■ 2016年9月 ブログ

殺人犯はそこにいる

 東京への往復の時間を使って本を読もうと、前もって買っていたのが『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続少女誘拐殺人事件』(清水潔:著)でした。

 文庫本にしては500ページもあり、往復時間を考えれば読み切れるかな?という安易な考えと、Amazonの内容紹介に「5人の少女が姿を消した。群馬と栃木の県境、半径10キロという狭いエリアで。同一犯による連続事件ではないのか? なぜ「足利事件」だけが“解決済み"なのか? 執念の取材は前代未聞の「冤罪事件」と野放しの「真犯人」、そして司法の闇を炙り出す――。新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞受賞。日本中に衝撃を与え、「調査報道のバイブル」と絶賛された事件ノンフィクション。」の文章が気になったからだ。

 初めて聞いた事件だと思っていましたが、何度かテレビやマスコミのニュースで見た記憶が蘇ってくるので、前半部分は国際展示場に到着するまでに読んでしまいました。後半部分は一日の疲れもあるのに睡魔は訪れず、土岐市駅に戻るまでにほとんど読むことになりました。

 正直、冤罪なんて遠い昔のことだと思っていたし、菅家さんのことも聞き流していたし、著者の報道番組も意識せずに見ていただろう。そこにある事実を知ろうとしない私達の無関心が、真実を闇に葬り去るのだと思うと、無責任に「冤罪」や「怠慢捜査」などと言って済まされるのかと怖くもなるのです。

 組織の隠蔽体質は無くなるどころか、燃費問題に揺れる企業に代表されるように未だに続いています。警察組織に限ったことではなく、組織は組織のみを守り、個人は守らないというのは私自身も経験があり、今後も無くならないことかもしれません。著者のようなジャーナリストの存在が望まれます。

 ちなみに、巷では「文庫本X」として目隠し販売されている本らしいのです。確かに書店員が読んでもらいたいと工夫しただけの内容だと感心しました。

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SCAJ2016へ(2)

 

 SCAJ2016での目的には、産地セミナーに参加することもあります。事前に申し込んでおいたセミナーの時間を見計らいながら展示棟を後にします。

 午前は、コスタリカコーヒー協会主催による『「カップ・オブ・エクセレンス」を獲得したコスタリカ産コーヒー、トップ5』と題したもので、コスタリカコーヒー協会によるカップ・オブ・エクセレンス・コスタリカのトップ5を体験しました。

 コスタリカの8つのコーヒー産地の内の3つの地域で取れた、5つの少量生産スペシャルティ・コーヒーを堪能します。同時に、これまで大枠で理解していた精製プロセスも、ハニー、ウォッシュド、トリプル・ウォッシュド、嫌気性発酵など、それぞれのプロセスの詳細を全て知ることができました。特に、ハニーの分類が細分化されており、生産者の取り組みに驚かされます。

 午後からは、マイクロミルの共同体であるエクスクルーシブコーヒーズS..による、『コーヒー品種の歴史 コスタリカ・ アラビカ』です。コーヒー生産量ではほんの僅かな生産量しかないコスタリカですが、高品質のコーヒーを作りだして付加価値の高めています。そんな内容を生産者一人一人が自慢そうに語っている姿は、いきいきとしていて何だか嬉しくなってしまいました。

 どちらのセミナーもコーヒーの試飲をしましたが、合わせて10杯以上となってしまい、展示棟での試飲しまくりに少々後悔です。

 今回も大変多くのコーヒーを試飲しました。どれも生産者や生豆商社などが自信を持って提供するコーヒーですから高品質です。特にCOEで高得点をあげたコーヒーは刺激的で、自分が提供しているコーヒーが貧弱に思えてきますが、同時に「これで、来店されるお客様が喜んでくれるのか?」とも考えてしまいます。最先端ともいえるCOEのコーヒーも理解する必要もありますが、お客様が「美味しい」といっていただけるコーヒー作りも必要だと改めて思うのでした。

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SCAJ2016へ(1)

