■ 2019年3月 ブログ

意外と売れてます!

 いつものように開店前に焙煎を行い、ハンドピックをしながらお客様を待っていると、「おはようございます!」という声と共にドアが開きます。「こないだの美味しかったです!」といって、夜勤明けの男性がケニアのエンデベス農園ナチュラルをお買い求めになりました。 

 偶然にも、昨日最初に売れた豆もケニアのエンデベス農園ナチュラルであり、「意外に売れてるな。」程度にしか思っていなかったものの、ハンドピックを終えてパソコンからデータを見てみると、3月の販売ランキングは、

1位:グアテマラ アンティグアSHB

2位:ケニア エンデベス農園ナチュラル

3位:ケニア マサイAA

4位:コロンビア マクダレナSUP

5位:まめ蔵ブレンド

と、2番目に売れているではないですか?「意外に売れてるな。」ではなく、「意外と売れてます!」なのでした。

 この豆は好き嫌いがはっきりしていて、試飲でお客様へ提供していても必ず売れるという確信がもてなかったものでしたが、「面白い!」というだけで取り扱いを始めたので、正直あまり期待はしていませんでした。けれど、こうした目に見える形で反応が解ると何だか嬉しくなります。

 ハンドピックで3分の1くらい減ってしまい、テンションがめっちゃ下がってしまうコーヒー豆でも、手を掛けただけのことはあると思いつつ、4月の売れ行きを再度みてみようと思うのでした。

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チューリップの花を見ながら

 このところの春の陽気に誘われてか、お店の花壇にはチューリップの花が咲き始めました。毎年秋に妻が球根を植えてくれるので、色とりどりの花に恵まれながらお客様を迎えることができます。感謝!感謝!ところで、今日は「さくらの日」だそうですが、桜はもう少し先になるのでチューリップのお話です。

 このチューリップは、16世紀、オスマントルコから神聖ヨーロッパ帝国の大使ビュスベクが、「トルコ語のターバンに由来する花の球根」を見つけ、故郷のヨーロッパに持ち帰ったのが世に広がった始まりだそうです。その後、フランスの植物学者カロルス・クルシウスにその球根を贈られ、希少な植物としてその球根を国内で紹介し、球根の栽培と研究のため、花を育てるのに適したオランダに移りました。

 オランダは平地で土壌が肥えているため、花を育てるのに最適な地形をしており、そんな土壌を利用し育てた球根を貴族や大商人などに売ります。彼らは花壇の中央に高価で貴重なお花を植えて、風景の中で色彩を際立てることで自分の偉さやすごさを見せつけたことから、チューリップは当時のオランダ人にとって富の象徴とされ、高値で取引されるようになったのです。

 そして、収集家が現れて品種を花の色で分類し、「無窮の皇帝(むきゅうのこうてい)」など名前をつけ、希少性でランク付けをしながら富の象徴としてのチューリップ収集を楽しんでいましたが、1630年代にはオランダのみならず、ドイツやイギリスの資産家の間でもチューリップを収集することが広がり、17世紀はじめには、珍しい品種にはアムステルダムで小さな家が買えるほどの額で売買されたとか、一般国民の平均年収の約5年もの価格がついたこと言われています。

 チューリップの様々な模様は、アブラムシが球根に運ぶウイルスが原因で起こるもので、この模様の突然変異のことを「ブレイク」と呼ばれるのですが、当時はその理由が分からないため、ブレイクした花が咲く球根からとれた子球根を育て、運よく綺麗にブレイクすれば一般市民でも大金を手にすることができました。そして、フランスで球根の価格が上がっているとの噂が立ち始めること、一般市民もこぞって球根を買い求めてチューリップ市場に参入します。

 すると、これまで市場の中心にいた大商人などの裕福層は、一般市民が球根を買いあさって球根価格が高騰しだすと、チューリップ市場から東インド会社などの株に投資をしていきます。逆に、チューリップ市場は一般市民による人数が増え、これまで相対取引で行われていたものが、居酒屋で酒を飲みながらまとめて球根の入札が行われるようになりました。

 チューリップ投機が最高潮に達した1636年〜1637頃には、実際に球根が育つ前から春に手に入る球根を売買する先物取引のようなことも行われ、現物もない中で実体のない取引が増えることになり、球根価格は平均年収の30倍もの値が付くものまで現れます。

 そんなバカげたことが長く続くはずもなく、チューリップの値上がりで盛り上がる163723日、何の前触れもなく突然チューリップ価格が暴落します。これが、世界最初のバブルとして、「チューリップ・バブル」なんて言われ、いまでも時々話題となります。

 この話、どこかコーヒーにも似通った部分もあり、アブラムシが運ぶウイルスってのが、ルワンダのコーヒーに現れるポテト臭の原因にも似ているし、居酒屋で男たちが商売や政治を語る姿が、ロンドンのコーヒーハウスの光景にも似ていたり、そして、希少価値の球根に人々が金に目をくらんで群がる様子が、現在のスペシャリティーコーヒーにも通じて、なんだか同じことを繰り返す人間に呆れる思いがします。

 そして、お金持ちは結局損をせず、踊らされた一般市民だけが損をするのも似ています。「くわばらくわばら。」 

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品揃え

 昨日の定休日は、売り切れになったガトーショコラを焼きながら、数種類のコーヒー豆の焙煎作業を行いました。そして、今朝も焙煎を行ったので、概ね商品棚のコーヒー豆は新しい豆に入れ替ったことになります。今回は、今週中に来店されるであろうリピーター用の豆も焙煎したため、12種類の商品が棚に並びます。

