内にある八剣神社のお祭りのため、神社の隣にある公民館に、町内各地に保管されている御神輿が勢揃いしました。そして、神主によるお祓いを受け、明日の本番に備えます。準備作業のために集まった各所の役員さん方が、ガヤガヤと談笑していた空気が、お祓いが始まると一瞬で静まり返り、全員の背筋が伸びたような雰囲気になります。こんな時間って時には必要だなって思いました。

 そんな事もあって、午後からお店を早く閉めたのですが、限られた時間にも関わらず、遠方からお見えになった方があり、ただただ感謝するばかりです。一人は私と同じようなメガネと頭皮をお持ちの方で、愛知県の稲沢市から来店されました。一見外見は似ているようですが、コーヒーに対するこだわりは私以上という情熱をお持ちのようです。ただ楽しみたいという大雑把な性格の私とは雲泥の差、一度も飲んだことがないというロブスタをご馳走して、一緒に遊ばせていただきました。

 もう一人は岐阜県の中津川市からのご来店です。中津川市や隣の恵那市にも有名な珈琲屋さんがあるにも関わらず、どういう訳か「ここへ来てみたかったんです。」と言われ、ただ驚くばかりです。そんな期待されるような珈琲屋じゃありませんから。本当に。

 そんな遠方からの嬉しいお客様の後には、お腹の大きかった奥さんが元気な男の子を出産したという、嬉しそうな旦那さんからの報告があったりと、今日は何だかテンションの上がることが重なりました。そうした後に御神輿の準備へ出かけたので、お祓いの時の緊張感や静まり返る一時も、平常心に戻してくれる良いきっかけになったのです。

 知人が久しぶりに会いに来てくれる場所であったり、知らない人が向こうから会いに来てくれる場所、お店っていいもんだと思います。

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美味しいいね!

 日々の出来事や感じたことなどをブログに記録していますが、誰かに見せたいとか「ウケ狙い」で書いているわけではなく、年老いて前に進めなくなった時、昔を懐かしく思って過去の記事を読むのが目的です。いわゆる老後の楽しみ。今は、昔話をする時期でもなく、もっとコーヒーの事を知り、様々な経験をするため前へ進みたいというのが正直な気持ちなんです。

 だいたい地方の小さな珈琲屋のブログなんかに興味を持つ人も少なく、せいぜい身内の一部が「何を考えてるんだか?」と覗く程度だと思い、気楽に書いている訳です。そんな程度なので、人の目を気にすることもなく、思うがままに書いており、巷で「いいね!」が増えたなんてことで盛り上がっているのを見ると、画面上の数字に踊らされてるんじゃないの?って、ちょっと滑稽に感じてしまいます。誰かに「いいね!」を押してもらうのではなく、自分が「よし!」って思える行動をすることが価値あることなのに。他人に認めてもらうより、自分の歩む道をしっかり自覚していれば、これ以上のことは望まなくても良いように思う。

 確かにビジネスの広報媒体として考えた場合、「いいね!」がたくさん着いてるサイトの方が信用を得られるのかもしれませんが、某グルメサイトの評価が作為的に作られたケースなど、最近のSNS(会員制交流サイト)で、投稿者の継続的な読者を示す「フォロワー」の数や、投稿内容への支持を表す「いいね!」と呼ばれるポイントなどを販売するサービスが、インターネット上で横行しているといったニュースも目にすると、ネットの評価は「どうなの?」って感じます。

 また、「いいね!」欲しさに危険な行為をしたり、悪ふざけが過ぎるといったニュースも多く取り上げられ、不愉快な気分にさせられることもあります。そんな「いいね!」とは無縁な状況にある私のブログでは、できるだけ小まめに記録して、老後の楽しみを増やそうと思っている訳です。そもそも、ブログにそんな機能をつけていないし、知らない人からの「いいね!」よりも、来店されたお客様からの「美味しいいね!」の方がどれだけ価値があることか!

