■2023年8月 ブログ

ハイブリッド焙煎?

久しぶりに炭火焙煎をしてみました。それは新たな実験の為。(?)新たなハイブリッド焙煎が生まれるか?を検証する為です。簡単に説明すると、カネフォラ種(ロブスタ)のコーヒーノキで作られた炭で、アラビカ種のコーヒー豆を焙煎すると、何かの化学変化によって香味に変化が生まれるかという検証です。

 速攻で、「そんわけないだろ!」とツッコまれることを承知で、先ずは、2008年にスタートしたアウトドアブランド「ハイランダー」が発売している「珈琲木炭」に火を起こします。この炭は、「コーヒーの木から生まれた火持ちのよい木炭」として、ベトナムのコーヒー豆を採取しおえた古木を原料として作られた炭です。

役目を終え廃棄される運命にあるコーヒーノキの木々ですが、廃材となる量は半端ではないようです。意外と知られていませんが、ベトナムはコーヒー生産量世界2位の国であり、そのほとんどがカネフォラ種(ロブスタ)ですから、今回のような検証に打ってつけという訳です。(コーヒーノキは20年経つと伐採廃棄されるようです)

 以前も炭火で焙煎をしましたが、その時と同様にコーヒーの香りに炭の香りが付着します。いかにも炭火で焙煎した香りなのですが、使用したコーヒー豆がグアテマラ産のティピカということもあって中煎りにしたため、炭の香りに負けてしまった感じがします。

 肝心な特別な香味が生まれるかと問われれば、何も特別感はなく普通と言えば普通でした。でも、こうした事ってのは実際にやってみないと分からない事なので、その点においては「普通の炭火焙煎と変わらない」ということが分ったという事になります。まあ、夏休み最後の実験と考えればよろしいかと思いますが。子供の頃にやってたら、楽に宿題が出来たのにな~。 

 ちなみに、アウトドアブランド「ハイランダー」では、コーヒーノキの炭の売上の一部を202011月設立された日本語学校の運営に役立てているとのことです。

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ぶらり自家焙煎店(八百津)

レジカウンターの下に入れ、「いつでも読めるわ。」と思いながら置いたままになっていた『ハヤブサ消防団』(著:池井戸 潤)でしたが、先週になって一気に読み終えました。東濃弁やローカル色の強い食べ物、イベント行事や地名(微妙に変えてある)といった内容に馴染みがあり、心地よく読み進めることができました。

そんな「ハヤブサ消防団」の舞台となっている八百万町ならぬ八百津町に愛着を抱き、再び訪問してみようと、母親と一緒に掛かり付け医に行った後、八百津町へ車を走らせました。もっとも、小説やテレビドラマ(見てない)に関連する場所には興味は無く、向かった先は、八百津町内にある自家焙煎の店なのです。事前に調べてみると、数件の自家焙煎店があるようなのです。

 最初に向かったのは、創業57年という『喫茶 五宝』(八百津3769-6)さんです。コーヒー好きだったご主人がサラリーマンを10年程やったあとに、夢だった自家焙煎の喫茶店を始められたとのこと。ご夫婦で営まれていたようですが、ご主人が亡くなり、今では奥様一人で切り盛りされているそうです。ただ、奥様も4年前に病に倒れられたこともあり、そろそろ店を閉めようか検討中だといいます。ご主人が亡くなられてからは焙煎を息子さんが行っているものの、サラリーマンを辞めてまで続けるほど儲からないので、しかだがないと話されました。

 しばらくすると、「残された期間を精一杯やるだけです。」、そう言いながら、注文した「コーヒー三昧」をテーブルに置いてもらいます。これは、デミタスカップに注がれた焙煎度の異なるブレンド、マイルド、ミディアム、ソフトの三種類を楽しめるコーヒーです。私がそのコーヒー飲んでいる間にも数人のお客様が来店され、「美味しいわ。」といってコーヒーを飲まれている姿を見ながら、50年以上に渡って町の方々へコーヒーを提供されてきた店も無くなる日が来るんだと、感慨深くなった次第です。

 次に、「喫茶 五宝」から1kg程離れた場所の「みの食製菓」(八百津8347)さんの直売所横にある『喫茶こよみ』さんへ向かいました。インスタグラムで「八百津の隠れた珈琲屋さん」とあるように、住所は非公開で探さないとたどり着けないお店です。主にオーガニックとフェアトレードの豆を扱っているとのことでしたが、残念ながらこの日は店休日でした。

