■ 2019年10月 ブログ

焙煎をしながら観る

 週末には『下石どえらぁええ陶器祭り』があることから、「あまり混まなければいいな」と思っている、まったく商売っ気のない店主です。そうはいっても、コーヒー豆の商品棚がスカスカではいけないと、朝から焙煎を繰り返しております。そんな焙煎やハンドピックの際に横目で見ていたのが、リトルプリンス 星の王子さまと私』(監督:マーク・オズボーン 2015年)でした。 

 先月は、小説の『星の王子さま』(著:サン=テグジュペリ 訳:内藤濯)を読みましたが、今回はCGアニメとストップモーション・アニメによって制作されたフランス映画です。題名から分かるとおり、原作はサン・テグジュペリの『星の王子さま』なのですが、内容は「星の王子さま」の後日談を9歳の少女の目を通して描かれています。 

原作での、飛行士と王子さまが出会うのと同じような関係性を、少女と年老いた飛行士が出会う物語で始まり、『星の王子さま』の中心となすメッセージである「大切なものは目に見えない」、その「大切なもの」を見つけ出すための苦渋がしっかり描かれており、キツネと徐々にかけがえのない友達になっていくところや、バラとのもどかしいコミュニケーションの様子に表れています。 

ただ、全てが管理され、心の自由を失っている現代社会を皮肉的に描きすぎており、何だか現代社会があまりにも暗いものとして強調されているように感じました。確かに、賞賛の言葉しか耳に入らない自惚れ屋や、自分の体面を保つことに汲々とする王様 夜空の星の所有権を主張し、その数の勘定に日々を費やす実業家らしき人たちも存在しますが、意外とこの現代社会にも素敵な人もいるのです。 

それに、対照的なものとして登場する年老いた飛行士は、小説に登場する飛行士と同一人物とは思えないほどの常識の無さです。最後のシーン、年老いた飛行士を病院に見舞いに行った少女が、「泣くのはしかたないよね。もうなついちゃったから。」に、「君はきっと素晴らしい大人になる。」と答える姿にホッとします。 

「問題は大人になることじゃない、忘れることだ。」、忘れていなかったからこそ、こうして珈琲屋を営みながら、毎日笑顔で過ごしている私です。 

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楽しんだ公民館講座

 今日は、泉西公民館でのコーヒー講座の日です。予定日はすっかり忘れていたものの、さすがに当日は、朝から準備を怠らずに出かけました。今年で3年目の6回を数え、定休日である月曜日の午前中という開催日の条件付きで、尚且つ、初めての方に限るといった要件を設けていることから、さすがに今回は定員の12名を割り込み7名の参加となりました。けれど、一人で12名全員に目配りすることは出来ず、スムーズな進行に苦労していたこともあって、正直ホッとしていたのです。 

 毎回、参加者にはコーヒーの淹れ方云々よりも、コーヒーの楽しみ方を伝えていますが、それ以上に、自分自身がこのイベントを通じて楽しもうというのが目的です。普段お店にこられていな人と触れ合いながら、好き勝手に色々なコーヒーを飲ませたり、初めての経験をしてもらいながら、その反応を見るのを楽しんでいるのです。 

 今回も、コーヒーの基礎知識を説明した後、毎回のごとくベトナムのロブスタのブラックと練乳入りの試飲、マキネッタで淹れたコーヒーと、イブリックで淹れたコーヒーの試飲をしてもらいました。そして、ハリオV60を使用したペーパードリップの体験です。昨年までは松屋式の金枠を使用していましたが、今年から、参加者が日常使用している器具に近いドリッパーとしてハリオV60に変更してみました。 

 先ずは、ハリオが勧める淹れ方を見てもらい、粉の量、蒸らすお湯の量、蒸らし時間をしっかり測って注湯の流れを理解してもらいます。その後、ブラジル、コロンビア、グアテマラ、エチオピアのナチュラルとウオッシュドを順に淹れてもらい、味覚の違いを感じてもらいました。測って淹れる習慣のない方ばかりなので、お湯を多く入れ過ぎたり、細く注げないこともありましたが、思った以上に段取りよく進みます。 

 残った時間を使って手網焙煎体験です。一人1回挑戦してもらい、50gのパプアニューギニアの生豆をサンプルの焙煎豆に近づけるよう、タイマーを見ながらシャカシャカとカセットコンロの上で振り続けてもらいます。飛び散るチャフが頭に乗ったり、コンロの周りに散らかるのも忘れ、生豆が徐々に焙煎されていくことに喜ぶ参加者を見るのは、毎回のことながら楽しいものです。 

 忘れていましたが、ケニアの豆を使ったコーヒープレスの抽出も行い、そのままのコーヒーとペーパーで濾したコーヒーの飲み比べも行いました。そうなると、7種類のコーヒー豆を試飲し、1種類のコーヒー豆をお持ち帰りしてもらったことになります。考えてみれば、これで参加費500円はメッチャ安い!!ってか、こういうのが自分の時も近くであったら良かったのに。そんな想いもあって、この公民館講座を引き受けたのです。 

