■ 2019年4月 ブログ

5.1を前に1.5(イチゴ)へ

 昨日は「昭和の日」でした。そして、今日は平成最後の日となり、明日の5月1日から令和が始まります。日本のように現在も「元号制度」を採用している国は他にないそうで、世界最初の元号である「建元」を作った中国でさえも使用していないとか。

 世間では、いつもの4月から5月に月替わりするだけなのに、お千代保稲荷の「月並祭」と呼ばれる夜通しの縁日のごとく、何だかお祭り騒ぎになっています。特別な日というのは再び繰り返すことのない、日々一日なのにと一人で思ってしまいます。

 そんな訳で、改元を控えた昨日は、90歳になる母親を久しぶりに連れだし、恵那市武並町にある馥郁(ふくいく)農園へイチゴ狩りに行ってきました。改元となる5.1をひっくり返し、1.5(イチゴ)と発想を変えて楽しむのも、このタイミングしか出来ないことですから。

 この農園では「章姫」と「紅ほっぺ」の二種類が味わえますが、「章姫」は特に大粒の物が多く、甘くてジューシーなイチゴが食べられます。午前中に出かけたこともあって、昼食を抜くほど腹いっぱいに食べることができました。ちなみに、私は35個、妻は29個、そして90歳になる母親は、悔しそうに「29個しか食べられなかった。」と言っていたくらいですから、美味しいことは確かです。

 そんな、改元とは無関係な普通の定休日を過ごしたものの、移動の際に流れるラジオからは改元にちなんだ話題を流し続けています。この改元、明治以降は天皇の代替わりの際に改元されていますが、89世紀には、天皇への珍しい亀の献上や、美しい雲の出現など慶事をきっかけに改元したようです。また、10世紀ごろからは、大きな災害などあった際に、災難が収まるようにと改元したんだとか。 

 今回の改元においては、大型連休を意図的に作ったり、改元特需を目論んだイベントが各地で多数行われていることなどを考えると、なんだか、経済を少しでも上向きにしたいと願いを込めて改元されたみたいで、過去の事例とあまり変わらない気がしてきました。本来の意味を考える時間を持ちながら、5月1日を迎えたいものです。

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ありがタイ!

 その昔、映画業界の大映専務が、お正月やお盆以外での上映でもヒットさせたいとネーミングしたゴールデンウィークでしたが、よもや10連休になるとは思ってはいなかったでしょうね。その反面、秋のシルバーウィークは名称すらあまり知られていない状況で、やはり、2位より1位、銀よりも金といった、一番至上主義の考え方が根付いているのかもしれません。

 そんなゴールデンウィークも昨日から始まりましたが、9連休や10連休という方もあれば、特に連休が続くこともない方など様々で、お客様の来店状況の予測ができません。とりあえず、昨日と今日は女性グループの来店が減少し、家族単位での来店が増えているようです。ただし、全体の来店数は普段の休日と比べると少ないので、どこかしらレジャーにお出かけのようですね。そのかわり、コーヒー豆の購入の方は特に減少することもなく、普段の週末同様に来店されています。来週からどのような動きになるのか、少々気になるところです。

 そんな日曜日の午後、友人が今年も鯛を釣ってきたといって届けてくれました。毎年、お店の開店記念日に合わせたように海釣りにでかけて、大きな鯛を釣り上げ届けてくれるおかげで、我が家では美味しい鯛の刺身と塩焼きを味わうことができます。本当にありがタイ!ありがタイ!

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ペットボトルで遊ぶ

 先日、世界最高品質のコーヒーを追求することで知られる川島良彰のミカフェートで、新たなブランド「CAFÉ REVOLUCIÓN(カフェ レボルシオン)」 シリーズが誕生し、ミカフェート各店で販売されることを知りました。

 スペイン語で「太陽」、「頂点」、「力強い」、「平和」、「栄光」を意味する、SOL「ソル」、PICO「ピコ」、PODEROSO 「ポデロッソ」、PAZ「パス」、GLORIA「グロリア」の5種類は、1180g990(税込)の豆の状態ではなく、最初から粉の状態で販売されます。高品質と高価格のミカフェートのコーヒーとしては、購入しやすい価格帯で正直驚きです。

 ミカフェートのコーヒーといえば高級イメージがあり、グレードごとに「Grand Cru Café(グラン クリュ カフェ)」、「RESERVA(レゼルバ)」、「NATURE CAFÉ(ナチュール カフェ)」、「Premier Cru Café(プルミエ クリュ カフェ)」、「COFFEE HUNTERS(コーヒー ハンターズ)」とシリーズ化されており、スペシャリティーコーヒー以上の高いクオリティを誇っていましたが、今回の「CAFÉ REVOLUCIÓN(カフェ レボルシオン)」は、コモディティコーヒーを使用しながらも高い品質を誇っているとか。

 気になったのは、「COFFEE HUNTERS(コーヒー ハンターズ)」を除き、鮮度保持のためにシャンパンボトルに密封しているのに対し、この商品は高気密ペットボトルを使用していることと、最初から粉で提供することでした。

 焙煎後のコーヒー豆は炭酸ガスが発生し、通常はパッケージにガス抜きの穴や弁が付いているものです。中には、ガスが出きってしまった焙煎後かなり経過した豆を真空パックする物もありますが、高品質を謳う豆ではありえないため、ペットボトルに粉の状態で入れることによる膨張が心配になります。そこで、市販のコーラを飲み干したペットボトルに、焙煎後にハンドピックした欠点豆を挽いて入れ、密封して膨張する状態を確かめることにしました。

