■ 2017年12月 ブログ

珈琲屋っぽく

 今年一年を振り返りながら、コーヒー豆の販売推移をグラフにして確認してみました。2015年5月から珈琲屋として開業し、2017年12月までの間に徐々に珈琲屋として知られだし、少しずつコーヒー豆の販売量が増えてきました。全くのゼロからのスタートだったこともあり、本当に手さぐりの中、コツコツと新鮮なコーヒー豆を提供することを最優先に取り組んだのをはじめ、同時に、コーヒーを提供することを楽しみながら、興味を持った豆をお客様へ紹介したり、コーヒーの事やコーヒー産地の事を知る喜びを感じていました。そんなこともあってか、多くのお客様に支えられた結果がグラフに表れていると考えています。改めてグラフを見ていると、少しは珈琲屋っぽくなったかな?って思ったり。

 人が集まるお店を始めたことで、様々な人と出会う機会を得ることができました。何十年ぶりの友人や同級生、サラリーマン時代に知り合った方々とコーヒーを通じて再び出会ったり、地域の方々との新しい出会い、コロンビア・エジプト・フランスといった外国の方、公民館講座からお誘いで生まれた出会い、某コーヒー店のマネージャーや珈琲狂の来店、手話サークルを続けていることから多くの聴覚障害者も来店されました。本当に充実した日々を過ごせたことに感謝するばかりです。

 コーヒー豆の販売は地域性や立地などから大きく増えることはないと思いますが、量より質に重点を置いて、今以上に楽しみながら珈琲屋を続けていきたいものです。自分自身が楽しめなくては、来店いただくお客様もコーヒーを楽しんでもらえませんから。

 そんな事を考えながら一年を締めくくります。ありがとうございました!

 

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娘が作ってくれた門松

 今年も次女が門松を作ってくれました。今日は雨降りの天気予報だったので、早朝に私が隣の竹藪で竹を切り出した後、次女が手慣れた感じで完成させてくれます。昔は亡くなった父が作り、そしてわたしが作り、今では次女が毎年家とお店の門松を作ってくれます。次女お嫁にいったら誰が作るんだという事もありますが、今は今で幸せな気分を味わっています。

 サラリーマン時代から年末年始の長期休暇がなかったので、今日から1月3日までの臨時休業の期間も特別な感じはないのです。でも、こうやって門松を入口に置くと、さすがに正月らしくなって、お正月気分を味わえますね。ありがたい!ありがたい!

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珈琲屋に痛風なし!?

 

 昨日、お客さんから「焙煎したてのコーヒーを飲むと痛風にいいって?」と、尋ねられました。どうよら、中日新聞の朝刊にそんな記事が出ていたようで、帰ってから新聞を開いてみると、このような記事がありました。

 『コーヒー豆 痛風を香撃』(タイトル)「コーヒー豆の香り成分に痛風防止効果。コーヒー用ミルク「スジャータ」のめいらくグループ(名古屋市)は、焙煎(ばいせん)後のコーヒー豆から出るガスに含まれる香気成分に、痛風の原因となる血中の尿酸値の上昇を抑える効果があることを突き止めた。日本食品科学工学会誌二月号で発表する。」といったものです。さらに、「これらの有効成分は焙煎後、豆から徐々に二酸化炭素とともに放出され、減っていくことが明らかになった。実験では、焙煎直後から四十八時間までの抽出液を与えると、マウスの尿酸値が水を飲ませた場合と比べて二~三割減少した。だが、七十二時間や九十六時間では有意な差がなかった。」要は焙煎したてを維持するため、液体窒素で急冷した独自製法で出荷しているという、同社のPRみたいな記事ですね。

 こうした「コーヒーは〇〇に効く!」っていう話は山ほどあって、正直うんざりしてしまいます。健康は日常生活の中で取り戻さなくてはいけないのに、「特別」、「レアな」、「貴重」といった形容詞で安易に健康が手に入るような言い回しには疑問を感じます。珈琲屋さんの多くが焙煎したてのコーヒーを飲んでいるはずなので、珈琲屋さんには痛風の人はいないってことになる訳で、「珈琲屋に痛風無し!」と言っているようで、????です。

 

そもそも痛風の原因は、公益財団法人痛風財団によると、「血清尿酸値を上昇させる要因は遺伝的要因と環境要因に分けられます。最近の研究により、そのどちらの要因も詳細にわかってきました。」とあり、遺伝的要因は少なく、主に食生活やアルコールの摂取、過度のストレスや過度の運動が原因とされています。そうした原因を抜きにしてコーヒーと健康を記事にすることに違和感を覚えるのです。