珈琲屋として、お客様にコーヒー豆の購入を促すためには、魅力的な品揃えが不可欠であることは言うまでもありません。店内の限られたスペースの中で、焙煎度合や産地などを分かりやすく陳列し、興味を持ってもらえるように品揃えすることはもちろん、数量限定の商品はパッケージの色を変え、一定期間ごとに入れ替えるなどしながら、お客様にコーヒーに関心を示してもらえるような仕組みも必要です。

 今回は12種類をそろえましたが、開業からしばらくの間は8種類程度でした。できるだけ焙煎から日数が経過しない新しいコーヒー豆を提供するため、売れ残りを心配して焙煎量をコントロールしたり、不人気な商品を新しい豆に変更するなどの工夫を重ねながら、お客様が選ぶ楽しさや、新しいコーヒー豆を見つける楽しさを提供できるように意識してきました。

 こうして準備した商品ですが、品揃えが多ければ多いほど良い訳でもありません。選択する楽しさよりも、迷って選択する難しさが生じたり、個々のコーヒー豆の違いが明確に区別できない事態を引き起こし、「どれも似たようなもの」と言われてしまいかねません。同時に、特定のコーヒー豆が売れ残ってしまえば、「今日は〇〇%割引!」なんていうような処分セールを行うリスクも出てきます。

 そんな事を考えながら商品棚を眺め、今朝、花粉症のクシャミで腰痛が再発し、座薬を妻に入れてもらった情けない姿を思い出すのでした。ハクション!!

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一日市場八幡神社

 多治見市、土岐市、瑞浪市の市の花は「ききょう」であり、多治見市の市章も「ききょう」をデザインしたものです。これらは、この地方が、鎌倉・室町時代にかけて源氏の一族である土岐氏が支配し、その家紋として「ききょう」が使われていた事に由来します。そこで、先日取り上げた、「明智光秀ゆかりの地 岐阜県」のパンフレットに登場した、「一日市場八幡神社」を訪れてみました。
 県道352号線の瑞浪駅裏を走ると、一日市場T字交差点の北に八幡神社があります。道路沿いの塀の上に「 土岐氏一日市場館跡」の看板が目に止まり、その奥に神社の鳥居が見えます。ここは、明智光秀を輩出した美濃源氏・土岐一族が土岐郡に土着した際に最初に居館を構えた場所として伝えられており、八幡神社の境内には、土岐一族であったとされる明智光秀の像が建てられています。
 この像は、明智光秀を研究する「瑞浪明智光秀公顕彰会」によって、平成18年に設置されました。また、最近のニュースでは、瑞浪市の郷土史研究団体「美濃源氏フォーラム」が、鎌倉幕府の御家人として東濃西部を治めた土岐光衡のブロンズ像を、8月をめどに八幡神社に設置すると発表しています。
 なんだか、大河ドラマの放送前に観光客を呼び込むような物を作ろうとの魂胆が見え隠れしますが、確かに、この場所に立つと小高くなった場所から土岐川や街の中心部が見え、地形的にみても館があった可能性は高いと言われていることにもうなずけます。
 館跡は八幡神社の境内になっていて、当時の面影はどこにもありませんが、目をつむって当時の光景を想像しみるも、なかなかイメージが湧きません。それよりも、観光客を呼び込んでも駐車場をどうするのだろうかと思ってしまいます。

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総会資料を作りながら

 手話サークルの事務局を担当していることから、4月の総会を前にして資料作りを行っています。資料の一年間の活動状況を見ると、なんと150日以上にわたって、会員の誰かが手話通訳や他団体との会議、行事参加等があり、土日にお店を営業している身としては申し訳ない気分になります。そして、その活動の中心を担っているのが、一部の役員に集中していることも明らかになります。

 手話通訳者の公的資格である手話通訳士の数は、社会福祉法人 聴力障害者情報文化センターのデータによれは、平成31117日現在、全国で3,608人です。岐阜県では24人と少なく、三重県の51人の半分以下となっています。そして、岐阜県の名簿を見る限り、60代以上の方が多いのも見てとれ、将来が不安視されています。そんな数少ない手話通訳士を補うべく、地域での手話通訳現場では、認定手話通訳者や手話奉仕員である手話サークルの会員によって成り立ってはいますが、その手話サークル自体も厳しい現実に直面しています。

 何年も前から手話サークルは減少の時代を迎えており、県手話サークル連絡協議会に加盟する団体数の減少からも明らかで、土岐手話サークル竹の子においても会員の減少傾向は止まらず、同時に新規加入者数も伸び悩んでいます。原因は様々であろうかと思いますが、主なものとして考えられるのが、ろうあ者のサークル参加が減ったことです。手話を学ぶためにサークルに来ても、ろうあ者が参加しない状況が続けばモチベーションが上がりません。

 私が手話サークルに入った頃は、手話サークルは、ろうあ者の集いの場でもありました。週に一回、自分の言語で語り合える仲間が集える場所、話が十分できる場所、それが手話サークルだったと思います。当然、その頃のメンバーはろうあ者との関わり方も深く、親戚づきあいのような関係でした。