 欠点豆であっても、焙煎状態は中煎り以上に焙煎されており、ハンドピックしたばかりの豆なので、豆を挽くと表面積が大きく増え、炭酸ガスが急激に発生します。封をしたばかりでも、ペットボトルを押さえるとコーラが入っていたような圧を感じます。この状態で2日間放置すると、もうパンパンになっていることが分ますが、正直、破裂するかも?と心配した自分が滑稽に思えてきます。そんな商品など最初から販売する訳がないですからね。

 気密性から考えれば、これ以上待っても漏れて膨れないだろうと考え、思い切ってキャップを開けることにします。あくまで自分のイメージでは、シャンパンのように開栓と同時にコーヒーの粉が飛び出すことを想像していたものの、実際は、「プッシュー!」の音と共に、コーヒーの良い香りが飛び出すだけです。なんとも呆気ない結果!

 『ニューズウィーク日本版』(2019430日号)の特集「世界が尊敬する日本人100」に、Challengers不可能を可能にする挑戦者たち)の部門で、コーヒーハンターの川島良彰氏が選ばれたこともあり、シャンパンファイトのごとく飛び出す予定が台無しでした。

 そんな事をして遊んでいたら、久しぶりにコーヒー豆を購入される方が続き、例年よりも長いゴールデンウイーク前だというのに、一部の豆やパッケージが不足していることに気づきます。慌てて注文しましたが、我ながら困った珈琲屋のオヤジです。なぜコモディティコーヒーなのか?なぜ粉なのか?なんて詮索せず、先ずは自分のところのコーヒーが欠品しないようにしなければ。

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木根しだれ桃園+恵那峡の里

 桜前線も東北まで進み、各地で行われていた「桜まつり」も終了しましたが、20日には江南藤まつりが始まるなど、花の季節はまだまだ続きそうです。今回、ミツバチのように花を求めて車を走らせ、恵那市串原町で行われている「しだれ桃まつり」へ行ってきました。

 串原町は平成16年に旧恵那市と合併する前まで、旧恵那郡南部の岩村町・山岡町・明智町・串原村・上矢作町の41村に含まれる、地元では恵南地区と呼ばれる場所にあり、唯一「村」がつく田舎なのです。

 串原でイメージするのは「とんでもなく田舎」や、日帰り温泉「くしはら温泉ささゆりの湯」、そして、毎年秋に開催される「ヘボ祭り」です。ヘボとはクロスズメバチのことで、自分で育てた自慢のヘボの巣を全国の愛好家たちが持ち寄り、その重量を競うもので、毎年大変にぎわいます。(中学の恩師も参加)

 そんな「日本列島ダーツの旅」に出てくるような場所に、木根地区の住民でつくるグループ「きね四季花会」が、2011年から民家の敷地の一角にシダレモモを植え始め、木根しだれ桃園と名前を付け、シダレモモで有名な愛知県豊田市上中町で苗を買って増やしてきたそうです。現在は、約600本の紅白やピンクの花がのどかな山里を鮮やかに彩っています。

 早い時間帯で観光客も少なく、狭い駐車場に車を留めて散策すると、しだれ桃園の中にある民家から男性が現れます。「白い桃の花は見頃を過ぎてしまって申し訳ないネ。」と言われ、勝手に訪れている私は逆に恐縮してしまいました。民家の前には水田があり、鏡のように逆さ桃が映る工夫がされ、いわゆる「映える」景色になっています。

 そんな映える景色をスマホや携帯で撮影し、車で1分ほど離れたマレットゴルフ場の管理棟(土産物店)に行って、スタッフのおじいちゃんに見せると、地元の特産品が当たるくじが引けるのです。あいにくハズレでティッシュでしたが、SNSで若者に拡散してもらうアイデアや、手書きの雑な地図が書かれたチラシを見ると、お年寄りが地域おこしている姿が良く分かり、行政主体の町おこしとは一味違ったエネルギーを感じます。

 帰り際、「ここに写っている家は、そのバアさん家やで。」の一言で、地域イベントの良さを実感しながら、シダレモモの木が大きくなる2年後には、再び訪れたいと思ったのでした。

 帰り道の際には恵那峡まで寄り道し、恵那峡交差点付近の「恵那峡の里」行われている「芝桜 花桃祭り」を見てきました。ここは1万3千平方mの公園で、3万本の色とりどりのシバザクラと、400本の花桃の競演が楽しめます。この「恵那峡の里」は、串原とは異なり木曽路物産(本社・恵那市大井町)が所有、管理しているもので、整備されてはいるものの、串原のような魅力は感じませんでした。 

 花で彩られた光景は素敵ですが、その彩られ方は様々な形で行われています。一歩前に進むと花の見方も違ってくるから不思議なものです。

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祖父江の田島珈琲店へ

 臨時休業した午後は、貴重な土曜日の時間を有効活用するため、まめ蔵と同じ月曜日が定休日で訪問できなかった、愛知県稲沢市祖父江町に昨年11月開業された「田島珈琲店」へ行ってきました。名鉄尾西線の上丸渕駅から森上駅方向へ数百メートル戻った線路近くに店舗ありますが、ナビで登録出来なかったこともあり、多少迷ってしまいます。

 田島珈琲店の店主は、私と同じく早期退職で始められた方で、一昨年に各地の珈琲屋を巡られた際、まめ蔵にも来店されていたのです。その際には、具体的な開業時期や営業内容は決まっていなかったものの、昨年初秋に再び来店され、「11月オープン目処に準備しています。」との話を聞き、様子が気になり行きたかったのです。ホームぺージを探しても見つからなかったので諦めかけていましたが、今年に入ってやっとホームぺージを見つけたら、なんと月曜日が定休日ではないですか。それで断念していたこともあって、今回のタイミングで行くことにしました。