 八百津町には「ハヤブサ消防団」のハヤブサ地区のモデルと思われる、久田見という標高の高い場所があるのですが、そこにも自家焙煎の店が検索に出てきました。ところが、どうやら4年ほど前に閉店されたもようです。サイフォンでコーヒーを淹れる店だったそうですが、なにせ何もない場所ですから。ちなみに、その近くには「ハヤブサ消防団」の居酒屋で登場した「アブラゲ」を作っているのが、久田見あげの「丸登豆腐店」があります。 

 小説やドラマで一時的に話題になってはいるものの、ご多分に漏れず過疎化の進む町です。そんな町にも、美味しいコーヒーが飲める場所が残り続けることを願いながら、八百津町を後にしました。

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トイレの注意書き

昨日、『美乃坂本』駅へ行った際、駅前にある公衆トイレを利用したのですが、そこにユニークな貼り紙があったので記録しておきます。男性用トイレを利用すると、時々便器の前に注意書きやマナーの貼り紙があります。「いつもキレイに使って頂きありがとうございます。」とか、「一歩前へ タレ防止にご協力を。」などです。今回は9つのメッセージ書かれており、思わず用を足す間に読んでしまいました。

■彼女の家でも、おなじようにトイレを使いますか?

■無人島より、ひとりになれる。※ただしキレイなトイレにかぎる

■そうじのおばさんに迷惑をかけることは、だれかのお母さんに迷惑をかけること。

■初デート中のトイレが汚れていたら、思い出もちょっと汚れる。

■シャワートイレより、クリーントイレで外国人を感動させよう。

■いつもキレイに使っていただきありがとうございます。

 トイレ清掃員(61歳)

■トイレは借りるもの。借りたものを汚して返したら嫌われる。

■快便は、快適な場所から生まれる。

■たった一度のつきあいを、たいせつにしたい。「一期一会」

 中々ユニークなメッセージで、どんな人が考えたのか気になるところです。しかし、こうしたトイレ使用に関する注意書きやマナーの貼り紙は、当然のごとく男性用トイレのものしか見たことが無く、女性用にもあるのか気になって調べてみると、同じパターンの様式で女性版が存在しました。それが次の内容です。

■彼氏の家でも、おなじようにトイレを使いますか?

■女子は、男子の2倍以上紙を使う。

■だれも見てなくても、トイレの神様は見てるかも。

■汚れたトイレでは、泣きたいときに泣けない。

■使いすぎた紙は水に流せても、罪の意識は水に流せない。

■便座に冷たくされたかたいって、便器に冷たくあたってはいけない。

■おしりの汚れは気にする。トイレの汚れは気にしない。

■トイレはみんなの部屋だから。便座はみんなのイスだから。

■キレイなトイレは、無料でプレゼントできる。

 これは、女性を意識した内容で面白い!でも、こうしたメッセージって利用する人に届いているんでしょうかね?そもそも、そんな説教くさいこと言われなくともよい事なんですが。そんなふうにも思ってしまいます。

「マナーとは人と人との関わりで当然その場面でしかるべきとされる行儀・作法のことであり、自分一人のとき、他に見ている人が誰も居ない場合でもそれを守ることが望ましい価値観」とあります。そうであれば、多様な価値観を何でもかんでも認めようとするご時世では、逆に反感を買うケースも出てきそうです。 

最後に、トイレのTOTOが募集した第18回(2022年度)トイレ川柳入賞作品をご紹介。『子の後の 綺麗なトイレ 知る成長』

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『美乃坂本』駅へ

二十数年ぶりに、『美乃坂本』駅へ行ってきました。サラリーマン時代に転勤で4年半程中津川へ通勤した際の最寄駅です。あの頃は駅員もいたのですが、今では中津川駅が管理する業務委託駅となり、日中は有人の時間帯もあるものの、早朝・夜間や昼の時間帯は無人駅となる寂しい駅になってしまいました。

 土岐市駅から当時30分で『美乃坂本』駅に着くのですが、早朝は寝過ごして中津川まで行ってしまったり、仕事帰りに先輩に駅前の居酒屋へ誘われ、気持ちよくなって多治見駅まで寝過ごす経験を何度もした思い出深い駅です。

