■2018年9月 ブログ

台風が接近する中で

 気象庁のHPをみると、台風の現況と今後の予想情報として、『非常に強い台風第24号は、30日16時には足摺岬の東にあって、1時間におよそ45キロの速さで北東へ進んでいます。中心の気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートルで中心の南側190キロ以内と北側150キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。台風は速度を速めながら北東に進み、強い勢力を維持したまま、30日夜遅くに岐阜県に最も接近する見込みです。』とあります。
 土岐市には、15時05分に大雨・暴風警報が発令され、市内全域に「避難準備・高齢者等避難開始」を発令されました。とはいっても、下石・妻木町では避難場所が西部支所に指定されているものの、収容人数はどう予想しても30名程度しかないように思え、自宅で台風が過ぎ去るのを待つのみとなっています。
 そんな台風が気になって寝れない時間を利用し、久しぶりにレジシステムからデータを取り、お店のコーヒー豆の月別販売状況のグラフを作成してみることにしました。あれこれ台風を心配してみたところで、具体的な行動が直ぐに取れるわけではないので、シビアな現実を見て頭を冷やそうということなのです。
 お店全体の売上とは必ずしも連動しないものの、コーヒー豆の販売額だけを見てみると、年々数字は上がっているように見えます。唯一前年よりも少なくなった5月については、開業記念のイベントにコーヒー豆の割引販売をしなかったことが影響していると思われますが、イベントを行わない月を見ても、イベントの有無には関わらず利用が少し増えていることが分かります。
 夏場の落ち込みは例年通りですが、今年は水出しコーヒーパックを6月から始めたこともあり、僅かですが減少幅を抑える効果が見られます。ただ、夏場の落ち込みを水出しコーヒーパックだけで補うのは難しいのは明らかで、今後も工夫が必要だと考えています。
 それ以上に、お客様の趣向に合わせた商品の提供に気を配ることを考え、対面販売時の会話から汲み取る努力が欠かせないと感じています。「このコーヒーを知ってもらいたい。」、「こんなコーヒーもありますよ。」ばかりでなく、お客様のニーズを引き出す知恵も必要です。ま~、自分に無いものはボチボチ身に付けるしかありませんがね。
 さて、台風関連のテレビニュースをチェックしましょうか。

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コーヒーを五感で体験

 SCAJ2018の会場を後にして向かった先は、お台場駅近くにあるユナイテッドシネマ・アクアシティお台場です。ここで、丸山珈琲主催の「Discover Coffee Theater」が開催されるため、事前に予約申し込みを行っていました。

 このイベントは、丸山珈琲が2017年4月から行っている「Discover Coffee Project 」の一環で、旅するように知られざるコーヒーの世界に触れ、より深いコーヒーの味わいや楽しみ方を発見(Discover)していただきたいという想いからスタートしたんだとか。今回は、その「Discover Coffee 」の世界を五感で体験できる一夜限りのイベントという触れ込みでして、産地で撮影されたフィルムやバリスタ世界大会での挑戦をおさめたムービーの上映、浜渦正志氏作曲によるムービー楽曲の生演奏など楽しむ内容となっています。

 田舎にいるとコーヒーのイベントも少なく、ましてや今回のような華やかな催しなど存在しないため、東京に出てきた日を利用して参加した甲斐もあって、冒頭で丸山社長が挨拶されたような、「私が産地に行くときに色々感動したものが、このムービーの中にに映っているので、皆さんと一緒にシェアしたい。」というとおりに、五感で楽しむことができました。

 グアテマラ、ブラジル、コスタリカ、ボリビアと、農園をドローンを使って上空から撮影した映像には、産地ごとに異なる光景が映し出されており、浜渦正志氏作曲の楽曲と相まって、なんとも言えぬ美しさで、まるで現実ではなくイメージビデオを見ているようです。そう感じたのは、やはりSCAJ2018の会場で、女性コーヒー生産者のドキュメンタリー映画『A small section of the world』を観た後だったからかも知れません。農園主とその家族の笑顔に比べ、農園で働く労働者には笑顔が無かったように見えたのです。 

 イベント終了後には、お土産としてボリビアの天空の農園と言われる、アグロ・タケシ農園の「カルロス・イトゥラルデ ゲイシャ」のコーヒー(粉16g)までもらいました。最初から最後まで丸山珈琲(株)のPRイベントなのですが、こうしたイベントが実施できるスタッフの多さ、資金力など、ただ羨んだり批判したりだけでは片づけられない、丸山珈琲の魅力が間違いなく存在します。そんな丸山コーヒーの強さを五感で体験した時間でした。

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SCAJ2018

 昨日はお店を臨時休業にし、東京で開催されたSCAJ2018のイベントに行ってきました。今年のテーマはThe Sustainable Future ofCoffee「コーヒーの持続可能な未来」なのですが、ついでに「珈琲屋の持続可能な未来」を考えながら見て回ったのですが、自分の未来は自分で切り開くしかなく、ただただ試飲のコーヒーを飲み干すのでした。
 先ず、入口付近のコロンビアのブースでファンバルデスにご挨拶し、となりのUCCで各種のドリンクをいただきます。バリスタが土岐さんという女性とご対面し、なにか良い気分になりますが、京都出身で読み仮名が「ドキ」だ言われてしまいました。続いてカフェ・バッハでブレンドとケニアをいただき、生豆業者を回ります。今回は展示ブースが広くて歩き疲れました。
 今回のSCAJ2018に来た目的の一つに、28日のイベントとして行われるIWCA(International Women's Coffee Alliance)国際女性コーヒー同盟の本部が制作した、女性コーヒー生産者のドキュメンタリー映画『A small section of the world』を観ることでした。 この映画は昨年末にIWCA日本支部がセミナーで上映したものですが、なにせ女性限定のセミナーであるため参加できません。そこで、今回のSCAJ2018会場で上映されることを知り、上映日に合わせて参加したのです。
 映画の内容は、女性だけの組合を立ち上げたコスタリカの女性コーヒー生産者の話です。そして、その設立から運営に関わった人々のインタビュー形式で語られる、コスタリカの小さな農園の女性生産者組合奮闘記といったものです。スペシャルティコーヒーへの道のりと、彼女達をとりまく厳しい環境についてシビアな現実を見ることができました。
 この映画を製作したIWCAとは、2003年にコーヒー生産に携わる女性の生産技術と地位向上、持続可能な社会生活の実現を目的としてコスタリカでNPO法人として設立されました。現在はニューヨークに本部を置き、コーヒーの生産国の60%である17カ国がIWCAに加盟しています。
 2014年に制作された映画でしたが、現在の状況や今後の活動内容が聞けなかったのが残念です。「コーヒーの持続可能な未来」とうたいながら、過去ばかりでは意味がないのですが。
 そんなことを感じながら、新しい焙煎機や新しいコーヒー豆、新機能のコーヒー抽出機などを見ながら、田舎では体験できない経験をした一日でした。