 飛騨古川町から古民家を移築された店舗とあって、店内に入ると落ち着いた気分になります。様々な縁があって店舗や珈琲を提供される形が出来上がり、現在の「田島珈琲店」になったようで、この点は自分も縁とかタイミングには特別なものを感じます。カウンターで、手回し焙煎機により深煎りされたコーヒー豆をネルで淹れてもらい、奥さんが作ったベイクドチーズケーキを食べながら、これまでのことや今後のことなど、お互いのエピソードを織り交ぜながら話し、ゆっくりコーヒーを楽しみました。

 ちょうど前日には、お客様と珈琲屋さんの経営について話しており、それぞれ個性のある店主がどのような考え方なのか、どのような方向性で取り組んでいるか、数店舗の例を出しながら話し合ったこともあって、長く経営していくことの難しさとともに、お客様や店舗スタッフ、地域との関わり方の大切さを感じたばかりでした。とにもかくにも、長く経営を続けることが最低限必要ですから、今回のようなお店訪問の機会に、自分の足元を見つめ直すのでした。 

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シーシーエスコーヒーへ

 今日はお店を臨時休業し、名古屋市のシーシーエスコーヒー株式会社へ行ってきました。このシーシーエスコーヒー株式会社は名古屋市千種区に本社を置き、コーヒー豆や関連商品を喫茶店・レストラン等へ販売する他、直営セルフサービスコーヒーショップ「ボルサ」や、コーヒー挽き売り専門店「ファゼンダ」を展開するロースターでもあります。

 今回は、本社研修室でJ.C.Q.Aコーヒーインストラクター3級検定講習会が行われ、朝から参加してきたという訳なのです。これまで、無資格営業(保健所の認可は有り)というか、何の肩書きも無いことに不安を覚え、とりあえず以前のブログで取り上げたように、受講するだけで3級の資格が手に入ることから講習会に行ったのではありません。また、3級の資格しかないと見せかけ、こんなにも知ってるんだと知識をひけらかしたい訳でもありません。(当然ですが)

 これまで、様々な場所でコーヒーに関するセミナーや講習会に、出来るだけ数多く参加してきました。そうした知識や経験を生かし、コーヒーについてお客様へ説明したり、実際に簡単な体験会を店内で開催し、最近では、公民館からコーヒー講座の講師を依頼されるようになりました。そうしたこともあって、コーヒーについて理解していただくための言葉選びや、表現方法を改めて見直そうと思い、コーヒーの入門編とも言えるであろう、コーヒーインストラクター3級ならば、何か良いヒントがあるのではないかと考えたのです。

 この講習会の冒頭には、「本講義では、このコーヒーが美味しい!という事は言いませんが、種(アラビカ種、カネフォラ種)、抽出、使用する水などによってどのように味が変わるのか?を解明し、皆さんのコーヒーライフが豊かになる様、コーヒーの魅力に迫ります。」とあったように、いかにコーヒーの魅力が今までよりも高まり、それぞれの家庭でのコーヒータイムが満足感溢れるものになって欲しいのです。

 コーヒーインストラクター3級の検定会は、全日本コーヒー検定委員会(J.C.Q.A.)が直接開催するのではなく、全日本コーヒー商工組合連合会加盟の会員企業、賛助会員企業がそれぞれ独自で開催する形となっており、現在全国で16の企業で開催され、今回のシーシーエスコーヒー株式会社では第2回目となります。そのためか、講師資格者も3級の内容に合わせた経験が少ないこともあって、指定された講義内容ではものたらないの部分もあり、どんどん伝えたい情報が増えてしまい、予定をした時間をかなりオーバーしました。受講者として嬉しいことでもあるものの、伝える難しさを感じます。

 また、全日本コーヒー検定委員会(J.C.Q.A.)が伝えたいと選んだ内容と、受講者が知りたい内容が一部には上手く合致しない部分もあり、「そこを深堀して!」とか、「その図解をもう少し丁寧に表現してほしい。」と思う事もありました。これも、自分が受講する立場になって感じることができた訳であり、今後、自分なりの工夫を加えながら、分かりやすい内容にしたいと思います。

 ところで、妻に「コーヒーの講習会に千種区へ行くから。」と言うと、「それなら『い志かわ覚王山本店』へ行って、食パンを買ってきて!」と頼まれてしまいました。「そうかパン屋か。」とナビに入力して行ったものの、店内にはパンが一つも並んでいません。なのに、レジに何人も順番待ちをしているので、訳も分からず並んで待っていると、私の前の男性に、「予約をされていないのですか?幸いキャンセルがあるのでお渡しできます。」との会話を聞き、!!!大丈夫?と思いながら「予約が必要なんですか?」と尋ねると、「キャンセルが残り一つあります。」と言われ無事購入することができ安心しました。私の後に並んだオバチャン二人の怪訝そうな顔を横目に帰ってきましたが、なんとも不思議な食パンブームだと呆れるばかりです。

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こ~ひ~のぼり

 5月の開店記念日を前にして、早めに準備していたつもりでも、案内葉書の作成が全く進んでいませんでした。毎回お尻に火が付いた頃にラストスパートをかけることとなり、昨日、郵便局で葉書を購入し、夜、寝る前の一発勝負で絵手紙を描き終えます。描いた絵手紙を妻に見せると、相変わらず素っ気なく、「ふ~ん!」と言われるものの、まあまあだというサインなので今回はこれを使用することに決めました。