 その『美乃坂本』駅が、2027年開業予定(確実に遅れるもよう)の『品川』~『名古屋』間リニア中央新幹線の岐阜県駅(仮称)になるというので、工事の様子を見てみようと久しぶりに足を運んだという訳です。駅前は以前と比べても寂れてしまい空き地が目立ちます。コンビニも無く、見渡す限り山と畑と昔ながらの“古き良き山里の風景”が残された静かな町といった光景です。

 そんな『美乃坂本』駅の北側には、山を切り開き、大規模な工事が進んでいる様子が分かります。リニア中央新幹線活用戦略研究会基盤整備部会が平成27年に発表した『リニア岐阜県駅周辺整備基本計画』では、現在の美乃坂本駅の北側に広大な駅前広場を設け、その先にリニア中央新幹線の(仮称)岐阜県駅が開業する予定となっており、完成予想の絵を見ると別世界の都会的な光景になっています。本当か?と思わず声が出てしまいますが、果たして計画通りにいくのでしょうか?

 駅へ向かう途中の道は何ヵ所も工事が行われており、国道19号線や中央自動車道へのアクセスを考慮した拡張工事が目立ちます。また、岐阜県の郡上地域から下呂地域を経由し、 東濃地域へ至る約80kmの地域高規格道路となる濃飛横断自動車道の整備も行われており、“古き良き山里の風景”はいずれ無くなってしまうんでしょうね。 

 そんな思い出の『美乃坂本』駅を訪ねた記録です。

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ぶらり自家焙煎店(中津川)

以前、コーヒー豆を購入していただいたお客様が、「中津川市に住んでいるんだけど、コーヒー豆を販売している店が少ないんです。」と言われたことがありました。最近になって検索してみると、意外やコーヒー豆を販売している自家焙煎店が多く出てきます。そこで、久しぶりに中津川市へ車を走らせ、新しいお店を巡ってみようと出かけてきました。(月曜定休を除く)

 最初に向かった先は、2021年にオープンした①『RIVERBED COFFEE BREWER&ROASTERY』(中津川市淀川町2-25)です。土蔵を改装して作られたコーヒーロースターで、入り口の引き戸を開けると右に大きなギーセンの6kg焙煎機が見えます。そして、左側のカウンターで注文と会計を済ませ店内の席に座るスタイルです。

 エスプレッソはブラジルのみ、ハンドドリップとエアロプレスは数種類の豆の中から選ぶシステムなので、ハンドドリップでボリビアを選択します。しばらくすると、コーヒーが黒いセラミックの湯飲みのような器で運ばれ、コーヒーの説明の書かれたカードが添えられています。JAVA種でレッドハニーなんだけど、プロセスはウオッシュドと書かれています。「へ~、そうなんだ。」と思いながらフルーティーなコーヒーを楽しみました。

 お店の横には「住友化成燐安加里肥料」と書かれた看板が残り、道路を挟んだ前には大きな蔵が幾つも並んでいる光景が見られます。店主の話では、店の前の肥料の店が大家さんだそうです。中津川市といえば戦時中に航空機部品を作っていた歴史があることは知っていましたが、住友化成により肥料が作られていたとは知りませんでした。

 次に向かったのは2019年にオープンした②『喫茶 jin 』(中津川市中津川2961-1)です。店内の入口ドア付近にあったPOPに、美味しそうな桃のパフェが出ていたので、思わず注文してしまいました。そして、コーヒーはjinブレンド、エチオピア(浅煎)、グアテマラ(中煎)、マンデリン(深煎)の中からjinブレンドを選びます。甘い桃とアイスを口いっぱいに入れて大満足。この店では富士珈機の1kg焙煎機を使用していました。

 店に入る前に駐車場に車を停めた際、目の前の民家に「ももちゃんの魚屋→」という看板が目に入ったので、「魚屋さんがあるんですか?」と尋ねると、「その民家とjinの間に小さな魚屋さんがあるんです。寄ってみてください。」と言われたので、帰る前に覗いてみると、確かに小さな小屋の前には「ももちゃんの魚屋」と書かれた看板がありました。店内に入ると、先ほどの店から若い女性が入ってきて「いらっしゃいませ!」と声をかけてくれます。説明によれば、隣の民家が実家で中津川の市場で魚の卸売りをしており、娘さんの「ももちゃん」が冷凍、冷蔵物の商品をjinを手伝いながら販売しているとのこと。そして、jinの店主は伯母さんにあたるんだとか。

 続いて向かったのは、国道19号線を恵那方面に戻る途中を右へ折れた場所に、2015年オープンの③『ハミングバード』(中津川市茄子川1978-11)です。可愛らしい外観の店のドアを開けると、正面に8種類のコーヒー豆が陳列されています。メニューを見ながらケニアとショコラテリーヌを注文しました。このショコラテリーヌが滅茶苦茶美味しい!