焙煎したてが必ず美味しい訳ではないし、もっと気楽にコーヒーを楽しめる生活環境の方が、結果的には健康的に暮らせるのではないかと思うのです。

 

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フランスの日常を聞いてみる

 年賀状も無事にポストへ投函し、今年の年末は店内の大掃除を残すだけとなりました。年明けに向けての細かな準備はあるものの、これで新しい年を迎えられそうです。

 そんな朝、フランス人の旦那さんを伴って、娘の同級生夫婦が来店されました。彼女は今年フランス人と結婚し、夏にフランスへ移住したのですが、年末年始に合わせて帰国していたのです。そこで、フランスでの暮らしぶりや世間話をしながら、日常生活やコーヒー事情なんかを聞いてみました。

●電車が頻繁に止まる

 パリ郊外に住んでいるため電車を利用しているそうですが、電車が訳もなく止まるそうで、時刻表が勝手に変更されて戸惑うんだとか。

●地下鉄でスリ注意のアナウンス

 パリ市内の地下鉄では、観光地に近い駅構内でスリ注意のアナウンスがあるそうです。特に観光客が狙われることが多く、日本語でのアナウンスもあるとか。

●フンの始末をしない

 パリ市内に限らず、ペットのフンの始末をしないのが普通なんだとか。専門の清掃員が定期的に掃除をするそうですが、たまには運(ウン)悪く踏んでしまうことも。

●ゴミの分別はいいかげん

 住宅の前にはゴミ箱があって、決まった日に収集車が回収するそうですが、ゴミの分別は一応奨励されてはいるものの、分別はいいかげんなものになっているようです。ゴミのリサイクルいいかげんでも、古い服や靴などは町に回収場所があり、海外の貧しい人々に提供することになっているそうです。でも、実態は不明だとか。

■ネスプレッソが普及

 ジョージ・クルーニーのCMでお馴染みのネスプレッソが普及し、多くの家庭や職場で利用されているそうです。カプセル式のマシンやカプセルも互換性の安価なもが販売されており、家庭での利用も一般的になっています。来店されたご夫婦はインスタントコーヒーを利用しているんだとか。

■スタバが増えたものの

 スターバックスが急激に増えているそうですが、5ユーロ以上と値段が高くて利用しないんだとか。雑貨も扱うコーヒーバーのようなところで、エスプレッソを2ユーロ程で飲むそうです。

■カフェオレは朝

 フランスと言えばカフェオレといったイメージですが、カフェオレは朝に飲む物として定着しており、普段はもっぱらエスプレッソなんだそうです。カフェオレもエスプレッソにミルクという組み合わせが普通とか。

■メニューにカフェオレがない

 多くの店ではカフェオレという名称でメニューに載せていません。ミルク入りでコーヒーはたっぷりを飲みたい場合は、「cafe creme(カフェ・クレーム)」と注文し、日本のように薄くたっぷりのコーヒーを飲みたい場合は、「cafe allonge(カフェ・アロンジュ)」と注文すれば、エスプレッソをお湯で薄めたコーヒーが出てくるそうです。

 こんな感じでお喋りしていましたが、コーヒーを注文するためにフランス語を覚えたところで、生涯フランスへ旅行に行くことはきっと無いだろうと思ったのです。それよりも、フランスで北朝鮮の話題がニュースに上がることに驚きました。

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伊奴神社へ寄り道

 正月向けのケーキ材料を買うため、名古屋市西区にある「きくや」へ向かう際、同じく西区に「伊奴(いぬ)神社」があるというので、ちょっと寄り道してきました。

 全国には来年の干支である「戌」にまつわる神社がいくつかありますが、意外に近い場所に存在することを知り、良い機会だとカーナビにセットしたものの、住宅街の路地裏にあるため、年内に出かけてきて良かったと思いました。年末年始はマスコミに取り上げられるだろうから、とても車では行けそうにないと感じました。

 伊奴神社について、本社に置いてあったパンフレットを見てみると、こんな由来が書かれています。『昔、庄内川の氾濫に困った村人が旅の山伏にお願いしてお祈りしてもらったところ、その年には洪水が起こらなかった。不思議に思った村人が開けてはならないと言われていた御幣(ごへい)を開けたところ、中には一匹の犬の絵と「犬の王」という文字が書いてあった。そして次の年はまた洪水となってしまった。再び立ち寄った山伏に村人は御幣を勝手に開けてしまったことを侘び、もう一度お祈りをして欲しいと頼んだ。すると山伏は「御幣を埋め社を建て祀れ」といい、その後洪水はなくなった。それが伊奴神社の始まりと云われている。』と、こんな感じです。