 でも、お店に戻って片付け作業が終わると、疲れがドッと出てきます。 

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灰釉のコーヒーカップ

 先日、UCC滋賀工場へ見学に行った際、UCC歴代の缶コーヒー等が並ぶ展示室で、場違いな陶器のコーヒーカップを見つけました。この工場では、コーヒー抽出時のコーヒー・カスをバイオマスボイラーの燃料として活用しており、その灰から釉薬を作ってコーヒーカップや盆器などの陶器作品を製作しているようです。

 この取り組みは、滋賀県を活性化するために活動している「滋賀県立大学生」と、UCC滋賀工場、滋賀県を代表する信楽焼の窯元「谷寛窯」が共同で開発した物で、「NETSU(ネツ)」というブランドで販売されています。「NETSU(ネツ)」という名前を付けたのは滋賀県立大学の学生で、 

Never 

Ending coffee 

Tanikangama 

Shigarakiyaki 

Ucc coffee 

の頭文字なんだとか。コーヒー豆を陶器という永遠のものに、という構想当初の想いが込められているそうです。このコーヒーカップで飲むコーヒーは格別に美味しく感じるだろうかと思い、隠れて触ってみると意外に重くて微妙な感じでした。 

 このコーヒー・カスから作られた灰を使用した灰釉について、時々来店される窯元の方に話を伺うと、原料の灰の種類によって異なる発色があることなどの説明を受けます。灰釉は大別して柞灰(柞の木を焼いた天然灰)、土灰(雑木を燃やした後に残る木灰)、わら灰(藁を蒸し焼きにした天然灰)3系統に分類され、それぞれ淡青、淡青緑、乳白色のができるようです。スマホでわら灰の作品を見せてもらいました。 

美濃焼といわれるこの地は、飛鳥時代(7世紀前半)の須恵器に始まるといわれ、地元の需要の一部を満たす程度の細々とした営みを続けていました。平安時代(9世紀後半)になると現在の愛知県にあった猿投窯から新しい焼き物「灰釉陶器」の生産技術を導入します。この灰釉陶器は、9世紀初めに猿投窯で開発された日本初の高火度施釉陶器であり、猿投窯の陶工たちの移住によって開始されたと考えられる美濃窯の灰釉陶器生産は、10世紀に入ると窯数・生産量ともに猿投窯を次第に凌駕し、北は青森から南は九州まで日本全国へと美濃窯の製品が流通するようになったようです。 

UCC滋賀工場で見た灰釉のコーヒーカップを見て、その灰釉陶器生産によって東濃地方が窯業地として確立した背景を知る機会となりました。 

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忘れてた!

 昨日、お客様から「また公民館の講座やるんですね。」と言われ、忘れてた!とドキッとしました。「確か、先月の公民館だよりに案内が出てたよ。」と追い打ちをかけられ、穴を空けたか!!とビビりながら、公民館だよりをネットで検索すると、何と10月28日(月)です。ホッとするやら呆れるやら、完全に忘れていた自分に驚いてしまいます。

  定休日に遊んでばかりいたので、「今度の休みはどこへ行こうか?紅葉は少し早いしな。」なんてことばかり考えており、予定を入れていなくてよかったと安堵しました。そして、「さて、今回はどんなことをして楽しもうか?」とレジュメを印刷し、2種類の試飲と4種類の抽出用のコーヒー豆を決めていきます。 

さらに、あれもしてみようか?でも時間配分は?などと考えながら、搬入する荷物が増えていくことを想像し、ダメ!ダメ!詰め込み過ぎてスケジュール的に無理だと、公民館講座の予定日を失念していたことなど無かったかのように行動しています。 

全くいい加減な講師担当ではありますが、参加者の方、お楽しみに!といったところです。 

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工場見学(2)

 今年3月、鈴鹿市にある、味の素AGF鈴鹿工場に行っていましたが、今回は滋賀県愛知郡愛荘町にある、UCC滋賀工場の工場見学ファクトリーツアーに行ってきました。普段、月曜日には工場見学がほとんど行われていませんが、偶然にも月曜日の午後から空きがあったので、速攻で申し込みしたのです。 

 工場入口にはUCCと赤く書かれた大きなコーヒーカップが設置され、中へ進むと守衛さんが見学ブース入り口を教えてくれます。扉を開けて二階へ案内された部屋は、UCC歴代の缶コーヒー等が並ぶ展示室です。ここで工場見学の前に、滋賀工場で行われているUCCアロマダイレクト製法と呼ばれている、・レギュラーコーヒー100%を挽きたて(24H以内)ドリップ・鈴鹿山系の天然水を100%使用・瞬間殺菌冷却による無菌充填システムの説明と、ジャマイカとハワイの直営農園のPRビデオを見ます。そして、いよいよ工場内部へと向かいます。 

 近未来的なシルバーの扉を前にして、ツアーガイドの「飲むんだったら?」の掛け声に、「UCC!」と参加者が答え、一人の少年がSECURITYと書いたタチパネルに触るとピカッと光り、重厚な扉が開いて見学スタートです。ただし、ここからは撮影禁止区域となります。 