 そして、今日は朝から葉書に宛名と絵手紙、お知らせ文を印刷し、なんとか週末には発送することが出来そうです。ちなみに、絵手紙は「こ~ひ~のぼり」という少々とぼけた物になっています。毎回季節感を出したいとアイデアを考えるのですが、いっこうに思い浮かばず、出した答えがこれです。恥を承知で遊んでみました。ま~絵手紙なんですから、肩ひじ張らず楽しまなくっちゃ。

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お土産のコピ・ルアック

 インドネシアへ長期出張に行っているお客様が一時帰国の際に来店され、「お土産です!」といって頂いた物は、EXCELSOKOPI LUWAK100g)コーヒーでした。先日の「板コーヒー」に続き、なんと有難いことでしょうか。

 このEXCELSOというメーカーは、インドネシアの高めローカルコーヒーです。ローカルなのだけれどパッケージがお洒落で、外国人向けのスーパーやショッピングモール、空港といった所に支店があるようです。また、「カフェExcelso」も各地にあって、スタバと競合しているんだとか。

 今回頂いたKOPI LUWAK100g)は275,000ルピアというから、約2,200円といった感じでしょうか。ちなみに、EXCELSOで販売している他の商品を見ると次のように

KALOSI TORAJA200g 49,500ルピア (400)

ROBUSTA GOLD200g 25,000ルピア (200)

JAWA ARABICA200g 42,500ルピア (340)

ARABICA GOLD200g 39,000ルピア (320)

 ですから、100g約2,200円だと200gでは約4,400円となり、10倍から20倍も高額になります。インドネシア人の平均月収は日本円で月3万円ほどと言われていますから、いかに高いコーヒーか分かるというものです。

 お店でコーヒー豆を購入されている方だったので、新しいコーヒーを買いたいと製造年月日を見て買われたそうで、「180319」のシールと、「EXP 050919」を確認したとのこと。インドネシアでは日//年の順に表記されることから、製造年月日が2019318日、消費期限が201995日ということになるようです。

 お客様もこのKOPI LUWAKを飲んでいないというので、さっそくコーヒーを淹れることにしパッケージを開けると、中深煎りから深煎りに近い豆が現れます。香りに強い違和感もなく何だか拍子抜けな感じを持ちながら、いつもどおりにコーヒーを淹れて飲みましたが、普通に深煎りの豆らしい香ばしさに、ほのかに華やかな香りを感じます。

 パッケージには「INGREDIENTS 100% Luwak Arabica Coffee」と書いてあったものの、お客様は「本当にコピ・ルアック100%か?」と尋ね、間違いないという店員の返事だったそうですから、確かにコピ・ルアックなのでしょう。お客様と顔を見合わせながら「こんなもんでしょ!」と妙に納得したのでした。

 お店に居ながら楽しい経験ができる日々が続きます。ありがたい!ありがたい!

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朝の妻木城跡

 お客様からの一言で、「夜の高山城跡」へ急遽行ってきましたが、大河ドラマ「麒麟がくる」の放送される予定に合わせ、土岐市でPRするのは「高山城跡」ともうひとつ、「妻木城跡」があるのです。そこで、特に予定のなかった朝の時間帯を使って、隣町にある妻木城跡へ向かいました。

 土岐市文化スポーツ課の記事によれば、『妻木城は通称城山に立地し、14世紀に土岐頼貞の孫土岐明智彦九郎頼重が築いたとされています。その後、一族である妻木氏が領主となり、慶長5(1600)の関ヶ原の戦いに西軍である岩村城主の田丸勢を破った功績で7,500石を所領しました。城は山頂を中心に約200メートル四方の範囲に、曲輪、石垣、土塁などの遺構が残されています。北側の山麓には御殿と呼ばれる領主の館と家臣の武家屋敷が築かれ、万治元年(1658)の妻木家断絶まで陣屋として存続しました。山頂は「妻木城跡」、山麓の御殿跡および武家屋敷は「妻木城士屋敷跡」としてそれぞれ県史跡に指定されています。』という歴史があります。

 今回、朝の限られた時間に行ったのは、カウンターでコーヒーを飲まれるお客様が、「妻木城址の会」の関係者であったことから、事前に具体的な場所を教えていただいていたこともあり、朝の限られた時間で城跡まで行くことが可能だと考えたのです。

 先ず、県道19号で崇禅寺方面まで車を走らせ、崇禅寺を過ぎた先の道から右へ県道妻木笠原線を進むと、左側に妻木城跡の案内看板が見えてきます。右側の空き地に車を置き、石垣の見える場所を散策すると、井戸跡、門跡、石段があり、このあたりに御殿(ごてん)跡・士屋敷(さむらいやしき)跡があったと記されていました。

 ここから山頂の城跡まで登山道があるのですが、歩くと30分程かかるというので、あらかじめ聞いていた県道19号のゴルフ場入口から右折する道を車で行くことにします。所々舗装されているものの、ほとんど砂利道の細い道路を入口から1.5km走ると、池の向こうに車が10台程止められる駐車場があります。聞いていた話では、ここから少し登山道を登れば山頂に着くというので、小走りで登り始めたものの、デコボコした急勾配で直ぐに荒い息となって巨石群の前で一休みです。

 この巨石群は、関ヶ原の戦いの時、西軍である岩村城主田丸氏の攻撃に備え、城の中心部分の南側を取り巻くように堀が作られたと考えられており、この工事による花崗岩の大岩が露出しているとか。そんな岩の横を抜けて頂上に到着すると、石の鳥居と石垣が見え、「八番神社」と書かれた祠があります。石垣は昭和に入ってから復元され、祠は廃城になった後に祀られたそうです。

 曲輪(くるわ)と呼ばれる見晴らしのよい場所から妻木の街をな眺めながら、先日の高山城跡と比べ山城らしさを実感することができました。妻木城址の会の方々により、道路や山の木々、登山道などの整備がされているものの、苗木城のように多くの観光客を呼び込むには、まだまだ環境整備が必要だと感じます。

 そんな感想を持ちながら、城山の頂上でお湯を沸かしてコーヒーを一杯飲む余裕もなく、そそくさと帰路につくのでした。

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板コーヒー!?