 境内には、鳥居を抜けた正面の場所に参拝案内図が書かれており、参拝の順路が記されているので、一旦その場所から順路に従って参拝してみました。そうしないと何だかご利益なさそうだったので。

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クリスマスなんで

 クリスマスなんで、昨晩は妻と食事に出かけました。昔はクリスマス・ディナーなんてのを予約していたものですが、今ではすっかり居酒屋さんと言う訳です。これで、年末の大掃除も免除してもらえるだろうとの思惑を持ちつつ、美味しい食事を頂くのでした。

 翌朝はクリスマスらしく、お店でケーキでも出そうと急遽思い立ち、自宅から持ってきた柚子を使ってケーキを作ります。普段の来客数を考えると全員の方に提供できるか心配なのですが、昨年のデータからクリスマスの日は来客数が少ないことが分かっていたため、何とかなるだろうと気軽に作り始めます。

 久しぶりに取り出したクグロフ型に柚子の生地を入れて焼き、焼きあがったらチョコレートをコーティングしてみました。朝の開店前の時間には数を作れなかったので、半分にカットして提供してみましたが、皆さんはどんな感想を持たれたのでしょうか?本当に行き当たりばったりで作るのも、一応、クリスマスなんで!

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シュトーレンと19分15秒

 お客様からシュトーレンを頂きました。ホントいつも頂いてばっかりで申し訳ないのですが、有難く頂戴いたしました。頂いたシュトーレンは多治見市にあるケーキ屋さんの「ラ・メール・ブランシュ」のもので、シュトーレンと表記してあります。本来の呼び方はシュトレンなんでしょうが、一般的にはシュトーレンと呼ぶところが多いのです。

 せかっくなので、お客さんがいない時間にコーヒーを淹れて食べることにします。選んだコーヒーは先日、珈琲狂から頂いたブレンドで、19分15秒焙煎した豆だそうです。「ブルボンちなみ35分」と一緒に頂いたので、「ブレンド19分15秒」ってことなんでしょうか?ブラジル:2、エチオピア:2、ケニア:1の割合でブレンドされた深煎りのコーヒーに、砂糖で包まれた甘いシュトーレンが良く合います。

 でも、個人的には地元のエクレール(タナカ製パン)のシュトレンの方が、洋酒の香りが後を引くので好みです。食感も異なるために好みが別れるところですが、こうして何種類ものシュトレンを味わえるのですから、結構贅沢なクリスマスを迎えることになります。町内のお寺の檀家である私には、クリスチャンがシュトレンを食べる感覚を共感する術はありませんが、美味しい物は「美味しい!」とだけは理解できますね。

 頂き物のケーキとコーヒーで楽しんでる自分に、「あなたは珈琲屋なの?」って突っ込みたくなります。とはいっても、楽しむときには楽しまなければ!クリスマスなんだから。

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ミャンマーのコーヒー

 知人からミャンマーのコーヒーを頂きました。息子さんがミャンマーへの出張土産として、両親に渡された物を一部お裾分けと言う訳です。  

 パッケージには『Highland Delight Coffee』という商品名の他に、「Made from the freshest, highest quality of Arabica Coffee bean produced in the highlands of Myanmar. 

A taste that you will never forget」とあり、こんな意味でしょうか。「ミャンマーの高地で生産される、新鮮で最高品質のアラビカコーヒー豆から作られています。あなたが決して忘れることのない味。」

 ミャンマーといえば、コーヒー生産量が8,474tの世界39位(2016FOA調べ)で、近年ではQ認証のコーヒーも生産されるなど、日本の珈琲屋さんでも見かけるようになりました。コーヒー豆の生産を外貨獲得のための重要政策として、海外からの技術支援を受けているようですが、これまでの農業政策はコロコロ変わって長続きしないというのが現状のようです。

 頂いた豆は少し深煎りなのですが、意外にクセがなくて美味しく飲めました。でも、コーヒーを飲みながら「ロヒンギャってどうなの?」って思うと、コーヒーが少し苦く感じるのは気のせいでしょうか。

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コーヒーヤさんへ

 時々ご夫婦で来店される方が今日もお二人で来店され、「これ、例の!」といって箱を手渡されました。別に怪しい箱ではないことはすぐにわかり、「八海山」と書いた御饅頭でした。