 見学通路はシルバーとホワイトで統一されており、左右の窓から工場の様子を眺めることができます。この工場では焙煎は行っておらず、神戸工場で焙煎された豆を滋賀工場で粉砕し24時間以内にドリップ抽出しており、一つのタンクでボトル缶約11万本の量になるとのこと。 

 通路内には、産地ごとのコーヒー生豆や焙煎度の異なるコーヒー豆が並べられており、触ったり匂いを嗅ぐことができます。さらに進むと、ペットボトルに成形する前のプリフォームと呼ばれる試験管のような物を渡され、ペットボトルへの充填の様子をみたり、缶コーヒーが毎分804個の速さで高速充填される機械を窓越しに見ます。 

 また、その場所で窓の上部に設置されたモニターを通し、品質管理を行っているスタッフと会話をしながら、コーヒーのテイスティングとコーヒーの濃度を測定する機械について説明を受けます。ちなみに、テイスティングの際には吐き出さなかったの飲んじゃうの?コーヒー成分の濃度は1.3%ってことはほとんど水だし!などど思っておりました。 

 最後に訪れたのはカフェのような部屋です。こちらでは、コーヒーを高温高圧で抽出したコーヒーエキスを薄めた濃縮還元のコーヒーと、UCCのレギュラーコーヒー100%のコーヒーを飲み比べます。当然ながらUCCのコーヒーの方が美味しいに決まってます。ちなみに、ガイドの方に尋ねると、濃縮還元のコーヒーは市販の他社のコーヒーを使っているとのこと。 

 再び展示室に戻り、マンデリンブレンドや家庭用レギュラーコーヒー売上19年連続NO.1製品「UUCゴールドスペシャル」、工場内で作っている缶コーヒー等を試飲します。この工場はAGF鈴鹿工場と比べて規模が小さく、作られている製品の種類も少ないことから見学できるスペースも狭いのですが、さすがコーヒー博物館を運営しているUCCだけあって、ガイドのコスチュームや工場見学の工程などに工夫が見られ、AGF鈴鹿工場が工場見学と言うならば、UCCはファクトリーツアーという言葉が似合いますね。

 そんな工場見学を楽しんだ定休日でありました。

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2枚重ねで淹れてみる

 ペーパーフィルターの厚みによって、コーヒーの味わいに変化があるのか?そんな疑問を抱くようになったのは、「某メーカーが浅煎り用のペーパーフィルターを販売するらしいよ。」と聞いたためです。従来のペーパーよりも厚みを持たせ、ゆっくり抽出させるというのがウリなんだとか。

 浅煎りといえばスペシャリティー・コーヒーを連想させるので、スペシャリティー・コーヒー専用というか、「ペーパーフィルターにまで拘った特別なコーヒーです。」てな感じで売り出すんでしょうか?確かに、講釈を垂れると勘違いするお客さんもいるだろうから、意外に売れるんだろうな。そんなことを思ってみたものの、味覚に影響があるのか気になります。

 そこで、厚みの異なるペーパーが無いならペーパーを二重にしてみようと、普通に1枚で使用したものと、2枚重ねで使用したものと飲み比べをしてみました。とはいっても、所謂スペシャリティー・コーヒーの店のような浅煎りの豆がないため、お店の豆の中でそこそこ浅煎りのルワンダを使用してみました。

抽出時の「ゆっくり抽出」という時間差は、1杯出しのためか大きな差は感じません。飲み比べると、酸味の感じ方が2枚重ねの方が柔らかくなったように思います。松屋式で淹れたからか、2枚重ねという発想が間違っていたのか分かりませんが、この味覚の違いがどうなのかは、実際に発売された後に再度試してみようと思います。

 それにしても、浅煎り用ペーパーフィルターを作るなんて、まったく商売上手だね!

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秋の香り

 台風が過ぎ去った翌朝、我が家の庭に金木犀の香りが漂い始めました。そして、ゴミの集積場までいくと、近くの家々の庭からも金木犀の香りが漂ってきます。こうやって一斉に花開き、強い香りを放つ植物の仕組みに驚きながら、今年の香りは、忘れられない台風被害の記憶となって刻まれることでしょう。 

 そんな秋の香りには、先日食べた松茸(中国産)や、今回のような金木犀もありますが、コーヒーの業界でも秋の季節限定ブレンドなどといって、秋を連想させるオリジナルブレンドの名前で商売をします。・期間限定!秋の澄んだ空と紅葉をイメージした香りです。・濃厚なのに優しい、深いのに柔らかい。・豊かな実りの秋をイメージした、香りとコクが深いブレンドです。などなど。 

 でも、そうしたコーヒーに限って飲んでみると、実際のところ秋を感じる香りでもないのです。だって、そのコーヒーは春でも夏でもあるんですから。それを組み合わせて「秋の香り」っていったところで、コーヒーはコーヒーなのです。正直、身も蓋もないのですが。名前やラベルで「秋の香り」を押してもピンときません。 

