■ 2018年1月 ブログ

電車に乗りながら

 電車に乗る機会は激減し、年に数回程度となりました。先日のカッピングセミナーで東京に行くため、久しぶりに長い時間を電車に乗るので、どうやって時間を過ごそうか考えてしまいます。本を読もうかと思ったのですが、結局Amazonのプライムビデオから映画をダウンロードし、のんびりしようと決めたのでした。選んだのは「阪急電車 片道15分の奇跡」(2011年 監督三宅喜重)。

 電車に乗りながら電車のドラマを見るという訳です。ストーリーはこんな感じ。『宝塚~西宮北口間を約15分で走る、えんじ色の車体にレトロな内装の、阪急今津線。その電車に、さまざまな「愛」に悩み、やりきれない気持ちを抱えながら偶然乗り合わせただけの乗客たちがいた。電車内という限られた空間で、それぞれの人生がほんのちょっと重なり合い、影響し合い、そして離れていく--。数々の出会いが重なり、そこに生まれる小さな愛の奇跡。勇気を持って踏み出せば、いつもとは違う景色が、人生が、そして素敵な出会いが“あなた”を待っている。(C)2011「阪急電車」製作委員会』

 今回、数か月ぶりに電車に乗りましたが、誰もがスマホやゲーム機を覗き込んでいます。一部の乗客が大声でしゃべっていても、注意したり声をかけたりする人なんていないだろうし、たとえ女性がウェディングドレス姿で泣いていたとしても、決して話しかける人はいないでしょう。当然と言えば当然な訳で、少しだけの勇気で話しかけることから始まるドラマのようにはいきません。

 お店でお客様がカウンターに座られた場合は、必然的に会話をすることになりますが、会話が苦手で上手に話せないものの、コーヒーを通じて素敵な出会いに繋がることもあります。「奇跡」といえるような出会いにはなりませんが、コーヒーに助けられています。

 ラストのシーンで、高瀬翔子(中谷美紀)の「なんかさ~。悪くないよね、この世界も。」に答える、森岡ミサ(戸田恵梨香)の「はい、悪くないです。」の言葉に、思わず頷いてしまう私でした。

0 コメント

カフェ・バッハへ

 「地下鉄日比谷線かJR常磐線の南千住駅を下りて、吉野通りを浅草方面へ行きます。東西に走る明治通りを越え、さらにマンモス交差点を過ぎてすぐ、“ドヤ”と呼ばれる簡易宿泊所が連なる通り沿いにあります。」(カフェを100年、続けるために 著:カフェ・バッハ 田口 護)そんな道案内通り進みますが、昭和30年代に起きた「山谷騒動」も知らない私には「土岐市よりも都会だ!」としか感じません。

 しかし、カップ酒を持った老人、どこを見ているか分からないような歩き方の老婆、無精髭にくわえたばこや、スーパーの帰り道をヨロヨロと歩く人達を見ると、やはり新橋や上野とは大きく異なることに気付きます。
 という訳で、南千住の駅から歩いて12分、大都会の慣れない道を歩きながら辿り着いた先は、「カフェ・バッハ」です。私が珈琲屋を開業するにあたって多くの本を読み、多くの人に会った中で、一番印象深い店ということもあり、東京に出向いた際に迷子を覚悟の上、事前に地図を印刷して出かけたのでした。(ガラケーですから)
 南千住の店を構える「カフェ・バッハ」は、1968年に「SHIMOFUSAYA(しもふさや)」として開業されました。計算すると今年で50年という筋目になる訳ですから、偶然にも記念すべき時に訪れたことになります。(個人的な想いです)コーヒー本には必ずと言ってよいほど登場する名店でも、私としては初めて入る店の一つなので、著書で描かれた街や店内を実際に自分の目で確かめる目的がありました。想像していたような広々とした店内ではなく、昭和の古き良き時代を残した落ち着いた空間です。キビキビと動くスタッフを見ながら、ちょっと深煎りのペルー・セコパサとケーキを注文して楽しみます。

 「大手チェーンの高度なシステムは、とても個人店には太刀打ちできるものではない。でも、エモーショナルな部分、驚きや感動はシステム化できません。人に驚きや感動を与えるには、相手の喜びを自分の喜びとし、相手の痛みを自分の痛みとできる人材の育成が欠かせません。そうした、人間にとって一番大切な感情を育んでくれる、この山谷という地域は、私たちにとって日本一良い場所なのです。」(カフェを100年、続けるために 著:カフェ・バッハ 田口 護)こんな言葉通り、日本一不利と言われる立地の中で続けてこられた意味をコーヒーを飲みながら考えます。

 私も生まれ育った場所にこだわって珈琲屋を始めた訳で、100年続けることは現実には無理ですが、生涯続けられるような店にするため、カフェ・バッハの店作りに刺激を受けたのでした。

0 コメント

ペルーの料理を味わう

 ペルーのコーヒーを味わった後、新橋の駅に向かう途中でペルー料理の店を見つけました。見ての通り、お店の木の看板を見るとペルー料理のお店とは想像がつかないですが、「荒井商店」は、シェフの名前「荒井隆宏」さんの苗字を使った店名らしいのです。 

 家に帰ってから検索すると、2016年と2017年のミシュランガイドに、ビブグルマン部門で掲載されています。この部門は、「5,000円(サービス料・席料含む)以下で、特にお勧めの食事を提供している」レストランです。

 昼時ということもあり、2種類のランチのみらしく、Bランチの「コリアンダーと玉ねぎで、じっくり煮込んだ牛肉と、ペルーのインゲン豆の煮込み添え」を注文します。(サラダ付き940円)牛肉は少し硬めですが、想像以上に美味しく驚きました。

 食後には目の前に見える「インカコーラ」文字に釣ら、思わず注文!黄色い炭酸のジュースなんですが、ペールー原産でコカコーラが作っているようです。裏面のシールを見ると、輸入業者は三重県桑名市の会社です。東京に来て東海地方の地名を見ると妙にホッとしてしまうのは、田舎者の証なんでしょうが、人混みの中を歩いていると酔ってしまいそうなので、立ち寄ったペルー料理の店で癒しの時間を過ごすことができました。