 帰り際に、レジの前に置かれたチラシを見ると、シンガソングライター「樽木栄一郎」のソロライブが10月8日に店内で行われるとのこと、「喫茶店でコーヒーを飲みように、本を読むように、耳を傾ける。小さなハコで聴く そんな演奏会。」と書かれた言葉が気に入りました。

 最後に、2016年オープンの④『豆工房 珈舎(KAYA)』(中津川市茄子川466-44)を訪れます。暑い日々が続くのでアイスコーヒーを飲もうと店内に入ると、「すいません。今は豆売りだけなんです。」とのこと。富士珈機の1kg焙煎機で焙煎中の様子を横目に店を後にしたしだいです。 

 「中津川市でコーヒー豆を販売するところが少ない。」といったお客さん、結構、沢山のお店でコーヒー豆が買えますよ!

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外来種の白ユリ

土岐市は周囲を山で囲まれた盆地のため、多治見市との境は神明峠、御嵩町との境は月次峠、瑞浪市との境は堀越峠といったように、峠道が各所にあります。そんな市街地を離れて山道を車で走らせていると、いつの頃か、夏場に白いユリの花を見かけることが多くなりました。随分前から気付いてはいたものの、「また、外来種の花でも咲いているんだろうな。」といった程度で特に関心も無く、車窓の一景色として通り過ぎていたものです。

 ところが最近、あるお客様と出会ってから気になりはじめ、今回、車を停めて道路脇に咲いている白いユリの花をじっくり見てみたのです。スマホアプリのGoogle レンズで検索してみると、「タカサゴユリ」という台湾原産のユリが検索結果にでてきました。日本に咲く白いユリの「テッポウユリ」とよく似ていますが、開花時期が「テッポウユリ」は5~6月で、「タカサゴユリ」は7~8月の盛夏に咲くようです。

鼻を近づけてもユリ特有の香りはなく、花の外側に赤いラインが入り、茎には細い葉を密につけています。そのため「ホソバテッポウユリ」と呼ばれることもあるそうです。この「タカサゴユリ」は1924年に庭植え用や切り花用として日本に持ち込まれましたが、今では西日本を中心に野生化しており、その強い繁殖力で、近年では、関東や東北の一部でもみかけるようになっているといいます。

 なぜ外来種の花に興味が湧いたのかというと、先月、まめ蔵に来店されたお客様が外来種のアリを研究している方だったからです。その際、ご夫婦で来店されたのですが、奥様は普段一人で来店され、コーヒーとケーキを楽しんだ後にコーヒー豆を購入されていました。けれど、今回は初めてご夫婦で来店されたものの、それぞれ別の車でお越しになったのです。不思議に思って声を掛けると、先ほどのように外来種のアリを筑波学園都市で研究されており、「ここへ来るまでに既にアリを捕獲してきました。これから美濃加茂市でもアリを捕獲しようと思っています。」とのこと、まめ蔵はご夫婦の合流地点だったのでした。

 外来種のアリといえばヒアリが話題になりましたが、その他にもアルゼンチンアリ、アカカミアリなど多くの外来種がいるようです。そんなアリを採取するというご主人を見て、「まるで朝ドラの植物学者・槙野万太郎みたいですね。」というと、奥さんが「そうなんです。それの昆虫版です。」と笑顔で答えてくれました。ご主人の風貌もどことなく槙野万太郎を演じる神木隆之介に似ているので、とても印象に残っています。

