■2024年3月 ブログ

デカフェって?

先日、メニュー表を見ていたお客様から、「この、デカフェって何ですか?」と尋ねられました。一応、「デカフェは英語のdecaffeinated、又はフランス語のdécaféination の略で、いずれもカフェインを抜いたという意味です。でも、美味しくないですよ!」(発音は適当)と答える私です。 

すると、「美味しくないんですか?」と続けて尋ねられます。「だって、脱カフェインの処理をするために極端に加圧し、熱を加えたり冷ましたり、コーヒー豆に負担をかけるんですから。さらに、処理過程でカフェインとともにコーヒーの成分も抜けることもあります。」。そんな説明をすると、少し不機嫌そうに「美味しくないコーヒーを提供するんですか?」、「はい、だってそれでも飲みたい人がいるからです。」、そんな問答のような会話でした。

UCC上島珈琲が201311月から12月にかけて実施したアンケート結果では、デカフェコーヒーの認知度は回答者の7割以上に上っていましたが、それから10年以上経過しているものの、まだまだデカフェの認知度は低いままのようです。ちなみに、UCCのアンケートは「珈琲ファンに聞いてみました!」というものですから、コーヒーに関心のない人は興味すらないかも。

そんなデカフェが、最近、いかにも巷では流行っているかのような情報が流布されたりしています。コーヒー、緑茶、紅茶のPETボトル入りデカフェ飲料を各社が投入し、若者や健康志向の人を中心に人気を博しているとか言ってますが、正直、「またか」といった気持になります。

全日本コーヒー協会による「デカフェコーヒーの輸入推移(生豆デーシ)」を見てみると、2016年と2017年には輸入量が増加しています。この頃、健康志向からカロリーなどの「ゼロ・オフ商品」市場が拡大しており、その流れに沿って、カフェインのゼロ・オフにも関心が高まってきたと言われています。そして、最近の輸入量の増加傾向に着目され、デカフェブームだなんて言われているんでしょう。でも、コーヒー生豆輸入量全体からすれば、所詮1%程度のシェアなのです。 

 そもそも、「健康!健康!」って、呪文のような言葉に躍らせれてる気がするんですがね。先ずは、冷静な判断ができる健康な心が必要だと思うんです。相手は頭の良い商売人なんですから。

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可睡斎と浜松餃子

総務省が26日も発表した2023年の家計調査で、浜松市の餃子の1世帯(2人以上)当たり年間支出額は4041円と、3年ぶりに日本一となり、宮崎市(3497円)が2位、宇都宮市(3200円)が3位と発表されました。そのニュース聞いていた妻が、「浜松餃子を食べてみたい!」と言い始めます。

 どうやら、2月1日に放送された「秘密のケンミンSHOW」で、静岡県内に41店舗を展開する静岡県最大のローカル餃子チェーン店、「五味八珍」が紹介されたことが影響したようです。看板メニューの餃子が1日に22万個製造するほど超人気商品のうえ、静岡キッズの餃子デビューは「五味八珍」が定番といった内容でした。「あんたは静岡キッズじゃないだろ!」と突っ込んだものの、スーパーに売られている浜松餃子とは違うはずだと譲りません。

 そんなある日、町内の窯元の方から、静岡県袋井市にある禅寺「秋葉総本殿 可睡斎(かすいさい)」で行われている、「可睡斎ひなまつり」の招待券をいただきました。可睡斎には秋葉山総本山の火防守護である秋葉三尺坊大権現が祀られていることから、火を扱う窯元として長年訪れているそうです。そんなこともあって、何かの縁だろうと思い、袋井市の「可睡斎ひなまつり」を見た後に、浜松餃子を食べに「五味八珍」袋井店に行くことにしたのです。

 高速道路を使って約1時間50分で可睡斎に到着します。平日ということもあって参拝される方も多くなく、ゆっくり山門をくぐると、そこには「一年安鯛みくじ」と書かれた、宝船の中に鯛の形をした置物のおみくじがあります。当初は「福釣りみくじ」として竹竿で釣り上げる仕組みになっていたようですが、不評なのか「一年安鯛みくじ」となっていました。ちなみに、妻が選んだ鯛は「小吉」でした。