 「まめ蔵」では、ブレンドは当初から1種類のみで、特に季節商品として名前やパックケージに工夫を凝らしていません。ちなみに、10月に販売の多かったコーヒー豆は、 

・ケニア マサイAA 

・コスタリカ・ブラックハニー 

・コロンビア マクダレナSUP 

・グアテマラ アンティグアSHB 

といった具合で、年間を通じて販売順位には大差がないのです。(ただし、期間限定商品は除く。) 

 秋だからといって、それまでコーヒーを飲まなかった人が飲むようになるとは思えず、アイスからホットにして飲む量が増えたりとか、少し苦めのコーヒーが恋しくなることはあるかもしれません。でも、秋の香りがするコーヒーというのはイメージだけで、実際のところ無いような気がします。あるお店ではカッコ書きで、(個人差があります。)と正直な表現をしていました。こんなコーヒーなら飲んでもいいかな。 

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明智光秀博覧会?

 『来年1月から放送の大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」に合わせ、主人公の戦国武将・明智光秀にゆかりのある岐阜県可児市は、花フェスタ記念公園(同市瀬田)内に整備するドラマ館の前売り入場券販売を10月1日から始める。』(9月30日 岐阜新聞) 

 この記事を読んだ妻が「前売り券を買わなきゃ!」と言うので、花フェスタ記念公園に出かけて前売り券(400円)を購入してきました。既に公園内には西口入ると直ぐに工事が行われており、工事用フェンスに「(仮)麒麟がくる 岐阜 可児 大河ドラマ館」開催予定の文字とともに、明智光秀ゆかりの地のポスターと明智光秀博覧会開催決定のポスターが貼ってあります。

 明智光秀博覧会?なんじゃそれ?そう思って園内にあったチラシを見てみると、ドラマ館が作られる花フェスタ記念公園内に、「明智光秀博覧会」として無料スペースが整備されるようです。そこでは、逆臣のイメージが強い光秀について、近年の研究に基づき「実は優れた政治能力や、部下を思いやる優しさを兼ね備えていた人物だった」として特集する企画展や、飲食スペースなどを設けるようで、早い話、来館する人からイベントやグルメでお金を落とさせようという魂胆です。 

 大河ドラマ館で戦国武将である明智光秀を、光秀ゾーンで明智光秀が生きた時代を、戦国イベントゾーンで戦国時代を楽しみ、戦マルシェゾーンで戦国時代を食べる、買うというのが、チラシに書いてあった全体像にないます。でも、戦国時代を食べるって、本当に再現するんだろうか? 

 『図解 戦国武将』(池上良太 ) によれば、戦国武将たちの食事内容は一汁一菜が基本で、ご飯の量が最も多く、1回の食事で25(今の茶碗5杯分)も食べていたそうです。ご飯といっても白米ではなく、玄米や雑穀が中心で、これを蒸籠(せいろ)で蒸したものを強飯(こわいい)、現代のように炊いたものを姫飯(ひめいい)と呼び、貧しい中級以下の武士などは雑炊にして食べることも多かったようです。こんなもので客が喜ぶんだろうか? 

 それとも、織田信長が徳川家康をもてなした際に出されたとされる、本膳に鯛の焼き物、なます、鮒鮨、二膳はうるか(塩辛)や鰻、三膳は焼き鳥や渡り蟹、四膳は巻するめや椎茸、五膳はまながつおの刺身にしょうが酢など。この他、各膳にホヤ冷汁、鶴汁、鴨汁といった趣向を凝らした汁物などが添えられたそうです。さらに、御菓子として羊皮餅、美濃柿、豆飴なども提供されたようですから。こんな豪華な料理でしょうか? 

 または、合戦の際に大名から配下の武将や武士に対して配られた、握り飯・乾飯(米などの穀物を炊いた後で乾燥させたもの)、兵糧丸(米や蕎麦粉、豆類、魚粉などを混ぜてよくこね、球状にまとめたもの)、味噌玉(焼き味噌を1食分ずつ球状に丸めるなどしたもの)、芋茎縄(ズイキと呼ばれるサトイモの茎を味噌汁で煮しめて乾燥させ、縄状にしたもの)なんか出るんだろうか? 

 そんな期待を抱きながら、妻とともに前売り券を購入し、ついでに年間入園パスポート(2100円)も申し込んでしまいました。

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松茸を食す

 今夜は、我が家で秋の恒例行事となった、鬼岩温泉にあるペンション・パサージュでの食事会です。目的はもちろん秋の味覚の松茸ですが、中国産の松茸だと分かっていても、この季節でしか味わえない味と香りを楽しんだのです。 

 松茸料理を楽しめる店は色々あるものの、リーズナブルで品数の多いペンション・パサージュは人気の場所となっており、この日の夜も駐車場には送迎バスが2台並んでいました。そして、車から降りると松茸の香りが漂ってきます。その香りに誘われて店内に入り、松茸のすき焼、土瓶蒸し、天ぷら、松茸ご飯、茶碗蒸しと松茸づくしを堪能しました。 

 確かに美味しく満足した食事ですが、食事をしながら「やはり松茸は年に一度しか食べられないね。」といった会話になります。そんな特別なキノコである松茸も、ちょうど一年前に「バカマツタケの完全人工栽培に成功」と発表した、肥料メーカーの多木化学(兵庫県加古川市)の株価が、2500円から6000円まで急騰して騒がれたけど、未だに店頭に並んでいない。どうなっているのかと思い、当時の記事を読むと「生産性を高めてコストを引き下げる研究に取り組み、3年後の商品化をめざす。」とある。すると、あと2年先か! 