 都会は何でも身近に手に入る場所で便利なのに、こんなに簡単に手に入って良いものだろうかって考えてしまいます。ペルーのコーヒーの後にペルーの料理という都合の良さに、嬉しさ反面、かえって心配してしまうのでした。

0 コメント

ペルーのコーヒーを味わう

 今日は早朝から電車に乗って、UCCコーヒーアカデミーの東京校で行われた、『ゲリラカッピング カップ・オブ・エクセレンス(ペルー編)』に行ってきました。お店では扱っていないペルーのコーヒーで、2017年カップ・オブ・エクセレンスのペルーの入賞ロットということもあり、自分自身にとって貴重なカッピングとなりました。
 講師はUCCコーヒーアカデミー専任講師の中平尚己氏(異動で専任でなくなるみたい)で、何度かセミナーに参加してることもあって、気楽にカッピングを楽しむことができ、バラエティーに富んだ品種や、プロセスの違う風味豊かなコーヒーを味わいます。

 ペルーは南北にアンデス山脈が縦断し、その山脈西側に広がる海岸地帯(全土の約11.7%)、中央の山岳地帯(全土の28.0%)、東側の森林地帯(全土の約60.3%)の3つの地域に別れ、沖合は栄養塩を多く含むフンボルト海流により世界有数の漁場を形成しています。また、海岸地帯は、さとうきびやアスパラガスの生産や養鶏が盛んであり、河川流域では米の栽培も行われています。山岳地帯では、伝統的な作物であるばれいしょの生産が盛んで、森林地帯ではコーヒーの生産が盛んな国です。

 コーヒーの生産量は約27万トン(2016年FOA調査)で世界第8位、農産物輸出入上位3品目(2013年)は、コーヒー、ぶどう、アスパラガスと並び、コーヒーは全体の16.3%を占めています。一軒あたり数ha程度の小規模な農園が治安の悪さやインフラ未整備などの問題を抱えつつも、世界第8位の生産量のほとんどを作り出しているのですから驚きです。また、有機栽培を基本とした上質なコーヒー作りが行われていることから、日本では味覚よりも有機栽培をPRした販売が多くみられます。

 ペルーのコーヒーは、欠点豆の数とそれを取り除く方法によってグレードが決まっており、グレードが低いほうから
・MC(MACHINE CLEANED/機械式の選別器に一回かける)
・MCM(MACHINE CLEANED MEJORADO/機械式の選別器に二回かける)
ES(ELECTRONIC SORTED/機械式の選別器にかけた上で電子式の選別器にかける)
・ESHP(ELECTRONIC SORTED & HAND PICKED/機械式選別器と電子式選別器にかけ、さらに人の手でハンドピックを施す)
と分類されているようです。その上スクリーンサイズ(20~14)で大きさによっても分類されるので、他の国に比べてやや複雑なシステムといえます。

 ペルー国内でもコーヒーは良く飲まれていますが、その方法がちょっと変わっているようで、カフェなどでコーヒーを頼むと、コーヒーカップにはお湯だけが注がれて運ばれてきます。一緒に置いていく小瓶には茶褐色の液体。これは非常に濃いコーヒーのエキスで、カップのお湯に注いで希釈することで通常のコーヒーとして飲むようになっているのです。
 このコーヒーエキスは工場などで作られているようですが、普通のドリッパーを使用して作ることもできます。作り方は、いつも通りにお湯を注いで蒸らした後にドリップしていきますが、抽出の途中でドリッパーをはずしてしまいます。サーバーにはドリップし始めの濃いコーヒー液が落ちているので、これを好みの濃さに希釈して飲ということなのです。豆の持つ成分のうち、後半に抽出される渋みや雑味がまだ落ちていないため、複雑さには欠けますが逆にすっきりとした飲みやすいコーヒーになるのです。これって、松屋式と同じ理屈な訳で、なんだかペルーのコーヒーに親しみが湧いてきます。

 カッピングの方は19種類もあるので、何度も繰り返していると前後の味覚が残ってしまい、結局もう一度カッピングし直すことになって、もう訳がわからなくなります。正式にスコアを付けることはしないので、楽しむことを目的に個性の違いを探しました。最後にジャンケンで今回のカッピングに使用した19種類の豆を参加者で分配し、私は1位:LA FLOR、7位:MANDOR、15位:LAS PIRCASの豆をもらったのです。おまけに、UCC直営農園のハワイ・コナ100gをお土産に頂戴し、帰ってからも楽しみが続くことになりました。

0 コメント

外食積立貯金

 我が家では時々外食をするのですが、回数としてはそれほど多くはありません。そんな理由もあって、娘から「外食積立貯金をしない!」と提案があり、100円ショップで買ってきた貯金箱にへ、毎月家族全員が月末になると1000円を入れることになり、積立貯金の額も徐々に増えてきました。

 今夜は、その外食積立貯金で市内にある「神也」へ会席料理を食べに出かけたのです。出かける頃には小雪が舞う寒い日にぴったりの、美味しくて温かい料理が次々と並び、体も心もホッコリとなり大満足の食事会となります。

 89歳の母親も全て平らげてしまい、少々心配になるほど食が進みます。次回は何処のお店にしようかと楽しい会話も弾み、外食積立貯金を提案してくれた娘に感謝!感謝!です。

0 コメント

凍結注意!