 これは、8月にエジプトの方と一緒にコーヒーを飲まれた時に、母国でコーヒーを淹れるイブリックが日本に無くて困っているというので、後日、私が使用していないイブリックを差し上げため、留学先の新潟から送ってきたということでした。御饅頭の箱には付箋で「コーヒーヤさんへ」と書かれ、エジプトと御饅頭という全く異なる文化を、妙な日本語が繋いでいるようで嬉しくなりましす。

 八海山といえば日本酒が直ぐに思い出されますが、お酒が得意でない私には甘い御饅頭の方がありがたいというものです。さっそく、届けていただいたお客様へお裾分けし、コーヒーのお供に頂きました。口の中に広がるお酒の香りを楽しみながら、新潟の景色を思い出そうと思ったものの、まだ一度も訪れていないことに気づき、「寒いだろうな~。」くらいしか頭に浮かびません。情けない!

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何気なく

 年末ということもあって、一年間の商売繁盛(ボチボチでんな)に感謝するため、いつものように「おちょぼさん」(お千代保稲荷)に行ってきました。新しい出会いの数々と楽しい出来事に感謝しつつ、今後も見守ってもらうようお祈りします。

 お千代保稲荷にお参りに来た際には、何気なく毎回同じパターンで行動しており、参拝後には境内にある寄進された「占いクジ」で、吉が出るまで複数回おみくじを引き、「重軽石」で占いし、お土産に決まった店で漬物と草餅を買います。最後も、鳥居の手前にある店で串カツを食べて一連の参拝が終了となりますが、意識して同じ行動をしている訳でなく、何気なくパターン化しされたようです。

 家族も「お千代保稲荷に行ってくる。」と言えば、漬物と草餅を買ってくるものだと思っているようですから、何気なくやっていることも、パターンを変えると逆に怪しまれることになるという、何だか変テコなことになりそうです。

 そんな事を思いながら、いつもと違うパターンで何気なく寄り道をします。行きは高速道路を使いましたが、帰りは一般道を使って岐阜方面からドライブしながら車を走らせ、途中の各務原市で「珈琲工房ひぐち桜町本店」で休憩です。

 昼食時だったのでランチのミートソースパスタを食べます。何気なく出されたフォークとスプーンを使って食べますが、パスタをフォークとスプーンで食べ始めたのは、いったい何時だったのか考えて手が止まりました。イタリア人はスプーンは使わないそうだし、国によってはナイフで短く切って食べるところもあるんだとか、子供の頃はフォークだけだったのに、大人になったらスプーンも使い始め、何気なく食べているパスタについて気になってしまいました。

 今日は何気ない定休日に、何気ないことを考える一日でした。

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健康第一!

 瑞浪市に住む姉夫婦が、「安かったから!」とシクラメンを届けてくれました。冬の花が店内に並ぶと、一層年末を感じさせてくれから不思議なものです。朝の冷気や肌に刺すような冷たい風と違い、花だけでも季節感が増すから日本人っていいものです。

 そんな気持ちを記録するだけのブログさえ、こうして書けなかったのが体調不良のせいです。体調不良などというと大袈裟で、水曜日ごろから喉が痛く、せき込んで眠れないことがあって、インフルエンザか?って心配したものの、熱も全くなくて喉の痛みだけでした。でも、そんな事だけでヤル気が落ちるのですから、人間なんて何と弱いものかと思ってしまいます。

 体調も徐々に回復し、昨夜は妻から、「食べ過ぎ!」と言われるくらいに食欲も戻り、明日は定休日なので安心しています。本当に健康第一!ですね。

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井の中の蛙にならぬよう

 今朝もエクレール(タナカ製パン)のシュトレンを食べながら、食後のコーヒーを妻と共に飲んでいました。自分が作ったものやスーパーで販売されているシュトレンとの違いを感じ、何がどのように異なるのかをついつい考えてしまいます。そうした考える機会を与えていただいたのは、やはり日頃から応援していただいているお客様で、何か新しい事を行った時に、「井の中の蛙」にならぬようアドバイスをいただいたんだと思っています。

 そんな事を考えながら一日を過ごし、閉店後になって不足したコーヒー豆を焙煎していると、ドアの向こうから怪しい人影です。「こんばんわ」と言って現れたのは、なんと、昨日『ブルボンちなみ35分』に触発されて、とりあえず挑戦してみた『ブルボンちなみに35分』の本家の登場です。ちなみに模倣して焙煎してみたもので満足せず、「やっぱり飲んでもらわなきゃ!」といって、試飲用の豆を持参していただいたのです。恐縮しながらも焙煎途中のため、珈琲談義もそこそこに帰られましたが、その後、お湯を沸かしなおして飲み比べをしてみました。

 私が焙煎した『ちなみに35分』は、『ちなみ35分』よりも焙煎度が深く、苦味が後に残ります。最初の一口が似ているものの、どうしても後味が本家と異なります。焙煎プロファイルの話でも私の温度上昇の方法とは随分違い、これを温度計のない手回しで操るのですから驚きです。「経験です!」と言われてしまうと、ぐうの音も出ません。

 でも、こんな経験ができるのも随分幸せな事です。こうして「井の中の蛙」にならぬよう、わざわざ本人が出向いていただけるのですから、何とありがたいことか!