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瑞浪市民公園散歩

 中山尚子原画展が行われた瑞浪市市之瀬廣太記念美術館は、瑞浪市民公園の一角にあり、市民体育館、野球場、テニスコートなどの運動施設のほかに、サイエンスワールド、地球回廊、瑞浪市化石博物館、瑞浪市陶磁資料館といった、教育文化施設が多数周りにあります。そこで、散策しながら巡ってみることにしました。
 子供たちが小さい頃に訪問して以降、20数年ぶりに覗いてみることになり、昔を思い出しながら次の順番で見て行きました。
サイエンスワールド
 ここは岐阜県が設置した施設で、先端科学技術を気軽に体験でき、展示物のない全国でも珍しい体験型科学館です。平日には、小中高特別支援学校の社会見学や理科の授業でご利用されるほか、休日には、参加型の実験ショーや工作コーナーが開催され、親子で手軽に楽しく科学技術を学ぶことができます。
瑞浪市地球回廊
 全長240mの地下ミュージアムで、地球が誕生した46億年前から現在までを、パネルや模型、200インチのハイビジョンなどを通して分かりやすく再現し、地球の進化をタイムトリップ気分で体感できる施設です。
瑞浪市化石博物館
 「2000万年にわたる自然の変遷を、化石や地質で復元すること」というのが瑞浪市化石博物館の展示テーマです。瑞浪市はかつて海の底であったことから、2000万年から1500万年前の1000種類におよぶ化石が発見されており、出土した貝類・魚類・ほ乳類・植物などの化石を展示されています。また、化石博物館の外には「化石の地下壕」と呼ばれる地下壕もあり、天井には貝化石が露出しており自由に見学できます。
瑞浪陶磁資料館
 美濃桃山陶をはじめとする古代から現代までの美濃焼、明治時代以降に使われた陶磁器の生産用具や機械などを展示して、美濃焼1300年の歴史をご紹介資料館です。
 いずれの施設も子供は無料(サイエンスワールドは大人も無料)で、他の施設は大人200円とリーズナブルです。有料施設4箇所の共通券なら700円とさらにお得となるため、公園内では子供連れが多く訪れており、あたらこちで子供の笑い声が聞こえています。
 けれど、この周辺にある地下壕は第二次世界大戦末期に強制連行された朝鮮人や中国人によって作られた過去があり、化石博物館の「化石の地下壕」脇には風化しそうなプレートが今も残っています。その事実について観光協会の資料で確認すると、
 『昭和19~20年頃の日本は戦争中で敗色濃厚となり敵の空襲を避け地下工場を各地に作り始めました。敗戦間近の年、岐阜県内では各務原2か所、川辺、高山と瑞浪の5か所で工場や飛行機誘導路の建設が進められていました。瑞浪の化石山(通称 ヘソ山)には、間組にて重爆撃機(四式爆撃機[飛龍])を製造するため川崎航空機地下工場が突貫工事で建設をされていました。その労働をさせられていたのが捕虜や無理やり連行されてきた朝鮮人や中国人でした。工事現場は、過酷な労働条件と重労働、栄養失調により病気や事故で、330人中39名が命を落としました。中国人労働者が脱走をしてつまかり体罰を受け全身打撲で死亡した話や、トロッコでひかれた捕虜が両足切断となり死亡した話、捕虜に蒸した芋を与えた老婆とその捕虜に罰をあたえた話などが残っています。この川崎航空機工業の瑞浪工場は結局完成することはありませんでしたが、現在も当時掘られた総延長8159.26mの広大な地下壕が残っており、その一部を利用して「地球回廊」が作られました。現在の市民体育館の場所には、捕虜の収容所がありました。昭和42年に不再戦碑が建てられ、第一回の慰霊祭が行われ現在も継続して開催されています。』とあります。
 三菱電機中津川製作所も元々は疎開工場として出発したのだそうですから、ここ瑞浪でも工場が完成していたら、今とは違った町並みになってたことでしょう。今、瑞浪市民の憩いの場所になっている場所で、笑顔いっぱいの家族の中に、こうした事実をどれくらいの人が知っているのだろうかと、瑞浪駅前にある加登屋食堂で、名物の「あんかけかつ丼」を食べながら思うのでした。(高校以来かな食べたの)

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中山尚子原画展「土神と狐」

 今日は瑞浪市市之瀬廣太記念美術館で8月22日~10月21日まで行われている、中山尚子原画展「土神と狐」~宮沢賢治作品より~を観に行ってきました。今回、中山さんの題材となった「土神と狐」は、宮沢賢治の童話の中でも異色といえる物語です。男女の愛をテーマにした童話で人間誰しもが持つ沢山の愚かさや業、哀しさなどを浮き彫りにした心に深く刻み込まれる作品で、擬人化された女性の樺の木を巡り、土神と狐が恋を争う話です。
 野原の中に一本のきれいな女の樺の木に対して、土神は、神という名こそついているものの、振る舞いも乱暴で、髪はぼろぼろ、わかめのような着物に裸足という、私でなくとも恋愛の対象になんかならないと思える男です。それに引き換え狐のほうは、いつも仕立ておろしの紺の背広を着て、赤革の靴をキュッキュッと鳴らして登場します。つまり紳士な訳でして、これだけで樺の木がどちらを好きになるか分かるというものです。
 土神は自分の事は分かってはいるものの、嫉妬心がどうしても収まらず、走り出したり大声で泣き出したりと葛藤する姿は人間そのものです。しかし、時が経てば傷ついた心も癒されて、もう嫉妬せずにあの二人の事を受け入れようという気持ちになりました。
 そうした自分の心境の変化を伝えに樺の木のところへ出かけみると、そこへ運悪く狐と出くわし、急に敵意に火がついてしまいました。逃げる狐に罵声を浴びせながら追い掛け回し、終いには狐をねじり殺してしまいました。そして、殺してしまった後に狐の死骸のレインコートのポケットの中を探ると、そこはカラッポで雑草が数本入っていただけであること目にした土神は、狐が仕立ておろしの背広を着たり、赤革の靴を鳴らして、天文学やら望遠鏡などの話をしていたことが全て嘘だと悟るのでした。
 そんな人間の内面の奥にある、うす暗くて複雑な自分へと向き合うかかのような宮沢賢治の世界と、メルヘンチックな作風の中山さんの作品とのギャップが、「土神と狐」のような文章とピタリと重ね合わさるように感じました。
 今回の19点の挿絵を使用した絵本が自費出版されていたので、帰りに購入してお店の本棚に置くことにします。