 そんなことを考えながら、今年も年に一度だけの松茸に満足したのでした。 

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雨宿り

 大型で非常に強い台風19号は、きょう12()夕方から夜にかけて静岡県か神奈川県あたりに上陸する見込みです。東日本を中心に広い範囲で猛烈な風が吹き、猛烈なしけとなり、記録的な暴風や大雨、高潮のおそれがあるそうです。

 この地方では今のところ雨が降るものの、午後から台風が近づくとあって、嵐の前の静けさといったところでしょうか。そんな訳で、お店は通常通り営業を開始し、午後からの天気の様子を見ながら、閉店時間の短縮を考えたいと思っています。 

台風の近づく今朝、家の玄関を開けると、カマキリが軒先で雨宿りをしていました。きっと、こんな日にも雨宿りに利用されるお客さまが居るかもと思いながら、開店準備を始めるのでした。

 ところで、台風情報のテレビ番組を見てから、BSプレミアムで、美の壺「一杯の至福 コーヒー」の再放送を見たのですが、スペシャリストとか名人とか何人も登場し、「これが至福の一杯。」って感じで流れていたけど、個人的には「我が家で、夫婦二人で飲むコーヒーが至福の一杯だな。」などと思って見ておりました。もちろん、そんな至福の一杯を飲んでもらいたいと、毎日ちょこちょこと焙煎しているのですが。

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まめ蔵へ

 定休日を利用し、今日は遠出のドライブです。目的地は「まめ蔵」、いや正確には「おとうふ市場 大まめ蔵」です。実はこのお店、自分のお店の名前を決めた後にパソコンで検索した祭、最初に出てきたお店でした。豆腐とコーヒーではジャンルが違うと思って訪れることはなかったのですが、やはり、同じ平仮名で「まめ」と表記された「まめ蔵」とあって、ずっと気になっていたのです。 

 場所は愛知県高浜市に本社を置く「株式会社 おとうふ工房いしかわ」の高浜工場に隣接して作られた、レストランと工場で作られた豆腐、湯葉、あげ、惣菜、スイーツ、パン、ドーナツ等を販売する直営店です。この「おとうふ市場 大まめ蔵」以外にも多くの店舗を持っていますが、「まめ蔵」ではなく「豆蔵」と漢字が使われていることもあって、一度は訪れなければとの気持ちが強くなっていました。 

 ちょうど昼時ということもあって、二階のレストランで月替わりのDELIランチを注文します。プレートに豆腐づくしの料理が盛り付けられ、鳥めしとお吸い物がつきますが、さらに、豆腐直営店ならではの豆腐食べ放題「おとうふバー」で、たら腹豆腐料理を食べます。なんたって、これなら食べ過ぎても大丈夫な気がしますから。 

 豆腐料理に大満足したものの、やはり食後のコーヒーが恋しくなります。そこで、帰路に寄り道し、岡崎市にある「珈琲通 豆蔵 岡崎店」へ行きます。このお店も「大まめ蔵」の後に検索で出たのですが、漢字の「豆蔵」は意外に多く存在したので、訪れていなかったものの、焙煎機はディードリッヒIR-12を使っているとか、店主がジャパンラテアートチャンピオンシップの決勝に出たとかの情報は知っていたのです。 

 「本日のおすすめ」となっているメキシコを注文します。店員さんから「甘さの強いコーヒーです。」と紹介されましたが、スペシャリティコーヒーの店と謳っているだけあって、心地よい酸味が優った気がします。 

 ちなみに、吉祥寺にある「カレー屋 まめ蔵」は、検索の上位にあがってきますが、なにせ東京都内とあって訪れることはないでしょう。でも、長女夫婦は父親の店と同じ名前とあって食べに行ったようです。 

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ターニングポイント

 お店に展示してある絵の中山尚子さんや、瑞浪の画家グループ「萌穂会」の初期から見てきた有賀正孝さんらが、瑞浪市地域交流センター「ときわ」で、第1回アートキューブ展覧会「ターニングポイント」(10月2日~30日)が行われているため、ちょっと覗いていました。 

 昨年までは「トライ・アーツ・クラブ」の企画展でしたが、「トライ・アーツ・クラブ」はもともと絵画・音楽・演劇の3つのジャンルで作るグループで、音楽部門のメンバーが大幅に入れ替わったため、2018年12月に解散し、新たに「アートキューブ」として再出発したものです。 

今回の企画展には、有賀正季さん(画家)、栗木栄子さん(イラストレーター)、中山尚子さん(イラストレーター)、増田衣美さん(デザイナー)、北村武志さん(画家)、金光紀子さん(イラス、トレーター)の6人で、「アートキューブ」としての再出発の意味もあってか、テーマは「ターニングポイント」です。 