 そんな訳で外来種の白いユリに興味を持ったのですが、その外来種によって日本の原種ユリはどれも減少傾向にあるといいます。自生地が減ってきている理由は、環境破壊が進んだためや、ユリ根を食用として乱獲したため、さらには、日本の原種ユリがどれも連作を嫌いウイルス病に弱いためだといいます。一方で外来種の「タカサゴユリ」はとても生命力の強いユリのため、日本の原種ユリの自生地を奪ってしまったり、自然交雑が進んだ結果、原種ユリが消失してしまう恐れがあることが分りました。

国立環境研究所の侵入生物データベースを見ると、「繁殖力が旺盛なことから、生態ニッチェが重なる在来種との競合が懸念される。また近縁な在来種と交雑するリスクも想定される。キュウリモザイクウイルス(CMV-Li)、チューリップモザイクウイルス(TBV-L)およびLily virus Xなどの植物病害ウイルスの宿主であることが報告されており、これらのウイルスを在来植物種に媒介するリスクが想定される。」といった影響が懸念されていました。 

普段、何げなく眺めている白いユリでしたが、やっかいな存在であることを知る機会を得ることが出来ました。そんなお客様に感謝!感謝!出会いは楽しい!

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生しるこサンド

5月の中旬頃、松永製菓株式会社(愛知県小牧市)から3月20日に発売された「しるこサンドバター」という、国産バター7.1%使用と書かれたバター風味のしるこサンドをお客様から頂きました。その際、ブログに『「しるこサンド」には「生しるこサンド」という生地が半生の商品もあるのですが、未だに食べたことがないので、今度は「生しるこサンド」をコーヒーと一緒に食べてみようと思います。』と書いたのを見たお客様があり、今回、その方のご協力もあって、「生しるこサンド」を食べることができました。

食べた商品は、北海道産かのこ豆をクリームの上にのせ、しっとりとしたビスケットで挟んだ「生しるこサンドつぶあん」と、北海道産あずきを使用した口溶けなめらかなクリームをしっとりとしたビスケットで挟んだ、「生しるこサンドこしあん」です。どちらもビスケットがしっとりしており、普通のしるこサンドと違って「生~!」って感じる柔らかさ。個人的には、噛んだ時に小豆を感じられる「つぶあん」の方が好みです。

 毎回ながら、カウンターの中に居ながら思いがけない物を食べることができ、感謝!感謝!であります。考えてみれば、コーヒーだって世界中から輸入されている豆を味わうことができるのですから、全くもって有難い世の中なのですよ。当たり前になり過ぎて、有難味を忘れてしまいそうになりますが、決して忘れないようにしなければ。 

 ちなみに、生しるこサンドと一緒に飲んだコーヒーはケニア・マサイAAでした。

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WHITE TEA

妻が「同僚からお土産で高価な紅茶をもらった。」といって、スリランカの「WHITE TEA」なるものを見せてくれました。確かに白い袋に入っおり、中身は一般的な茶葉と異なり、一つの茶葉が大きく、そして白っぽいではないか!

紅茶や緑茶等は、全て茶の木(学名カメリア·シネンシス)という同じ植物の葉から作られており、加工方法と酸化発酵度が異なることで性質が決まる(緑茶は無発酵、鳥龍茶は半発酵など)ことは知られているところです。ところが調べてみると、このホワイトティーはほとんど発酵をさせずに作られるそうなのです。

春先の短い期間に、芽吹く直前の若い新芽を細心の注意を払って手摘みしますが、この際、長くとがった茶葉は軽く白い産毛に覆われており、これがホワイトティーの名前の由来となっているとか。(白い袋に入っているからではなかった)

そして、収穫後の加工は最小限で行われ、最初は萎凋(いちょう)といって、屋外や温度調整された室内で茶葉を萎れさせます。その後、茶葉を保存するために天日干や日陰で干して乾燥させるといった単純な工程のみです。多少乾燥途中に発酵されますが、それでも、紅茶や緑茶と比べれば少ないのです。(緑茶は無発酵です)

こうして作られた茶葉は、スリランカではシルバーチップやゴールデンチップと呼ばれ、希少価値の高い高級茶葉として販売されています。聞くところによると、アラブの上流階級などでは不老長寿や滋養強壮などの薬効が期待され珍重されているそうです。 

ホワイトティーを淹れるには、お湯の温度は7080°で5分以上ゆっくり蒸らしてからティーカップに注ぐと良いとのこと。さっそく淹れてカップに注ぐと、当たり前ですが白く濁っておらず、やや黄色がかった透明な液体です。口に含むと優しい香りが広がり、渋みを全く感じません。紅茶というよりも、ハーブティーと言った方が分かりやすいかも。なかなか貴重な経験をさせてもらいました。