 今日は臨時休業にして、東京で開催されたSCAJ2016へ行ってきました。今年のテーマは「多様性と革新」だとか、さて、どんなもんだろうかと各ブースを巡ります。

 先ずはコーヒー産地のブースで試飲しまくりです。コロンビア、パナマ、エチオピアと各産地のコーヒーを味わいながら、新し出会いを求めて10杯以上飲んでいきます。その後、仕入れ先となっている生豆商社を廻って試飲と聞き込み、挨拶をしながらおしゃべりです。

 イベントステージでは、バリスタチャンピオンシップやブリューワーズ カップ・チャンピオンシップを見ながら、コーヒー関連のブースを見ていると、カリタでは産業用ロボットがコーヒー淹れているではないか!UCCでは茶室風の場所でサイフォンを使ってコーヒーを提供している!何と傍らにはブルーマウンテンを模した盆栽も!「これが革新というのか!?」なんて思いながら試飲を繰り返していきます。

 焙煎機も小型の個性的な物も現れ、手軽に個人で焙煎が楽しめる時代が来るんだろうかと想像しながら、さらに試飲が続いていきます。正直、こうした特殊な場所に来なければ味わえないコーヒーもあり、コーヒーに携わる者としては貴重な体験場所なのです。多くのコーヒー関係者が集まり、高品質と言われるコーヒーに触れることで、自分のコーヒーが今のままでいいのかと心が揺れたり、まだまだ知らないコーヒーの魅力に引き込まれたりと、貴重な時間を過ごしたのでした。

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ぶらり豊田市へ(2)

 彼岸花の群生地から続いて向かったのは、鞍ヶ池スマートICから香嵐渓の方向へ走り、途中から田舎道に曲がった、サードウェーブコーヒーの“JITTER JOE'S”(アメリカジョージア州)の日本1号店となる、蔵カフェ“WORK BENCH Coffe Roasters”です。

 私がミーハーって訳じゃなくて、ローカルニュース番組で取り上げられていたのを見て、「藏の中に自家焙煎のお店を構え、古民家でコーヒーを飲むなんていいじゃん!」と思ったことと、自分の店も蔵風(偽物)で営業しているので、興味が沸いたからです。

 サードウェーブコーヒーだとか、バリスタの世界大会出場者が経営しているとかじゃなく、土岐市よりも田舎で「面白いことやってるじゃん。」ってことのほうが関心があったんです。地元のおじいちゃん、おばあちゃんが、700円くらいするコーヒーを飲みに来るんだろう~か?田舎でもいいコーヒーが飲める環境って素敵じゃないの?というのが最大の関心事。

 残念ながら「本日はお休みさせて頂きます。」って看板を見ただけになりましたが、あの環境で長く続いたら面白いな~って正直思いました。美味しいコーヒーが日常にある生活は都会人だけのものじゃないし、地方にだって普通にあるのがいいに決まっていますから。

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ぶらり豊田市へ(1)

 

 定休日を利用して、ぶらり豊田市へドライブです。目的は豊田市内を流れる逢妻女川(あいづまめがわ)の、天王橋(丸根町)から男橋(宮上町)間(約450m)の両岸の土手に咲く彼岸花です。毎年9月中旬~下旬に見頃となるため、思い切って出かけてみたのです。
 ここの彼岸花は、逢妻地域の有志によって平成83月から15年以上かけて、逢妻女川の土手に植付けを行ってきたもので、豊田市の「わくわく事業」補助金を受けて、約150万本に増やしたそうです。

 真っ赤に色付いた彼岸花を見ながら散歩したり、重そうなカメラをぶら下げて写真撮影をする人など、平日にも関わらず多くの人たちが訪れていました。私は安いデジカメでパチリです。

 中には白い彼岸花も植えられており、その場所だけが異色を放っていました。田んぼの土手に植えたものや、土葬の時代にお墓に植えたりしていた彼岸花ですが、これら人為的に植えられたものは、それぞれ目的があり、田んぼの土手の場合は、ネズミやモグラなど田んぼを荒らす動物が、彼岸花の鱗茎の毒を嫌って避けるように、墓地の場合は土葬後に 動物によって掘り荒されるのを防ぐためのようです。