 昨日降った雪も夜には止んだものの、朝、自宅のベランダから見える景色は白一色となっています。しかし、山間部と違って道路には積雪は僅かでした。これなら大丈夫と安心したのも束の間、路面は凍結してツルツルです。スタッドレスタイヤに替えていない車では危険なため、今日は歩いてお店まで来ました。

 歩いて5分程度なので、「毎日歩いて来ればいいのに。」と常連さんから言われますが、帰りに買い物をするなどの理由を付けて、怠けているのが正直なところです。ダイエットには縁遠い生活になっています。

 娘も今朝はいつもより2時間近く前に家を出て会社へ向かいましたが、意外に渋滞に巻き込まれず早く出社できたようです。昨晩の帰宅時には路肩に停車した車が多く、渋滞で遅くなってしまったことから家族は心配しましたが、無事に到着して安心しました。

 今日の日中は晴れるようなので、午前中の道路の凍結には充分注意が必要です。こんな日には車で訪れる方も少ないでしょうから、在庫の減ったクッキーとケーキを焼きながら、ゆっくりとした時間を楽しもうと思います。

 くれぐれも、凍結注意!ですよ。

0 コメント

小枝・シロノワール味を食べる

 

 今朝、コンビニで雑誌を購入してレジの方へ向かうと、見慣れないチョコ菓子が目に留まりました。よく見ると、森永製菓とコメダ珈琲店がコラボした、『小枝・シロノワール味』のようです。偶然にも今日から2月末までの期間限定商品だったので、「期間限定」に弱い私は思わず買ってしまいました。

 どうも、コメダ創業50周年を記念したイベントの一環らしく、各店舗では特別デザインのお得なコーヒーチケットの販売や、コーヒーチケットに付けられたシリアルナンバーで景品が当たるサービス、コーヒー類6品の二杯目半額での提供もあるようです。別にコメダ珈琲店の回し者でもないのですが、情報収集という意味で把握しておきました。

 もっとも、私はコメダのコーヒーが飲めなくなって久しいので、コーヒーには特に関心がなく、シロノワール味の小枝に興味があるので早速食べてみることに。熱々デニッシュパン+冷々ソフトクリーム+シロップの組み合わせは、ソフトクリーム&デニッシュ風味のホワイトチョコで表現し、ビスケットとパフでサクサク食感を出したそうですが、当然ですが似ても似つかぬチョコ菓子です。やはり小枝は小枝なのですから、シロノワールはコメダ珈琲店で食べたいものです。

 コメダといえば、アジア系の投資ファンドが入ってから株式上場するなど、著しい成長を遂げています。多くのコーヒーチェーンがセルフサービスでオフィス街を中心に展開しているのに対して、コメダは昔ながらに客席まで運ぶフルサービスを提供し、主に住宅地に出店しています。その形態を真似た店舗も登場し、マサキ珈琲やミヤマ珈琲のように真似したくなるくらい魅力的なのかもしれません。

  コメダはいうまでもなく喫茶店ですが、その本質は飲食店プラスアルファにあり、「懇談の場」という付加価値が存在することは確かです。自家焙煎店とは一線を画すのかもしれませんが、メニュー構成や営業活動などの経営に関しては、参考にすべき点があるように思います。単にコーヒーを飲むだけなら、コンビニの100円コーヒーや、缶コーヒーの自動販売機も全国津々浦々にあるのに、コメダが選択されている事実を理解したうえで、自身の店舗経営を進めていく必要があるのです。

  そんな事を考えながら、『小枝・シロノワール味』を味わうのでした。美味しいコーヒーを飲みながら。

0 コメント

世界一の狛犬

 定休日の今日は、午前中に定期的に通っている病院へ母親を伴って受診し、午後からは車の定期点検にディーラーへ行きました。車の点検が終わる頃には雨が降り始めます。東京方面では雪が舞っているようですが、土岐市ではまだ雨だけですが、市内でも標高の高い場所では雪まじりの雨だとか。天気が悪いとテンションが下がり、やる気が湧きません。

 そんな気分を変えるため、年末から巡っている犬にちなんだ場所へ向かいます。伊奴神社→犬山の桃太郎神社→世界一の狛犬(八王子神社)ということで、今回は瑞浪市陶町にある八王子神社横にある巨大な狛犬です。高さ3.3m、幅1.56m、奥行き2.4m、総重量は15トン! 世界一大きな狛犬としてギネスにも認定されているのです。

 この狛犬の設置は、瑞浪市制35周年の記念事業であり、国道419号の起点と終点の瑞浪市・高浜市が平成元年8月姉妹都市の提携を結んだことを絡め、国道419号の起点である瑞浪市陶町大川の場所に、「ふるさと創生事業」を活用し、市の文化財に指定されている大川窯四代目羽柴与左衛門景度の美濃焼狛犬をモデルに、世界最大の美濃焼狛犬一対が制作されました。

 また、世界一大きい狛犬のすぐ裏側には、高さ5.4m・直径4.0m・重さ32トンで、世界一大きい茶壷も設置されています。これもギネスに認定されているそうです。 この茶壷のモデルとなったのは、 戦国末期に与左焼として大川窯の全盛期を築き上げた、羽柴与左衛門景度が造った茶壷だそうです。縄文時代、人々は土器の焼け具合でその年の豊凶を占ったといわれることから、この茶壷は、地域に永久なる豊かな稔りと明るい未来を約束するという意味で、『豊穣の壺』と名付けられいます。

 いずれも「世界一」であり、「ふるさと創生」や「豊かな稔りと明るい未来」という、まるで町おこしのモデルのような言葉が並びますが、現実はそんなに甘くないようです。狛犬のある瑞浪市は、平成12 年の人口42,298 人のピーク時から38,020人(昨年12月)まで10%程減少しています。これは土岐市も似たようなものなのですが、狛犬の設置された陶町に限って言えば、平成12年の4902人から3396人(昨年12月)と3割も人口減となっているのです。

 そんな人口減少の影響を受け、町内の信用金庫が隣町の支店へ統合され、中学校も隣町の学校へ統合されました。神社を守る狛犬も町を守ることはできず、豊穣の壺の名も虚しく感じます。町おこしの難しさを痛感した巨大な狛犬と茶壷でした。

0 コメント

楽しんでばかりですが

 最近はお客様から色々なものを貰うばかりで、本当に何やってんだかと思う日が続いています。自家製味噌、ラフランス、ポンカン、北海道のクッキーなど、そして昨日は「江ノ電もなか」です。サービスを提供する側が、毎回お客様からサービスを受けてばかりです。そうそう、珈琲屋なのにコーヒー豆なんかも度々いただいています。「マスター、この店知ってる?」「家族が旅行先の〇〇国で買ってきたの。」などなど。お店にいながら旅行に行ってる気分を味わえるのですから、ただただ楽しんでばかりです。