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手話カフェ

岐阜市には、今から41年前(1982年)に旗揚げした「岐阜ろう劇団いぶき」があります。この時期は、日本各地でろう劇団が旗揚げされる草創期でもあり、岐阜県と滋賀県の境にそびえる伊吹山と、新しい息吹になぞらえて「いぶき」と名が付けられたそうです。

そんな「岐阜ろう劇団いぶき」の代表である河合依子さんが、岐阜市神田町3-3 加藤石原ビル二階にある「喫茶 星時」に出向いたのは、ここで演劇の公演があると聞いたからです。それ以来、度々この店に足を運んでいました。

店主の樋口尚敬さんは、築60年近く経過した雑居ビルをリノベーションしたアトリエビル「カンダマチノート」を気に入り、6年前、二階にカフェを開いており、店内の小さな黒板には、演劇やヨガ、写真など幅広いジャンルのイベント書き込まれています。そして、その横の本棚には文化芸術に関する本が沢山あり、なんだか文化を楽しむ秘密基地のような感じです。

そうした店の雰囲気に河合さんが気に入り、店主に「手話カフェ」の話を持ちかけたそうです。そして、今年3月から第二日曜日の18002100に始まりました。「手話カフェ」の時間帯は、キッチンには樋口さんが立ち、注文を取ったり、飲み物を運んだりするホールスタッフをするのは河合さんのほか、劇団仲間の奥田しのぶさんや土田靖代さんが行っているそうです。そして、2030からは手話講座が行われ、絵本の読み聞かせなどを披露するんだとか。

先日開催された「手話カフェ」には、なんと45名もの参加者があり、座席数17席では足らず、折りたたみ椅子を準備して対応されたようで、今後の運営の在り方を模索されている様子です。最近の手話ブーム的なものもあるかもしれませんが、中心となって活動されている河合さんや奥田さんらの人柄によるところが大きいと思われます。 

 そんな「岐阜ろう劇団いぶき」の公演が930日(土)14:00より、土岐市から近い可児市文化創造センターで行われます。演目は「市民鑑賞会 手話狂言の魅力を知ろう」です。久しぶりに見てみたいのですが、9月には臨時休業日を一杯入れたので、今回は諦めるとしますか。

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八百万せんべいを食べながら

先週の土曜日は妻の実家で法事があり、店を臨時休業にして家族で出席してきました。お寺での法要のあと宴席となりましたが、その席での会話の中に、「ハヤブサ消防団」という言葉が出てきます。「確か、テレビドラマがやってるんじゃないかな?」くらいにしか認識していませんでしたが、どうやら、地元である加茂郡八百津町の出身、池井戸潤氏原作のドラマで、その作品の舞台が八百津町らしいというのです。

 「池井戸潤の出身は八百津町久田見の出身やで!」、「八百津町が舞台なのに八百万(ヤオロズ)町になってるし、ロケ地が群馬原高岡市だって!納得いかん!」等々、話題が尽きません。八百津町に住む方や、八百津町役場で働く人、地元の消防団で活躍する人など、宴席の出席者は「ハヤブサ消防団」に関心のある方々の中、私は原作本も読んでおらず、ましてテレビドラマも見ていませんから、話題に入ることが出来ませんでした。

 そんな訳で、後日、原作本の「ハヤブサ消防団」を購入したしだいです。せっかくなら、「八百津町といえば八百津せんべい」ということで、八百津せんべいを食べながら本を読もう思い、八百津郵便局の近くにある八百津せんべい組合直売所「せんべい会館」(会館と呼ぶには小さな店)へ向かいます。

 ずらっと並んだ商品の中で、妻の好きな「栗せん」を選んで他を物色していると、店員さんから「ハヤブサ消防団に因んだ八百万せんべいの詰め合わせがありますよ。」と勧められます。「ハヤブサプロジェクトのロゴが入ったせんべいや、振るとハヤブサの羽音に聞こえるものまで。」さらには、「今朝、4箱入荷したんですが、もう残り1箱になりました。」と畳み掛けられます。それならばと、その1箱を購入しました。