読経の声が境内に響き渡る中、「ひとさすりで福を招き、ふたすりで徳を授かり、みさすりで満足を戴く」というおさすり大黒」のお腹をさすり、輪蔵堂の輪蔵を時計回りに一回転させ、「大蔵経」を読んだことと同じ功徳をもらいます。もう既に、ご利益だらけです。

御真殿から東の山を上っていくと、武田信玄に追われた家康が穴に隠れて難を逃れたという「出世六の字穴」を見た後、国登録有形文化財・瑞龍閣へ足を運び、目的の32段、1200体のおひな様が飾られている「可睡斎ひなまつり」会場に入りました。ここに飾られる人形たちは、供養のために納められたひな人形で、役目を終えたひな人形に新たな命を吹き込むことで、ものを大切にする心を育むとともに、日本の伝統文化に親しんでほしいという思いが込められているのだそうです。

そんな可睡斎を出た後に、第二の目的地である「五味八珍」袋井店で浜松餃子を食べます。放射線状に餃子が並び、中央にもやしが盛り付けられた浜松餃子は、タレがなくても十分美味しくボリューム満点です。欲張ってセットメニューを注文したため、お腹いっぱいで苦しくなります。二人とも浜松餃子には大満足です。ただし、餃子以外はイマイチでした。(あくまでも個人の感想です)

帰りに浜松フラワーパークへ立ち寄り散策し、久しぶりに車で遠出をした一日でした。

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レジ前陳列

先日、スーパーのレジに並んでいると、懐かしいデザインのロッテ「コーヒーガム」が目に留まり、思わず手に取って買ってしまいました。「コーヒーガム」は昭和30年代に誕生し、平成2年ごろにいったん販売停止したものの、その後も限定的に発売していたそうです。今回買った商品は、昨年の1122日に平成24年以来10年ぶりの復刻販売なっているようです。

 2022年にロッテが実施した「あなたの推しガム総選挙」で、この「コーヒーガム」が1位だったことが再販の理由だそうで、早速コーヒーガムを嚙んでみると、「あれ?こんな味だっけ?」という第一印象。イメージしていたものより格段に甘く、コーヒー味なんだけれど、遠い昔の甘~い缶コーヒーの味がします。または、甘ったるいベトナムコーヒーです。

 悲しい事に噛み進めていくと、当然ながらコーヒーの風味が無くなり、妙に甘ったるい物を噛んでいる気がしてきます。メーカー側の「このガムはお子さまたちに、コーヒーを飲むという大人の体験をさせてあげたい、という当時の研究員の思いのもと、誕生しました。」に対して、「子供達!コーヒーはもっと美味しいもんだよ!」と叫びたくなりました。

スーパーやコンビニのレジ前に商品を陳列することを「レジ前陳列」とか、「レジ前エンド」とも呼ばれます。レジ前はお客様が並ぶ場所で、レジ待ちの間にキョロキョロと周りを見渡して、つい買い物をしてしまう場所と言われています。そこで、ついで買いを促すために電池や電球などの安価な日用品、ガムや飴などのちょっとした食料品が売られていることが多いのです。

 レジ前で、財布を用意しようとするタイミングは、購買意欲が高まっている瞬間であり、買う予定がなかったガムやお菓子でも「安いし、ちょっとくらいいいか」と思ってしまいます。また、目立ったPOPや商品が置かれていると、つい読んでしまう傾向にあり、買う予定の無かった物に興味を持つものです。

 そんなレジ前陳列を意識している訳ではないのですが、まめ蔵でもレジの手前にクッキーを陳列していることから、意外にも多くの方に購入していただいています。特に女性グループの場合は、一人が手に取ると「じゃあ私も!」といって購入していただけるため、急に在庫が減ってしまい、慌てて作ること事態になります。 

