■ 2016年7月 ブログ

新しいシェーバー

 土用の丑ということで、鰻を食べる季節になりました。先日、誕生日を迎えた私は、恒例の家族で鰻を食べに出かけたのですが、昨夜は娘二人と妻から共同でシェーバーをプレゼントしてもらいました。

 カミソリ負けをしてしまう私には、シェーバーは必需品でありまして、これまで使用していた物がジャリジャリ音を立てているにもかかわらず、いっこうに剃れていない状態になっていました。何とかしなければ!ということで、妻の耳元で「新しいいシェーバー!新しいシェーバー!」と囁き作戦を行い、みごと家族からプレゼントしてもらった訳です。ありがたや!ありがたや!であります。

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おいしいコーヒーの真実?

 以前から気になっていた映画がありました。それは『おいしいコーヒーの真実』(英題:Black Gold)という、2006年に公開された英米合作のドキュメンタリー映画です。DVDをレンタルしようか迷っていたところ、Web動画サイトで流れていたので観ることができました。

 内容は、主に後進国であるエチオピアのコーヒー農家を主人公にし、コーヒーは先進国による搾取の象徴であり、最近ではフェアトレードと言って正当な対価でコーヒーを買う動きも出ているものの、コーヒーの価格はヨーロッパやアメリカの市場で決定され、後進国のコーヒー農家はその言い値で買うしか無いというのも。

 さらには、コーヒーで食べて行けない農家が麻薬の栽培に転換しいる実態や、コーヒーを選別する女性たちが1日8時間黙々とコーヒー豆を選別しても、得られる対価はたった0.5ドルしかならないため、エチオピアでは子供を学校に行かせられない上に、さらに飢餓まで発生しており、それらは全ての原因は、先進国や多国籍企業である「ネスレ」「クラフト」「P&G」「スターバックス」が不当に安く買っているからだ。というものです。

 ドキュメンタリー映画というと確かに真実を伝えているように思えますが、全ての真実を映像にしているわけではなく、作成者側の意図によって真実が選別され、並び替えられているため、個々の真実が違う意味合いを持ってきていることに違和感を覚えます。

 この映画の取り上げたコーヒーのニューヨーク市場の相場は、2002年から2007年まで2倍近く上昇しているのですが、価格上昇がコーヒー農家にそのまま還元されているとは思えないし、農家の収入には別の要因が大きいように思えてならない。

 フェアトレードも理念は素晴らしいと思うのですが、実際飲んでみると多くが美味しくない。単に貧しいからという理由だけで報酬を付加するのは恵んでいるのと同じではないだろうか。それに、消費者側も意識してフェアトレード商品を選択しておらず、品質や商品価値に見合うかが重要だと思います。

 南北問題のように単純に弱者と強者で全体像を捉えるだけではなく、生産国側の能力やモラルなどに起因する課題も多くあり、搾取する側は内側にも存在することにも目を向けるべきだという話も聞きます。

 映画の公式サイトでは、「1杯330円のコーヒーから生産者が手にする金額を3~9円」だと、いかにも最終販売者が搾取しているような表現がされていますが、コーヒー農家は、「コーヒー生豆の生産者」であり、輸送・在庫管理・年間保管・金利負担・物流管理・為替リスクなど当然なく、販売者が行うマーケティングや焙煎工場の運営管理・出店開業・店舗経営・メニュー開発などなど、商品価格に転嫁するものは山ほど存在します。

 「真実」とタイトルについていますが、映画で表現されている部分が真実ではなく、映像に見えない部分の真実を見極める必要があると感じた作品でした。自分自身も知らないことが多くて、ついつい作られた情報に惑わされてしまいます。まだまだ勉強が必要だと再認識しました。

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もっと知りたい

 焙煎体験のために道具を用意したり、説明用の資料を作っています。昨日も300g用の焙煎プロファイル(標準サンプル)を作るためにデータを取っていました。普段500g以上しか焙煎しないため、外気温や釜の余熱等の影響を受けやすい少量焙煎の場合は、少しの温度管理で大きな変化が起きやすいためです。

 そうした準備をするのは体験者に楽しんでもらいたいという想いだけではなく、自分自身も再度学ぶ時間を作りたいからなのです。これまで参考にしてきた本を読み返したり、文字として資料を作成することで、なんとなく理解していたものや忘れかけていた内容を明確にさせてくれます。

 調べていると学習意欲が湧いてきます。学生時代にこんな学習意欲があれば、もっと違った人生があったんじゃないかと思うのですが、「事既に遅し」であります。今だから湧いてくる意欲というものもある訳で、過去を振り返っても意味のない事なのに、ちょっと後ろ向きになるのが悪いクセ。