 その頃のろうあ者の通信コミュニケーション手段は、直接会うことでしたが、徐々にFAXが普及し、携帯電話のメールで格段に早く通じ合うことが出来、今ではラインで既読確認も可能となりました。直接合わなくとも、こうしたコミュニケーション手段の変化により、即座に相手と会話ができるようになりました。サークルに通わずとも仲の良いろう者と話ができるようになったり、好きな時間に会う約束をしたり、約束をして遊びに行ったりすることができ、結果的に若いろうあ者はサークルから離れていき、高齢者となったろうあ者は足が遠のきます。その後、若いサークル会員が継続しにくい環境が生まれ、会員数も減少する悪循環が始まります。
 今では、ろうあ者に会わずとも手話が学べるようになってきている事実もあります。インターネットによる手話の学習やDVDが普及し、誰でも気軽に手話を学べる環境にはなってきています。しかし、手話は言語であり、生きた言葉を学ぶためには直接ろうあ者に会って、個々の個性的な手話を学ぶ必要があり、何よりも相手との信頼関係がなければ手話通訳は成立しない事実もあります。特に医療の現場では。 

 一方、現実のサークル運営は、長年連れ添ってきた家族のような間柄で雰囲気は良いものの、馴れ合いであったり、効率的でない(瞬発力がない)進め方も出始めています。それは至極当然で、みんな年を取ってきたんですから。老人に片足や両足を突っ込んでいる訳ですから、ロスも多いのです。そうした事実を含め、今後のサークルのあり方を少しばかり考えてみるのでした。でも、良い考えが浮かびませんが。

 さて、印刷の締め切りに間に合うよう頑張りますか。

 

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カナリスタ

 先日、珈琲狂とのコーヒー談義のなかで、「カナリスタ」という言葉を比喩に使われ、???と思って尋ねると、ミル挽き珈琲アドマイヤのメニューの中で一番安いコーヒーの名前だと知りました。
 その自動販売機は、高速道路サービスエリア・パーキングエリアの多くに設置され、何度か利用したことがあるものの、「キリマンジャロ」や「モカ」、「アメリカン」といった250円のコーヒーを選択しており、正直「カナリスタ」の存在すら知らなかったのです。
 その「カナリスタ」の価格は150円と安く、ミル挽き珈琲と謳ってはいるものの、インスタントコーヒーだというのです。そして、その真偽を確かめるべく、メーカーに直接問合わせた人がいたそうです。さらに、「カナリスタ」という名称も豆や産地の表示ではなく、メーカーが作った造語なんだとか。
 この自動販売機設置事業を行っている会社は、名古屋市中村区に本社を置くトーヨーベンディング株式会社で、病院専用カード式テレビ等や、病院向け常時四輪ロックの家具・設備の企画・開発・設置・レンタル・販売・運営の会社でもあり、独自開発されたミル挽き珈琲アドマイヤは、少し異色な感じがします。
 そこで、「カナリスタ」を実際に飲んでみたくなり、ここから一番近くのパーキングエリアとなる、虎渓山パーキングエリアへ買い物帰りに立ち寄ってみると、確かに食堂内に設置されています。自動販売機の上にドーンと『一杯毎に豆を挽くミル挽き珈琲 世界初!!』POPが目立ち、自動販売機のメニューの右上には「カナリスタ」という商品名と150円に価格が。
 先ずは、コインを投入し「キリマンジャロ」のボタンを押します。すると、「コーヒールンバ」の曲にのせて、コーヒーが出来上がる工程を、CCDカメラによるライブ映像が上部のモニターに映し出されます。犬のキャラクターらしい「みちまるくん」と、「あなたのためにドリップ中」のシールが貼られた透明の筒の中で、抽出工程らしき光景が見え、コーヒーが出来上がると、機械の中で飲み口付きのキャップが付き、自動で扉が開きます。
 続いて、「カナリスタ」のボタンを押します。前回同様に「コーヒールンバ」の曲にのせて、モニターに映し出されたものは、ココアやミルク、抹茶などの粉物の入った筒状の奥にカップが動き、「調整中」と書かれた場所でカップが止まります。しばらくすると、先ほどと同じく機械の中で飲み口付きのキャップが付き、自動で扉が開きました。時間すると、「キリマンジャロ」の半分ほどでしょうか。
 飲み比べると明らかにインスタントだと分かります。しかし、先日飲んだAGFのインスタントコーヒーよりも美味しかった。誰かがネット内で書いてたけれど、『かなりすごいインスタントの略かな?』ってのが、言い得て妙だと感心しきり!見て飲んで確かめて、スッキリした気分で帰路に着きます。

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瓶詰のコーヒーを飲みながら

 昨日来店された珈琲狂から、ご自身が焙煎された瓶詰のコーヒー豆をいただきました。中身はブラジル、コロンビアなどのブレンド(詳細は覚えていない)で、ジャムが入っていたと思われる小瓶に52gが入っており、「これは面白いパッケージ!」だと感心しました。実用性からいえばコーヒー豆の量が少なすぎますが、こうした小瓶が並ぶ箱入りギフトがあれば喜ばれるのでは?などと想像してみます。

  今朝は、コーヒー豆の焙煎途中に、いただいた瓶詰のコーヒーを飲みながら、色々雑談している中で出た、新たに開業する人達のことについて思い出しています。同じ自家焙煎でコーヒーを提供する者として、私自身が開業までに取り組んだことや、考えていた内容と随分異なっているような気がして、年齢の違いなのか?コーヒー関連の仕事に関わっていなかったからか?などと挙げてみるも、正直分かるはずもありません。