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餅は餅屋

 先日、コーヒーに添えるお菓子にとシュトレンを作って出したところ、意外に評判で喜んでいただきました。そして、数日たったころ「下石の町にもシュトレンが美味しい店があるから食べてみや~!」と化粧箱に入ったシュトレンを頂きました。

 いつも応援していただいているお客様によると、「いろんな店のシュトレンを食べたけど、ここのシュトレンは格別だよ。1年洋酒に漬けこんだドライフルーツから香る生地が最高だから、一度は食べてみなきゃいけない。」と言われました。

 このシュトレンは噂に聞いていた地元のエクレール(タナカ製パン)のシュトレンで、遠方からの注文に合わせて宅配しているとは知ってはいたものの、今まで食べたことがなかったのです。目の前に実物を見て感激すると同時に、毎回何かしら応援していただけるお客様に感謝するばかりです。

 エクレールという店名になったのはかなり前だと思うのですが、地元では「タナカパン」で名が通っており、大正時代からの老舗のパン屋さんです。小学校の給食に出されるコッペパンはタナカパンのもので、タナカパン=コッペパンというイメージが強いのですが、今では店頭に多くの菓子パンが並んでいます。私の一番好きなのはアンパンですね。

 シュトレンはレーズンとオレンジピールを洋酒に漬けたものがメインで、シンプルなものだけど奥深い味わいがあります。私のようにドライフルーツやナッツ類を詰め込んだものと違い、口の中で広がる香りがいつまでも残るところが、素人が遊びで作るものとの差が歴然としています。やはり、「餅は餅屋」という訳です。

 そんな事を思いつつ、いつものように歯を磨きながらブログチェックをしていると、『珈琲豆「ブルボンちなみ35分」をどうぞ。』という面白い文章がありました。ブラジルの農園2種を35分かけて深煎りするというもの、いずれもブルボンでパルプドナチュラルの豆だとか。35分!常識では考えられない焙煎時間に驚きながらも、「面白そうだからやってみよう!」と挑戦することにしました。

 午前中の空いた時間を見計らい、深煎りの煎り止め温度をおおよそ決め、35分間の温度上昇を分刻みに逆算し、何秒で1℃上昇させるか目安を書きだします。使用するコーヒー豆はブラジルのブルボン・アマレロで、もちろんパルプドナチュラルです。農園まで同じに出来ないまでも、雰囲気だけでも合わせてみました。

 お店では中煎り、中深煎りが中心の焙煎を行っており、これほどの深煎りへの挑戦は久しぶりで、時間も35分という長い時間のため、緊張する時間も長くなってしまいました。けれど、想像したほどスモーキーフレーバーは少なく、甘さもそこそこ感じられます。注湯温度を低めにしたこともあるでしょうが、一応飲めるコーヒーになっています。でも、35分も緊張する焙煎はしたくないですね。一歩間違えると黒焦げになってしまう。やはり深煎りも「餅は餅屋」ってことです。

 では、自分は「餅屋」なのかという課題がのしかかってきます。一応、珈琲屋と名乗っている訳ですから、自信を持って「餅屋」になれるよう精進しなければなりません。美味しいコーヒーが提供できるよう、肝に銘じなければ!

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「北」はポッカ

 その年の世相を一文字で表す「今年の漢字」が発表され、「北」になったようです。色々な理由があるでしょうが、やはり北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験など、「北の脅威」からくるものが多いと思います。これからどうなるのやらと心配な面がありますが、正直個人ではどうにもならない問題かもしれません。

 それと、北朝鮮のニュースで気になったのが「北から缶コーヒーが消える日 シンガポール貿易全面禁止でガッカリ?」というもの。以前から知られていた北朝鮮で販売されている缶コーヒーの「ポッカコーヒー」ですが、シンガポール政府が北朝鮮への制裁処置として全面貿易禁止としたため、これまでシンガポール国内で生産された缶コーヒーが輸出されなくなるんだとか。7月にシンガポールの現地法人のフロント企業が北朝鮮へ輸出しているとして、ポッカ日本本社が北朝鮮制裁はザル状態だと叩かれていましたが、これで終息すると思われます。

 でも、「北朝鮮でポッカかよ!」って感じです。缶コーヒーなら他にも美味しいものあるだろうに、そんな事をついつい思ってしまいました。富裕層や海外からの観光客が販売対象なんだろうけどね。北朝鮮に住む人々は、実際のところどんなコーヒーを飲んでいるんだろうか?庶民派には手の届かない飲み物なのかな?そんな事を今年の漢字一文字「北」から思ってみるのでした。

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一攫千金!?