それぞれの作品の横には、作者のターニングポイントとなったタイミングや思い出などが添えられ、一人暮らしを始めたころの想い出、デザイン事務所に入社したころの悩み、10代から30歳までの「心の旅」、自身の初個展で亡き母が購入してくれた思い出の作品や、ヒット作の原点となったイラストなどが描かれています。 

初めて見る有賀さんの油絵による自画像や、隠し絵から現在の画風に変わった気持ちを綴った中山さんの作品を見ながら、自分自身のターニングポイントを考えてみるものの、たくさん有り過ぎて答えがでないまま「ときわ」を後にしました。
 なお、10月12日(土)には、展覧会と同様、「ターニングポイント」と題した、音楽・芝居・絵画による公演が行われます。残念ながら見ることが出来ませんが、絵画部門のメンバーによる公演用の作品も披露されるようですから、ちょっと残念です。 

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私の患者になってくれてありがとう

 先日、妻の机の上に置いてあった本が気になって手に取ると、『私の患者になってくれてありがとう』(著者:井上善文)という本でした。「ヘ~!そんな気持ちで接する医師がいるんだ。」そんな印象を持って副題を見ると、「残存小腸0cmの短腸症候群 17年間の在宅静脈栄養の軌跡」とあります。「残存小腸0cmってどういうこと?」、「静脈栄養?」などと疑問が湧きます。そして、帯紙には「この物語は、自信をもってHPNを実施できると自負していた外科医と、残存小腸0㎝となった29歳の女性患者が巡りあった、医療としての記録である。」・・・「HPN?」そんな質問を妻にすると、「一般の人には専門用語がでてきて難しいよ。」とのこと。しかし、興味を持ったので読み始めることにしました。 

27歳で妊娠中に上腸間膜動脈血栓症を発症し、腸管の大量切除術を受け、残存小腸が0cmとなった短腸症候群の患者である中村絵里さん。本書は、彼女の栄養管理を担当し、HPN(在宅静脈栄養法)によって、その後の17年間の人生を伴走し続けた医師の記録です。 

HPN(在宅静脈栄養法)は、在宅中心静脈栄養法(HPNHome Parenteral Nutrition)のことであり、在宅で適切な栄養量を注入して栄養状態を維持・改善し、栄養維持を目的とした、入院をなくし、家庭や社会復帰を可能にして患者さんと家族の生活の質を向上させる療法です。 

ただし、実施には、以下のような3つの前提条件があります。

 患者さんが入院治療を必要とせずに病状が安定しており、HPN実施で生活の質向上がめざせる場合 

 ② HPN実施にあたり、院内外を含む管理・連携体制が整備されている場合 

 ③ 患者さんと家族がHPNの必要性をよく認識して希望し、輸液調製が問題なくでき、注入管理が安全に行えて合併症発生の危険が少ない場合 

 絵里さんの場合は、29歳の時点で残存小腸が0cm、結腸も右半分を切除しているため栄養状態が非常に悪く、自宅で経口摂取と看護師である姉による輸液を行い、体重が落ちると入院し、TPN(中心静脈栄養法(当時はIVH))により改善をはかることを繰り返していました。
 そうした状態の患者と出会った著者は、当時、米国の大学に留学し、帰国後、大学病院で臨床栄養に関する活動を積極的に行っていたことから、「私が絵里さんを元気にしてあげよう、してみせる」と、自分の経験を活かすことができると考え、大阪大学にてCVポート留置術を受け、感染に注意したポート管理と自己輸液の訓練を受けると、退院してみるみる栄養状態を取り戻していきます。 

健康な頃に比べ20kgも落ちていた体重は、退院後3か月で8kgも増えて43kgまで回復します。「HPNを投与する→栄養状態が良くなる→元気になる→食欲が出る→食事量が増える→体重が増える」という好循環のサイクルが回り出しました。 

下関の実家で暮らす絵里さんに、さまざまな薬剤を調合した栄養輸液を届けるため、ゴミやホコリ、浮遊微生物などの混入を防ぐために一定の洗浄度レベルになるように管理された、囲いの付いた作業台を備えた大阪の調剤薬局から、下関への輸液の宅配をします。また、その処方箋を発行するための地元のクリニックと著者による連携、日々のエネルギー投与量や週の投与回数など細やかな調整を繰り返し、知識と技を総動員して絵里さんを支えていきます。 

こういった体制が組まれることや、それを長年続けていけること自体に驚いたと同時に、「私の担当医になってくれてありがとう」状態が何だか羨ましく思えてきました。医師は一般の人には選べません。身近な病院でさえも、「あの病院がいいよ。」とか「受診日は金曜日の〇〇先生がいい。」といった情報も手に入らないのですから、運を天に任せて受診しているのです。 