 それぞれが夢や憧れを持って始めるわけで、短期間だけの真似事で終りたくはないのです。だからこそ、継続できる経営を前提で準備を行うのですが、一人で考えることには限度があり、誰かに相談してみたり、類似する店を見て自分に置き換えてみます。ただ、その際に気を付けなければいけないのが、肯定的な意見ばかり聞く耳を持ったり、上手く回っている店をばかり見ないことです。

 自分が新たな道へ進むためには度胸が必要です。勇気というよりも度胸という言葉が適当だと思います。迷えばいつまでたっても前には進めませんから、誰かに背中を押されたいと期待したり、成功例を見て大丈夫だと自分に言い聞かせ、クソ度胸で前に進みます。しかし、そんなものは何の根拠もないのですから、データや数字を正しく把握するしかありません。そのために、開業前には出来るだけ詳しく事業計画書を作成し、客観的に判断する材料を作るしかないのです。そこで不足するものを見つけて補えば、多少なりともリスクを回避することが可能です。むしろ、私は足らないものを幾つ見つけるかの作業を重点的に行いました。

 まだまだ開業から4年を迎える程度です。自分自身に言い聞かせるように、昨日の話を思い出しなが、瓶詰のコーヒーを飲みながら、自分に足らないものを探してみるのでした。

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諸説あります

 2020年には、明智光秀が主人公のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が放送される予定となっています。これを契機に、岐阜県と地元市町、観光協会等が連携して各種プロモーションを実施するため、行政、観光関連団体による「岐阜県大河ドラマ『麒麟がくる』推進協議会」が設立されました。

 県では誘客事業業務委託のためのプロポーザル(企画提案)参加事業者を、委託費上限700万円で募集し、複数回にわたり推進協議の場が持たれています。そこでは、具体的なプランとして、岐阜市の岐阜公園内に明智光秀だけでなく、斎藤道三や織田信長との関わりを表現した展示施設の設置。可児市では明智光秀生誕の地である「明智庄」にあり、近くには居城であった「明智城跡」近くの花フェスタ記念公園に、明智光秀の生涯をたどる展示施設を設置。恵那市の日本大正村には、明智光秀×東美濃の山城をコンセプトにした施設と、いわゆる「大河ドラマ館」の設置が検討されています。

 他にも、恵那市と中津川市を運行する明知鉄道の車両に「明智光秀ゆかりの地恵那市」をテーマとしたデザインのラッピング列車を走らせる計画もあり、朝ドラで岩村町が全国的な観光名所になったように、ドラマに便乗しようと熱心な活動がされているようです。

 地元土岐市でも、明智光秀ゆかりの地としてパンフレットサンプルに取り上げられているのが、「高山城跡」と「妻木城跡」です。「高山城跡」は、光秀の源流、土岐源氏の館を防御するため、館を見下ろせる高台に碧を築いたのが、土岐高山城の始まりと考えられている。とあり、「妻木城跡」は、光秀の正室、妻木城を本拠とした土岐明智氏の女性、熙子(ひろこ)であったと言われている。となっています。

 よくよく見ると、このパンフレットには「という伝承がある。」「とされている。」「伝えられる。」「逸話がある。」「考えられている。」「言われている。」のオンパレードであり、意外に不確実な情報だったりします。しかし、こうした文字になってしまうと読み手にとっては事実として受け取られることになります。史実には明らかにならない部分が多いものですが、テレビや印刷物を見た人によっては誤った情報が事実になることもあり、何だかどこかの国を見ているようです。

 地元の郷土史研究にも関わったこともあるお客様に尋ねたところ、早く記録に残した所が優先される風潮があり、ある意味「言ったもん勝ち」的な面もあるようで、某有名教授が言ったとか、某有名館長が認めたとかで歴史的価値が左右されることもあり、まさに「歴史は作られる」んだとか。不明な部分は不明のままであったほうが、逆にロマンがあると思うのですが。

 コーヒー業界にも地域性を出す意味もあってか、「藩士の珈琲」「源内珈琲」「徳川将軍珈琲」などが販売されています。具体的な史実に基づいたものか微妙なものあるものの、先ほどの話ではないですが、「やったもん勝ち」的な空気もあるとも聞いています。地域を盛り上げようという意図は理解できるものの、歴史的な解釈まで歪曲してしまうようで違和感を覚えます。

 そうした曖昧な部分については、「チコちゃんに叱られる」の最後に流れるテロップのように、正直に「諸説あります。」と言えばいいのにと思うのでした。

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rakura(ラ・クラ)を読みながら

 3月11日の過ごし方は人それぞれでしょうが、私は大人のための北東北エリアマガジン「rakura(ラ・クラ)」を読み始めていました。この雑誌は、北東北(岩手・青森・秋田)の地域密着型情報誌で、食・文化・人・自然など、さまざまなジャンルにわたって北東北の魅力を再発見できる情報誌となっています。

 地元の人しか知らなかった通な情報や、週末に役立つ情報など、ラ・クラ独自の目線で紹介し、旅行雑誌やガイドブックには載っていない、北東北の魅力がたっぷり詰まっているのです。数年に一度しか訪ねていない東北の地です。決して自分が東北人になることはできないけれど、忘れたくない場所であることには変わりません。だからこそ、遠く離れた地から雑誌を通して思いを巡らします。