 フランスから一時帰国した娘の同級生から、お土産として頂いたのが「板コーヒー」です。なんと、このお菓子は、世界初の板チョコならぬ「板コーヒー」誕生!と昨年話題となったもので、フランスでもカカオ豆からショコラを作る、数少ないアルチザン(職人)的ショコラティエの一人、フランソワ・プラリュ(FrançoisPralusが作ったものです。

 一見、普通の板チョコに見える「板コーヒー」ですが、カカオ豆の代わりにコーヒー豆を使って作ったもので、「コーヒー味のチョコレート」ではなく、「コーヒー豆で作った、チョコレートに似た新しい食べ物」なのです。もともとは著名なグルメジャーナリストであるヴァンサン・フェルニオがずっと温めていたアイデアで、いくつかのチョコレートメーカーに打診したものの断られ、友人でもあるフランソワ・プラリュが作ることになったようです。

 苦味があまり強くなく、少しだけ酸味のあるブラジル産アラビカ種のコーヒー豆を選び、カカオバターと砂糖が主原料のようですね。カカオ豆からチョコレートを作ることでは第一人者であるプラリュさんも、さすがにコーヒー豆から新たに作るのには何度も試行錯誤を繰り返したそうで、昨年1月末に試作品の板カフェを50個店舗で販売後に、2月から本格的に販売を開始したそうです。

 種類は、Carré de Café noir (ブラック)と Carré de Café au lait(ミルク)の2種類で、今回お土産としていただいた物はブラックです。板コーヒー?と少し疑って食べてみましたが、まさに板コーヒーとしか表現できない味です。口に広がるコーヒーの香りがロブスタではなく、アラビカなのが心地いいですね。この味わかるかな~?わかんないだろう~な~!

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夜の高山城跡

 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が放送される予定に合わせ、「岐阜県大河ドラマ『麒麟がくる』推進協議会」が設立され、土岐市では「高山城跡」が明智光秀ゆかりの地としてPRされることになっています。

 この「高山城跡」は、光秀の源流、土岐源氏の館を防御するため、館を見下ろせる高台に碧を築いたのが、土岐高山城の始まりと考えられていることから、一度出かけてみたいと思っていたところ、「高山城跡の桜並木がライトアップされていますよ!」と、コーヒー豆を買いに来た方から教えていただいたので、早速、夜桜見物に行ってきました。

 ライトアップが行われている「土岐高山城跡の森」は、岐阜県が平成24年3月に策定した「第二期 岐阜県森林づくり基本計画」に基づいて、里山林における生物多様性の保全など環境への配慮と、新たな里山再生手法の環境保全モデル林として3番目に整備されたものです。昨年秋に出かけた土岐津町高山の穴弘法は、ちょうど城跡のふもとになります。

 混み合うことと、道路が狭いことを心配し、ライトアップされる6時半過ぎと早めに出かけると、既に数人の方がお見えになります。桜の木の数はそれほど多くはないものの、花桃の花も同時に咲いて美しく、ライトアップされた桜の木々の間から見える、土岐市駅周辺の街並みの夜景が夕闇から徐々に暗くなる光景は素敵です。

 そんな夜桜を楽しんでいると、地元ケーブルテレビのスタッフが取材をしていました。話しかけてみると、このライトアップは穴弘法と同様に、地元住民有志でつくる土岐里山の会が行っており、LEDライト36基を使用して桜や花桃を照らしているようです。ライトアップの期間は今月5日から21日までらしいとのことです。(自信なさげの返事でした)

 まだまだ知られていないイベントのようで、訪れる人の数も少なかったこともあり静かな夜桜見物ができました。ただ、駐車場のスペースや道路の道幅が狭いこと、高山城跡までの道が複雑であることを考えると、穴弘法のように穴場スポットのままでいてほしいと願うのでした。 

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ブラックホール

 『あらゆる物質をのみ込む巨大ブラックホールの撮影に、国立天文台などの国際研究チームが世界で初めて成功し、10日発表した。世界6カ所の望遠鏡で同時に観測して解像度を飛躍的に高め、真っ黒な穴を捉えた。ブラックホールの存在を直接裏付けたことになり、銀河の成り立ちの解明につながる』こんなニュースが飛び込んできました。

 このニュースを聞いた時、高校生の時に読んでいた、ブルーバックスのアインシュタイン相対性理論を思い出しました。当時(今でも)、高校生の私には理解不能な内容ではあったものの、星新一を愛読していたこともあって、空想の世界は広がるばかりであり、何を考えてか、反射望遠鏡を自作しはじめます。

 学校から帰宅すると夜な夜な自室に籠り、ガラスの円盤を凹ませるために研磨剤を使ってゴリゴリします。この頃、ニュートン式の反射望遠鏡は、屈折式よりも大きな口径を安価に実現できるため、自作するための雑誌やキットが売られていたのです。そうなると、夜空を見る事よりも、完成した望遠鏡の姿ばかり想像していました。