 「ハヤブサプロジェクト」というのは、「ハヤブサ消防団」に因んだ、八百津町の町おこし事業だそうです。これから様々なイベントを行って集客強化を図るそうですが、当面は、プロジェクトのロゴマークを活用した商品開発など、行政と町民が一体となった町おこしに取り組んでいくそうです。ちなみに、ロゴマークのデザインは、池井戸潤氏の小説の装丁を数多く手掛ける、岩瀬聡氏に依頼したようです。

 せっかく「ハヤブサ消防団」に因んだせんべいを購入したので、店員さんに「他に関連商品はないですか?たとえばハヤブサ饅頭とか?」と尋ねると、「聞いたことないですね。」とつれない返事。返って便乗商売っ気の無さが好感を持てます。 

 八百津せんべいを食べながら本を読む計画でしたが、幸いにもというか、焙煎やケーキ作りに時間を使ってしまい、中々読み進めない状況が続いています。なんとか、テレビドラマの最終回までには読み終えたいと思っております。

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米粉のバームクーヘン

 以前、恵那市三郷町の阿部農園でイチゴ狩りをした際、障害者や高齢者などが農業に携われるよう、国や自治体、法人などがそれを支援する農福連携について触れました。農福連携の取り組みが進むことで、障害者や高齢者、生活困窮者の働き口を創出できるとともに、農業分野では高齢化による後継者・働き手不足の問題を解消できると期待されているというものです。

 先日8月1日には、CBCテレビの「チャント!」内で、CBCドキュメンタリー「silentなバームクーヘン店」と題した放送がありましたが、そこでは、犬山市を中心に西尾市、名古屋市で農福連携の事業を推進しているココトモファームを取り上げていました。

 ココトモファームは犬山市の橋爪地区、そして入鹿池にほど近い今井という地区に広大な田んぼでお米が作られています。そこで一次産業(農業)として作られた米を、自社で製粉した生米粉からバームクーヘンへ加工する2次産業(工業)、さらには、加工された製品を販売する3次産業(サービス・販売)の店舗を愛知県内12店舗を構えています。

 このように、1次から3次まで一体化した産業として農業の可能性を広げようとすることを「6次産業化」(1×2×366次産業化)といって、農林水産省の6次産業化政策でも過去にココトモファームが取り上げられています。そして、農産物の6次産業化によって多様性のある雇用の創出することができ、「障害がある人もない人も一緒に働ける居場所を創る」ことを目指して、農福連携に力を注がれているということでした。

 CBCテレビで放送された内容は、そうしたココトモファームで新たな店舗を任された、ろう者の玉木浩人さん(59)さんと妻の千夏(56)さんが、開店前に期間限定で名古屋駅前でワゴン販売をする様子や、新店舗での店内の様子を映し出していました。映像を見ていたら実際に訪れてみたくなり、定休日に名古屋市守山区大字上志段味にある名古屋守山しだみ店へ行って来たしだいです。

 実は、この店舗は現在ハウスドゥ守山しだみ店の一部を利用して運営されているのですが、何年か前まではシフォンケーキの美味しい喫茶店として営業されており、何度か訪れてことのある場所だったのです。何だか不思議な気分になりながら入口のドアを開けると、3名のスタッフがお出迎えしてくれます。

 店内に入って商品を眺めていると、すかさず試食とお茶を出してくれます。私が手話で「ありがとう」というと、手話ができること知って色々なことを話してくれました。現在、ココトモファームで働いているろう者は三名で、この名古屋守山しだみ店にその三名が働いているそうです。店長の玉木千夏さんと、玉木浩人さん、そして仲西正克さんの三人です。少しの間でしたが、手話で楽しい会話をすることができました。

 ココトモファームの”ココトモ”は、”ここで友達になろう”の意味です。そして、シンボルマークの様々な色のモザイクには、”どんな人にも居心地のよい場所”という意味が込められており、社員のおよそ一割に何らかの障害があるといいます。ただ実際には、農福連携に取り組むには様々な課題もあり、当初は、・農作物の栽培に人手がかかる(職員の負担増)・農作物を栽培しても収益性が低く採算が合わない(施設の経費増)・将来的に農業で働きたいというニーズが無かった(就労準備型の方が人気)など、担い手が不足する農業と障がい者雇用をつなげることが難しかったようです。