 楽しくなったついでに、頂いた「江ノ電もなか」を江ノ電の走っている地図に乗せて走らせてみました。(実際には走りませんが)鎌倉近辺には行ったことがないので、周辺の観光案内図を見ながら遊んでみました。江ノ電は、かつては廃線の危機を迎えた時期もありましたが、今では観光路線として全国的な人気があるだけでなく、115年という長い歴史を持つことから、湘南地域における近代の歴史・文化の一端を担い、湘南の風景には欠かせないものになっています。学生時代に「俺たちの朝」で、極楽寺駅から降りる主人公が登場する場面が懐かしくなります。

 そんな事をして楽しんでいると、夕方に珈琲狂が不意に来店されました。いつものようにカウンターに座ってコーヒー談義が始まります。ところが今回は芸術分野、コミニティーバス、パラリンピック関連、スーパーの競争激化、流通革新など、多方面に渡って話が飛び交います。(これが良いところでもあり、長話の原因でもあります)けれど、最後に落ち着くところはコーヒー業界の話題で、各方面の表と裏のとりとめもない話で幕を閉じました。

 こんな感じで、普段は楽しんでばかりいるようですが、実は真面目な話をすることもあるのです。珈琲屋としてよりも、人として本来あるべき姿を意識する時間も大切なことなのです。

0 コメント

「ブログ見てます。」

 時々、お客様から帰り際に「ブログ見てます。」と言ってもらえます。一応、「ありがとうございます。」と答えながらも、極めて個人的な事柄を書いているので、他人が見て面白いんだろうかって思ったりしています。身内から「くだらないこと書いて!」って言われる方が気楽なくらい、とりとめもない事ばかり書いているからです。

 本来ブログは、自分が気になったニュースやサイトなどのURLを、寸評つきで紹介した英語のウェブサイトから、「Web上にLog(記録)する」という意味でウェブログ (weblog)が簡略されてブログ(Blog)と呼ばれるようになったようでが、今では、一般的に自分の意見や感想を日記風に記録して、それに対する感想などを閲覧者が自由にコメントできる形式のWebサイトのことになっているようです。

 自分の場合は珈琲屋をしているからといっても、営業につながるような趣旨で書く訳でもなく、いわゆる、ジャンルに絞って専門的に書く「趣味や専門分野ブログ」、複数のジャンルを集めて、ひとつのブログでカテゴリー分けする「雑多ブログ」、日常を書き綴る「日記ブログ」で括る訳でもなく、まったくテキトーに日々考えたり思った事を記録しています。

 ビジネスとして活用するなら、良質なコーヒーの記事を書いて検索アクセスを増やしたり、口コミになるような話題や画像でアクセスを増やしたり、コメントやシェアボタンなどのコミュニケーションを通じて関係性を深めるといった事も重要なんでしょうが、そんな面倒な事などが長く続くとは思えません。それに、本来人付き合いは苦手なんです。

 あくまで、「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」の延長線上でブログを書いているだけなのです。毎日特別な出来事やドラマチックな出会いがある筈もなく、日々繰り返し焙煎を行い、カップ一杯に心を込めてコーヒーを淹れるだけなのですが、そうした日常の中でこそ、喜びを感じるセンサーを大切にしたいと思っています。

 先日も、リピーターへ出した絵手紙を印刷した年賀状に喜んでいたお客様へ、スキャナーの下に残っていた原画を渡したところ、「うれしい!今日は誕生になので素敵なプレゼントになりました。」と感激されました。そんなチョットした喜びの積み重ねを忘れないため、コーヒーの事も織り込みながら書き留めています。 

0 コメント

焙煎と障害を持つ人

 私は手話サークルの活動をしていることもあり、普通の生活よりも障害者と関わる経験が多少増えていると思います。それは聴覚障害のみならず、脳性麻痺による重度障害者とも関わる機会もあり、文字盤を使っての会話や、辿たどしい文字で書かれた詩を編集して詩集の自費出版を手伝うなど、これまで貴重な経験をすることができました。
 そんなこともあって、店舗計画の段階で車椅子の利用できるバリアフリー構造や、介助者が一緒に入ることができるトイレなど、設計にも随所に取り入れてきました。同時に、コーヒー豆の焙煎に伴うハンドピック作業を、障害者の作業所へ委託できないかとも考えたりもしたが、それが現実的でないことは直ぐに気づきました。なにせ焙煎量が少な過ぎるため、継続的に委託できるはずがないのですから。
 私のように考える珈琲屋さんも全国にはいるようで、中規模のロースターの中にはハンドピックやドリップバッグの作成を作業所に委託したり、一般的に圧着して作られるペーパーフィルターをミシン縫いで行う作業を委託するなど、コーヒーに直接関わるものから、店のロゴを入れたオリジナル・トートバッグの発注を障害者の施設に依頼する所もあるようです。
 そうした間接的なやりとりではなく、障害者の就労支援支援事業として、コーヒー豆の焙煎から販売まで行う施設が幾つも存在します。私の記憶では、茨木県の障害福祉サービス事業所「かがやき」が、平成15年4月に全国に先駆け障害者の施設で本格的なコーヒーの焙煎販売を始め、その後に全国各地で焙煎を取り入れた施設が増えていったと思います。「かがやき」では、『仕入から生豆の選別、自家焙煎、計量から袋詰め、ドリップバック作りに至るまで、すべての工程は手作業で行われ、自分たちの「目と手」で確かめ「鮮度と品質の良さ」にこだわった美味しいコーヒーを、自信を持って提供いたします。「障害者の施設だから・・・」と周囲に甘んじることなく、他のコーヒー店に劣らない商品づくりを目指しています。』とアピールされていましたが、現実には多くの施設で指導者やボランティアスタッフの援助なくしては実現しないようです。
 こうした就労支援事業とは、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業のことを言います。そして、障害者の働き方には雇用契約を結び利用する「A型」と、雇用契約を結ばないで利用する「B型」の2種類があり、コーヒー豆の焙煎を行う施設の多くが就労継続支援事業B型というのが実態です。
 雇用契約を結び給料をもらいながら利用する「A型」と、通所して授産的な活動を行いながら利用する「B型」には多きな違いがあり、「A型」は利用者には最低賃金以上(月平均68,691円:平成24年度平均)が支払われ、「B型」の利用者には授産施設平均工賃(月平均14,190円:平成24年度平均)と、その支給額には大きな差があります。
 ただ、就労継続支援A型事業所については赤字を補うため国の給付金を賃金に充てていたケースもあり、厚生労働省が給付金の充当を原則禁止したため、大量解雇も発生していることから、障害者にとっては厳しい現実があるのです。それだけ障害者の就労には、労働対価を上げるような収益性の問題があります。これは、コーヒーの焙煎を行う事業所でも同様で、障害者の施設だからと甘えたくないと思いながらも、募金的な意味合いを持つような営業活動が行われたりします。