 『時間を潰すためにカフェに行くのではなく、一杯のコーヒーのための時間を作ろう。そう心がけたら、暮らしに少しゆとりができそうだ』、そんな言葉で始まる今回のvol.93 201934月号の特集記事は、「もっと自家焙煎コーヒーを。」です。

■あの街この店■

【岩手】Nagasawa COFFEE / 生豆と焙煎 fulalafu

【青森】Café des Gitanes 古川店 

【秋田】08COFFEE / doppio coffee factory

 いずれも個性ある店づくりがされています。けれど、一番個性が溢れているのが店主であり、店主の顔の見えるお店になっています。

Column あの人のコーヒーが飲みたい■

【岩手】オールドコーヒーの店 機屋

 27年前のオールコーヒーっていったいどんな感じなんだろうか?「コーヒー一杯で世界中どこにでも行けるんだから。」と店主は言うが、ここならタイムトラベルも可能なのかもしれない。

スタンドで味わう日■

【岩手】CAFÉ LAube

【青森】COFFEEMAN good

【秋田】FOG coffee

 こういうスタイルのお店は近くにないから興味が湧きます。コーヒーを飲みながらの風景がきっと違うんだろうか?

■コーヒー・オン・ザ・ロード■

 NōTO GENERAL STORE / 6かく珈琲 / saule branche shinchõ

 炭火の手廻し焙煎って面白そうだけど、自分には遠い存在です。

設計士の小さな店■
【秋田】匙/今井ヒロカズ設計事務所

 匙(さじ)という店名の由来に触れていなかったけど、いったいどんな意味があるんだろうか?設計士だけあって自作の焙煎機で作られたコーヒーも気になります。

 東北には温泉や地元ならではのグルメが満載です。昨年に青森へ行ったばかりだけれど、自家焙煎のコーヒーを飲み歩きたくなり、何だかムズムズしてきます。

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鈴鹿の森庭園へ

 この時期にAGF鈴鹿工場へ見学に行ったのには、実は、もう一つ理由がありました。それは、しだれ梅の庭園として知られる「鈴鹿の森庭園」の梅が見頃となるからです。
 「鈴鹿の森庭園」は、日本の伝統園芸文化のひとつであるしだれ梅の「仕立て技術」の存続と普及を目的とする研究栽培農園で、三重県津市に本社を置き、花と緑、水の事業に関連する様々な事業を展開する赤塚グループが運営しています。
 この庭園では、「呉服枝垂(くれはしだれ)」を中心に、匠の技と歴史が受け継がれた名木が約200本植えられ、毎年の開花時期に合わせ一般公開されています。ホームページの画像のように、残雪の鈴鹿山脈を背景に、桃色の大輪の花で彩られた早春の日本の美を堪能するはずでしたが、残念ながら雨の中では叶わず、傘をさしての散策となりました。
 梅の花に関する公園は数多くありますが、どれも背丈が3メートル程で、梅の木の数が多いものの、一本一本が見所のあるものとは言えません。しかし、ここの庭園では7メートル程の立派な名木ばかりで、全てが作品としての品格さえ感じます。
 梅の木は中国や日本で古くから親しまれたそうですが、”しだれ梅”は比較的新しく、江戸後期の文献に初めて登場し、現在では42種類ほどが確認されているんだとか。その中で、この鈴鹿の森庭園では、日本最古といわれる呉服枝垂れをはじめ、全国から集められた名木を楽しむことができる貴重な場所といえるでしょう。
 花粉症で苦しむ季節ですが、この素晴らしい光景を見ている間は安らぐ時間となりました。(雨のせいかな?)

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工場見学

 日頃から、定休日の月曜日を利用して興味のある場所へ出かけており、お客様から聞いた話題のスポットや、気になる自家焙煎店等へ出かけています。そこで今回は、インスタントコーヒーやレギュラーコーヒーを作っている、鈴鹿市のAGF鈴鹿工場に行っていました。

 味の素AGF株式会社では、群馬県現太田市にあるAGF関東工場と、三重県鈴鹿市のAGF鈴鹿工場の2か所がメインの工場で、両方とも工場見学をすることができます。運よく月曜日に見学予約がとれたため、少しばかり遠出となりましたが「大人の社会見学」気分で参加しました。
 そんな「大人の社会見学」に参加していた人は、他に夫婦4組と女性3名、そして私の12名です。先ずは、社員食堂上にあるホールでDVDを鑑賞し、工場での作業工程やコーヒーづくりの基礎知識を学びます。その後、チリやホコリが工場内に入らないよう帽子、ヘルメット、白衣、靴カバーを着用し、コロコロを体中転がし、手洗いをしてからエアシャワー後に入場します。もうこれだけでテンションが上がりますね。
 いくつかの通路を通って大きな焙煎機の前に到着。この焙煎機は最高温度230度まで加熱でき、約20分間で300kgのコーヒー豆を焙煎できるそうです。そして、そうやって焙煎されたコーヒー豆を使用し、ドリップバッグを作る工程、スティックコーヒーの袋詰の工程などを見ていきます。工場内の展示スペースでは、AGF鈴鹿工場が取り組んでいる環境対策とリサイクル技術を紹介されます。そして、工場敷地内に設けられた温室へ行き、180cm程に成長したアラビカ種のコーヒーの木を見学しました。コーヒーの実は最近収穫したばかりで、ほとんど見られませんでしたが、一部赤い実が残っています。
 鈴鹿市に工場が建設されたのには、鈴鹿山脈から得られる良質な水と、原料となるコーヒー豆の船舶輸送に便利な四日市港があるからとか。さらに、この鈴鹿工場はでは、レギュラーコーヒー、リキッドコーヒー、インスタントコーヒー、スティックコーヒーの四種類の加工工程を一つの工場で行っている、世界で唯一の工場ということです。
 最後には、コーヒーの美味しい淹れ方の説明がありましたが、ペーパーフィルターの湯通しや、蒸らし時間の説明が画面の字幕と異なったり、注湯後にドリッパーをドリップポットから外さないといった、??な部分があったのは、ご愛嬌といったところでしょうか。
 そんなこんなで、工場でのロブスタの香りとアラビカの香りを交互に嗅ぎながら、清潔で整然と管理された工場から製品が送り出される光景を見て、「大人の社会見学」を終えました。ちなみに、お土産はドリップバッグとクリアファイルです。