 綺麗だけど何か悲しさを誘う彼岸花ですが、こうした群生地を見ると鮮やかで見ごたえがあります。愛知県内には半田市の矢勝川も有名ですが、全国的には埼玉県日高市にある巾着田には、500万本の群生地があるそうで、臨時列車が出されるほどの観光地だそうです。一度は行ってみたいものです。

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やっと葉書を印刷

 10月1日の「コーヒーの日」のイベント用葉書を、やっと印刷しました。早めに取り組まなければいけないのに、ついつい後回しになってしまいます。とは言っても、来週の初めまでにはホームページの変更や、レジシステムの登録など、やるべきことは山積しています。ましてや、コーヒー試飲会も実施したいので、資料作りや段取りなど、ゆっくりとコーヒー本ばかり読んでいる場合ではないのです。

 今回の葉書には、表面に絵手紙を印刷しました。これまで裏面全体に印刷していたのですが、掲載したい情報量が多くなったため、広告宣伝葉書みたいになってしまいました。本当はそんな葉書にしたくなかったため、これまで表面の下部にのみ案内文を載せていたのです。

 その甲斐あってか一部の人にしか情報が伝わっていないという、狙い道理のひねくれた案内葉書だったのです。「分かる人には分かる!」というヘソの曲がった性格が良く現れていて、個人的には好きなんだな~。ただの絵手紙が届いたと勘違いしている人も多く、気づいた人が来店されると、ついついサービスしたくなっちゃいました。

 さて、残りの作業を少しづつやりますか。

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珈琲色に夜は更けて

 夜が苦手な私には不似合いなタイトルなのですが、特異な絵柄と暖かいストーリーで、コーヒーと喫茶店が必ず登場する「珈琲色に夜は更けて」(山川直人:著)を読まずにはいられないのです。

 10話の短編集なので、コーヒー1杯を飲みながら1話を読むには丁度良い長さなんですが、そうなると全部読み終わると10杯になってしまうので、今回は読書に集中です。読みながら登場人物の喫茶店のマスターの気分で感想を書いてみます。

■いつもの席

 カウンターの隅に毎回年配の女性が座られます。コーヒーとトーストを召し上がると、散らかっていないか気にしながら直ぐにお帰りになります。

■崖の下の店

 私の店もカウンターは3席。でも、若い女性はお座りにならないし夢みたいなことは起きません。

■匂う女

 私の店は、いったいどんな匂いがするんだろう?

■第四会議室

 店に飾っている絵にはストーリーを感じて飾っていますが、人が消えてしまう効果はありません。

■実家暮らし

 人のウワサなんてあてにならないものです。でも、実家暮らしだとウワサを聞かされることは多いんだな。

■病気の名前

 私の病気は高血圧症と緑内障です。でも、天使か悪魔か判りませんが、仲良く付き合っています。

■間奏曲

 人生には訳のわからない時期もあるんです。

■古い本

 店には「珈琲奇譚」はありませんが、珈琲本はそこそこあります。

■恋人を夢の中に置き去りにした話

 全ては夢のなかでした。でも、私もよく夢をみるんです。

■ロックンロール

 自分の周りも様々なものが目まぐるしく移り変わっていきます。たまには立ち止まってコーヒーを一杯飲んでみるのもいいんじゃないの!

 何だか訳の分からない感想文でした。

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僕はコーヒーがのめない(5)

  発刊を忘れて読むのを忘れていましたが、遅ればせながら「僕はコーヒーがのめない 5」(原作:福田幸江、作画:吉城モカ、監修:川島良彰)を読んでみました。 

 小学館の書籍説明文では、『実はブルーマウンテンは“世界最古のスペシャルティコーヒー"だった?さて、その真相と現状は……読んでのお楽しみ!! RDC主宰・天堂周伍郎が王様コーヒーに選んだのは「ブルーマウンテン」だった。「カリブの宝石」と称されるほどの、ジャマイカが誇る最高級コーヒーには、まだまだ日本人が知らない秘密が隠されていた!産地・ジャマイカの取材を敢行し、誰も知らないブルーマウンテンの深奥に迫る!どんなコーヒー関連本にも載っていないコーヒーマニア必読のスクープ巻!』

