コーヒーとカリウム

 昨日来店されたお客様の中に腎臓疾患を患った方がおみえになり、「コーヒーに含まれるカリウムの量が気になる。」と話されていました。私の妻も以前に腎臓の病気になったことがあり、食事制限をするための知識を得るため、何冊かの本を取り寄せた経験があるので、改めて調べることにしました。

 滋賀医科大学 旦部幸博氏の「百珈苑BLOG」によれば、「カリウムは野菜や果物に多く含まれる必須ミネラルの一つであり、成人の一日必要量は1.5〜2.0gとされている。コーヒー一杯には100mg弱のカリウム(50%果汁のジュースとほぼ同程度)が含まれるが、その反面、カフェインによる利尿作用によってカリウムの排出も促される。健常者では腎臓が体内のカリウム濃度を制御しているため、大きな影響を考える必要はないが、一方、腎不全など重篤な腎機能障害によってはカリウムの一日摂取量の上限を定めている場合があり、この場合にはコーヒーの摂取量についても考慮が必要と指摘する専門家もいる。」 とあります。

 確かに私が取り寄せた腎臓病のためのレシピ本にも、腎臓機能が20~30%に低下すると血中にカリウムやリンがたまりやすくなり、カリウムやリンがたまると心臓機能障害や骨の弱化を招くので危険だとあります。ただ、カリウムもリンもたんぱく質の細胞中にかなり多く含まれるので、たんぱく質を制限すればある程度は抑えられるようです。

 実際、私の妻の場合も低たんぱくと減塩に気をつけたものですが、カリウムを特に意識していませんでした。それに、腎臓疾患といっても色々なケースがあり、病状によってカリウムの摂取量に違いがあるようです。購入した本を参考に例をあげると、

■急性腎炎の場合のカリウム摂取制限目安

・急性期:1日1000~1300mg  回復期:制限せず

■慢性腎炎の場合のカリウム摂取制限目安

腎機能が低下している場合は1日1000~1300mg

■腎不全の場合のカリウム摂取制限目安

血清カリウム5.5mEq/ℓ以上なら1日2g以下

■腎硬化症の場合のカリウム摂取制限目安

腎機能が低下している場合は1日1000~1300mg

高カリウム血症の場合以外は、摂取量を増やす

 というように、人工透析を受けているような場合を除き、コーヒーによるカリウム摂取量は気にすることはないように思います。むしろ、野菜に含まれるカリウム量が圧倒的に多いので、食事制限のレシピ本が出版されるくらいですから、そちらを意識したほうが良いと感じました。

 旦部氏も2010年5月に、NHK教育テレビ「極める」で「石井正則の珈琲学」がスタートした際、『健康との関係についての部分(少々、縁があったので)を眺めてみました。メインの部分は野田先生が担当されてるようで、内容的には安心して見れそうな感じです。ただ一点だけ。野田先生は「からだの医学」の頃から、カリウム摂取量についても注意してるけど、それはあそこまで強調する必要あるのかなぁ、というのが正直なところだったりする。』と発言されていたように、コーヒーのカリウムについては、過剰に反応する必要なないように思った。

 実際には、低たんぱくや減塩に注意した食事を摂取する事を重視すべきで、コーヒーとカリウムを意識しすぎるのはどうかと思うんですが。

 ちなみに、缶コーヒーやインスタントコーヒーの方が、レギュラーコーヒーよりもカリウム量が多いことを知り、ちょっと驚きでした。