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つるし飾りと 3.11

 土岐市には、ニフティ温泉年間ランキング2018岐阜県第1位のとなった、「土岐よりみち温泉」という日帰り入浴施設がありますが、他にも市内には「柿野温泉」、「曽木温泉」、そして地元である下石町にも「山神温泉」があります。いずれも源泉温度は28度程の冷泉であるものの、泉質は「土岐よりみち温泉」がアルカリ性単純温泉で、それ以外はアカリ性単純弱放射能温泉です。

 地元の山神温泉は土岐市にある歴史のある湯治場です。700年ほど前の鎌倉時代、この地に逃げ込んだ傷ついた落武者が気を失ってしまった時に夢枕に薬師如来が現れ、谷川で傷を洗えというお告げ通りに体を洗うと、不思議なことにたちまち傷が治ってしまったといいます。それ以来ここは地元の大切な湯治場となり、それが「山神温泉」湯乃元館の由来なんだとか。

 しかし、「地元あるある」で、この温泉に入浴したのは過去数回しかありません。地元では料理旅館という感覚で、法事や町内での宴会で利用することは多くあるものの、近すぎて宿泊することが無いからです。過去に入浴した際も宴会後だったと思います。温泉の泉質がラジウム温泉ということもあって、アトピー・湿疹・皮膚病・リウマチ・神経病などに効能があるうえ、肌がスベスベになる良い温泉であるにも関わらず、一般的なアルカリ性単純温泉の「土岐よりみち温泉」についつい出かけてしまいがちです。

 その「山神温泉」で、館内スペースを使って『つるし飾り展』が行われていました。旧暦で雛祭りを行う土地柄らしく、3月2日から4月3日まで館内を色とりどりに飾られている「つるし飾り」を見るのもいいかもしれません。美味しい料理を食べた後に、体の芯まで温まった湯上りに眺めたいものです。(あくまで希望)

 ところで、地元の温泉の多くがアカリ性単純弱放射能温泉です。この「放射能温泉」という言葉を使わなくなった時期がありました。それは、東日本大震災による津波によって、東京電力福島第一原子力発電所が破壊され、大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故が起きた後の事です。

 目に見えない放射性物質に怯える映像がテレビで毎日流れ、小型のガイガーカウンターがネットでも購入できるようになり、放射線量の数字が恐怖心を掻き立てました。都心に住む外国人駐在員が日本から出国し、なかには都心から地方に移り住む人もいました。そのため、今まで健康に良いとされていた温泉にまでも影響がでたのです。

 そんな風評被害的なものはお湯に流せるのでしょうが、福島では遅々と進まない原子力発電所の事故処理があります。3月11日を再び迎える頃になり、「つるし飾り」が子供たちの幸せを願って作られているように、東北の人たちの復興を願わずにはいられません。

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クッキーの補充

 先週はクッキーの在庫がソコソコあったこともあり、来週からボチボチと作ればいいと思っていました、ところが土曜日から急に売れ始め、気づけばクッキーの棚がほとんど空っぽになっています。「こりゃまずい!」と慌てて作り始め、なんとか商品棚らしくなりました。

 お店の売り上げに占めるクッキー類の割合は数パーセントにしかなりませんが、その金額を他の物で埋め合わせることは容易ではありません。立地的に限られた場所に店舗を構えている以上、多少なりとも客単価をあげる効果のあるクッキー類は欠かせませんし、唯一の「ついで買い」となる商品です。

 ある商品を購入された方に、「いまなら、〇〇が安くなっています!」とか、「一緒にポテトはいかがですか?」といった、ついで買いを促すことをマーケティング用語で「クロスセル」といいます。そのクロスセルを成功させるには、最初に購入された商品よりも安価な商品にすることで、ついで買いをしやすくなると言われています。

 けれど、そもそも、ついで買いを促すような言葉かけもしませんから、クロスセルなんて言えるものではありません。ましてや、クッキーをさらに売って売り上げアップを図ろうなどと、商魂たくましい訳でもなく、「家庭でコーヒーを飲む際のお供にどうぞ。」ってな気持ちで販売しており、商品数も少なく、時々入れ替えしている程度です。あくまでコーヒー豆がメインですから、クッキー類は脇役の存在なのです。