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コーヒーとカリウム

 昨日来店されたお客様の中に腎臓疾患を患った方がおみえになり、「コーヒーに含まれるカリウムの量が気になる。」と話されていました。私の妻も以前に腎臓の病気になったことがあり、食事制限をするための知識を得るため、何冊かの本を取り寄せた経験があるので、改めて調べることにしました。

 滋賀医科大学 旦部幸博氏の「百珈苑BLOG」によれば、「カリウムは野菜や果物に多く含まれる必須ミネラルの一つであり、成人の一日必要量は1.5〜2.0gとされている。コーヒー一杯には100mg弱のカリウム(50%果汁のジュースとほぼ同程度)が含まれるが、その反面、カフェインによる利尿作用によってカリウムの排出も促される。健常者では腎臓が体内のカリウム濃度を制御しているため、大きな影響を考える必要はないが、一方、腎不全など重篤な腎機能障害によってはカリウムの一日摂取量の上限を定めている場合があり、この場合にはコーヒーの摂取量についても考慮が必要と指摘する専門家もいる。」 とあります。

 確かに私が取り寄せた腎臓病のためのレシピ本にも、腎臓機能が20~30%に低下すると血中にカリウムやリンがたまりやすくなり、カリウムやリンがたまると心臓機能障害や骨の弱化を招くので危険だとあります。ただ、カリウムもリンもたんぱく質の細胞中にかなり多く含まれるので、たんぱく質を制限すればある程度は抑えられるようです。

 実際、私の妻の場合も低たんぱくと減塩に気をつけたものですが、カリウムを特に意識していませんでした。それに、腎臓疾患といっても色々なケースがあり、病状によってカリウムの摂取量に違いがあるようです。購入した本を参考に例をあげると、

■急性腎炎の場合のカリウム摂取制限目安

・急性期:1日1000~1300mg  回復期:制限せず

■慢性腎炎の場合のカリウム摂取制限目安

腎機能が低下している場合は1日1000~1300mg

■腎不全の場合のカリウム摂取制限目安

血清カリウム5.5mEq/ℓ以上なら1日2g以下

■腎硬化症の場合のカリウム摂取制限目安

腎機能が低下している場合は1日1000~1300mg

高カリウム血症の場合以外は、摂取量を増やす

 というように、人工透析を受けているような場合を除き、コーヒーによるカリウム摂取量は気にすることはないように思います。むしろ、野菜に含まれるカリウム量が圧倒的に多いので、食事制限のレシピ本が出版されるくらいですから、そちらを意識したほうが良いと感じました。

 旦部氏も2010年5月に、NHK教育テレビ「極める」で「石井正則の珈琲学」がスタートした際、『健康との関係についての部分(少々、縁があったので)を眺めてみました。メインの部分は野田先生が担当されてるようで、内容的には安心して見れそうな感じです。ただ一点だけ。野田先生は「からだの医学」の頃から、カリウム摂取量についても注意してるけど、それはあそこまで強調する必要あるのかなぁ、というのが正直なところだったりする。』と発言されていたように、コーヒーのカリウムについては、過剰に反応する必要なないように思った。

 実際には、低たんぱくや減塩に注意した食事を摂取する事を重視すべきで、コーヒーとカリウムを意識しすぎるのはどうかと思うんですが。

 ちなみに、缶コーヒーやインスタントコーヒーの方が、レギュラーコーヒーよりもカリウム量が多いことを知り、ちょっと驚きでした。 

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事務作業やお菓子作り

 先週は焙煎に追われていましたが、今週は不足したクッキーを焼いたり、ガトーショコラやリンゴケーキを焼いてばかりいます。そして、その合間を利用して手話サークル関係の事務作業をこなします。

 土岐手話サークル竹の子では一応事務局を担当しており、先日行われた西尾さんの遺作展と偲ぶ会で撮影した、写真や動画を編集してDVDにし、遺族に贈ることになって私に役目が回ってきました。サークル内では人材不足で、素人程度の私であっても何等か役に立てる仕事があり嬉しいものです。そうした役目があることで、普段使用しないデータ変換ソフトの勉強したりして、多少なりともボケ防止になっているじゃないかと思っています。