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映画を見る気が冷めないうちに

 原作には4度どころか1度も泣けず、映画ならばと期待を込めて予行演習まで行っていたものの、映画公開初日に観に行った方から酷評されるのを見ると、つい尻込みしそうになってしまいました。

 そこで、映画を見る気が冷めないうちに、急遽、土曜日の夜にミッドランドシネマ名古屋空港まで行くことにしたのです。夜が苦手な私にとって、感情移入がどれだけできるか自信がなかったものの、実際に映画を観てしまうと、やはり1度も泣くことができず、ただホッコリするだけに留まりました。

 正直、映画を観ているというよりもテレビドラマを観ているような感覚となり、ショートストーリーを時間内に詰め込んで、なんとなく窮屈な気分になります。「これならどうだ!」と言わんばかりな強引さが感じられるうえ、製作者側も観客を泣かすことを諦めたのか、最後に娘役の未来(ミキ)で和ませてしまいます。楽しいけれど、泣けない映画でした。

 「コーヒーが冷めないうちに」を観てみたい方は、映画を見る気が冷めないうちにお出かけください。 

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一粒のコーヒー豆

 昨晩描いた絵手紙には、「一杯のコーヒーも 一粒のコーヒー豆から」と書きました。その時に、ふと思ったのです。「だったら、一粒のコーヒー豆で淹れるコーヒーもあっていいんじゃないか。」って。そこで、さっそく試してみようと思ったものの、そんなコーヒー器具なんて存在しないし、いったいどうやって試そうか?先ずそんなところから考えたのでした。

 コーヒー豆はミルで極細挽きにします。ペーパーフィルターは水出パック用の紙をハサミで切って、シール機でハリオのV60フィルターっぽく加工しました。さて、ドリップする方法ですが、周りを見渡すと、去年、ハリオのガチャガチャでもらったサイフォンのミニチュアが目に留まります。よく見るとロートの管が下まで開いていないので、カッターでコーヒー液が落ちるよう切り取りました。これでコーヒーが淹れられそうです。

 準備ができたのでコーヒー粉をセットし、ドリップポットのお湯を楊枝に伝わせて少量づつ注ぎます。適当な時間蒸らし、続いて注意深く数回に分けて注ぎながら、フラスコ部分にコーヒー液が溜まったことを見届け終了しました。

 さてコーヒーの味ですが、お湯の量が少ないために冷めてしまい、何となくコーヒーだと分かる程度の濃度になりました。やはり、「一杯のコーヒーは 一粒のコーヒー豆をそれなりに使って」という結果になったのでした。

 

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葉書を準備しました

 10月1日の「コーヒーの日」に合わせ、いつものように絵手紙を描いた案内葉書の印刷が終わり ました。毎回一発勝負で下書きもせず、下手な絵手紙を描いているのですが、今回は自分の指を描いたこともあって、妻から「太短い指!」と言われる通り、とても絵にならないモデルを使ったものだと改めて感じました。

 そんな「コーヒーの日」に小さなイベントを行う珈琲屋と違って、あの丸山珈琲では、丸山珈琲スペシャルウィークとして、10月1日~8日までCOEの豆をとんでもない価格で販売するようで、ホームページには次のように謳っていました。

 『国際品評会「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」において、今年コスタリカの1位に輝いたコーヒー豆を、1kg73,000 円(総額1,750 万円)というCOE 史上最高値で丸山珈琲が共同落札しました。そのコーヒーは価格もさることながら、味わいも大変素晴らしく、その特別なコーヒーを通して、スペシャルティコーヒーの奥深さや新たなコーヒー体験をしていただきたいという想いから、丸山珈琲スペシャルウィーク中、期間限定で特別価格にて販売・提供いたします。』というものです。

 なんと、1kg73,000 円のコーヒー豆を801,944 円(税込)で販売するというのです。単純に、生豆が1kg73,000円ということは、焙煎後はおよそ80073,000円となり、80gなら原価は7,300円になるはずです。それを1,944円で売るって訳ですから、田舎の小さな珈琲屋には真似できません。(真似する気もないですが)限定数があるそうなので、宣伝効果抜群のイベントといえるでしょう。

 仮に、自分の店で一杯コーヒーを淹れると、およそ原価が1,368円ですから、いったい幾らで提供できるのでしょうか。そんな悩ましいことを考えたくもないのでCOEの豆は扱いませんが、ユーザーが多く存在する場所では色々な選択肢を持つことがで、企業規模や市場環境というのは最終的に利用者へ何らかのメリットが生まれることを感じます。でも、田舎は田舎で捨てがたいものがあるのですが。

 ちなみに、丸山珈琲が共同落札したコーヒー豆は、7月9日にUCCコーヒーアカデミー東京校で行われた「2018年カップ・オブ・エクセレンスのコスタリカ オークション落札前ロットのカッピング」に参加した際、確かにカッピングしています。その時の資料を見ると、農園はDon Cayito 生産者はLuis Ricard  Calderon Madrigal スコアは91.29、品種はケイジャで、生産処理はハニーでした。入賞した豆と比べ上品でクリーンな印象が残っており、奇をてらって点数をあげたような豆とは大違いでした。でも、実際高すぎます。

 丸山珈琲のような派手なことができない私は、地道にコツコツと手紙を出して、いつもコーヒー豆を購入されるお客様へ感謝の気持ちを伝え、しばらくご無沙汰になっている方へは「まだ潰れていませんよ!」って自己主張するのでした。

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予行演習

 女優・有村架純が主演を務める映画『コーヒーが冷めないうちに』が、本日9月21日に劇場公開されました。同映画の原作小説である、川口俊和氏の『コーヒーが冷めないうちに』(サンマーク出版)が、週間1万部を売り上げ、最新ランキングで首位を獲得したようですが、本の帯にあるような「4回泣けます」どころか一度も泣けなかった私は、原作よりも映像になれば少しでも泣かしてくれるのではないかと期待し、近いうちに観にいこうと考えています。
 そこで、期待外れで泣けなかったことを考え、予行演習に『世界から猫が消えたなら』(監督:永井聡 原作:川村元気)を鑑賞し、涙腺を少しでも緩くしたいと努力したのえす。さらには、『コーヒーが冷めないうちに』の主題歌となっている、JUDY AND MARYの元ボーカリストのYUKIが歌う「トロイメライ」をYouTubeで聴き準備断端といったところです。
 でも、『世界から猫が消えたなら』の選択ミスのあって、気持ちを盛り上げるには少し足りなかったのかも。ちなみに、この映画の内容はこんな感じ、「ある日、余命いくばくもないごく平凡な30歳の郵便配達員(佐藤健)の前に、自分と同じ容姿を持つ悪魔(佐藤健)が出現する。その悪魔は、彼の身の回りの大切なものと引き換えに一日の命をくれるというのだ。次々と電話や映画や時計などが消えていく中、彼は初恋の女性(宮崎あおい)と再会し、共に過ごした日々を振り返る。」っていうものなのです。
 伝えたいことはわかるのですが、編集とストーリー構成がゴチャゴチャしてて、現在の話なのか過去の話なのかゴチャゴチャしてるし、いきなり舞台がアルゼンチンに飛んだり、いったい誰の死を扱っているのかもゴチャゴチャしてます。
 そんな中にも、世界から映画が消える直前の濱田岳の演技で、「あいつに映画を選んでやることが俺の役目なのに、見つからない、さっきから探してるのに見つからない」そういいながらDVDの棚を引っ掻き回すシーンが良かった。お互いに映画が好きで、タツヤ(濱田岳)がいつも主人公(佐藤健)に観るべき映画を選んであげていた。だから、映画は無限にあるから、俺たちの関係も終わらないと思ってたのに、突然死期が近いと言われ、最後に観るべき映画教えてよと取り乱す様子が妙にリアルに感じたのです。
 さて、いつ『コーヒーが冷めないうちに』を観に行こうかな。