絵里さんは夫のいる松江に帰り、月経も戻り、翌年には長期HPN患者としては世界で9例目であった妊娠・出産も成し遂げています。しかし、HPN開始から9年を経た頃から様々な問題が出始め、リンとカルシウムの不足から起こる骨折、鉄の過剰投与が招く高フェリチン血症と頭痛、貧血、大動脈弁の疣贅、SLEなどが次々と出現します。そして、敗血症により最期を迎えました。 

著者は「最期に」で、こう記しています。「やはり現在のHPNの技術、静脈栄養は未完成であることを実感した。静脈栄養だけで生きていけるほどには完成していない。おそらく不足する栄養成分があるのだろう。現在、TPNはキット製剤が非常に発達し、この製剤を用いればTPNは実施できると安易に考えられているが、明らかに間違いである。食事は科学的にその成分が解明されてきているが、まだわかっていない、生命を維持する上で必要な成分が存在しているのかもしれない。」 

医療の関わっていない私でも、特別な外科手術や新薬の開発などの目立つ医療技術は注目されていても、こうした、患者さんの栄養を下支えし、治療を可能にするHPNはあまりも注目されてないことが分かりました。また、機材、輸液剤、静脈栄養剤、経腸栄養剤、濃厚流動食などは著しく発達していても、これらを適切に使うことができる、レベルの高い「医療としての栄養管理」を実施できる医師が日本には不足していることも知りました。 

けれど、そうした医療の実態や課題よりも、人は食べることによって生きていることを改めて強く感じます。著者が「食事は科学的にその成分が解明されてきているが、まだわかっていない、生命を維持する上で必要な成分が存在しているのかもしれない。」と言っており、「食事として摂取しているから、その未知であるかもしれない成分を身体が取り込んでいるのであろう。」の意味を深く考えたのでした。 

目の前にあった本のタイトルに興味を持ったことから読み始めましたが、専門用語の解説が多く書かれていても理解できず、何度もGoogleで検索しながら読み進めることになりました。そうして回り道をしながら調べていると、消化器外科病棟に勤務する看護師からの質問に答える内容や、そうした職場で働くスタッフの医療や看護に対する姿勢を知り、克明に描かれた様子に臨場感を持って読むことになったのです。

偶然にも出会った本で、医療についてちょっとだけ考えてみたのでした。

 

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時には心の洗たくを

 先月ブログにあげた彼岸花の絵手紙を見て、サラリーマン時代に絵手紙を教えて頂いていた方から、心のこもった絵手紙が届きました。『時には心の洗たくを』。でも、毎日好きなことをして生活しているので、洗たくしっぱなしになり、元の色が剥げてきそうで心配になるくらいです。むしろ、来店される方々に美味しいコーヒーを淹れ、少しくらいは心の洗たくのお手伝いがしたいですね。 

 日々、焙煎やケーキ、クッキー等を作りながら、お客様の少ない昼の時間帯に思いついたことや、関心のあることをブログに書き留めているのですが、思わぬ人からコメントを頂いたり、「ブログ見てますよ!」などと声をかけられると、何だか気恥ずかしい気持ちになります。 

 今年に入って、数年前の「コーヒーとカリウム」や、「焙煎と障害を持つ人」のブログにコメントがきて、どこから「まめ蔵」のブログに辿り着いたのか不思議でなりませんでした。それだけ、お気楽にブログを書いているので、こんなブログを見ている人は少ないとたかをくくっているのです。 

 妻や子供たちは見ることもなく、妻からは「文章が長いから読む気にもならない。」とまで言われており、むしろ家族以外の人から反応があると、本当に妙な気分です。誰かに伝えたいとか、意見を交換したいなどとは考えたこともなく、自分への独り言であったり、将来お店が出来なくなった自分自身へのメッセージくらいのつもりですから。 

 今は、過去を振り返ったり、想い出話をすることもないですが、いずれは「あの時は、こんな事をやってたんだ!」なんて介護ベットの上で読む時がくるのかもしれません。 

 人の心も絵手紙のハートのように、濃淡があったり、少しだけ歪だったりします。でも、心がたくさん並んでいると、妙にハーモニーを描くような光景になるから不思議です。お店も様々な人が立ち寄って、心の洗たくが出来るようにしたいものです。

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消費税増税の翌日

 昨日からの消費税増税にともなって、駅での切符発券トラブルや、消費税を0%で会計した寿司店、軽率税率対象商品を10%で計算した店など、各地でいろんな混乱があったようです。お店のAirレジでは支障なくレシートが発行され、一安心といったところですが、こんな軽減税率制度はいつまで続くのでしょうか? 

 連立与党の都合で始まったこの制度や、消費税増税による消費の落ち込み抑える「ポイント還元」制度も、マスコミが不安をかきたてたり、お得な情報とばかりに中途半端で中身のない情報を流すなど、全く無責任なものばかりです。 

 中には、お祭り騒ぎのようにカウントダウン中継をコンビニで行い、「今、消費税10%のレシートが発行されました!」なんてニュース番組があり、本当に呆れるばかり。さらには、いまさら消費税増税について蒸し返したり、街頭インタビューで、「増税されたお金が正しく使われるか心配。」なんて声を集め、正義感ぶったりしています。 

中小規模の店舗で買い物をした場合、現金ではなく「キャッシュレス決済」を利用すると、最大で税込価格の5%分の現金に相当するポイントが戻ってくるのが、「ポイント還元」制度ですが、「まめ蔵」では行っていません。そんな店舗が他にも多くあり、想定されている200万軒のうち、50万軒しか参加しないって、もう既にこの制度は破綻してるんじゃないでしょうか? 