 今回のように、レジ前陳列に惑わされて買ってガッカリしましたが、まめ蔵のクッキーも、お客様をガッカリさせないよう作らねばと思ったしだいです。

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桜咲く

岐阜県内の公立高校で、入学試験の合格発表が14日行われたこの時期、車のラジオから聞こえるのは、高校受験に合格した親御さんからの喜びのエピソードでした。そんな「桜咲く」のイメージ合わせたかのように、町内で桜(ソメイヨシノ)の咲く光景を見つけます。

 車を停めて歩いて見に行くと、家の人が出てこられたので挨拶を交わします。「桜がもう咲いていますね。」に、「珍しくないよ。いつものことだから。」という返事。日当たりが良いのか近所にも既に咲いている桜の木があるといいます。七分咲きと言った桜が春の強い風に飛ばされないか気になりながら、その場を後にしました。

 桜の花を見て気持ち良くなってから、17日から彼岸の入りを迎えたタイミングで、妻と一緒にお墓参りへ向かいます。(正確には妻に背中を押されて)墓地へ向かうと、多くの人が訪れていることが供えられた「しびき」で分かります。私達が掃除をしていると、何組かの姿が見られ、彼岸の時期が来たんだと感じられました。

「しきび」には強い香りがあり、毒があるため、土葬していた場所にしきびを備えることで動物避けになったそうです。また、この香りの中には虫除けの成分も含まれており、お墓を害虫から守るためにもしきびは重宝されていました。さらに、しきびが放つ強い香りは、悪霊よけとしても考えられていたそうです。 

桜を見て、お墓参りへ行き、春を感じた定休日でした。

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夜中に考えた

今日、317日は「みんなで考えるSDGsの日」だそうです。広報活動の支援や代行、コンサルティングなどを行う共同ピーアール株式会社の総合研究所(PR総研)が制定し、2020年(令和2年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されたようです。

国連が定めた「持続可能な開発目標」である「SDGsSustainable Development Goals)」についての様々な企業の取り組みをより多くの人に伝えることが目的で、日付はSDGsに持続可能な世界を実現するために掲げられている17のゴール(目標)から「みんな(3)」で「17」のゴールを実現しようという意気込みで317日にしたんだとか。

持続可能な開発目標(SDGs)は、2001年(平成13年)に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)が未達成となったことから、2015年(平成27年)に先進国を巻き込むために拵えられた後継策です。そのため、先進国に参加してもらおうと、17のゴール(目標)と169のターゲット(達成基準)と盛り込みすぎの内容となっています。そのため、最終目標である地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」が忘れ去られ、「自分のところは努力しています。」に留まっており、他所の紛争や差別には見て見ぬふりを決め込んでいるのが実態です。

そもそも、地球環境を破壊しているのは人間であって、人口問題は真っ先に取り上げるべき課題のはずです。エネルギーや食料、水などの資源には上限があり、人を含めた地球上のすべての生物は、それをシェアして生きているに過ぎないのですから。紛争や差別も行っているのは人間自身です。火星に移住なんて突飛な話が出るのは、無責任な夢物語だと思うのですがね。

しかし、「もしトラ(もしかしたらトランプ)」から、「ほぼトラ(ほぼトランプ)」なんて言われたものが、最近では「確トラ(確実にトランプ)」と言われる状況になってくると、みんなで考えるSDGsどころか、自分の足元ばかり気になって、地球の未来など考えなくなるのではないかな?って思います。 

花粉症のため、クシャミと鼻水で12時過ぎに起きてしまったので、夜中に一人で、少しだけ考えたSDGsの日になりました。あ~辛い!