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ガーデン・ハックルベリージャム

 人間ドッグで休みを取っていた妻から連絡があり、「庭の実をジャムにするから、レシピがどこに載っているの?」と質問してきました。一瞬、庭の実?と思ったものの、春に恩師からもらった苗の「ガーデン・ハックルベリー」のことだと思い出したのです。
 最初は何の苗かも分からず、とにかくジャムになるからと言われ育てはじめ、しばらくして黒くて丸い実ができたこともあって、この苗が「ガーデン・ハックルベリー」だと判明したのです。ブログを読んだ恩師からも「そうだった!」と追認され、なんとか食べられる実であることが分かったものの、一気に黒くならないために今まで放置していたのです。そこで妻が気になってジャムにするからと声がかかり、正直楽が出来ると喜んだのでした。
 ガーデン・ハックルベリーと名前にベリーが付くので、ベリー系の果実かと思ったらこれが全く別物です。見た目には小さなブルーベリーっぽくて、濃い紫色というか黒っぽい果実は一見美味しそうなのに、ナス科のイヌホオズキの一種なのです。ナス?イヌホオズキ?日本に自生するイヌホオズキは一般には食用にされないらしい?この食用にされる品種は海外からやって来たもののよでマズイいらしい!と不安な情報が次々と出てきます。
 しかも、未成熟の実やガクにはソラニンという有毒な成分(ジャガイモの芽に含まれるものと同じ)が含まれているとかの情報もあり、黒くなった実をしばらく放置していたこともあって、未成熟ということはないだろうと安心したり、色々なことを想像したりしていました。でもジャムにするレシピもあるくらいだから大丈夫でしょ!ってな気持ちでいたのです。すると、妻からメールが届きます。
妻:「苦い!!」
私:「砂糖は?」
妻:「レシピ通り入れました」
私:「食べられそうにないか?」
妻:「食べてよ!」
私:「苦いんでしょ!」
妻:「せっかくだからね!」
私:「死なないならね。」
 こんなやり取りの後、自宅に戻って食べることになったのです。で、その味はというと、ジャムが冷めたせいなのか苦味はなくなり、甘いジャムのようなものが完成されています。でも、この甘さは砂糖の甘さであって、実の持つあまさではありません。だってナスの仲間なんですから野菜を甘く煮たって感じなのです。パンに付けたり、ヨーグルトに混ぜるには少し抵抗があり、どうやって避けて通るか思案のしどころといったところです。
 その一方で、この実に含まれる有用成分(ポリフェノール類)は他に群を抜いていることもあり、健康志向の人を中心に注目を集めているようですから、薬だと思って食べてみますか?
 ところで、この苗の出元である恩師の先生は食べたんでしょうかね?

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確かにプラス

  「コカ・コーラ プラスコーヒー」という、聞いたことのあるコーラが17日から、全国のコンビニエンスストアと自動販売機で発売されました。調べてみると(知ってたけど)、昨年9月に関東・東海と東北地域の自動販売機だけで実験的に期間限定で発売された、「コカ・コーラ コーヒープラス」がリニューアルしたんだそうだ。
 昨年11月に飲んだ様子についてはブログに記録しており、お店のアイスコーヒーとコカ・コーラをプラスした方が美味しかった訳で、まさか全国発売になるとは予想もしていませんでした。意表を突く組み合わせにSNSでの反響が大きかったそうですが、世間は一体どうなんっているんだろうと、今朝、再び近くのコンビニへ立ち寄り買い求めて飲んでみました。

 昨年飲んだ時には、飲み終わった後にインスタントコーヒーのような印象が残っていましたが、今回は「あれ?コーヒーの存在が薄くない?」と思える飲みやすさです。プラスどころかマイナスになったんじゃないかと感じるぐらいでした。コーヒーエキスパウダーが改良されたのか、何か他の添加物でマイルドになったんでしょうか。
 でも、確かに「プラス」された点も多く、前回は缶の上部に「COFFEE PLUS(コーヒープラス)」だったものを「PLUS COFFEE(プラスコーヒー)」とプラスを強調しており、缶の下部のコーヒー豆の数が3個から5個にプラスされ、炭酸の泡までプラスされています。そして最大のプラスは、190ミリリットルから250ミリリットルにプラスされたことです。