 こんなことを書いたのは、昨年末に『15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ』(著:岩野 響)が出版され、それに伴うマスコミの扱い方に疑問を持ったからです。「10歳でアスペルガー症候群と診断された岩野響さんは、中学時代に不登校となり、高校進学しない道を選んだのは、鋭敏な味覚と嗅覚、こだわりを生かして研究したオリジナルの焙煎コーヒーだった。」と大きく取り上げるのは良いのですが、大人達によって様々な情報が付け加えら、少々過熱気味な感じがしてなりません。

 既に障害を持った人達がコーヒーの焙煎から販売まで行う取り組みがあっても、15歳の少年が行うことだけが大きく取り上げられる事に不信感を覚えます。仮に40歳の発達障害の人が新たにコーヒー屋さんを始めても、同じように取り上げてくれるのでしょうか?また、15歳の少年が大人になった時も注目され続けられるのでしょうか?この少年を通して、本来見るべきものがあるのではないかと思うのです。

 そんな事を考えながら、焙煎と障害を持つ人について思いを巡らすのでした。答えは見つからないけれど。

2 コメント

デカフェについて

 1月からカフェインの取り除いたデカフェを販売しており、リピーターの方々に試飲をしていただいています。その際には、液体二酸化炭素を使用した脱カフェインの工程について、次のように説明しているのです。

1. 生豆を水を用いてふやかして成分を抽出しやすくする
2. 液体二酸化炭素でその生豆のカフェインを含む様々な成分を抽出する
3. 生豆の成分を含んだ液体二酸化炭素からカフェインを選択的に抽出する
 (温度と圧力の組み合わせを変えることによって、カフェインに限らず比較的選択的に抽出することができるようです。)
4. カフェインを除去した液体二酸化炭素を生豆に戻す
5. カフェインが基準値以下になるまで2-4を繰り返す
6. 乾燥させる

 とはいっても、通常の精製過程については体験したり見てきたものの、デカフェに係る工程は見ていないので、あくまで教科書的な説明になってしまいます。これがどうにも歯がゆいのです。実際に生豆や焙煎後の豆を比べても、明らかに色合いが異なり、この違いをどのように理解すればよいのか分かりません。

 また、抽出時における炭酸ガスの抜け方も異なるようで、蒸らしの際にドーム状に膨らむ感じも通常と少し違うように感じます。

 そんな疑問を持ちながらコーヒーに触れることが出来るのも、自家焙煎店だからかも知れませんが、まだまだ新米の珈琲屋さんにとっては学ぶことだらけです。

 
 

0 コメント

桃太郎神社へ

 年末には、犬にまつわる名古屋市西区の伊奴神社へ出かけましたが、年が明けてからは、犬山市という「犬」が前面に出る場所の、入口で犬が出迎えてくれる桃太郎神社へ行ってきました。

 この神社は何度も参拝していますが、毎回、桃太郎伝説に登場するキャラクターの石像が立ち並ぶ境内には、思わず笑いがこぼれるメルヘンチックな雰囲気に包まれています。けれど、見た目より由緒ある神社のようです。

 古事記によれば、伊弉諾尊 (いざなぎのみこと)が黄泉国 (よもつくに) から逃げ帰るとき、死んだ妻の伊弉冉尊 (いざなみのみこと)がさしむけた黄泉醜女(よもつしこめ)という悪魔に追い詰められたが、そこに大きな桃の木があり、たくさんの桃がなっていたので、それをちぎってつぎつぎと三つ投げつけたところ、悪魔は急に力を失い退散した。伊弉諾尊 (いざなぎのみこと)は桃に向かい「いま私を助けてくれたように、これから後も我が国の人々が憂瀬に落ちて苦しむ時には助けてください」と仰せられて、大神実命(おおかむづみのみこと)という御名を賜ったという由来の神社なんだとか。そこに、犬山市の木曽川沿岸には桃太郎誕生地伝説があることから、昭和5年に現在の場所に御鎮座されたそうです。

 周辺には桃太郎伝説を裏付けるような場所が色々あるようですが、岡山県の人から見たら「こっちが本物!」と言われそうな気がします。そんな事を思いながらも、 桃型鳥居をくぐり、「悪は去る(猿)病は居ぬ(犬)災いは来じ(キジ)」

というご利益を願って参拝したのでした。 

0 コメント

時間旅行へ

 『時を刻む鐘が響いてる 過去と未來行き交う町 零れては消える時の中 繋いだ手温もり覚えている

変わらぬものは何もない 喜び悲しみ移ろうとき 溢れて零れる涙の後には
柔らかな光照らすでしょう

新しいときの始まりに 一杯に風を受け帆を上げる 貴方と飛び立つ時間旅行 大きな船に乗って』これは、2008年11月27日に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフト、『レイトン教授と最後の時間旅行』の中で使用された、アン・サリー作詞作曲「時間旅行」の歌詞の一部です。