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黒岩五郎の言葉

「日経平均株価が史上最高値を更新し、34年前のバブル絶頂期の株価水準に戻った。」、「物価高が続く中、春闘では過去最高水準の賃上げ回答が相次いでいる。」といった景気の良いニュースが、最近、巷で流れています。

 アメリカの株式市場の値上がりや半導体の需要拡大への期待、最近の円安と好調な企業業績も影響し、新NISAによる個人投資家は金融機関に煽られて、「投資」というより「投機」になっているように見えます。また、テレビの画面には、一般労働組合同盟ボードの妥結の欄には「満額」という赤い字がずらりと並んでおり、上場企業の優秀な人材確保につなげたい思惑が感じられます。

 資産に余裕のある人々は更に資産を増やすよう気を遣い、優秀な人材は待遇の良い企業へ転職する光景が見に浮かびます。同時に、資産に余裕のない人はただ眺め、優秀でない人は低い賃金に甘んじて暮らすことを強いられる光景も目に浮かびます。1970年代に「一億総中流」などと言われた遠い昔から、今では日本の社会は先進国の仲間入りをし、格差社会にどっぷりハマっているようです。

そんな時代だからこそ、土岐市出身の俳優である田中邦衛さん(88歳没)が演じた、「北の国から」(脚本:倉本聰)での黒岩五郎の言葉を思い出します。『北の国から2002遺言』での五郎の言葉、「金なんか望むな。倖せだけを見ろ。ここには何もないが自然だけはある。自然はお前らを死なない程度に充分毎年喰わしてくれる。自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく生きろ。それが父さんの、お前らへの遺言だ。」です。

私には、「まめ蔵」が「自然」に置き換えられると思っており、死なない程度に毎年食わしてもらおうと考えています。資産に余裕もなく、さほど優秀でもない私が、謙虚に、つつましく生きる空間がここにはあります。これだけで、充分幸せなのですから。ほら、今日もコーヒー豆を買いにお客様が来店されました。

 

 

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コーヒー切手

先日、お客様から東京都豊島区にある「切手の博物館」へ行ってきたといって、コーヒーを題材にした記念切手をいただきました。「切手の博物館」というので郵便局の関連施設かと思いきや、1988年に切手収集家であった水原明窓氏が私財を投じて設立した施設のようです。郵便切手文化に関する資料を収集・保存し、研究調査を行うとともに広く一般に公開し、郵便切手文化の振興と発展に寄与することを目的としているとか。

そんな「切手の博物館」で購入したというのが、2002年にニューカレドニアで発行された3連刷りの切手で、コーヒーチェリー、豆の焙煎、カフェの様子までを描いたものです。その1枚にニューカレドニアの美人が描かれ、コーヒーの匂いつき切手でもあります。では、コーヒーの香りを嗅いでみようかと袋をあけるも、切手発行から22年も経過していることもあって、残念ながらコーヒーの香りはしませんでした。

コーヒーの匂いつき切手といえば、2009年にもポルトガルで発行された切手もあります。嗅覚、味覚、視覚、触覚、聴覚の五感を表現した5枚セットの記念切手ですが、そもそもコーヒーを題材にした記念切手はコーヒー生産国の多くが発行し、代表的なコーヒー豆の産地であるブラジル、コロンビアでは、これまでに何種類ものコーヒー切手を発行しています。さらには、中南米のグアテマラ、ペルー、キューバ、コスタリカ、ハイチ、エルサルバドル、メキシコ等々。コーヒー切手を出していない国の方が少数派なのです。

世界初のコーヒー切手といえば、1895年にエチオピア発行されたものです。当時の皇帝メネリク2世の横顔の周囲に、コーヒーの木の葉がデザインされています。最近では、20222月にベトナムでコーヒーのPRを目的とした、コーヒーの香り付き切手4種が販売されたようです。なお、日本でも2008年に「日本ブラジル交流年」10枚組記念切手が発行され、最上部には、移住開始当初のビザスタンプとコーヒー豆、コーヒーの実と笠戸丸が描かれています。これが、日本唯一のコーヒー切手です。

 日本では昭和30年前後に切手ブームが始まりました。特に昭和40年~昭和50年代が全盛期で、記念切手が販売されると郵便局に行列ができている光景を見た記憶があります。大人から子どもまでが容易に入手可能な価格のため、その手軽さが人気の理由でした。私も子供ながらに並んだことを覚えていますが、学校の始業時間に間に合っていたかは定かではありません。(発行日には遅刻しても大丈夫だったかな?)