 DVDの作成が終わった頃に、偲ぶ会の模様を原稿と写真を添えて、岐阜県聴覚障害者協会へ送ってほしいと依頼がありました。協会が発行する月刊誌「ろうあ岐阜」に掲載するんだとか。さらに、岐阜県手話サークル協議会の10周年イベントとして、手話サークル竹の子のPR用チラシの作成を依頼されました。色々と重なる時は重なるものです。

 そうした事務的な仕事はサラリーマン時代で慣れているので、正直他人が思うほど苦になりません。長時間かけてやることでもないので、サクサクと文書を作ってメール送信!ってな具合に片づけていると、「マスター。パソコンの事、分かる?」と、カウンターのお客様から声をかけられました。どうやら同窓会名簿を作るため、罫線を引きたいらしいのですが、よく分からないということでした。「それなら、・・・こんな感じで。」と説明してお帰りになられましたが、1時間程後に、「パソコン持ってきた。」といって再度ご来店です。

 それならばと、持参されたノートパソコンを使って、カウンターの上で「クリック、クリック、パチパチパチ。」と名簿用の台紙を作成してお返しします。簡単な作業なので時間はかかりませんが、「ここは何屋だ?」と一人自問自答するのでした。

 さて、今日もコーヒー豆を買っていただいたので、気持を切り替えて少なくなった豆を焙煎しますか!珈琲屋らしく!

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10月の予定

 今日も朝からロールケーキ作りとコーヒー豆の焙煎を行い、イベント後にもかかわらず、コーヒー豆を購入いただいた不足分を補充をしています。こうして毎日コーヒー豆を購入される方がいることが、本当に励みになり感謝するばかりです。

 10月は自分にとって色々な行事があります。忙しくなり充実した生活ができそうな反面、持病の腰痛が出てきそうで今から少し心配しています。

 まずは、10月8日(日)の町内にある八剣神社のお祭り。子供たちのお神輿を先導して練り歩くため、お店の方は臨時休業です。お神輿といえば肩に担いで「ワッショイ!」と声を上げるものですが、車輪の付いた台車に乗せて引っ張るお神輿なんです。その周りをベビーカーに乗った赤ちゃんもいたりして、なんだかゆったりしたお祭りです。なお、前日の土曜日には神輿の祈祷のために、公民館に飾る準備作業があるので、早めに閉店させていただきます。

 10月16日(月)は泉西公民館で珈琲講座を行います。今回は春と秋の2度行うことになっており、前回と少し内容を見直して準備します。色々な産地や品種、精製方法の違いがあることを知ってもらい、コーヒーの楽しみ方が増えることを期待しています。もちろん、参加者に経験してもらう抽出方法は松屋式です。

 10月28日(土)・29日(日)は「下石どえらぁええ陶器祭り」です。直接お祭りに参加しませんが、例年店内が予想以上に混むため、今から戦々恐々しています。コーヒー豆の販売量は通常の週末程度でも、一日中満席になり「ゆっくりコーヒーを楽しむ空間です。」って言えない状態にストレスが溜まります。