 しかし、知りたいという気持はあるものの、学ぶ機会にはなかなか恵まれません。東京や神戸といった都市部で開催されるセミナーの情報を知るにつけ、サラリーマン時代ならい躊躇せず行っていたのに、今ではお客様に迷惑をかけてしまうので安易に臨時休業にできません。変なストレスが生まれてきます。

 そんな事もあり、9月に開催されるSCAJのイベントに今年も出かけることにしました。東京での開催なので一泊したいところですが、早起きして日帰りで行く予定です。

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ガラケーなんですが。

 近ごろなにやら「ポケモンGO!」というのがニュースで連日報道されるため、お店のレジに使用しているタブレットにダウンロードしてみました。すると、店内にも怪しげな物体が映っています。元来テレビゲームをしない人なので、「ポケモン」という名前と「ピカチュウ」くらいは知っているのですが、その他の名前は何も知りません。

 街を歩いて何やらゲットし対戦する?さっぱり意味不明!仮想と現実が入り混じって街中を徘徊する人が増えたそうで、徘徊老人の若年化か?自分の意思とは別にスマホという道具に誘導されて、ウロウロと徘徊することに楽しみを見いだせない私は、いまだに携帯はガラケーなんです。別に困った経験などありませんし。

 家ではパソコン、お店ではタブレットと情報機器はそれなりにあり、必要な時には情報を取り出したり検索したり、時には映画などの動画を観たりして活用していますが、片時も離さずスマホを持って画面を見る人が不思議でなりません。スマホを持っている人でも、店内で長い時間お喋りしているお客様を見て「やっぱり直接会って、目を見て会話するのが人間だよな。」って感じますから。

 多少の不自由を楽しみながら、ガラケー持ってリアルな生き方をしている真っ最中なので、「ポケモンGO!」に夢中になれない私です。

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夏の夜の焙煎体験会

 お店を始める際には、いくつかの目標を持っていました。その一つに「コーヒーラボ」のタブに記したコーヒーセミナーがあります。自分がコーヒーの事を知るため、どうやったら美味しく淹れられるか等を、様々なセミナーに参加した経験から、お店を利用していただく方のためにラボ「実験室」として提供したいと考えていたからです。

 やりたいことは山ほどあるのですが、「何曜日の何時に行うの?」「営業時間中だとどうするの?」「参加したい人っているの?」など、課題は山積していたので、「詳細については検討中!」などといった表現でごまかしていました。けれど、「いつやるの?今でしょ!(古っ!)」って訳ではなく、コーヒー豆購入リーピーター登録者が100人になったのを機に、焙煎体験という形で挑戦しようと決めたのでした。

 多くの自家焙煎店が3kgや5kgの焙煎機を使用しているので、1回に焙煎する量は最低でも1kg以上焙煎しないと上手く焙煎できません。自分のお店では少量焙煎を基本にしているので、焙煎回数が増えて非効率になりますが、常に新しい豆の提供がでる1kg焙煎機のため、焙煎体験に使用するには打ってつけなのです。

 今回、1kg焙煎機の最低量300gを使用し、参加者の方に自分自身で焙煎をしていただく計画です。コーヒー豆の基本的な説明や焙煎機の操作方法など、資料作りはさっぱり進んでいませんが、参加者に「面白かった!」と言ってもらえるような内容にしたいと考えています。絵手紙に書いた「焙煎で生まれ変わる」のように、生豆から香り豊かなコーヒーに生まれ変わる瞬間を体感してもらいたいものです。

 早速、今朝お店にいると申し込みの電話がありました。女性からです。コーヒーについて興味のある方が何人いらっしゃるのか楽しみです。

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美味しい = 美味しくない ?

 お店のドア近くの壁の下に、スミレの花が一輪咲いています。花壇と離れているので気づかないくらいですが、そっと見守っています。何だか自分の店のようでホッとするからです。

 花壇に植えた沢山の花々も華やかで素敵なのですが、「あっ、こんな所に珈琲屋があるんだ。」って言うような、目立たなくても普通に存在する店を目標にしているので、このスミレの花を見ると「頑張れよ!」って声をかけたくなっちゃいます。前からあるけど特に目立たない、どちらかというと地味に見えるけど、人を引き付けるようになりたいものです。

 ありがたいことに口コミで新しいお客様も来店され、帰り際に「美味しかった」「コーヒーは苦手だったけど、ここのは飲めたよ」などど嬉しい言葉をかけてもらったり、友人と来店された方がドアを閉めるときに「この店良かったね」と会話する声が聞こえたときは励みになります。