 今日は午前中に母親を伴って掛かりつけのクリニックへ行き、インフルエンザの予防接種を受けました。これで冬対策は大丈夫ということで、今度は守りから攻めへ切り替えようと、午後から美濃加茂市の平川たばこ店へ向かいます。

 平川たばこ店は知る人ぞ知る宝くじ売り場で、高額当選が出ると大人気の場所です。2017年度版の宝くじ人気売り場ランキングでも、全国ランキング26位、岐阜県では1位という売り場は、駐車場整理のための係員が居るくらいなのです。

 過去にはジャンボ宝くじ販売中に何度か来ていましたが、珈琲屋を始めてからは遠のいていました。今の生活自体が宝くじに当たったようなものなので、買う必要が無かったって訳です。けれど、先日、妻と買い物へ行った際に「ジャンボ宝くじ販売してるけど、10億なんて当たったらお金の管理や運用で悩んじゃう。だけど、今年はプチってのがあって、700万円や10万円くらいなら当たっても悩まずに済むね。」と言っていたのを思い出し、ついつい、その気になったとういうことなのです。そこで一攫千金目指して美濃加茂市まで足を運んでみました。

 もっとも、バラ10枚しか購入しないので当選確率はとんでもなく低いことは分かっていますが、年末まで少し期待感を持ちながら楽しい時間が過ごせるというものです。そんな僅かな満足感で立ち寄ったのが「コウク珈琲」です。宝くじ売り場の平川たばこ店から数百メートルの場所にあるので、美味しいコーヒーで更に満足感を得ることにしました。注文したのは「まめ蔵」で扱っていないメキシコ産のコーヒーで、何杯でも飲んでしまいそうな優しいコーヒーを味わいながら、同じ品種でも産地で個性が出ることに、コーヒーの魅力を再認識しました。

 クリーンで透明感と甘みのあるコーヒーの余韻に浸りながらの帰路で、にわか雨が降った後に綺麗な虹が見えます。「これは縁起がいい!」そう思いながら、一攫千金も夢じゃないかも!?って心の中でニヤつくのでした。

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竹の子クリスマス会

 たった2時間程のイベントのため、いったいどれだけの人が時間を費やしたのだろうか?本当に「ご苦労様」と言いたい気持ちです。どんなイベントでもそうですが、それまでの準備期間に相当な時間と労力を費やします。その労力と時間を楽しめる人だけが、こうして毎年イベントを実施できるのです。そして、手話サークルの主要メンバーが、準備段階から楽しんでいる光景を見られる自分も、素敵な環境にいられると感じています。

 今回のクリスマス会は、例年よりも聾唖者の参加が少なく、少し残念でしたが、それでも36名もの参加者がとても楽しめた内容になったと思います。ウインナーを引っ張って放水するダムカレーで会食しながら、手話歌や〇×ゲーム、動き回るカゴに紙玉を入れる玉入れ、そして、ビンゴで順番を決めるプレゼント交換など、大人から子供までがほのぼのとした時間を過ごしました。

 そして、恒例となった全員参加型の手話劇というか、コントと言うべき『ありがとう』で参加者が一つになった瞬間、参加者全員が互いに「ありがとう」の気持ちを伝えあったと感じました。