 研磨剤の粗さを80番、150番、320番、1000番、2000番の順に切り替て研磨を続けても、まだスリガラスの状態です。コールタールと松ヤニを火にかけて溶かしたものを盤ガラスの上に流し込み、それに網目状の溝を作ったら、酸化セリウムという非常に細かい研磨剤をつけ、ミラーが透明になるまで磨くのです。

 そんな感じで素人が作った反射望遠鏡でしたが、初めて月を見た時の感想は「???」意外と感動は生まれません。作ったことに満足してしまい、月の輪郭同様に目的がぼやけていたのですから。

 その後、19817月に雑誌ニュートンが創刊されると、わかりやすい文章と、視覚に訴える鮮明なイラストに魅了され、しばらくの期間は毎回購入していました。しかし、社会人になって様々な誘惑に惑わされ、徐々にそうした空想の世界に浸ることが無くなっていきます。

 今、珈琲屋をはじめてからは、その頃の経験を思い出したかのように、コーヒーに関しては、何でも実際に見て確かめたいと出かけてみたり、試しにやってみようという気持ちが湧いてきます。こんな気持ちが長く続くよう、お金や名声などといった勘違いをするブラックホールに吸い込まれないよう、コーヒーだけを見つめていきたいのです。

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桜散歩(2)

 今日は、午前中に母親を病院二箇所へ送迎し、午後からは先週の岩倉市に引き続き、小牧市にある小牧山へ桜散歩です。小牧山では、さくらまつりが325()10日(水)行われており、今回は妻と共に出かけてきました。

  小牧山にある小牧山城は、「続日本100名城」にも選定されて観光客も増えており、車で小牧山へ途中にも、離れた場所からも市街地にポツンと城が見え、山の一部が桜で薄ピンクに染められています。駐車場のことが心配でしたが、運良く公園内の駐車場へ留めることができました。

 小牧山城は、織田信長によって美濃攻略の本拠地として築かれた城です。築城後、信長は稲葉山城を陥落し、岐阜城と改めて移住したため、小牧山城は約4年間で廃城となりましたが、のちに豊臣秀吉と徳川家康が戦った「小牧・長久手の戦い」では、家康がこの地に本陣を置いたとされています。

 江戸時代には家康ゆかりの地として尾張徳川家が保護し、入山が禁止されたこともあり、山中の堀や土塁などがきれいな状態で残っていることから、日本の城郭史上、貴重な資料となっているそうです。また近年の発掘調査によれば、石垣を用いた本格的な城であった可能性があるようです。

 小牧山の山頂には天守を模した小牧市歴史館がありますが、これは名古屋市在住の実業家、平松茂氏(故人:小牧市名誉市民)が私財を投じて建設し、昭和43年に小牧市に寄贈されたものだとか。鉄筋コンクリート造、3層4階建で、高さは19.3m、4階展望室の位置は約14m(標高100m)です。同氏は、明治、大正、昭和を通じて染料関係で成功を収めた方のようですね。

 現在の歴史館は、平成18年から内装及び展示の全面改修が行われ、木造の城をイメージさせる内装で、平成19年3月31日にリニューアルオープンされています。展望室から眼下に広がる景色は最高でした。

 今日の小牧市の最高気温は21度と、山頂まで散策するだけで汗ばむくらいです。そして、強風注意報が発令されていたこともあって、山全体に咲く約101150本と言われる桜も風に飛ばされ桜吹雪となり、散策路の一部は桜で埋め尽くされています。そんな桜を眺めながら何か足らないものを感じます。そうです、茶屋がないのです。

 やはり、花より団子という訳で、妻が検索して見つけたカフェに立ち寄ったものの、「ここのコーヒー美味しくない!」の一言に納得しながら、自分が検索で見つけた店にしなくてよかったと、再び強風とならなかったことに安堵するのでした。 

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メキシコのコーヒー

 今週から、新たにメキシコのコーヒー、ハニーオアハカ・ペタテドライSHGを試験的に販売することにしました。メキシコのコーヒー生産量は153,794トンの世界11位(FAO2017)の国で、日本の国土面積の約5 倍あるメキシコのコーヒー産地は、メキシコ湾岸のベラクルース州、太平洋側中南部のオアハカ州、グアテマラ国境沿いのチアバス州、大きくこの3つに分けることができます。

  今回提供するコーヒー豆の栽培は、オアハカ州の1500 軒以上の農家が加盟する、ウネカフェ生産者組合に加盟する小規模農家の方々によって作られています。ティピカやブルボンといった伝統的な栽培品種を収穫後、各農家でパーチメントの天日乾燥の際にペタテというヤシの繊維を編んで作られる敷物の上、もしくはコンクリートパティオにて行われることから、「ペタテドライ」という名称になっています。

 お店では、コロンビアと同じく中深煎りで提供しますが、コロンビアよりも苦味がやわらかく、生豆商社説明では、『柔らかく優しい風味特徴。無意識のうちにごくごく飲めてしまいます。アフターの甘味が特徴的で、余韻を楽しみつつも、いつの間にかカップが空になる、そんなコーヒーです。』とあるように、飲みやすいコーヒーです。

 さて、どんな反応があるのか楽しみ、楽しみ。好評ならば継続的に販売しようと思っています。 

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ためしてワセリン!