 今回いただいた切手を発行したニューカレドニアは、オーストラリアの東、ニュージーランドの北に位置し、近隣にはフィジーやバヌアツといった島々がある、フランス領土のリゾート地です。意外にも、世界のニッケル資源の4分の1を埋蔵するといわれるニューカレドニアは、19世末から世界的なニッケル需要とともに大きく発展しました。

日本から遠く離れた南の島ですが、ニッケル鉱石を掘り出すため、1892年(明治25年)に600名の単身日本人男性が、移民会社の斡旋でニューカレドニアにやってきました。採用の際、ニッケル鉱山での5年間の労働契約書が用意され、1919年までに合計5575名にのぼる移民がやってきたそうです。やがて、彼らは現地の女性と所帯を持つようになり、鉱山を離れた後、島のあちこちに定住し、様々な仕事で成功した(菜園、塩田、商業、漁、コーヒー園、あるいは散髪屋、仕立て屋、大工、鍛冶屋など)といいます。日本人は、当時の経済生活に活気あふれる豊かさをもたらす存在であったようです。

 しかし、真珠湾攻撃を境に、この第一世代の日本人たちは敵国外国人として見なされ、そのほとんどが連行され、ヌー島に収容された後、オーストラリアの強制収容所に送られました。45年の抑留を経て、19462月に日本に送還されました。太平洋を隔てた向こう側では、島に残った彼らの現地妻と子供たちが、一家の大黒柱を失い、とてもつらい日々を送ったそうです。また、現地人と結婚しそのまま帰化した人も少なくなく、現在は約8000人の日本人入植者の子孫がいるとされています。 

日本では「天国に一番近い島」という異名を持つニューカレドニアですが、天国とは真逆の人生を歩んだ人達のいる島でもありました。

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春の花と花粉症

定休日の月曜日、母親と共に掛かり付け医へ出かけます。受診後、母親をデイサービスへ送り届け、店へ戻って週末に完売となったスイーツ作りを行いました。りんごのケーキ、ドライフルーツのパウンドケーキ、プリンを作りながら、手話サークルの総会準備と慌ただしく時間が過ぎていきます。

 一息ついたところで、買い物ついでに出かけたのが、可児市の「湯の華アイランド広場」です。温泉入浴施設を利用するためではなく、ここが創業された16年前から駐車場周辺に河津桜が植えられ始め、35本ほどが美しい花が見頃を迎えているというニュースを見たからです。そして、可児市観光協会のホームページで、隣接する可児川下流域自然公園のカタクリが8日に開花し始めたと知り、その様子も確かめに来たのでした。

 河津桜は満開となっていましたが、カタクリの花はここ数日、霜が下りるほどの寒さとなっているためか、ほんの一部しか花が見られません。それでも、昨年と比べると6日程早く開花しているそうなので、3月23()24()に予定されている「カタクリまつり」のころには見頃が過ぎているかもしれません。

 最高気温13℃と、春を感じる空の下で河津桜とカタクリを楽しみましたが、車に戻るとクシャミと鼻水が止まりません。そして、目もかゆくなってショボショボしてきます。そうです。ここ2週間ほど花粉症に苦しんでおり、気楽に屋外へ出ることは控えなければいけないのに、調子に乗って出歩いてしまいました。 

 そんなこともあって、受診時に花粉症の目薬と漢方薬を42日分処方してもらったのです。ただ、薬局で受け取った薬をテーブルに置いて見てみると、あまりにも大量の薬で、これが体内に入るのかと想像すると、なんだか恐ろしい気がします。「薬は毒と同じで、本来、飲まない方がいいの!」って言っていた、妻の言葉を思い出します。

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有求休暇

今日は急遽、臨時休業にしてしまいました。通常、コーヒーセミナー等への出席や、妻と旅行に出かけるために臨時休業にする場合、事前にお客様へお知らせするのですが、今回は前日に臨時休業を決めました。その理由が“見てみたい”、“行ってみたい”という欲求があったからです。そんな自分の求めに対して店を休むことを選択した、いわゆる「有給休暇」ならぬ、「有求休暇」なのです。今回は、そんな記録です。