 とはいっても、ゲームを全くしない私には初めて聴いた曲なのですが、YouTubeで聴くと染み入るような歌声に何度も聴いてしまいます。同じように、この歌詞に魅了された御夫婦が営む小さなコーヒーとパンの店「時間旅行」が多治見市にあります。今日は以前から訪問しようと思ってた「時間旅行」へ行ってきました。

 別にタイムトラベラーでもないので、ドアを開けても異次元の世界へ行くことは出来ませんでしたが、自分の店とは異なり若い女性やカップルが似合いそうな雰囲気の店内です。現にカウンターには、「まめ蔵」には来店されないモデルのような女性が座り、コーヒーを楽しんでいる光景はファッション誌を見ているようでした。おじさんにとっては、ある意味異次元に迷い込んだのと同じかもしれません。

 マスターにネルで淹れてもらったマンデリンを飲みながら、コーヒーの話や店名の由来などの話をし、妻へのお土産にマスターの奥さんが作った焼きたてのパンを購入しましたが、4月には多治見市池田町へ移転されるそうなので、この店舗での訪問は最初で最後になりそうです。移転後は自宅兼店舗で再開されるので、次回は新たしいお店を訪問しようと思っています。

0 コメント

勝~ら!

 今年の大学入試センター試験は、明日の13日からスタートするそうです。巷には合格祈願に合わせた縁起物商

品が溢れていますが、コンビニでもドトールコーヒーが受験シーズンに向け、「ド通る シャッキリブラックコーヒー」と「ド通る やすらぎカフェ・ラテ」を販売しました。受験に通るって意味なんだろうけど、パッケージを見ていると「お通じ」が良くなるみたいで、何だか妙に笑えてきます。

 そんな訳で、コーヒーに絡めた合格祈願商品を作ってみようと知恵を絞りましたが、直ぐには良いアイデアが出てきません。だいたい、コーヒーを飲んで受験に合格できるほど世の中甘いもんじゃないし、そもそもコーヒーは苦いもので、世間の苦みを知る前にコーヒーで味わったら?といった否定的な考えしか浮かびません。

 やっと思いついたのが「勝~ら!」です。コスタリカのカトゥーラ種を使ったコーヒー豆をドリップバッグにしてみました。カトゥーラを→「カツーラ」→「勝~ら!」と歪んでしまったものの、「カツーラのコーヒーを飲んで受験に勝~ら!」とパッケージしてみました。

 もっとも、遊びで作った物なので実際には商品化しませんが、このコーヒーを飲んだら受験に合格すれば、こんな楽な事はないですね。でも、やっぱり人生は多少苦いくらいが丁度良いのです。

0 コメント

見たい 聞きたい 伝えたい

 今年は、1月と2月にカッピング・セミナーの申し込みをしました。いずれも近くで開催されるものではないため、一日がかりとなってしまいますが、「見たい 聞きたい 伝えたい」という自分自身の好奇心を満たすため、色々な場所を探して出掛けたいと思っています。

 だいたい、ゼロから始めた珈琲屋なのですから、知らないことだらけです。一応商売なので珈琲屋っぽくやったり話したりはしているものの、いつ化けの皮が剥がれるのかも知れないのが現実です。だったら、化けの皮の枚数を増やすことで、丸裸になる時間稼ぎをしようという訳です。終いには、化けの皮で何重にも厚着をしたまま最後まで突き進もうという、何とも魂胆見え見えの作戦なのだから。でも、世間には「そんな薄着で大丈夫か?」って人もいるので、こんなやり方も有りかも知れません。

 「見たい 聞きたい 伝えたい」っていう欲求があると、意外に学ぶ場所は見つかるものです。見つからない時は、知る意欲が少ない事だと考えているので、今後も好奇心旺盛な姿勢を続けていきます。

 

 

0 コメント

テレビをつまみに

 先日の『未来世紀ジパング』で、「変わりたいイタリア、変わりたくないイタリア」というテーマの放送の中、 バールVSスタバっていう切り口があったので、つい気になって見てしまった。でも、タイトルだけで中身のない内容のうえ、使われる時間も僅かということもあり、ちょっと残念でした。

 概要は、ホームページに要約された次の文章以上でも以下でもない。「イタリアの街中を歩くと目につくのがバール(BAR)という看板を掲げた店。バールとは・・・地域密着型のコーヒー店でありながら、朝昼晩の食事や、お酒も飲めたりするお店。客の多くはイタリア特有のエスプレッソを立ったまま飲み、数分で店を後にする。このバールは、イタリア全土に約17万軒あるといわれ、独自のコーヒー文化を形成してきた。こんな伝統を持つイタリアに、米コーヒーチェーン大手「スターバックスコーヒー」が初進出することが決まったのだ。この進出の話に、ミラノのBARの店主は戦々恐々。進出前にも関わらず、戦いが始まっていた!」

 たったこれだけの内容で、バールVSスタバという言葉で括ってしまうのはいかがなものかと思った。確かに、ハワード・シュルツ会長はイタリアのバール文化に感銘を受け、それを世界中につくりたいと語っており、スターバックスのイタリア進出は会長の悲願であることは分かるのだけど、バールはイタリア全土に約17万店あるいわれるほど、独自のコーヒー文化が根付いているので、対決構図よりもスタバがその中で共存できるために何をするのかって事が気になるところだろう。

 そんな翌日に、ヨーロッパで放浪の旅をしていたお客さんが来店されたので、イタリアのバールについて話を聞いてみました。朝は起きて直ぐにエスプレッソは刺激が強すぎるので、ミルクと混ぜて胃の負担を減らすカプチーノかマッキャート、午前の休憩に1杯、ランチ後に1杯、午後の休憩に1杯、夕食後に1杯、と1日に5杯は飲むのが一般的なイタリアでは、バールはコーヒーをサラッと飲みながらバリスタや馴染みの常連と軽い会話を楽しむ空間であり、知り合いにばったりあったら「立ち話もなんだからコーヒーを飲みながら」なんて気軽に入って、サラッと出る使い方をするところ。それに対して、スターバックスはコーヒーを飲みながら読書や勉強、親しい友人との会話をゆっくりと楽しむ空間だから、使い方が違ううえに値段が高いので、観光客しか使用しないんじゃないかっていう感想でした。