 そんなコーラについてより、ついついコンビニへ立ち寄ると、「新商品」や「期間限定」の文字につられて買ってしまう自分自身の弱さに、正直呆れてしまうのでした。
  

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芸術と科学の杜へ

 祝日の定休日、普段は行動を共にできない妻からの依頼で、今日一日はお供を仰せつかりました。先ずは、お彼岸も近いことからお墓参りです。墓地の周りの草刈りでゴミ袋一杯となった草を持ち帰り、着替えて電車に乗って「芸術と科学の杜」へ向かいます。
 最初の目的は、名古屋市美術館開館30周年記念イベントの『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』( 7月28日~9月24日)です。ビュールレ・コレクションが2020年にチューリヒ美術館に全コレクションが移管されることになることから、今回はビュールレのコレクターとしての全体像がみられる最後の機会とあって、多くの人たちで賑わっていました。
 日本人には人気の高い印象派・ポスト印象派の作品は傑作揃いで、絵画史上、最も有名な少女像ともいわれるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》は、当時8歳であったイレーヌの栗色の豊かな髪やあどけない表情に、思わず引き込まれてしまいます。
 また、セザンヌの《赤いチョッキの少年》は、セザンヌの肖像画のなかでも、もっとも有名な作品であり、頭を支える腕の直線や、背中や手前に長く引き伸ばされた腕の曲線が、カーテンやテーブルクロスの斜めの線と絶妙な均衡を保っているそうだが、何度見直しても違和感を感じるのは私だけだろうか。
 その他、ドラクロワ、ドガ、マネ、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、モネ、マティス、ピカソなど、豪華な作家たちの作品を同時に見ることができ、贅沢な時間が堪能できます。最後のコーナーには「新たなる絵画の地平」と題して、日本初公開となるクロード・モネ《睡蓮の池、緑の反映》が展示され、写真撮影OKというサービスまであります。
 素晴らしい作品を見終わった後にも、少しだけ複雑な思いが交錯します。ビュールレ・コレクションは、ビュールレ財団コレクション の日本語通称なのですが、美術収集家かつパトロンであったエミール・ゲオルク・ビュールレには二つの顔があったからです。第2次世界大戦中に製造した武器をナチスに売りさばく兵器商人としての顔と、ドイツ・ナチスが「非芸術」とスタンプを押した印象派に魅せられ、絵画を買い続けた収集家としての顔があります。
 特に問題視されることが多いのは、ユダヤ人に対する迫害がなければ決して買うことができなかった盗品を入手しているからです。ビュールレ自身も、いくつかの作品は盗品だと知っていながら購入していました。仮に当時はその購入が法的に正当化されようと、ユダヤ人の迫害に加担し、ましてや武器商人としての金で買い漁った背景が存在することを知れば、やはり感銘を受けた芸術作品とは無縁とは言えない気がします。
 芸術の秋に浸りたいと言った妻が次に希望したのが、美術館の隣にある名古屋市科学館です。そして、目的は現在開催中の、ですが『名探偵コナン 科学捜査展 -真実への推理(アブダクション)-』(7月14日~9月24日)です。印象派からアニメとギャップが大きいものの、希望とあっては最期までお供します。
 『数々の事件を解決し、今や時の人となりつつある名探偵・毛利小五郎。このたび小五郎を主人公にしたミステリー小説が出版されることになった。しかし、その執筆を担当するはずだったミステリー作家が自宅で殺害されているのが発見された。推定死亡時刻は14時。現場に残されたカレンダーにはハッキリと、こう書かれていた……。「14:00 毛利小五郎氏」果たしてコナンたちは、科学捜査を駆使し、見事、毛利小五郎の疑いを晴らすことができるだろうか?』
 こんなスタートで現場検証や聞き込み情報を元に、いくつかの科学鑑定を利用して犯人を特定するという内容なのですが、操作に先立ち「コナン&欄コース」と「コナン&安室コース」のいずれかの探偵手帳をもらってヒントを見つけます。もともと子供用の内容なので両方とも推理というレベルではないものの、毛利探偵事務所や喫茶アポロが再現されており、家族連れにはウケていたようです。
 そんな感じで一日お供をしたものの、名古屋市内の人の多さに疲れ果て、二人とも帰りの電車の中ではダウンしていました。人混みに弱い夫婦なのであります。

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数字

  飲食業界は他の業界と比べて参入障壁は低いと言えます。「食品衛生責任者」さえあれば、調理師免許すら持っていなくても開業することが出来てしまうし、地方銀行はともかく地域の信金などでは融資も受けられます。実際、日本政策金融公庫の融資先の約20%が飲食店開業者だそうです。しかし、開業しやすい反面、多くの店舗が廃業に追い込まれてしまうのも事実です。

  そうならないために、経営に関する数字に対して神経質になってしまい、日々の売上ばかり気にする経営者もいます。ただ、現実には売上高に占める食材原価と人件費比率がどれくらいかといったFL比率(FとはFood(食材費)、LとはLabor(人件費)の略)も考慮しなければならず、私のように人件費を抑えて一人で営業する方法を取るなど、経営を続けられるような目線で全体を見なければなりません。

 お店ではAirレジというシステムを使用しているので、売り上げや来店客数、商品ごとの比率等を月単位や年単位で確認することができます。数字に関して曖昧にしない、いや曖昧に出来ない仕組みだからこそ、シビアに自分の店を見ることが可能なのです。そういう点では、時にはプレッシャーに感じることもあります。とはいっても基本は「楽しく!」なので何事もポジティブに考えているのです。

 そんな数字について、Airレジでは顧客データを呼び出すと、コーヒー豆を購入された会計日順にお客様データ一覧が表示されます。いつ購入されたのか、何回目の購入なのかが分かるのですが、最近リピーターになっていただいた方や、何と145回目といったお客様など、この数字を見るとただただ感謝の言葉しか出ません。

 この145回目という方はほぼ毎週来店していただいている訳で、本当にありがたいばかりです。そして、そのコーヒー豆を使ってカップに注がれたコーヒーは、一杯12gだとしても2,400杯以上となり、自分が焙煎したコーヒー豆をそれだけ飲んでいただいていると想像しただけでも喜びは倍増します。 

 だからこそ、数字を意識しながらも、「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」を続けていくことが、お客様を裏切らないコーヒーの提供になると改めて思うのでした。

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歴史を知る

 昨晩は手話サークルの初級担当講師でした。毎月1回担当することになっているのでテキストの流れに沿って学習しますが、今回は趣向を変えて「ろうあ運動の歴史」です。ろうあ運動なんて言うと随分堅苦しく感じますが、いまでは当たり前だと思っている、自動車運転免許獲得、民法11条改正、手話通訳の制度化の経緯について知ることです。

 移動手段としてのオートバイや自家用車が運転できる事、労働者であれば利用できる住宅ローンで家が持てる事、病院で自分の症状が伝えられる事、これら普通の人が出来たことが認められなかった時代や、認められるまでの様々な出来事を通して現在の制度を理解してもらいました。

 自分が手話サークルに入った頃が、まさに大きく変わろうとしている時だったので、手元にその頃活動していた資料が残っていたこともあって、少しでも共感してもらえれば、今後の学習意欲にも繋がるのではないかと思ったからです。過去やその歴史的背景を知ることは、今を正しく知ることになります。

 コーヒーについても、カップの中のコーヒーだけではなく、産地の地理や歴史、そして文化についても知りなさいと教えてくれた人がいます。それが、カフェ・バッハの店主である田口護氏でした。まだ開業準備中の時、UCC神戸本社で行われた、「カフェを100年続けるために」というコーヒーセミナーの中での言葉でした。

 その言葉がきっかで、それまで産地や品種、精製方法による味覚特性の違いや、どうやってコーヒーを売るのかしか頭になかったものが、産地の事について知りたいと思うようになったのです。さらに、そうした情報をお客様にも伝えたいとも考えるようになりました。それが、当初作成したホームページの骨格になったのです。

 まだまだ知りたいことが山ほどあり、自分の知識や経験の無さに呆れる日々ですが、現在や過去についての好奇心だけは持ち続けたいものです。 

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ボーっとしてられない!