 NHKで43日(水)放送された「ガッテン」では、『超簡単でとっても意外な対策を発見!今、使っている様々な対策にプラスできるので使い勝手抜群!ツラい花粉症の症状を少しでも和らげてほしいという願いを込めて、新発想の対策』を紹介していました。

 先ずは、花粉症の仕組みについて、「花粉が鼻の中に入ると、外側についているアレルゲンが鼻粘膜に付着し、炎症が起こりますが、同時に花粉は鼻粘膜の水分に触れると割れて、中から別のアレルゲンが出てきます。この2段階の攻撃が鼻粘膜を襲い、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を引き起こします。」と解説しています。

 そして、対策法として、「今から200年前にイギリスで発見された花粉症の、現在行われている対策として、ワセリンを鼻の穴の中に塗るという方法」を紹介し、イギリスの国民保健サービス(NHS)もこの方法を推奨しているといいます。

 夫婦ともども花粉症に苦しんでいるので、早速薬局へ向かい「白色ワセリン」を購入し、昨晩から二人で実践してみるものの、今朝になって朝食の準備中からくしゃみが出ます。番組内で、現在行っている対策法にプラスすると効果的だというのを信じ、もう少し継続して様子をみようということになりました。同じように花粉症で苦しんでいる人は国民の三分の一もいるそうですから、さぞかし薬局からワセリンが無くなったのではないでしょうか?この番組の旧タイトルである「ためしてガッテン!」のように、「ためしてワセリン!」ってな気持ちで取り組まれる方々も多いかと思いますが、くれぐれも期待し過ぎないように。

 そんなテンション下がり気味で、今朝も焙煎をしながら何気なくYoutubeを見ていると、フレーバーチャンネルの中で珈琲狂が、ケニアのエンデベス農園産ナチュラル(乾式精製)を中深煎り寄りの深煎りで焙煎しています。お店では中煎りで提供しており、中煎り前後の数パターンでサンプル焙煎はしたものの、深煎りでは試していなかったため、じゃあ「ためしてバイセン!」という訳で、焙煎の準備を始めます。

 同じコーヒー豆でも珈琲狂は手廻し焙煎だから、焙煎機を使ったらつまらないので、手網焙煎でやってみます。手持ちの銀杏煎りだと生豆で50g程しか焙煎できないので、ためすには丁度良い量です。焙煎機の横にミニテーブルを用意し、カセットコンロに火を付け遠火の強火でシャカシャカ銀杏煎りを振り続けると、18分過ぎに二ハゼが始まり豆の様子を見ながら煎り止めしました。後は、焙煎機の冷却装置に放り込んで焙煎終了です。

 豆を挽いた時にはナチュラル臭が現れ、「違う豆だぞ!」っていう主張を強く感じますが、抽出したコーヒーは意外にも飲みやすくなっています。焙煎後数日経過した時には香りが変化するはずなので、残り1回分は密封して来週にでも飲んでみましょう。

 「ワセリン」も「バイセン」も「ガッテン」できる結果ではありませんでしたが、何でも「ためして」初めて分かることばかりです。だから、これで良いのです。

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もう一つの新元号発表

 新元号発表とともに、テレビでは「令和」とついた名前の人の感想を聞いたり、新元号の焼き印が押された饅頭の便乗商売の取材を行っています。中には「令和」を付け加えた歌を作るグループや、令和ブレンドなるコーヒー豆を売る店まで、ここぞとばかり新元号フィーバー(もう死語か?)状態です。

 一方、菅官房長官による記者会見では、菅氏が画面に向かって左側に「令和」と掲げると手話通訳士と重なり、数秒間見えなくなったことから、一部の人からNHKに対しバッシングが起こっているとか。まったくもって自分勝手な世相を表しています。

 私は、新元号発表の記者会見を自宅のテレビで見ていましたが、見ていたのは官房長官ではなく、その傍らの手話通訳士の方でした。手話通訳を読み取って、新元号をどのように手話で表すのかを注目していたのです。しかし、案の定、新元号の「令和」は指文字で「レ・イ・ワ」と表現していたのでした。

 全日本ろうあ連盟のホームページを覗いてみると、新元号「令和」の手話表現については、42日(火)1400に、全国手話研修センター・日本手話研究所から発表されるとのことであり、改めて確認することにしました。日本手話研究所は、全日本ろうあ連盟が1969(昭和44)年に設置した手話法委員会以来の歴史を持ち、現在も厚生労働省の委託を受けて標準手話の確定と普及に取り組んでいる組織です。聴覚障害者の日常生活の利便を図るため、手話表現方法について、研究、造語を行うとともに、その普及を図って聴覚障害者福祉の促進に寄与することを目的としており、刊行物は手話の学習教材として利用しているところです。

 そんな訳で、本日午後2時に日本手話研究所のホームページを見てみると、手話で表現する元号発表を見ることができました。「令和」の手話は、指先を上に向けて5本の指をすぼめた片手を、胸の脇に出し、前に動かしながら指先を緩やかに開くものです。予想していたものは、指文字の「レ」で円を描いて和を表現するものでしたが、見事に外れていたのです。

 解説を読むと、「花のつぼみがゆるやかに開き、やがて花びらが環()となった指先からふくよかな薫りをはなち、和みゆくさまを表しています。」とあります。さらに、「令和の意味について、風和む初春2月に梅のつぼみが開き、蘭が薫りをはなつ、との説明などを引用しました。」とあり、指文字よりも味わいがあると感じたしだいです。

 これで、手話に関わる人にとっての、もう一の新元号発表が終了したのでした。

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花と田楽

 桜を見ながら散歩した後に、「やっぱり田楽でしょ!」ってことで、多治見の虎渓山へ行って田楽を食べながら花見となりました。

 子供の頃から花見の名所として虎渓山に訪れ、田楽を食べることが定番になっていることから、いまでは桜が枯れて桜の名所ではなくなっている虎渓山であっても、田楽を食べるならここでなければならない気持ちになるから不思議なものです。