 30年前にもマクドナルドがイタリア進出で話題になったようですが、今では店舗数も増えており、観光地の店では観光客が大半の利用者となっているようです。しかし、ショッピングセンターに併設されたマクドナルドでは、家族連れが昼食を楽しむ場所になっているようなので、スターバックスもイタリアに合わせた形態に変化するんじゃないかってことのようです。

 バールについては、コーヒーだけでなくお酒も扱うことから、ビールやワインが安く飲める場所としての想い出を聞きながら、テレビをつまみに、ちょっとだけ海外旅行気分を味わうのでした。

 

0 コメント

A(-)B(-)

 年始早々にダウンです。本当に情けないのですが、昨晩自宅に戻った後に発熱し、「まずい!」と思って売薬を服用するも、今朝になっても少し熱があります。最悪インフルエンザを発症しているリスクを考え、とりあえず店を急遽臨時休業にして、発熱から12時間以上経過したと思われる時に受診することにしました。

 嫌な気分にさせたのは、2年連続でインフルエンザを発症しており、それも予防接種をしているにも関わらず発症していることから、正直「またか!」と思ったわけです。正月以降も毎日多くの方が来店され、コーヒー豆も昨年同様に購入いただいているので、臨時休業することには抵抗があるのですが、インフルエンザではどうすることもできません。

 「とりあえず、検査だけでもしてきなさい。」と妻に背中を押されて病院に行くと、検査ではA(-)B(-)の陰性という結果でした。ホッとしたと同時に冷や汗が出てくる変な気分で、自宅に戻ると熱は下がっています。けれど、だるい体は思うように動きません。幸いにも明日は定休日ということもあり、ゆっくり静養しようと思います。こんな時はジタバタしても仕方がありませんから。

 12月初旬から喉の調子が悪い日が続き、こんなものかと過ごしてきましたが、どこかに疲れがたまっていたのかもしれません。年末年始の休み明け、思った以上に忙しくなったこともあってか、体か悲鳴を上げたということかな。いや、油断だな。

 偶然にも、今日は七草粥の日です。体も胃も休める時期だったのかもしれないと、妙に納得して七草粥を食べることになりました。 

1 コメント

おせちのいいけどカレーもね

 「おせちもいいけどカレーもね。」、このフレーズを知っているのは50歳以上の人だろうから、娘に話しても「何のこと?」と言われてしまった。何せ、1976年より年末年始のお茶の間に流れた、ハウス食品「ククレカレー」のTVCM(出演:キャンディーズ)で話題となったキャッチフレーズなのだから。

 当時、ククレカレーは1971年に発売されていましたが、レトルト・カレー商戦としてはボンカレーが圧倒的なシェアを誇り、かなりの苦戦を強いられていました。けれど、キャンディースの「おせちもいいけどカレーもね。」というキャッチフレーズで、ククレカレーの知名度を大きく上げることになったのです。

 そんな情報はどうでもよく、今晩の夕食は30分で作ったカレーでした。当然煮込み時間も少ないわけですから特別美味しい訳ではありませんし、特別なルーを使っていませので、市販のレトルト・カレーの方が美味しいのだと思います。でも、今夜はカレーが食べたくなったのです。なぜなら、「おせちもいいけどカレーもね。」の気分だからです。

 おせち料理という主婦が楽できる年始の料理は、全般的に甘いか甘辛い味付けをしたものが多く、少々飽きてきたタイミングでした。今日は妻より早く家に帰ったこともあり、思い立ってカレーを作ったというわけです。ちなみに、我が家のカレーには自家製らっきょを添えるのが定番です。

 カレーといえば、カレーの美味しいカフェや喫茶店が多いですね。スパイシーなカレーを頬張った後に、苦いコーヒーを飲んで口直しってのを若い時にはよくやっていたものです。でも、最近は口当たりのよいコーヒーが多いので、スパーシーなカレーとの相性はどうかと思うようになりました。

 インスタ映えしないカーレーの画像をみながら、「ウケ狙いもしないし、これが現実だ!」って一人思うのでした。

0 コメント

3とか4とか

 ギリシャ神話に、エジプトのスフインクスが旅人に問をかけ、答えられないと殺してしまったという有名な質問があります。それは、『朝には4本足、昼には2本足、夜には3本足の生き物は何だ?』というものです。答えは人間で、赤ちゃんの時はハイハイして4本足、次は直立2本足歩行、そして杖を頼りに3本足です。
 これは、人生を3つに区分した表現であり、同様にA・ゲーデンは『第三の人生 ~あなたも老人になる~』(南窓社 昭和59年)で、青少年期、中年期、老年期と区分して老年期の生き方を説いています。仏教では、人生を以下の4つの時期に分ける四住期という思想があり、20歳までを勉学に励む学生期、40歳までを家庭で家族と過ごす家住期、60歳までを林の中で自己を見つめて暮す林住期、それ以後を家を捨て放浪の旅に出るという遊行期なんてものもあり、生き方を年齢とともに変えていくことが共通点です。
 私の場合は、一般な退職後の人生である『第二の人生』を謳歌していることになるのでしょうが、リンダ・グラットンが長寿時代の生き方を説いた『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で提言した言葉の「人生100年時代」引っ掛けて、日本政府が「人生100年時代構想会議」なるものを開いたりしているので、第三の人生や第四の人生なんて言葉が作られるのかもしれません。いや、「プレミアム・フライデー」なんてしょうもない日を作ったくらいだから、「サード・ライフ」や「フォース・ライフ」になるかもしれません。
 いずれにしても、個人の人生に国からとやかく言われる筋合いはないので気にしませんが、ブームや流行といった大きな潮流は意図的に作られるものですから、『第二の人生』なんて言っていられるのも長くはないのかもしれません。「死」という最終ゴールを常に意識しながら、淡々と与えられた時間を有意義に過ごすだけなのです。
 コーヒーの業界においても、「〇〇ウェーブ」とかいって、ブームや流行などを勝手に括ってしまっています。現在「サード・ウェーブ」などと言われるものが、色々な人から勝手に「フォース・ウェーブ」なるものを、我先にと独自に定義付けする記事が出始めました。これも、ビジネスとして大きな潮流が意図的に作られる現れなんでしょうが、それに乗っかって商売しようという人や、次々と新しい流れを求めるユーザーが存在することにも問題があるのでしょう。
 結局、美味しいか、不味いか、好きか、嫌いか、という単純な事だと思うのですが、その単純な判断をよけいな情報が邪魔をすることになります。3とか4とか言う前に、見るべきものをしっかり見る訓練が必要ということなのでしょう。