 そなんでいいのか?という考え方もありますが、クッキー類やケーキを作る最大の理由が「楽しいから!」なのです。形の無い物から作り上げる工程が楽しいですし、食べた方が「美味しかった。」と言ってもらえ嬉しくなるからです。そこに欲が加わると、「もっと売りたい」、「もっと売れるはずだ」、「なぜ売れないんだ」などど、本来の「楽しく」から遠ざかることが目に見えています。

 今のように、「あっ!売れちゃあったよ!急いで作らなきゃ!」といったペースが、自分には一番良いのだと思っています。

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ケニアのナチュラル

 先日参加した生豆商社主催のセミナーで、カッピングした中に以前から気になっていた豆があり、「これは面白いかも?」と早速取り寄せてみました。それが、「ケニア エンデベス農園 ナチュラル」です。

 この農園は、ケニア北西部キタレエリアのエルゴン山麓のウガンダ国境に近い場所にあります。商社の資料では、農園名Endebess Estate、標高1,750m1,950m248haの広さのようです。キタレ周辺はコーヒーをはじめ、トウモロコシ、ヒマワリ、除虫菊、茶、豆などが栽培される農耕地帯であり、キタレはその農作物の集散地となっています。

 商社のPRコメントには、『エンデベス農園では水洗式にも適した完熟チェリーを収穫し、アフリカンベッドにて丁寧に乾燥しています。ケニアでのナチュラル商品は、通常は収穫の終わりの余った果実を使用して作られますが、同農園は高品質ナチュラルを意図的に創り上げています。』とあるものの、ナチュラルに多くある欠点豆にハンドピックで苦戦しながらも、ナチュラル独特のフレーバーを知ってもらうべく、コツコツと作業しています。

 お店ではウオッシュド(水洗式)の豆が中心ですが、スポット的に流通するハニー(半水洗式)やナチュラル(非水洗式)を取り上げています。ただし、お客様の反応は好きか嫌いかが明確に別れ、皆さんに好まれるコーヒー豆ではないのも事実です。しかし、そのはっきりとした反応が嬉しくもり、「今回はどうなんだろうか?」という楽しみにもなりました。

商社には在庫が少なく、数量限定の提供となりますが、お客様はどんな反応をしてくれるんでしょうか? 

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グアテマラのメロン

 スーパーで、『赤肉の大玉メロン!!激安販売!!グアテマラ産 カンタロープメロン』の立札を見て、前回のホンジュラスのメロンと同様、迷わず手に取って買ってしまいました。コーヒーと関係の無い商品にも関わらず、コーヒー産地に過剰に反応してしまうようになってしまいました。

 グアテマラは世界のメロン生産量の国別ランキング(2017年FAO)で、世界10位のメロン生産国らしく、国連の統計によると2016年のグアテマラによるメロンの輸出量は45,530万キロに上り、スペインを上回り世界一だったそうです。 

 農畜産業振興機構「ベジ探」を見ると、メロンは生鮮で輸入されることが多く、2015年の生鮮メロンの輸入量は2万3767トンとなっており、2011年の3万2948トンをピークに輸入量は減少傾向にあり、輸入先はメキシコが7割以上、米国が2割以上を占めています。そして、輸入されているメロンの多くはハニデューメロンで、果皮が白色系で網目模様のないノーネット型であり、多くは外食や中食などのカットフルーツの原料として使われているようです。 

そして、2018年になると、ホンンジュラスやグアテマラなどとのメロンの輸入が解禁となる関連規則が改正され、その年にイオンがグアテマラ産カリビアンメロンを直輸入し、コストコでもデルモンテ・ジャパンが輸入者となって販売の開始しました。 

 カンタロープとは、ヨーロッパ南部、アメリカ、タイなどで露地栽培される、赤肉種のマスクメロンで、キャンタロープとも呼ばれています。日本では栽培されていないようですが、カンタロープを品種改良したものが「スパイシーカンタロープ」という品種で、これは夕張メロンの親品種なんだそうです。夕張メロンより破格に安いので、味の方もそれなりなのが納得できます。

 ちなみに、このカンタロープの日本名は、「疣(いぼ)メロン」なんだそうです。なんで?

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苗木城跡へ

 お店に居ると、お客様から近隣の観光スポットや、最近話題となっている場所を教えてもらいます。今日は、そんな話題のスポットの一つである、中津川市の「苗木城跡」へ行ってきました。
 苗木城跡は、2017年4月6日(城の日)に公益財団法人日本城郭協会によって、「続日本100名城」に選ばれました。そんなこともあってか、岐阜県が2007年に制定した、「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」の“岐阜の宝もの”にも、2017年9月に「岩村城跡と岩村城下町」、「苗木城跡」、「美濃金山城跡」の3つの城を「ひがしみのの山城」として一体的に認定されています。
 そういったPR効果の影響か、中津川市は2018年9月中旬から10月下旬にかけて、本丸西側0.21ヘクタールに生える約120本の雑木を伐採し、城山大橋などから城郭を形成する巨岩や石垣が望めるようになりました。そして、木曽川に面した南側の雑木の伐採も行われ、1871(明治4)年の廃城前の城郭姿を観察できるようになってきました。
 実際に駐車場から歩き始めると、岐阜のマチュピチュ、天空の城と噂されるだけあって、山の上で巨岩と石垣が交り合う景観は絶景です。そして、石垣が交じり合う道を通って山頂まで登ると、その巨岩の上に展望台としての天守台が作られています。岩に掘られた実際の穴を利用して当時の構造を再現したものですが、この巧みな技術は見ごたえ抜群です。こうした岩に穴をあけ、柱を立て、そこに本丸を築いた建築方法は、京都の清水寺や鳥取の三仏寺投入堂と同じだそうです。
 山頂からの眺めは、恵那山の堂々たる姿、木曽川の流れ、そして中津川市街地と、絶景が楽しめることもあり、昨年は8万人を超える人が登城したそうです。近くまで路線バスの駅がないため、北恵那交通の季節限定直行路線バスが運行されるなど、これからさらに人気が出そうです。

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オイシクナイ!