 一応、この制度は来年6月末が期限なのですが、過去にもプレミアム・フライデーなどの失敗プロジェクト続きの経済産業省は、意地でも東京五輪が終わるまで延長するのでしょうね。更には、普及の進まないマイナンバーカードを持ち出して、新たなポイント還元なんてのも繰り出すかもしれません。 

 今後、消費が冷え込むのは目に見えているので、こうして商売をしている身にとっては切実な問題ではあるものの、家庭だけは「まめ蔵」の温かなコーヒーで、一家団欒を過ごしてもらいたいものです。そんな都合よくいかないか?

 ちなみに、増税に合わせて価格を上げるようなことはしておりません。

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選択肢

 「買わないという選択肢はないやろ。」、そう言われても、買うか買わないかの選択肢は私が持っており、人様にとやかく言われる筋合いはないのです。ですが、買わなきゃ当たらない宝くじという訳で、岐阜県内の宝くじ売り場で購入してしまいました。 

 もちろん、ハロウィンジャンボ宝くじではなく、ハロウィンジャンボミニの方です。セコイって?セコイのではなく、もし5億円も当たってしまったら、5億ものお金をどう使っていいのやら、どう残したらいいのやらと悩むのが面倒なので、1等賞金2000万円なら悩まないだろうという選択肢です。一応、ファイナンシャルプランナーだったこともあって、多少なりともお金の知識があるが故に、楽しく毎日暮らしているセカンドライフに水を差すような、欲望を今更人生の中心に据えたくないのです。 

 まあ、当たりもしないうちから、言い訳じみたことばかり言っていても仕方がありません。ですが、そこそこの間生きていると、その間には多くの選択をしてきたものです。その時は、清水の舞台から飛び降りるような決断であったり、義を見て為ざるは勇なきなりとの行動を取ってみたり、本当に地獄を見たような気持ちになったこともありましたが、現にこうして生きているのです。結局、そうした経験は何らかの形で今に活かされている事を考えると、その時の選択肢を誤ったと後悔しなかったことが幸いしたのかもしれません。 

 もちろん、過去に悔いることは多々あるのですが、その際に選択したことに対し、「あの時には、こうすれば良かった。」と引きずる事は意外に少なかったのです。それよりも、その時に自分が選んだ選択肢を含め、全てが自分自身なのだと認める心が持てたことが、その後の人生にとって大きな影響を与えてくれたと感じています。先ずは、自分の弱い部分、嫌な部分の存在を認め、そんな自分を好きになることが大切なのです。 

 一人でお店をしていると、当然ながら多くの選択を自分でしなければなりません。その時の精神状態やタイミングによっても、選択肢自体が狭まることもあり、出来るだけ直ぐ起きる結果だけに囚われず、1年後、5年後、10年後といった目線で判断するよう心がけています。 

 誰かに頼ることも出来ない状況だからこそ、スリリングであり、リアル人生ゲームですから、架空のゲームで遊ぶ人たちを見ると、何が楽しいのかさっぱり理解できません。簡単にリセットできないし、一時保存もできない緊張感、なんと面白いことか。 

 そんな事を、一度も当たったことのない宝くじを見ながら考え、抽選日までの楽しみを買っただけだと、自分を納得させるのでした。 

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お客様へ感謝の日

 今日、101日は「コーヒーの日」です。その由来については過去のブログに記しているので省略しますが、お店では「コーヒーの日」を利用し、毎年101日と2日にコーヒー豆の20OFFイベントを行っています。商品の割引という点では、このイベントが1年で唯一のものになります。 

 商品を何かしらの意味合いを設けて割引する場合、在庫調整であったり、決算期に合わせた帳尻合わせ的な意味合いのものが多く、そうしたイベントを通じて、新たな顧客の獲得という戦略があります。ですが、私の場合はコーヒー豆を普段から買い求めていただいている方への感謝であり、イベントのお知らせもリピーター限定でDM送付するのみです。

  全くもってやる気がないのか?と思われかねないのですが、「この店のコーヒー豆がいい。」と通っていただく方があって「まめ蔵」が存在できるのですから、第一に考えるべきはリピーターへ何らかの形で還元することしか頭にありません。 

 今回、前日までに15種類の商品を準備しました。もちろん、何キロも焙煎する訳ではないので、少なくなれば順次補充の焙煎を行うことになり、時には欠品となるかもしれません。しかし、できるだけ新鮮なコーヒー豆を提供することが、唯一他店との差別化できることなので、このスタイルは続けていきます。たとえ非効率であっても。 

 さて、そんな感謝の思いがお客様へ伝わりますように願って、今朝も開店準備にかかりますか。 

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