 確かにブルーマウンテンのことについて詳しく述べられていますが、正直新しい発見や驚きはありませんでした。むしろ、こうしたジャマイカの実情については、監修を担当されている川島さんの著書や講演内容から知ることができましたし、名前ばかりが有名でバカ高いブルーマウンテンの存在は、コーヒーを学び始めた頃の私にとって大変興味深いものでしたので、色々な人に会って話を聞いたりしたものです。信頼できる自家焙煎店からブルーマウンテンが消えたのですから、疑問に思わずにはいられませんでした。

 とはいえ、川島さんのブルーマウンテンに対する情熱は伝わってきますし、世界最古のスペシャリティコーヒーの復活を願うばかりです。その時には気軽に飲める価格になってもらいたいものですが、きっと無理なんだろーなー!?

 コーヒーの有名な産地としてのジャマイカよりも、奴隷貿易の中継地点として北米・南米にアフリカの人々を送り込み、現在もなお貧困から逃れられない国としてのイメージが強かっただけに、コーヒーとともに豊かな国になってもらいたいと思うのでした。

 

  

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案内はがき準備中

 台風が過ぎ去っても台風一過といった快晴にはならず、相変わらず曇や雨模様になっています。けれど、秋の青空は望めなくても、朝晩の気温がぐっと下がって、季節が大きく変化していることが感じられます。

 涼しくなる秋にはコーヒーの需要も増えることから、今後は焙煎の量も少しずつ調整していかねばなりません。また、10月1日の「コーヒーの日」を前に、イベント用の案内はがきを準備しているところです。

 今回は、10月にコーヒーの試飲会を行う計画もあり、その内容も含めて色々思案中なのですが、やりたい内容が順序立ててまとめることができず、段取りよく試飲と説明が進められるのか不安な状態です。コーヒー3原種から生産国上位の飲み比べ、品種や精製方法の違いや焙煎度合いによる飲み比べ、お湯の温度や軟水硬水の違いなど、常識に囚われないで実際に飲んで確かめるイベントにしたいと思っています。後、コーヒーミルの説明も。何だか詰め込みすぎて時間内に収まりきれないので、お客様にとって目からウロコの内容に絞っていきたいと考えています。

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新しいお茶碗GET!

 日曜日が予想以上に忙しかったので、定休日に掃除や焙煎をコチョコチョとやりながら、午後からは妻と一緒にお買い物です。

 何か所か出かけたのち、以前、妻が使用していたお茶碗が割れてしいまい、予備の物を使っていたのですが、意を決して(大げさ)新しいお茶碗を買うことにしました。探しに行ったのは道の駅「どんぶり会館」です。土岐市内には2か所の道の駅があるのですが、自宅から車で7分ほどの場所にある便利な位置にあるのです。

 この「どんぶり会館」には地元の陶器をはじめ、全国の道の駅と提携した北海道から沖縄までの名産品が手に入る便利な場所でもあります。最近では、ポケモンのモンスターがいるとかで、真っ暗な夜にも関わらず何台もの車が止まって、モンスター探しをしているそうです。今回覗いた時にも多くの人がスマホをさわりいました。ポケモンブームの少し沈静化したようですが、私には意味不明・理解不能なものでしかありません。

 そんな人々を横目に、妻が選んだ茶碗も決まり、ついてに御揃いで私のお茶碗も

GET!です。

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知らない事だらけのアフリカ

 コーヒー発祥の地といわれるアフリカには、いくつかの有名なコーヒー産地があり、それぞれの国々については興味を持って情報を見ているのですが、アフリカ全体を通して理解しているかというと、知らないことだらけというのが本当のところです。

 アフリカには54もの国があり、アジアの48カ国、ヨーロッパの50カ国と比べても多いわけで、あまりにも知らない国が多いですし、地理的に16カ国が海に面していない内陸部にあり、文化的に多様です。一般的に東西南北と中央部に分けて地域区分されていますが、民族も宗教も異なる上に貧困と言われる格差も大きな開きが存在します。