 お店を始めてから、これほどハッキリと「オイシクナイ!」と言われたことがありませんでした。内心、自分の求めているコーヒーの味と違うと思ったり、不味いと思う方はあったのでしょうが、声に出して「オイシクナイ!」と言われてしまうと、さすがに落ち込みます。

 実は、時々コーヒー豆を購入される方が、会社の研修生であるベトナム人を連れてこられました。日本の生活に馴染むように色々な場所に連れ出しているようで、今日は珈琲屋で日本のコーヒーを飲ませようという目的でした。そして、「本日のコーヒー」にしているコロンビアのコーヒーを出したのですが、あまり気乗りしない雰囲気です。

 そこで、故郷ベトナムのコーヒーを出して喜んでもらおうと、ベトナム産のロブスタでベトナムコーヒーの抽出器具を使用し、現地のカフェのようにコップに氷を入れてアイスで楽しんでもらうつもりでした。「この器具知ってる?」「知ってる、知ってる!」少し喜んでもらえたと思ったのも束の間、例の「オイシクナイ!」との言葉が出てガックリです。

 連れてこられた方が詳しく聞いてみると、どうやら甘さが足らなかったようです。練乳を缶コーヒーくらいの甘さになるよう入れましたが、まったく不足していたようです。どんだけ甘くするんだ!って思うのですが、食文化の違いというものでしょうね。お帰りになる際には「次回はもっと甘くするから!」と声を掛けましたが、果たしてどんな結果になるのでしょうか?

 ちなみに、コーヒーと一緒に出した食パンを食べ、「これ美味しい!」とたいそう喜んでいます。「ここは珈琲屋やて!」(笑)

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コーヒー抽出の法則

 「コーヒーの香りが家庭の中に漂い、家族が集う時間が生まれる幸せを想像しながら、日々焙煎する時間を楽み、ドリップしたコーヒーに癒しのフレーバーを込めたい。私がお客様に提供するものはコーヒーそのものではなく、コーヒーを飲む「幸せな時間」だと考えています。」こんな事をホームページに書いた通り、焙煎するコーヒー豆は100%個人への販売となっています。そして、楽しくコーヒーを飲んでいただくため、コーヒーに関する質問・疑問に対しては出来るだけ丁寧に対応するよう心がけています。

 そのため、自分の未熟な経験や知識を少しでも補う方法として、各地のセミナーに参加したり、出来るだけ多くの珈琲屋さんへ出かけて創意工夫を見つけたり、さらには、コーヒーに関する書籍を読むことで、お客様が理解しやすく楽しめる方法はないものかと模索しています。お店のカウンターに座られたコーヒー好きの方や、今年も依頼された公民館講座を受講される方に満足してもらいたいですから。

 そんなコーヒーに関する書籍を昨年に何冊か予約注文しましたが、石光商事社長である石脇智広氏の『おいしいコーヒーの科学』が発売延期から発売中止となり、コーヒーハンター川島良彰氏の『ツウ!になるコーヒーの教本』も発売延期からなぜか最近になって、著者欄が「ファッティーコーヒー(著)」と訳のわからないことになっていると思っている最中、『コーヒー抽出の法則』がAmazonnから届きました。

 「〇〇の科学」、「〇〇の教本」、「〇〇の法則」とか、やたら目につくタイトルに安直で安っぽさを感じてしまいますが、この本はNHK出版のコーヒー本「カフェバッハ」シリーズ第4弾で、田口護氏とカフェバッハの現総店長、山田康一氏による共著となっています。少し読み進めると、アレレ?と表紙を見返してしまいます。これって法則じゃなくって方程式や科学じゃないの?そう思えるくらい、旦部幸博氏の文章が多く引用されていました。

 確かに引用文が多いものの、その内容を充分に理解してもらえるようカフェバッハのエッセンスが組み込まれていました。こうしたら更に理解してもらえるのではないかと図解や写真が多用され、惜しげもなく披露しているところがカフェ経営者らしくなく好感が持てます。「この一冊を何度も読み返し、理解を深め、自分のものにすることができれば、コーヒーの味を極めることもそう遠い話ではない。」という言葉に説得力を感じました。

 そして、「はじめに」に書かれた一文、『先日、カフェ・バッハに通い続けて30年以上のお客様が笑ってこういった。店でコーヒーを飲み、抽出の教室に通い、焙煎豆を購入してくださる方である。「私はバッハよりもおいしく淹れられるよ」最高のお客様である。その言葉を心から嬉しく、噛みしめている。』に共感を覚え、自分もそんな珈琲屋になりたいものだと思ったしだいです。

 それにしても、田口護氏と旦部幸博氏との共著、今回の田口護氏と山田康一氏の共著といい、こちらの法則の方が気になります。 

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