0 コメント

初釜

 あすの営業開始に合わせ、ガラガラになったコーヒー豆の棚を埋めるため、午前中に少し焙煎を行いました。後は明日の朝に早めに店へ行って焙煎をすれば、何とかコーヒー豆を提供できると思います。年末にまとめ買いして頂いたので、急に豆が減ることはないと予定しており、ゆっくりスタートするつもりです。

 家に帰ってから、妻の実家(白川町)へ行く途中に買った抹茶で、新年のお茶を点ててもらいました。別に茶会ができるような茶室も茶釜もありませんが、我が家の初釜ということになります。茶道の世界では、年が改まり初めて行うお稽古を兼ねたお茶事の事を「初釜」と呼びます。平たく言えば茶道版の新年会といった感じの集まりと理解すると分かりやすかもしれません。今回は午前中に妻と次女が先にお茶を楽しだようなので、一人でお茶を楽しむことになり、特別に紅白の「かもめの卵」にありつけました。

 「初釜」といえば、地場産業の陶芸の世界では、昔から新しい窯を築いて火を入れ、最初に焼成する事を「初窯」と呼び、その窯には「左馬」の文様を描いた茶わんを焼きます。そして、その茶碗でご飯を食べると病気にならないとか、縁起がよいと珍重され、子供の頃には地場産業で働く両親が時々見せてくれました。今は新しい釜を築く人もなく衰退するばかりの陶磁器産業では、「初釜」で焼かれた「左馬」も見ることはないかもしれません。

 そういえば、午前中に焙煎したコーヒー豆も、ある意味「初釜」のコーヒーと言えるかもしれません。新しい焙煎機とはいかないまでも、茶道のように新年最初の焙煎と考えれば「初釜」になります。調べてみると、あるある!色々な珈琲屋さんで「初釜」を意識した焙煎をしているところや、中には「初釜珈琲」といった限定商品で販売する店までありました。コーヒー豆に縁起をかつぐのもどうかと思いますが、日本人は初物信仰というような縁起と結びつけるものもあるので、日本らしいな~って思います。

 さて、明日から新しい年の営業が始まります。大いに楽しみながら、心を込めた一杯を提供します。

0 コメント

三日とろろ

 1月2日の朝は「とろろいも」を食べる習慣があり、一人早起きして芋をすりおろし、濃い目のだし汁を作って合わせます。

 この東濃地方では、2日の朝に食べる風習が残されており、「とろろいも」を擂る作業は昔から男の仕事として行われています。そして、とろろいもには青海苔を掛けるため、スーパーでは芋と青海苔が大量に販売され、中には青海苔が完売した店もありました。

 正月に「とろろいも」を食べる習慣は全国各地にあるようで、3日に食べる「三日とろろ」と言われているようです。とろろを食べると、長生きするとか、それから一年風邪をひかないとか、一年を無病息災で過ごせるとか、謂われはいろいろ有ります。また、山芋には整腸作用や滋養強壮作用があるとされることから、おせち料理のごちそうに疲れた胃をいたわり、仕事始めに備えた体力作りに功を奏してくれそうな風習のようです。

 こうした風習は、主に東北地方に伝わってきたとされますが、茨城・栃木・群馬といった北関東や、岐阜・尾張といった濃尾地方などの一部地域だけのようで、地域によっての違いは、例えば、福島では3日の朝に食べる、栃木では3日の夜に、濃尾地方では2日の朝に、といったとろろを食べるタイミングにあったり、とろろの調理法にあったりします。

 なにわともあれ、役目を終えて準備が整いました。さて、そろそろ家族を起こしましょうか? 

0 コメント

いつもと変わらぬ、でも新しいスタート

 我が家の元旦は、毎年いつもと変わらぬ朝から始まります。先ずは9時前に下石町の公民館へ行き、新春歩け歩け大会に参加しすることです。今回は妻と久しぶりに次女も参加し、仲良く三人で歩くことにしました。

 役員の挨拶とストレッチの後、子供の頃に廃線となった東濃鉄道の線路道であった、舗装された遊歩道を歩き出し、折り返し地点である若宮神社を参拝します。同時に、参加者に配られる抽選番号の紙をもらい、ゴール地点の八剣神社で張り出された抽選番号をするのですが、今回は三人とも外れました。

 歩け歩け大会の参加者には、記念品としてティッシュと干支の置物が配られます。陶器の町である下石町らしい記念品でも、同じものが三つあると困ってしまいますね。

 歩け歩け大会の後には、市内にあるプレミアム・アウトレットへショッピングです。近くにあるので気軽に出かけられますが、渋滞する道路を見ると、わざわざ行く気持ちなりません。でも、運転手としてお正月の責務を果たすのでした。

 幸い、ショートカットできるルートで駐車場に入ることができ、アウトレット内を歩き出す妻と次女を尻目に、一人タリーズコーヒーを飲みながらベンチで休憩です。人混みが苦手で、着るものに執着心がないので、コーヒーを飲むくらいしか時間を過ぎせません。でも、自分で淹れたコーヒーが口に合うかな。

 家に帰って遅めの昼食を取り、元旦のイベントは終了しましたが、次女から嬉しい報告を受け、今年も忙しくなりそうだとワクワクしています。いつもと変わらぬ新年を迎え、でも、いつもの違う新しいスタートです。

0 コメント