■名古屋市美術館

 現在、名古屋市美術館で開催されている『開館35周年記念 ガウディとサグラダ・ファミリア展』が、3月10日(日)終了してしまいます。昨年放送された「NHKスペシャル サグラダ・ファミリア2023〜ガウディ 100年の謎に迫る〜」を見ていた私は、名古屋での特別展開催には是非見に行きたいと思っていたのです。ところが、今度、今度と先延ばしにしていたら終了間際になってしまい、お尻に火がついて名古屋までの電車に飛び乗ったのでした。

「今回開催されているガウディ展は、長らく「未完の聖堂」と言われながら、いよいよ完成の時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリアに焦点を絞り、この聖堂に即してガウディの建築思想と造形原理を読み解いていくものです。図面のみならず膨大な数の模型を作ることで構想を練り上げていったガウディ独自の制作方法に注目するとともに、「降誕の正面」の彫像制作にも取り組むなど建築・彫刻・工芸を融合する総合芸術志向にも光を当て、100点を超える図面、模型、写真、資料に最新の映像をまじえながらガウディ建築の豊かな世界に迫ります。(名古屋市美術館HPより)」

「第1章 ガウディとその時代」から「第4章 ガウディの遺伝子」までを展示する会場には、特別展の終了が近いこともあってか多数の方が入館され、小さな設計図やイラストは近くでゆっくり見ることが出来ません。そのため、音声ガイドプログラムを借り、ナビゲーター城田優の声に耳を傾けながら、ガウディの世界観に浸っておりました。模型の造形美に魅了され、柵を忘れてしまい係員に制止されなど恥ずかしい経験をしたものの、サグラダ・ファミリアを一度は見てみたいと思うのでした

FARMERS PASSION COFFEE

昨年の1010日に名東区一社にオープンしたFARMERS PASSION COFFEE』へ、ネパールのコーヒーを飲みに行きました。株式会社SHANTI SHANTI COFFEE FARMが運営する豊川市の「FARMERS PASSION」の姉妹店となります。以前、ネパールからの留学生に自国のコーヒーを飲んでもらいたいと、豊川の店にコーヒーを注文したことがありました。しかし、豊川では遠いので行けませんでしたが、一社なら一度は行きたいと思っていたのです。

ネバール・ジャンジャのハニーミディアムとブルーベリーのタルトを注文します。すると、見たこのないドリッパーで淹れているので、「珍しいドリッパーですね。」と声をかけると、偶然、店に来ていた代表の池島英総さんが、「コーヒーのかすを樹脂に練りこんだ手作りのドリッパーです。」といって、2種類のドリッパーを見せてくれます。私が小さな珈琲屋をしていることを知り、ネパールの農場での様子やアナエロビックの生豆を見せてくれました。商社の言いなりにならず、農園が主導権を持てるような付加価値の高いコーヒーを作りたいとの思いが伝わってきます。

実は、今年に入ってウクライナへ軍事侵攻を続けるロシア軍に、兵士としてネパール人が雇われる事実を知りました。国内の経済状況が厳しく、深刻な貧困や失業問題が続くネパールでは、200万人以上が外国で働く“出稼ぎ大国”としても知られています。そのネパールで、ロシア軍に雇われて兵士となる人が相次いでいるといいます。ネパール政府は去年12月、その数は少なくとも200人以上に上ると明らかにしました。ネパールの平均月収をはるかに上回る、日本円にして30万円余りの月給がもらえることを条件に、ロシア軍に雇われて兵士になったというのです。また、1年間の兵役でロシア国籍を申請することができるとのこと。コーヒーで豊かになれば、そんな出稼ぎも必要なくなる。甘い理想かもしれませんが、一理あります。そんなことも想像しながらネパールのコーヒーを飲んだしだいです。