 9月に入って涼しくなったせいか、コーヒー豆を購入される方が増え、中には「お久しぶりです。」といって、申し訳なさそうにドアを開ける人もいます。その腰の低さに恐縮してしまいながら、日々焙煎できる喜びを感じているところです。

 そんな呑気な気分でいたいところですが、9月中旬からはやりたい事、やるべき事がいっぱいで、実は少々焦り気味なんです。なにせ、9月は月曜日の祝日が17日と24日の2回あるので、普段閉館で行けない美術館や博物館には行きたいし、SCAJのイベントで東京には行きたいし、行きたいところがいっぱいです。

 さらに、家庭の都合でやるべきこともあったり、お店の10月イベントの準備のため、顧客名簿の整理や葉書作りなど、頭に浮かぶことだけでもスケジュール管理が大変です。そうそう、10月に行う予定になっている公民館講座の準備もあります。そんな事をブログに記録しながら頭の中を整理しているありさまで、お客様への「臨時休業のお知らせ」もレジ前に置いたばかりです。

 そんな焦った状態なんですが、全てが楽しい事ばかりで苦痛ではないのが、サラリーマン時代と大きく違うところでしょうか。さて、ボーっとしてられない!のでコツコツとやりましょう。

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記憶に残る食べ物

 日曜日の夜にテレビを見ていると、「未来に残したい食べ物」について著名人が語っています。その中には「おふくろの味」ってのがあり、妻に「子供たちは何をおふくろの味だと感じているのかな?」などと話したものの、未来に残したいような食べ物は特に思いつきません。けれど、社会人になって初めて食べた物で、「世の中にはこんなに美味しいものがあるんだ!」と感じた記憶が蘇り、何だか急に食べたくなってきたため、定休日のお昼に出かけることにしたのです。
 社会人になって最初に勤務した場所は名古屋市名東区。休日になると名駅の地下街を歩いては映画を見たり、田舎には無かったあんかけスパや味噌煮込みうどんを食べたものです。そのなある日、毎日ビルの地下で映画を見た後に立ち寄ったインドカレーの店「タンドゥール」のカレーを食べ、香り立つスパイシーカレーに魅了されたのでした。それまでのドロドロしたカレーには無かった食感と香辛料がじわじわと口に残る味、カレーポットと金属の皿が田舎者の私には「都会のカレーや!」と病みつきになったものです。
 転勤によって名古屋を離れてからは食べに行くことも無かったのうえに、その間に毎日ビルが取り壊されてしまい何処へ移転したかもわかりませんでした。今回、事前に検索する際に、期待を込めて「名古屋地下街 カレー」で入力すると、「タンドゥール」という店名が出てきました。現在はミヤコ地下街の一角で営業しているようです。
 普段から名古屋駅周辺を歩かない私には、ミヤコ地下街自体がどこにあるのか分かりませんので、事前に地図を書いたメモを頼りに歩きます。すると、昔の頃のイメージとは違うものの、以前と変わらぬカウンター席のみの店内で、女性一人が切り盛りしています。メニューも超シンプルなままで、甘口、中辛、辛口。カウンターに座ると、「辛さは?」という一言のみ。中辛を頼むと直ぐに、温めたカレーをカレーポットに入れて出してくれます。これも以前と変わりません。ライスはターメリックライスが残っているというので、ターメリックライスと白米の2種類を皿に盛ってもらいました。
 カレーのお供の福神漬けがカウンターのポットに入っていましたが、以前に食べた時は、福神漬、らっきょう、青じその実しょうゆ漬けの3種類だった記憶なので、少しばかり残念な気分です。特に青じその実しょうゆ漬けの記憶が鮮明なのは、福神漬くらいしたカレーのお供に食したことがなかったので、「こんなに美味しいものがあるんだ!」と驚いたものでした。
 会計の際に、「約40年ぶりに食べに来ました。」と話すと、「なら、開店して直ぐにの頃にお見えになったんですね。」と言われ、あの頃に女性一人で切り盛りしていた人が、目の前の年齢を重ねた女性なのかと感慨深いものがありました。自分も年を取ったものです。

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明智長山城跡散歩

 現在、東美濃を主な舞台とした朝ドラ「半分、青い。」が放送されていますが、まもなく放送終了となってしまうため、地元の東濃弁(テレビでは岐阜弁と言っている)が聞けなくなるのが残念です。その代わりと言ってはなんですが、2020年には、大河ドラマで明智光秀を主人公とした、『麒麟(きりん)がくる』が放送される予定になっています。
 明智光秀については出生に関することなど不明な点が多く、織田信長に仕えるまでの半生は謎に包まれています。そのため、幼少期に関連するといわれる場所が岐阜県内にもあり、①可児市瀬田、②恵那郡明智町、③山形郡美山町、④大垣市上石津町多良など、「我が町こそゆかりの地」と名乗りをあげている場所があるようです。
 特に、可児市の明智長山城(可児市瀬田長山)を出自の地とするもの、恵那市の明知城(白鷹城/恵那市明智町城山)を出自の地とするものとあり、この土岐市と瑞浪市を中心とした地を治めた、美濃の守護・土岐氏の一族ともいわれることから、大河ドラマで描かれる明智光秀に興味が湧いてきます。
 「日本大正村」で知られる明智町には何度も訪れていることから、毎年5月に名将光秀公をしのんで開催される「光秀まつり」や、「光秀学問所(現天神神社」、「光秀産湯の井戸」、「母・お牧の方の墓」などがあることは承知しているものの、ここは明知遠山氏の本拠であり、光秀を土岐明智氏の出自とするとつじつまが合わないこともあり、可児市の明智長山城跡や天龍寺が今後注目を集めるのかもしれません。
 そこで、今日は初めて可児市の明智長山城跡目指すことにし、自宅から車で25分程走って、花フェスタ記念公園の反対側へ曲がった所にある天龍寺に車を留めます。先ずは、寺の横を通って城跡公園の掲示板の地図を確認し、すぐ脇から続く石畳を歩くと明智城跡大手門が見えます。ここから山頂まで8分弱歩いたのでしすが、数日前の台風の影響もあって、枝葉が散乱し足をとられそうになりました。この坂は桔梗坂というそうですが、季節も秋とあって桔梗の花は見ることはできませんでした。
 山頂にたどり着くと林の中に明智城跡の石碑を見つけ、奥に作られた展望台から眺めてみるのですが、雨による霧で残念ながら何も見えません。本来なら田園風景を眺めて戦国の世に浸りたいところでしたが、反対側に見える団地の家々を見つけることになり、直ぐに現実へ引き戻されるのです。
 帰り道では天龍寺に立ち寄り、明智氏歴代之墓所をお参りします。傍らには真新しい437回忌の塔婆があり、丁寧に供養されていることが伺えました。寺社内には日本一大きな明智光秀公の位牌六尺一寸三分(184cm)がお祀りされているそうですが、声をかけても留守のようだったので、そのまま帰路に着いたのでした。さて、2年後は盛り上がっているのでしょかね?