 テレビの俳句番組の影響からか、花と言えば桜を意味することぐらい浸透しているとおり、桜は日本人に古くから愛されてきた花であり、春を象徴する花です。しかし、奈良時代では花の鑑賞といえば梅をさしていたようで、貴族たちの間では造園する際には、必ず梅を入れることが定番だったんだとか。

 それは、当時、日本が遣唐使を介して中国との交易が盛んであり、中国文化や品物が日本に多く伝わっていました。その中には梅があり、香立つその花は珍重され、桜よりも人気があったというのです。それがうかがい知れるものとして、新元号でも取り上げられた『万葉集』に詠まれた梅の数です。桜を詠んだ歌は43首に対して、梅を詠んだ歌は桜の倍以上の110首もあるのです。当時の貴族の優雅な風習は「歌を詠む」ことでしたから、中国からやってきた有難い梅の花を見ながら歌会でも開いていたのでしょう。まあ、これが現在の花見の原型になったと言われれば、確かにそうなのかもしれませんが、庶民にとっては縁遠いことだったでしょうね。

 一方、桜と言えば日本古来から自生していたと言われており、梅の花と違って桜の開花状況を見ながら田植えの時期を決めていたようです。一説には、「サクラ」という名前の由来には、「サ」は田の神様、「クラ」は神様の座る場所を意味しているといわれ、「サクラ」は神様が山から下りてきた時に一旦留まる依代(よりしろ)とされていたんだとか。そのため、桜が咲くことは「神様が山から下りてきた証」と考えられており、皆で集まってお酒や食べ物をお供えしていたとされています。

 そんなことなど考えず、団子や田楽を食べることが楽しいだけの自分は何と罰当たりなことでしょうか。でも、酒を飲まない私は、酔って醜態を見せる人よりはマシなのかもしれません。花見でだらしない姿を見せると、神様に叱られますよ!

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桜散歩

 桜の名所といわれる場所は多くあり、ここから1時間弱で行ける場所としては、犬山市・大口町・江南市・岩倉市にわたって流れる五条川には、全長約28キロメートルに約4,000本の桜並木が続いているのが知られています。今日は、岩倉市内のほぼ中心を北から南へとつながる五条川両岸に植えられている1,400本の桜並木を見に行きました。
 岩倉五条川の桜は、昭和24年頃に町おこしの一環として約300本の植樹をしたのが始まりだそうです。現在は、岩倉市と市民活動団体の協力で桜の保護や育成をしておられ、堤に咲いているほとんどの桜はソメイヨシノのようです。川幅が狭いために両岸の桜の枝が交わるように川を覆い、素晴らしい桜のトンネルとなっていることもあり、日本のさくら名所100選にも選ばれています。
 岩倉市では、「岩倉桜まつり」が3月29日(金)から4月7日(日)まで行われており、18時~21時には昭和橋から彦太橋の約1kmの区間でライトアップが行われます。そのため、期間中は多く方が訪れることもあって、定休日の月曜に合わせて少し早めに出かけました。また、今回は友人に会うため帰省していた長女と一緒に花見散歩です。
 八剱憩いの広場臨時駐車場に車を留め、昭和橋から彦太橋の一つ手前の一豊橋までを川沿いに散歩すると、八分咲きとなった桜がアーチ状に続く先には、川面に淡く色づいた桜が映り込んでいます。まだ屋台の準備をしている早い時間ということもあり、散歩する人も少なく、のんびりと花見をしながら歩いていると、対岸の桜の木の下では、新小学生と新中学生とおぼしき兄妹を並ばせ、何度も記念写真を撮っている母親の姿が見えます。
 豊国橋の近くまで進むと、前日のイベントで行われた「のんぼり洗い」の様子が伺える「のぼり」が残っています。岩倉市には400年の伝統を誇るのぼり屋があり、五条川で行われるこいのぼりの糊落としは、「のんぼり洗い」と呼ばれ、春の訪れを告げる風物詩として有名なのです。そして、豊国橋南の欄干では、五条川上をこいのぼりが泳いでいました。
 一豊橋を渡って神明生田神社へ行き、下本町で所有している山車の倉庫へ行きましたが、前日には公開展示されていたものの、今日はシャッターが閉まっていました。代わりに、境内で可愛い狛犬を見つけます。狛犬の下にはこんな説明書きが、『私は神明生田神社の先代狛犬の「んん蔵」と申します。昔、大事な相棒の「あ蔵」クンが行方不明となり、私も現役から引退したのですが、昨年は戌年ということで、何十年か振りに皆様の前に現れることができました。』とあります。頭を撫でると運が上向くというので、長女ととともに撫でてきました。
 折り返し地点から豊国橋を過ぎたあたりに可愛いカフェ「キッチン シンプル(kitchen SIMPLE)」で休憩し、二人で柚スカッシュと金柑スカッシュを注文し、窓から桜を眺めます。2年前にオープンしたらしく、ナチュラルウッドを使った柱やドアノブなど、心安楽空間になっており、普段運動不足の私には良い休憩時間となりました。
 こうして出発地点の昭和橋まで戻ってきましたが、この橋の二つ先には平成橋があります。ちょうど今日は新元号の発表日でした。昭和橋と平成橋、いずれは「令和(れいわ)橋」なんて名前の橋が作られるのかな?なんて思ってみながら、風の少ない穏やかな桜散歩を楽しんだのでした。

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