 手話劇の動画編集作業がやっと終わり、Youtubeへアップすることができたので、自分の役割が終わってホッとしています。

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忙しい臨時休業日

 今日の午後には地域の秋葉様をお祀りする行事のため、あらかじめ店を臨時休業にしました。そうなると午前中に時間ができることもあってか、家族から色々な注文が寄せられます。普段の土日は店を開けているので家のことができないため、朝から忙しい臨時休業日の一日を過ごすことになったのです。
 先ずは、午前中に妻と次女の車をスタッドレスタイヤに交換します。油圧ジャッキを使って車体を上げ、インパクト・レンチを使おうとしたところ、どうも故障したのか動きません。仕方がないので十字レンチで「よっこらしょ!」。それが済んだら、先日やり残した生垣の剪定作業です。この時点で腰に負担が掛かってしんどいのですが、一休みした後小屋の整理を手伝います。
 午後からは町内3箇所の「秋葉様」をお祀りするため、役員の方と近所の竹藪から枝を切り出し、四方に縄を張って神主さんの到着を待ちます。午後三時から順番に祈祷をしてもらい、終了後には一旦お店に戻って、手話サークル竹の子のクリスマス会の準備です。今夜はウエルフェア土岐でクリスマス会を行うため、事前にケーキとコーヒーを頼まれているので、ケーキをケースに入れ、ポットに淹れたてのコーヒーを注いで会場へ搬入です。
 夜になると、クリスマス会で撮影された動画の編集作業が待っています。毎年、寸劇を取り入れた手話ミュージカルっぽいのをYouTubeにアップしており、この作業が私の担当になっているのです。編集作業が深夜に出来るとYouTubeへのアップロードは明日にまわして、忙しい臨時休業日の一日は終了です。
 ちなみに、「秋葉様」は、火除け、火伏せのご利益があるという秋葉神社の祭神で、地元は陶磁器産業が盛んだったこともあり、火を使う窯が多く存在したことから、子供の頃には「秋葉様」の祠で町内の方が焚き火をしながら、赤飯で作った「とんのこ」と言うお握りやミカンが配られたりしたものです。今では町内の人も知らない間に行事が終わってしまいます。
 東京のオタクの聖地と言われる秋葉原は、江戸時代から火災が多かったために、1869年(明治2年)に防火のため火除地が設けられ、1870年には火伏せの秋葉神社を祀ったことから、秋葉の原から、あきばはら→あきはばらになったという地名の由来があるそすですね。さあ、寝よ!

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お好み焼きパーティー

 今夜は地元の下石町にある「志水屋」さんで、手話サークルの仲間とお好み焼きパーティーです。本来なら木曜日の夜は例会があるのですが、会場であるセラトピア土岐が使用できないため、「そんなら忘年会をやろう!」と誰かだ言い出したもんだから、急遽会長が予約した「志水屋」さんで行うことになったのです。

 もともと「志水屋」さんは酒屋さんだったのですが、随分前からお好み焼きや焼きそば等の始められ、地元ではリーズナブルに楽しめるとあって、人気の粉もん屋なんです。多くの参加者が車で集まるため、ソフトドリンクで乾杯する中、酔っ払い担当専任者がいるおかげで、盛り上がりながら忘年会気分を味わうことができました。

 サラリーマン時代には宴席の回数が多かったものの、今では外でお酒を飲む機会もめっきり減りました。けれど、元来お酒が弱い私にとっては好都合で、今のような頻度がちょうど良いのかもしれません。

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いつまでやるんですか?

 「いつまでやるんですか?」お客さんに聞かれて一瞬ドギマギ!「えっと、いつまでって言われても。・・・できれば長く。」!?と言いそうになりましたが、年末年始の営業日の事だと気が付き、「12月30日まで営業し、31日~1月3日まで休みます。」と答えました。

 こんな会話が出始める所謂「師走」になった訳なんですが、いまいちピンときません。もう1年が過ぎてしまうなんて、時間の経過が早くて追い付けない感じがします。素敵な出会いの連続の日々に感謝しながら、12月30日までコーヒー豆を焙煎し続けます。

 「いつまでやるんですか?」、「生涯お店は続けます。でも、今年は12月30日まで営業します!」

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暇でも忙しく

 今日の土岐市の最高気温は11℃で、肌寒くて空は今にも雪が降りそうです。天気予報によれば、深夜に少しだけ雪が降るかもしれません。お店の前の酒屋さんも、商用車のタイヤをスタッドレスに替えている様子が見えます。そんな天候ということもあってか、お客様も少なく暇なのですが、おかげで溜まっている作業がスムーズに進みました。月に何度かこのような日がああるものの、一人でケーキやクッキー作り、そして焙煎と何でもしていることもあって、実はこうした日が時々あることで、やり残し作業が出来ているのです。

 今朝からイチゴのロールケーキ、クッキー2種類、プリンとお菓子作りに励み、昨日出来なかった焙煎を5種類行うことができました。お菓子作りもコーヒーの焙煎と同じように大量に作る事をしないため、一定期間で全て消費できるような数しか作りません。お客様からは、「持ち帰りできますか?」って何度も聞かれますが、今のやり方が一人で出来るベストだと思っているので、当面は今のスタイルを続けようと思っています。