■星屑珈琲

 定休日が同じ月曜日ということで、これまで訪問することが出来なかった星屑珈琲です。コロナ禍以降「おひとり専用」のスタイルにされており、将来のことを考えると参考になると思いながら気にしていたものの、今年に入って店主の持病により休業しておられたので残念に思っておりました。ところが、最近になって時短営業されていることを知り、この機会に立ち寄ったのです。

221日よりしばらくの間、営業時間は当日のInstagramX (twitter) で通知するとのことでしたが、更新されていないのでダメもとで出かけましたが、やはり休みとなっていました。「もしおしらせがない場合は寝ているのだと思ってください。」とあるので、寝ているんでしょうね。残念でした。

■北村武志1992-2024

 カレリア織部で314日まで開催中の、「北村武志1992-2024」を見に行きました。北村武志さんの絵は以前から見てきましたが、独特な色使いの人物画が特徴的です。「作品の中の若者たちの瞳は、現代社会に生きる迷いと希望の光を見つめています。」と話されているように、見る側に様々な事柄を想像させます。また、これまでに見たことのない作風の作品もあり、今後の作品も楽しみです。 

 “見てみたい”、“行ってみたい”という欲求だけで過ごした一日でしたが、どこか後ろめたく感じてしまうのは、やはり急に休んだからでしょうか?または、ただの貧乏性なのでしょうかね?

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大人ラベル

 先日、お客様から、「エッセル スーパーカップって知ってます?最近、コーヒー味が出たんですけど、けっこう美味しいですよ。」との情報提供をいただきました。「へ~、コーヒー味ね。」と気のない返事をしたものの、せっかくなので近くのコンビニ(ミニストップ)を覗いてみると、見慣れないパッケージのアイスがあります。

 早速、手に取って見るとパッケージには「大人ラベル」とあります。何が大人なのかと思いながらレジに並ぶと、「248円(税込)になります。」という店員さんの声。「え~!高っ!」、普通のスーパーカップが172円(税込)だから、この価格が大人ラベルなんだろうかと店に戻ってきます。

 カウンターに座ってカップの蓋を開けると、内蓋には「大人だからこそ“たべる”を“たっぷり”楽しんでもらいたい。そんな思いで作ったエッセルスーパーカップです。」とあります。QRコードが付いているので読み取ると、明治にホームページが表示されました。

 その商品説明によると、1層目はマイルドなカフェオレ風アイス、2層目は深みのあるエスプレッソ風アイス、天面に苦みと酸味を感じるエスプレッソソースとコーヒーリキュール香るコーヒークッキーを組み合せることで、食感と風味のアクセントをお楽しみいただけます。」とありました。

 確かに、天面のコーヒークッキーは口に入れるとコーヒーリキュール風の香りが広がります。コーヒークッキーの味わいとともに、エスプレッソソースのとろける口あたりとほろ苦さを堪能できます。でも、コーヒークッキーが無くなってしまうと普通のコーヒー味アイスでした。大人ラベルは天面だけです。 

 むしろ、ホームページの広告として登場する、和歌山市の写実絵師、山田めしがさんがポスターカラーを使ってリアルに描く動画、「明治エッセンシャル スーパーカップ大人ラベルを描いてみた」や、千葉県流山市のジオラマ工房-yが作るジオラマ動画「㈱明治様の広告に、ジオラマを採用いただきました!」の方が、断然、大人ラベルって感じがするのでした。大人ラベルのクオリティーはこれくらいないとね!

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中馬のおひなさん

その昔、三河湾でつくられた塩を山間部へ運ぶため、矢作川を川舟で上り、古鼠(ふっそ=現豊田市)で荷揚げされた塩は、足助の塩問屋で荷直しされ、信州方面へ中馬(馬の背で荷物を運ぶ人々の組合)によって運ばれていました。そのため、この街道のことは別名「中馬街道」と呼ばれています。

 街道の中継地点だった足助は、三河湾からの塩、信州からの米やたばこなどの山の産物が集まる交易都市として栄えました。そんな歴史ある足助の古い町並みの民家や商家に、昔から伝わるお雛さまや土雛を玄関先や店内に飾り、道行く人々に町並み散策を楽しんでもらおうと、平成11年から始まったのが「中馬のおひなさん」(310日まで)です。