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カフェでカフィを

 カフェとは、本来コーヒーの意味で、転じて、コーヒーなどを飲ませる飲食店を意味しており、フランス語で café、イタリア語で caffèと、日本語の平坦な発音とは随分異なるものの、コーヒーを飲む場所には変わりありません。ちょっと前には「家カフェ」なんて言葉が流行りましたが、結局、コーヒーを楽しむ場所こそがカフェということになるのでしょう。

 今回読んだ「カフェでカフィを」・「カフェでカフィを 2」 (著:ヨコイ エミ 集英社クリエイティブコミックス)は、「お茶をかこめば、どこでもいつでも、そこはカフェになる。」というわけで、様々なシチュエーションで織りなすコーヒーやお茶をめぐったショートストーリーが収録されたコミックスです。

  冒頭がヤマダカフェで始まるものの、会社の給湯室、自販機のコーヒー、野点、ファミレス、公衆トイレ、喫茶店、バスルーム、福祉会館、アパートの部屋、回転寿司店とコーヒーやお茶の登場する場面は変わり、全てに暮らしの匂いプンプンし、繋がってストーリーが展開するところが楽しい。それが2作目になると、ショートストーリーごとの繋がりが薄くなるうえ、1作目を読まないと面白みが味わえない部分もあり少し残念。でも、「そんなこともある!」って共感できるのがいい。

 私の方は一応飲食店とし営業しており、「カフェ」として様々な方が来店されます。そして、カウンター越しからは、日常の生活がうかがえるお客様の姿が見え隠れするのです。一人暮らしの老人が例年自宅にやってくるツバメが来ないと、「ツバメにも見捨てられたか?」と落ち込んだ日もあれば、数日後には「ツバメがやってきた!」と急に元気になったり、そうかと思えば「フン害だ!」と不機嫌になったりと一喜一憂する光景を見ます。

 老々介護の生活から一時の癒しの時間を求めて一杯のコーヒーを楽しむ老紳士が、奥様のご機嫌が良い時に二人で来店され、優しく接しておられる姿に妙に安堵したかた思えば、次の日には再びカウンターで愚痴をこぼされたりと、人生ままならないと思ってしまいます。

 新入社員として近くの会社に就職した若者が、新しい仕事を任されるようになって喜んでいたけど残業つづき、休日返上で仕事をして愚痴をこぼした翌週、「海外出張になりました。」国際免許証の話や滞在中の生活などを嬉しそうに話してくれます。とってもいい青年なのに彼女はいません。きっと彼女ができたら連れてくるんだろうなと、首を長くして待っています。

 ご婦人方の話題には踏み込めません。ドロドロとした空気感が漂い、離れた場所から漏れる言葉に震えることもあるからです。

 そんな年齢も性別も生活圏も異なる人たちも、カウンターに座って会話をしていると、想像以上に関わりを持っていたり、繋がって生きていることを実感することがあります。よく「世間は狭いな~。」なんて言いますが、カウンター越しに楽しい経験ができるのです。

 ある人が、「私にとって‘カフィ’は糾(あざな)える縄の如(ごと)し。」なんて言ってたけど、「私にとって‘カフェ’は糾(あざな)える縄の如(ごと)し。」なのです。ぜひ、まめ蔵にて、「カフェでカフィを」ですね。(コマーシャルか?)

 ちなみに、作品に登場する「豆蔵」は、「まめ蔵」と名前が類似していますが、何ら関係がございません。いや、マスターの頭皮は類似していました。

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いもようかんを食べながら

 

 今朝は土岐市駄知町にある、妻木屋菓子舗の「いもようかん」を頬張りながら焙煎をしています。実は昨日お客様から頂いたものでして、昨年も9月23日に差し入れしていただいた記録もあり、お店にいながら季節を感じるローカルフードを堪能しています。

 この地方では秋は「栗きんとん」っていうのが定番であり、恵那川上屋が多店舗展開していることから手土産として頻繁に使われますが、やはり贅沢なお菓子なのです。その点、この「いもようかん」は子供のころから馴染みのある庶民のお菓子であり、各町の和菓子屋さんで販売されていたものですが、今では妻木屋だけになってしまったようです。木枠の蒸し器で時間をかけて蒸すため数に限りがあり、「予約しておかないと手に入らないよ。」とお客様から言われるくらいの名物になりました。

  そんなのんびりとした時間とは異なり、朝から北海道での地震災害ニュースが続いています。午前3時の地震発生とあって、明るくなるにつれ被害状況が判明し、その災害の大きさが伝わってきます。昨日の台風21号といい、連続して自然災害の恐ろしさを感じます。だからといって、日々の生活は昨日と変わらないようには始まるのですから、私自身もいつもと同じようにお店を開けることにしますか。

 

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閉じ込められた

 『強い台風第21号は、4日15時現在、舞鶴市の東北東約40kmにあって、北北東へ毎時65kmで進んでいます。中心気圧は960hPa、中心付近の最大風速は40m/sです。この台風は、5日3時には小樽市の西約120kmに達し、5日15時には沿海州に達して、温帯低気圧に変わる見込みです。台風周辺地域および進路にあたる地域は暴風や大雨に、台風の進路にあたる海域は大しけに厳重な警戒が必要です。』そんな台風概況の日にお店を開け、午後からは久しぶりに開店休業状態でした。
 午前中は晴れ間も見える空とあって、お馴染みの方々が続いて来店されます。中には「やってるんだ?」って入ってくる人までいたりして、とても台風襲来といった雰囲気ではありません。コーヒー豆を買う方も普段通りやってきます。ところが午後になると雲行きが怪しくなり、大雨というより強風で道路に雨が叩き付けられています。これでは来店も不可能だろうからとお店を閉めようと思ったものの、裏口のドアが雨風に押されて開けられませんし、とても自宅まで帰ることもままならない状態でした。ほぼ閉じ込められた感じです。
 そんな強風も午後3時から4時までがピークとなり、台風の進路も少し遠ざかった頃には閉店時間になりました。この間を縫うように帰路に着いてテレビを見ると、大阪や関西空港などが大変なことになっています。驚きながら次々と流れる各地の被害状況の映像を食い入るように見て、大きな被害のない現状に安堵したのでした。

 でも、関西空港にいる人、いったい今夜どうするんだろうか?