 中米が独立がら200年近く経過しているのに対し、主なコーヒー産地で見ると、ケニア(1963年)、タンザニア(1961年)、ウガンダ(1962年)がイギリスから独立し、ルワンダが1962年にベルギーから独立、コートジボアールが1960年にフランスから独立と、それぞれ独立から半世紀余りとなっているため、政情不安や食糧問題など深刻な課題も山積しています。

 最近のニュースでは、新たな政情不安が出てきているようです。それは、植民地支配を受けていたヨーロッパの変化です。イギリスのユーロ離脱を受け、イギリスやユーロへの依存が高いアフリカでは様々は不安定要素があるようです。今後も関連のサイトを注視していきたいと思っています。

 それにしても、平和な日本では政治家や役人の怠慢な話題が耐えません。平和なのでしょうが、緊張感もなくその場しのぎの無能な人々が多いような気がします。そんな時に来店された若者が、仕事に対する熱い思いを語ってくれたので、「まだまだ捨てたものではないか!」と感じた次第です。

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独立記念日

 スペイン植民地時代に中央アメリカにおける下位行政組織だった中央アメリカ連邦共和国を構成していたグアテマラエルサルバドルホンジュラスニカラグアコスタリカが、スペインから独立した日が915日です.

 中米の国々がスペインの植民地から脱却し独立した日を祝う祭典なので、各都市でパレードが開催され、国民がこぞって独立を喜びます。ブラスバンドやダンサー、伝統衣装をまとった子供たちなどが練り歩うく様子が想像できます。 

 コーヒーの産地でもある中米の国々が1821年に独立して195回目の特別な日に、お店として何かできるわけでもなく、とりあえず「本日のコーヒー」をグアテマラに指定しました。珈琲屋らしくコーヒーで独立「乾杯!」といきますか。 

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あ~落ち着く!

 お昼前後の時間に来店されるご夫婦がいらっしゃいます。年齢は80歳前後で、決まって同じ席にお座りになり、毎回本日のコーヒーをご注文されます。そして、オーダーを尋ねる前に必ず奥様が発せられる言葉が、「あ~落ち着く!」です。

 これが、若い方の言葉ではなく、年齢を重ねた方の言葉だからこそ、真実味があるので本当に嬉しくなってしまいます。色々考えながら限られた予算の中で、お客様を迎える空間を作って本当に良かったと思える瞬間です。また、一人で来店される80代の女性の方は、「あ~落ち着く!」を言葉で表さないで、居眠りを始められます。ほぼ毎回、コックリ、コックリされるので、居心地の良さを態度で表していただけるものと喜んでいます。

 おしゃべりを目的に来店される方々も嬉しいお客様ではありますが、ご夫婦やお一人でコーヒーをゆっくり楽しまれる方々を見るのが、何よりの店主が満足する一時なのです。そんな時こそ私が、「あ~落ち着く!」って訳です。

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嶽きみ

 今日はお客様から「嶽きみ」を頂きました。「嶽きみ」とは、青森県弘前市の岩木山麓・嶽高原で栽培されているとうもろこしのことで、「だけきみ」といいます。 「きみ」 とは津軽弁でとうもろこしのことだそうです。
  「嶽きみ」は他のとうもろこしに比べ糖度が高く、生でも食べられる甘さを持った最高のとうもろこしブランドで、2007年4月には地域団体商標として認定されています。

 全国的に有名なブランドのとうもろこしなのですが、私が知ったのは娘が青森県内の大学に行っていたことがきっかけですから、つい数年前のことなのです。

 せっかく頂いたものなので、その場で電子レンジに入れてチン!まるごとラップに包めば3分ちょっとで出来上がりです。アツアツを頂いたお客様とともに頬ばると、甘さが口の中にひろがります。

 「家に持って帰って家族で食べてね。」と言われたのですが、美味しいものは皆さんにも知ってもらいたいので、その後に来店された方々へカットしてお配させてもらいました。頂いた方には申し訳ないのですが、「用途外使用」ということになります。