 現在、6次産業化のモデルケースとして扱われていたり、短期間に店舗数を増やすなど、華やかな側面ばかりが目立っていますが、将来、こうした形態がスタンダードになることを期待しています。(商売は難しいですから。)

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ミャンマーからのお客様

地方の小さな珈琲屋にも、時々、海外の方が来店されることがあります。以前、市内に住むブラジル人の方が一度来店されましたが、どうもコーヒーの味が合わなかったようで再び店のドアを開けられることはありませんでした。また、外国人労働者の派遣会社と思われる方が、面接の場所として度々利用されています。その場合、主にブラジル人やフィリピン人の方々で、コーヒーの味はどうでもよいといった感じです。ちょっと残念なのですが。

 そんな店に、若い海外の女性三人組が来店されました。どうもアジア系のようですが、どこの国か分かりません。ただ、その内に一人は、以前、年配の女性と来店され、「この若いのに、日本語が達者で頑張って働いているんだと。」と話されたことを思い出します。日本人と同じように、スマホを片手に笑顔で会話をされている様子を横目で見ながら、会計の際に声を掛けてみると、隣町の病院で介護の技能実習生として働いていることを知ります。そして、ミャンマーから今年の2月に来日したということです。

外国人技能実習制度に介護分野が加えられたのは201711月で、厚生労働省が「2025 年には介護人材は 377 千人不足する」という危機感から決められたと思います。また、技能実習生として来日されるのが主に東南アジアの方々で、ベトナムが多い印象があります。

実際に、厚生労働省が発表した令和4年10月末現在の外国人雇用についての届出状況を見ると、外国人労働者数は 1,822,725 人で、前年比 95,504 人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新しており、国籍別では、ベトナムが最も多く 462,384 人(外国人労働者数全体の25.4%)。次いで中国 385,848 人(同21.2%)、フィリピン 206,050 人(同11.3%)の順でした。

そうした実態の中で、ミャンマーからの技能実習生は珍しいと思ったら、どうやら最近では、対前年増加率が高い主な3か国 として、インドネシア 77,889 人(前年比 47.5%増)、ミャンマー 47,498 人(同 37.7%増)、ネパール 118,196 人(同 20.3%増)と、意外にもミャンマーから働きに来る方が多いことを知ります。

ミャンマーといえば、20212月に軍によるクーデターが起こり、今なお政情不安な状態が続いている国です。そして、当然ながら医療水準は低い状況ですから、数少ない看護師を外国に送り出すことを認めていません。にもかかわらず、日本への技能実習生として働く人が増えているのには政情不安だからこその理由があるようです。

日本で介護の職に就くには、現地で看護師として働いた経験者が望ましいのですが、看護師資格はないものの、ミャンマーでは四年制大学を卒業した人へ日本で働くことを勧誘しているようです。大卒は修学能力も高い人達ですが、同時に、大卒や在学生、中退者らが軍政に対して不満や不安を募らせており、国を出たいと思っている人も多いそうです。そんな中、日本で働くといことが魅力的に映るのでしょう。

とはいえ、日本で介護に関する技術を習得し、母国に帰ってから指導者として技術を生かしてもらうといった考え方は、高齢化が進んでおらず、家族による介護が一般的な国では成立せず、技能実習生として人手不足を解消したいという身勝手な日本の制度だと思えてなりません。

技能実習制度は30年間続いてきており、日本の中小企業にとって不可欠な人材確保の手段になってしまいました。地元の陶磁器業界を見ても分かるとおり、技能実習生の給与は低い状態ですし、数年間しか働かないので賃金を上げることもありません。むしろ、日本人にかわる残業要員にしているところもあります。本来はイノベーションを起こし、高付加価値化、高賃金をめざすべきですが、技能実習制度により低賃金で労働者を確保できることから、その努力を怠ってきたのです。

政府の有識者会議は今年に入り、外国人が働きながら技術を学ぶ技能実習制度を廃止すべきだとした上で、人材確保などを目的に中長期的な滞在を円滑にし、働く企業の変更も一定程度認めるよう緩和する新たな制度への移行を求めるたたき台を示したといいます。しかし、個人的には「技能実習」という名の元に労働者の確保をしているだけであり、何ら変わらないように思えてきます。 

ミャンマーからのお客様を見て、技能実習生について少しだけ考えてみました。

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