そんな訳で、豊田市の加茂川公園から足助町へ向かい、足助交流館の裏にある駐車場へ車を駐車して散策していると、町のいたる所に赤い「中馬のおひなさん」と書かれた旗と、「おひなさん展示中」とカラフルな文字で書かれた看板が目に留まります。

その場所には店先や店内にお雛様が飾られており、道行く人達がお雛様を見ながら散策できるようになっていました。中には、地元の信用金庫の前に中馬のおひなさんを模った顔パネルがあったり、「だき地蔵」のお堂の中にも雛人形が飾ってあったりと、町中がこのイベントを盛り上げています。平日にも関わらず多く観光客が歩いていますが、さすがにローカルなイベントだけに、外国人の観光客は見当たりませんでした。

「だき地蔵」のお堂の前には、ひな祭りの原点といわれる風俗行事「流しびな」が再現されており、人形を模った半紙に懺悔の言葉や願い事を書いて、地蔵堂の前に吊るすことが出来るようになっていました。書いたものは足助の川には流さず、本尊に奉納するそうです。

この日は寒さが戻ってきた天候でしたが、途中の「ミートショップいずかめ」で、猪肉の入ったアツアツの「シシコロッケ」を食べおかげで、足取りも少しばかり軽くなった散策となったのでした。少しは運動不足が解消されたのかな? 

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河津桜を見ながら思う

1月で90歳になられたお客様から、「あなたから生き方を学んだ。」と言われました。えっ???正直、何をおっしゃっておられるのやら?こちらこそ、お客様との会話やお仲間同士で来店された様子を見ながら、「あんな御爺さんになってみたいものだ。」と思っているくらい、温厚で優しい振る舞いに憧れを抱いておりましたから、ただただ驚いたのでありました。

 年を取ると仏様のような人柄になれば良いものの、まめ蔵に来店されるご年配の多くは愚痴や不満を口にされ、天に向かって唾を吐くような言葉や噂話が聞こえ漏れてきます。昔の自分も傍から見れば同じようなものだったかもしれませんが、毎日、お気楽に珈琲屋をしていると、そうした声が気になってしまい、90歳を迎えられたお客様との会話が心地よいものになっていたのです。

 今年で65歳となる私は、最近、人生の散り際について考える事も多くなりました。それも、95歳になる要介護の母親の今後を想像したり、同年代の友人知人から親の介護について相談される事が増えたからでしょうか。90歳になられたお客様のような、憧れる生き方をされている方とは異なる高齢者の存在を見るにつけ、自分では何とも潔い散り際が想像できません。

散り際の潔さで、日本人の琴線に触れる花といえばソメイヨシノでしょう。生命の胎動が始まる春という季節に、圧倒的な華やかさで咲き誇り、そして短い命を終えるソメイヨシノの姿に「美」を感じる人は多いと思います。残念ながらソメイヨシノの開花までは時間がありそうなので、早咲きの河津桜を見てみようと出かけたのが、豊田市にある加茂川公園です。

公園の駐車場には既に多くの車が停まっており、皆さん公園の横に流れる加茂川沿いに咲き誇る河津桜並木を散策されています。川面に大きく張り出した枝ぶりの良い河津桜も多く見応えがあり、のどかな風景と川のせせらぎの音に心が癒されます。ただし、気温9℃の曇り空ということもあってか、土手に座って花見をする方はありませんでした。

河津桜はソメイヨシノに比べ、花が大きく濃いピンク色なのが特徴です。きっと、晴れた日には濃いピンクが青空に映えたでしょうが、満開の桜を見ながら歩いていると、そんなことも忘れてしまいそうになります。やはり、桜は日本人にとって特別な存在なのかもしれません。人生の散り際について考える事も余り意味のないこと、自分では何ともならないことだと気付き、今のままで構わないと思いながら公園を後にするのでした。 

ちなみに、90歳のお客様が私から何を学んだかは尋ねませんでした。分かったところで、自分は今のままですから。

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