 コーヒーととうもろこしとのマリアージュがいかがなものか分かりませんが、朝に飲むコーヒーには悪くないように思いました。

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お客様の目

 夏場はコーヒー豆の需要が減るのですが、ありがたいことに毎日購入していただいているおかで、日々焙煎を楽しむことができます。

 今日は、10日ほど前に初めて来店されて、その時飲まれたコーヒー豆を購入されたお客様が再度来店され、2種類の豆を新たに購入していただきました。会計時に、「ここは、欠点豆を取り除いてありますね。」と声をかけていただいたので、とても嬉しくなってしまった。

 欠点豆というのは、焙煎途中に欠けたものや虫喰い、未熟豆、貝殻豆、と言われるものなのですが、お店では手作業でコツコツと取り除いています。少量焙煎ということもあり、あまり面倒だとは感じませんが、大量に焙煎する場合の作業は欠点豆の量も作業時間も馬鹿になりません。しかし、コーヒーを学んでいた初期の頃に、何度も欠点豆だけのコーヒーを飲んだ経験があるため、美味しいコーヒーを提供するためには必要な作業だと痛感しているのです。

 「ここは、欠点豆を取り除いてありますね。」という言葉の裏には、欠点豆を取り除かない店で購入された経験があるわけで、コーヒー豆のことを良く理解しておられるので、その期待を裏切らないように今後もコツコツと地味な作業を続けていきたいと思うのでした。お客様の目は騙せませんからね。

 私の知る限り、近辺の自家焙煎店では欠点豆を取り除く作業は行われているのですが、都市部の中の一部では大量に焙煎するため省略している店もあります。東京の有名店でも、「少しぐらいあった方が深みが増す。」なんて店員さんが言ってましたから。「こりゃダメだ」と思って、それ以降は焙煎を学びに行きませんでした。 

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真剣な時間

 週末は妻が中学の同級生と旅行に出かけたため、いつもなら家事の合間に店のカウンタに座り、一杯のコーヒーを飲みながら「美味しいワ!」って言ってくれるのですが、今週は何だか張り合いがありません。

 そうは言っても、コーヒーを淹れる時だけは毎回真剣です。松屋式で淹れているので、蒸らしの時間が長いこともあって、接客やデザートの盛り付け、レジ入力と上手く時間を使いながら、蒸らし後の注湯だけは集中して行います。途中で止められないので、どんな時も真剣なんです。コーヒーの層がお湯に漬けこまれないよう、細く優しく注がねばならないため、この時ばかりは真面目な顔をしているはずです。

 基本的にO型人間の私は「いい加減がちょうどいい!」と思っているので、大抵のことは楽しさを優先しますが、コーヒーを淹れるときだけは真面目なんです。姿勢を正して、歩幅を肩幅程に開き、ドリップポットを持つ右腕の脇を少し締めながら柔らかく構え、左手は腰に組んで挑みます。

 コーヒーを淹れることに特別な技術や作法など無いと思っていますが、きちんと真面目に淹れさえすれば、美味しいコーヒーは誰でも淹れられるはずです。もともと家庭で豆を煎り、臼で挽いたものを煮出して飲んでいたわけですから。ただ、美味しく飲んでもらいたいという想いが込められているかが大事なんだと思うのです。

 

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色々なロールケーキ

 お店のデザートとしてクッキーやケーキを作っているのですが、最近ではもっぱらロールケーキを毎日のように作っています。今年に入ってからは、「抹茶」「いちご」「紅茶」「フルーツミックス」「さくら」「マンゴー」「二色のメロン」「赤肉メロン」「ブルーベリー」「夕張メロン」「イチジク」「桃」、そして今日は「ずんだ」のロールケーキを作りました。

 開店当時はシフォンケーキをメインに出そうと計画していましたし、実際に定番商品として作ってきたのですが、評判は良かったものの販売数に波があったことと、盛りつけに時間がかかるなど、一人で接客するうえで厳しい時もありました。それに、シフォンケーキのバリエーションが少ないことでモチベーションが下がったこともあり、作る回数が減ってロールケーキにシフトしていったのです。

 今でも時々「シフォンケーキはありますか?」と尋ねられることもあるので、秋に向けて作り始めようと思うのですが、季節の果物やお気に入りの食材を丸めるだけのロールケーキは作っていても楽しいので、今後も作り続けていこうと思います。