 そんな事を書き始めていたら、コーヒー豆を購入される方が何人も来店されました。本当に有難いことです。コーヒー豆の売れる日が続いているのが一番の励みになります。感謝!感謝!さて、売れた豆を補充するため再度焙煎しますか。それと、手話サークル竹の子から依頼されたクリスマス会用のケーキも準備します。「暇でも忙しく」って良いもんです。

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カプチーノを飲みながら

 定休日の今日は、朝から自宅の生垣を電動バリカンで刈り取り作業です。妻が休みを取ってくれたので、遅ればせながら庭を綺麗にすることができ、自分が床屋に行ったような清々しい気分になりました。

 けれど、気分が良くなった反面、体の方は所々痛みを感じ始めたため、午後からテラスゲート土岐にある「よりみち温泉」でリフレッシュに出かけます。県内で一番の日帰り入浴施設とあって多くの人で賑わっており、露天風呂から見える「土岐プレミアムアウトレット」の駐車場に並ぶ車を見ながら、「インター付近にはこれだけの人がいるのに、土岐市内の町並みまで下りてこないんだろうな~。」などど思ってみるのでした。

 それを実感するのは、隣にある地域連携施設「まちゆい」に入った時です。温泉施設とスーパーマーケットの賑わいに挟まれた空間は打って変わって人影まばらで、市内の観光案内所は閑散としており、土岐の土産物売り場の担当者が館内を手持ち無沙汰のように歩いている始末です。土岐市には魅力がないのか、魅力を発信する力がないのか、ちょっと寂しい気持ちになります。

 そこで、気分を変えてカフェのカウンターでカプチーノを注文し、ゆったりとした空間の椅子に座って飲み始めます。いつも居る「まめ蔵」とは異なる空気が漂って、これまた落ち着きます。コーヒー豆の匂いが充満している「まめ蔵」とは違って、都会風の臭いってのが新鮮に感じるのかもしれません。

 カプチーノを飲みながら取り出した本は『ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて』 (角川ソフィア文庫: 著者 ウィリアム・H・ユーカーズ 訳・解説 山内秀文) です。帯に、「本書を読まずして コーヒーを語るなかれ!」なんて書いてあるもんだから、珈琲屋としては読まずにいられないのです。けれど、もう既にコーヒーの事を語ってしまってるじゃないですか。どうしたものかと思いながらも読み始めます。

 カプチーノを飲みながら、これまで色々な器具でコーヒーを淹れてきたこを思い出しました。サイフォン、マキネッタ、コーヒープレス、そして、エスプレッソ。でも、最終的にはペーパードリップの松屋式を選択してお客様に提供しています。そのためか、エスプレッソについての知識が乏しいのです。目の前のカプチーノだって、カフェラテと何がどう違うのかって聞かれて、一応教科書的には答えられても、現実には混同しちゃってる店も多く、上手く伝える自信がありません。

 やっぱり、「本書を読まずして コーヒーを語るなかれ!」ってことなのかな。

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デカフェ飲み比べ

 デカフェについて興味を持っているものの、カフェイン除去処理に伴って、本来その豆が持っている風味や香りが損なわれる傾向にあり、お店で導入することに尻込みしています。日本では主に、水を用いる処理方法と二酸化炭素を用いる処理方法の豆が流通しており、それぞれ個別に試飲していたものの、同時に飲み比べていなかったため、今回は出来るだけ条件を同じにして試飲してみることにしました。

 使用した豆はコロンビアSUPクラスの豆で、焙煎度合は中深煎りに極力合わせました。①普段お店で提供している豆、②液体二酸化炭素処理のデカフェ、③水による処理のデカフェ、の三種類を用意して飲み比べましたが、豆の状態からも違いは分かるほど②と③は豆の色つやが悪く、黒ずんだ感じになっています。また、③には①、②と異なる酸も感じます。

 正直、飲んでしまうと普段提供している①が美味しいと改めて分かると同時に、③は口に入れた瞬間から、「コーヒーはどこにいったの?」と探したくなるほど風味が抜けて、少しの苦みと酸味が主張する程度です。②の方は①ほどのコクはないものに、比較的飲みやすく違和感がありません。①を飲まなければ「まあまあ美味しい。」と言えるコーヒーでした。

 コーヒーの味覚を文字に表現するのは難しく、人によっては全く感じ方が異なる場合があり、好き嫌いが別れてしまいます。そんな時には先ず飲んでもらうことが一番手っ取り早いので、サンプル焙煎した②と③をカウンターに座ったお客様に試飲してもらうことにします。さて、どんな反応があるでしょうか。楽しみです。

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