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帰り道の珈琲屋

 松坂屋美術館の帰り道、せかっくなので自家焙煎店で美味しいコーヒーでも飲みたいと、地下鉄・桜通線「高岳」駅からすぐのところにある、クラフトビールやワインも楽しめる「TRUNK COFFEE BAR(トランクコーヒーバー)」へ立ち寄りました。
 店内に入ると先ず、受付でコーヒーやサンドイッチを注文する仕組みです。エスプレッソとエアロプレス、ドリップから選ぶことができ、ドリップのケニアを選択して店の奥に行くと、北欧で買い付けたというソファやテーブルが並びます。椅子にゆったりと身を委ねて前を見ると、大きなプロバットの焙煎機が目に入りました。そして、運ばれたコーヒーとともに小袋が並び、「ご注文いただいたコーヒー豆です。香りをお楽しみください。」とのこと。なるほど、こんなサービスも洒落てていいじゃないの、気に入ればコーヒー豆も買いたくなるし。感心しきり。
 ところが、袋を開けて豆を確かめるとメッチャ浅煎り。ちょっと選択誤ったかと、浅煎りのコーヒーを飲み干すのでした。そして、帰り道に近い次の店を探します。
 そしてたどり着いたのが、千種・古井ノ坂近くにある昔風の外観で、落ち着いた雰囲気のコーヒー専門店「マルヨシコーヒー」です。昔風といっても古民家ではなく、長屋の一部を小奇麗にリフォームしたもので、若者にはお洒落に感じるかもしれませんが、私は子供の頃の安普請の家を思い出して、少しセンチメンタルな気分にさせてくれます。
 店内に入ると、左手には焙煎機とコーヒー豆の入ったショーケース、奥にはテーブル席があり2組がコーヒーとケーキを楽しんでいました。そこで、入口付近の壁に面したカウンター席に座り、深煎りのブレンドを注文します。コーヒーを飲みながら周りに目をやると、ところどころに置かれた植物に心が和みます。
 久しぶりに名古屋に出かけ、ちょっと都会(土岐よりも)の空気とコーヒーを味わった一日でした。

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アートアクアリウム

 今日は松坂屋美術館で開催されている「東海テレビ開局60周年記念 アートアクアリウム展 〜名古屋・金魚の雅〜」(7月21日~9月16日)を見に行ってきました。金魚といえば夏の涼を楽しむものですが、季節はもう秋に入り納涼気分ではないものの、月曜定休日の私にとっては、会期中無休という魅力に負けてやってきたというわけです。
 この人気のアートアクアリウムは日本各地で行われていますが、名古屋では4年振りの開催だそうです。和をモチーフにデザインされた美しい水槽の中を数千匹の金魚が舞い泳ぎます。中でも、江戸を象徴する大奥を表現した、幅約3mにも及ぶ複合的な作品「大奥」をはじめ、金魚と3Dプロジェクションマッピングで着物柄を表現した「キモノリウム」など、アートアクアリウムで人気の作品を見ることができました。
 金魚が華麗に舞い泳ぐ姿に、光、映像、音楽、香りなどの最新演出技術が融合し、幻想的な空間を演出しており、いかにも和を感じるものでした。「アート」と「アクアリウム」を融合させた「アートアクアリウム」の第一人者、木村英智氏は、「金魚はアートである・・」といっていますが、私はアートとしてよりも生き物として見てしまい、「餌はどうしているのだろうか?」「金魚のフンといえば細く長いものがお尻から繋がっているけど、そのへんの処理はどうしているのか?」などお尻ばかり見て、気になるところが沢山あります。
 金魚といえば愛知県弥富市が生産量日本一ですが、そもそも金魚は今から1500年以上も前、中国の晋の時代にフナが黒い色素を欠き赤くなった突然変異体が発見され、そのヒブナが現在金魚と呼ばれる世界のすべての金魚の祖先となっているそうです。金魚が中国から日本に渡ってきたのは室町時代末期のころのようで、国際貿易港として栄えていた堺に持ち込まれ、江戸中期の元禄(1688~1704年)には経済的に余裕が出てきた裕福な町民の間で金魚ブームが起こり、武士が副業として金魚の養殖を行っていたりしたようです。
 そうした長い歴史の中で、人間によって幾度となく交配さて作られた金魚を想像すると、やはりアートというより金を稼いできた魚にしか見えません。

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市民大学講座(2)

 

 木曜日の夜に妻と共に出かけた先は、第2回目の土岐市民大学講座の聴講のためセラトピア土岐。今回の講師は岐阜大学工学部電気電子・情報工学科 速水悟(はやみず さとる)教授、演題は「人工知能と機械学習」です。

 人工知能といえば、身近になったスマートフォンのGoogle アシスタントやSiriといった音声アシスタントが思い浮かべます。また、最近ではスマートスピーカーのAmazon EchoGoogle HomeLINE Clova WAVEといった対話型のものまで登場しており、急に人工知能が身近になった感じがします。

 そんな楽しそうな気分で出かけたところ、講演の多くのが「機械学習」と「深層学習」とあって何だか分からないまま時間が経過してしまいました。せっかく聴講したのに残念だと思い、帰ってから「機械学習」と「深層学習」について少し調べてみました。

 機械学習とは、コンピューターがデータから反復的に学習し、そこに潜むパターンを見つけ出すことのようです。そして学習した結果を新たなデータにあてはめることで、パターンにしたがって将来を予測することが可能になるというのです。人の手によってプログラミングされた問題解決のための様々な手法を覚えさせることで、大量のデータから反復的に学習するため、人間が探すべき場所を明示的にプログラムしなくても、コンピューターが自律的にデータから洞察を導き出せるようになる仕組みでした。そのため、ビッグ・データと言われる多量のデータを抱えた企業が優位性を発揮することも知りました。AmazonNetflixなど、オンラインショップのレコメンド機能が、日常生活に応用された機械学習の例のようです。さらに、大手企業においては、顧客が自社についてTwitterで何をつぶやいているかの把握することも、機械学習と言語ルールを組み合わせたものなんだとか。

 深層学習とは、「ディープ・ラーニング」とも言われ、音声の認識、画像の特定、予測など人間が行うような課題を実行できるように、コンピューターに学習させる手法なんだとか。ディープ・ラーニングでは、人間がデータを編成して定義済みの数式にかけるのではなく、人間はデータに関する基本的な変数設定のみを行い、その後は何層もの処理を用いたパターン認識を行わせて、コンピューター自体に課題の解決方法を学習させるというものです。

 講義中にはこうした変数や関数の計算式が多用されてチンプンカンプンでしたが、そうした数式やデータを時間をかけて黙々を操作する光景を想像すると、人工知能という分野が何とも地味に思えてきました。最後に講師がロボットの原理と限界を理解したうえで、人工知能に対する3つの立場を話されたことを思い出しました。

・つくる(人口知能の技術を研究開発する)

・つかいこなす(技術を応用して課題解決する)

・共存する(いっしょに職場や家庭で暮らす)

だそうです。とりあえず、共存して慣れることですねかね。機械に操られないように。たまには、コーヒー以外のことに頭を使うことも良いものです。

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