 来店されるお客様は、お祭りの見学に来た他地域の方より、意外にも地元の方が多いの不思議です。

 10月30日(月)・31日(火)は妻と年に一回の温泉旅行です。火曜日を臨時休業にして草津温泉へ行く計画でが、天候と腰痛が心配されるところです。

 さて、10月も素敵な出会いがあるよう心を込めて焙煎し、丁寧にコーヒーを淹れていきます。

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湯ったりしたい

 週末の繁忙もあってゆっくりしたいところでしたが、今日は母親とともに病院へ行く日です。朝から混み合っていたために、帰る時には11時を過ぎてしまいました。その後、買い物と郵便局へ行き、お店に戻って商品棚を埋めるべく焙煎を始めます。同時にクッキーも焼いて明日の営業に備えるのでした。
 ある程度目ぼしがついたところで切り上げて、久しぶりにテラスゲート土岐にある温泉施設「よりみち温泉」に行くことにしました。この温泉施設は、NEXCO中日本開発株式会社が運営し、@nifty温泉年間ランキング2016で岐阜県第1位 (全国総合BEST30入賞)に選ばれたようです。そんなこともあってか、月曜の午後3時にも関わらず駐車場はいっぱいで、館内も「何でこんな時間にいるの?」と思うほどの混雑ぶりです。湯ったり気分で疲れを取りたいところでしたが、芋洗い状態にかえって疲れが倍増した感じです。
 温泉に入った後は、隣にある地域連携施設「まちゆい」を覗きます。ここも、NEXCO中日本グループが運営する施設で、地域の特産品販売や情報発信の場として運営されていますが、温泉施設と打って変わって閑散とした館内は対照的でした。以前リニューアルしたこともあって、テナントとして入っていた店舗も異なるため、ぐるりと見渡した後にカフェスペースで一息いれます。ホテルのロビーのような落ちつた雰囲気の中、コーヒーをオーダーしました。
 注文したプレミアムコーヒーを飲みながら、店内に置かれた雑誌presidentを読んでいると、意外にも温泉施設より落ち着くではないですか。コーヒーカップとソーサーは地元下石町の窯元『カネコ小兵製陶所』の「ぎやまん」で、美濃焼の伝統である織部釉を現代風にアレンジした「利休グリーン」は、ガラスのような輝き放ち、深い緑が高級感を味あわせてくれます。さすが一杯700円(おつまみ無し)です。
 出かけた時間も関係するのでしょうが、お客さんの少なさは想像以上でした。「東濃地域の観光に、アウトレットでのお買い物の帰りに、身近な人へちょっと気の利いたプレゼントやお土産を探しに、もちろん普段使いにも。 土岐をぷらぷらする拠点として、ぜひまちゆいをご利用ください。」というのがキャッチフレーズなのに、これで土岐をぷらぷらする拠点になるんだろうかと思いながら施設を後にしたのでした。
 結局、充分に湯ったりすることもなく定休日は終わったのです。

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イベントを楽しむ

 「コーヒーの日」のイベントとして、9月30日と10月1日の2日間について、コーヒー豆の割引販売を実施しました。これで開業から3回目となりますが、年々コーヒー豆購入リピーターが増えているのに合わせ、2日間の利用者も33名と増加しました。(リピーター未登録者を除く)また、案内葉書が配達された20日から29日にも、割引前にも関わらず15名の方が来店され、一定期間に多くの方とコーヒーの話や試飲をしていただき、有意義なイベントにすることができたと思います。

 このような割引イベントであってもチラシを配布することもなく、ホームページでの周知とリピーター登録者への葉書送付のみという、きわめて限られた周知方法を取っています。それには理由があって、リピーター登録を行っていただいた方への特別感を僅かでも感じてもらうことと、お客様からクチコミでコーヒー愛好者へ広げてもらうためです。

 正直、リピーター登録する際に住所氏名の情報を頂いているわけですから、何らかの特別なサービスがあってしかるべきですが、お客様の満足度を満たすような施策があるわけでもないため、葉書を工夫したりする程度になってしまうのですが、せめて自分たちしか知らないお得な情報として感じてもらう必要がありました。「あなただけに。」という形をどのように提供するかは、今後も色々試行錯誤していくつもりです。

 今回、昨年のデータに基づいて焙煎量を予測して準備しましたが、結局、朝昼晩と焙煎を繰り返すことになり、10月1日の夕方には商品棚はスカスカになってしまいました。普段より商品選択の機会を多くしようと12種類を用意し、いつもと違うコーヒーを試してもらう狙いどおりにはなったものの、希望の商品がなくなってしまう事態もあって、焙煎量の調整は難しいものがあります。焙煎日を明記しているだけに、在庫を多く持つこともしたくないし、悩ましい現実です。

 ちなみに、30日のイベント初日の朝に来店された方は、「買うだけでいいですか?」といって店内に入られたため、「朝から調子いいではなか!」と思っていたところ、コーヒー豆ではなくてクッキー目当ての方でした。「この店のクッキーのファンなんです。」って言ってもらえて嬉しいのですが、何だか拍子抜けしてしまいました。

 そんなこともありながら、このイベントを楽しむことができ、お客様には感謝するばかりです。ありがたい。ありがたい。 

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