 これまで色々なロールケーキを作った中で、「ちょっとこれは?」と思うようなものもありましたが、「さくらのロールケーキ」や「イチジクのロールケーキ」は思った以上に人気があり、お客様の喜ばれる顔を見ると止められません。「生地が柔らかくてキメが細かい!」「甘すぎず丁度いい!」といったお褒めの言葉は、「次回は何を巻いてみようか!?」という意欲につながります。

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近くのミュージアムへ

 親戚の葬儀出席のため臨時休業しましたが、思ったより早く自宅に戻ることができました。最近、葬儀に出席する機会が多いので、人の命の貴さと儚さをを強く感じます。だからこそ、こうして珈琲屋を始めた訳で、限りある人生を楽しく有意義に過ごしたいと思うのです。

 そんなこともあり、夕方までの数時間を利用して、近くのミュージアムへ出かけることにしました。一つは、多治見市にある岐阜県現代陶芸美術館です。ちょうど夏休みの親子向けの企画として9月4日まで「土の冒険のぼうけん」展が行われていました。

 この展覧会は、現代美術家・小島久弥氏と江藤莅夏氏による演出で、やきものの新しい鑑賞スタイルを提案するものです。受付でもらった「ぼうけんパスポート」を見ながら、展示室内のうす暗くて、いつもとは違う雰囲気を歩きながら、光と影、映像や音でワクワク・ドキドキを感じて、作家が土で冒険をして生み出した様々な焼き物の作品を鑑賞します。親子向けの展示となっていますが、これまでと異なる焼き物の楽しみ方を教えてもらいました。

 もう一つは、隣町の笠原町に6月4日に開館したばかりの多治見市モザイクタイルミュージアムです。建築家・藤森照信氏が手がけたミュージアムの建物が注目を浴びています。地元でよく目にする「採土場」からイメージされた、小山のようななんとも不思議な外観が特徴で、入口に入るスロープを歩くだけで別世界に行くような気分になります。展示の方は正直見慣れたものが多く、懐かしいモザイクタイルの日常品を「あった!あった!」と思い出に浸ることはできますが、いかんせん展示数が少なく感じました。半分はショールームのようです。出口から駐車場に向かう際に再度建物を見たのですが、これが一番の作品だな~って思っちゃった。

 月曜日が定休日だと、こうした施設へ出かけても休館日が多いため、今日は貴重な時間にすることができました。

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イベントへの申し込みをしました

 毎年行われるコーヒーに関するイベントの中には、「SCAJ2016」と「コーヒーサロン」があります。「SCAJ2016」は日本スペシャルティコーヒー協会が主催する、アジア最大のスペシャリティーコーヒーイベントで、9月28日(水)~30日(金)の間、東京ビッグサイトのホールで開催されます。今回は29日(木)に参加を計画しており、生産国セミナーの申込みと招待券チケットの手配を済ませました。

 「コーヒーサロン」は東京大学東洋文化研究所の池本幸生教授と日本サスティナブルコーヒー協会が共同で主催するコーヒーセミナーです。年に数回全国で開催されますが、これまで岐阜や名古屋で開催れることがあり、今回は10月8日にJICAなごや地球ひろばで開催されるため、この時を逃さないように早めに申込みました。

 「SCAJ2016」の今年のテーマは「多様性と革新」です。多様性については何度も聞かされた言葉なのですが、革新とはいったいどんなものなのか?この目で行って確かめてきたいと思います。「コーヒーサロン」の方は「コーヒーの変遷」と題して、次代の流れに何度も大きく変化をしてきた「コーヒー」、この移り変わりを各分野のエキスパートに語ってもらい、参加者みんなでコーヒーを考えようというものです。松屋コーヒー本店の会長である松下和義氏の語る「中部地方の喫茶文化」や、池本教授による「ベトナムは世界第二位のコーヒー生産国になり産地はどの様に変わったか」、川島良彰氏による「コーヒー産地から見たコーヒーの変遷」といった興味ある内容なので、これも興味津々です。

 参加する日は月曜日ではないので臨時休業となりますので、有意義な時間にしていきたいと思っています。

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