 同時に、友人に誘われてついて来たものの、どうも口に合わなかったようで、コーヒーカップにコーヒーが残っている時も見られます。それは当然のことであり、嗜好品であるコーヒーは全員が美味しいと口を揃えて言っていただけるものではありませんし、ましてや店内禁煙で新聞も置いていない店では「好きじゃない!」という声もあるでしょう。「美味しい=美味しくない」というのは、意見というのは表裏一体であって、美味しいと思う人の数と美味しくないと思う人の数は、同じくらい存在するということ常に認識しておくべき事なのです。

 だからといって何かしなければいけないものではなく、珈琲屋2年目の自分に出来る事を一生懸命に行うだけです。背伸びせず真面目にコツコツと積み重ねていき、何年か経ったときに「あっスミレが咲いている」と気付いたように、「あっ、珈琲屋さんだ。寄ってみよ!」って、なるようにしたいものです。 

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再び売木村へ

 定休日が祝日ということもあって、妻と一緒に再び1年ぶりに売木村を訪れました。目的は「花の谷」でのブルーベリー狩りと、売木村で第二の人生を歩み始めた友人の1年後を確認するためです。もっとも妻の方は、売木村特産のとうもろこしを買うことも重要な目的なのですが。

 土岐市では32度を超える暑さですが、売木村では日陰に入れば寝てしまいそうになるくらいの涼しさです。けれど、直射日光の当たる場所では日差しが暑く感じ、貸出用の麦わら帽子が欠かせません。「ほら!絶体に必要でしょ!」って、受付時に隣にいたお客さんにも言われてしまいました。広い園内をくまなく歩き回って、熟した甘いブルーベリーの味を確認しながら、丁寧に一粒一粒摘み取り食べ歩くだけで、お腹も結構満たされてしまいます。

 「花の谷」を離れて、次は友人が開墾している山に向かいます。昨年一度案内されただけですが、案外場所を覚えているもので意外にもスンナリ到着です。残念ながら友人は売木村には居ないということだったので、彼が1年かけて開墾した様子を確かめながら、一人だけで整備した平地や石垣、排水路などを眺めて、「来年になったらどう変わるんだろうか?」と、次回訪れる楽しみにつながるのでした。

 帰路の途中に「うるぎふるさと館」に立ち寄り、妻が欲しがっていた売木村特産のとうもろこしを買います。ゆめのコーンという黄色と白色の混ざった品種で、生でも食べられる大変甘いとうもろこしでした。

 売木村には年に一度くらいしか行けないかもしれませんが、私たち夫婦にとって夏の恒例ドライブ地になりそうです。

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神の舌

 前回、「カップ・オブ・エクセレンス」という品評会について記載しましたが、その審査する人達は、「米国スペシャリティーコーヒー協会」が作成した「コーヒーテイスターズ・フレーバーホイール」という「共通言語」を使用して味覚審査するのです。そうした一定以上の味覚評価のできる人は「Qグレーダー」と呼ばれる有資格者で、まさに「神の舌」を持つ人々なのです。

 Qグレーダーとは、SCAA(米国スペシャルティコーヒー協会)が定めた基準・手順に従いコーヒーの評価(グレーディング)ができると認定された技能者のことであり、SCAAが定めるスペシャルティコーヒーの基準を知り、判定する能力が必要です。判定に必要な能力(一般知識、味覚、嗅覚、官能評価、生豆評価)は8科目19項目に及び、全ての項目に関して、試験に合格した者をQグレーダーとしてCQI(Coffee Quority Insutitute)が認定します。

 この「神の舌」を持つ人々が近年急増していて、正式発表はないものの、過去のネット記事を参考にすると、2011年には1,500人が2015年には3,700人と増え、2012年の韓国中央日報の記事では4分の1の韓国人だというのです。2009年には韓国で4人だけだったQグレーダーが、コーヒー専門店ブームとともに急増したそうです。絶体音感の人も近所にいてびっくりしたものですが、「神の舌」を持つ人の急増にもびっくりです。ちなみに、日本人のQグレーダー数は約280人(2015年時点)だそうですから、韓国には当然抜かれているんじゃないかな?
 Qグレーダーはカッピングによりコーヒーを点数評価するのですが、80点以上のコーヒーは、以下のように大別されます。
■80点以上:フレーバーは生産国や産地が分かる程の明確な特徴を持たないが、クリーンカップで品質が高いコーヒー
■85点以上:フレーバーで生産国や産地が分かる程の明確な特徴を持つコーヒー
■90点以上:フレーバーで生産農園が分かる程の明確な特徴を持つコーヒー

 興味深いのは、このSCAAのカッピング時の焙煎度合いは、色目基準であるアグトロン55前後を基準する浅煎りという点です。焙煎を浅くすることで酸味が際立ち個性もハッキリするというのが理由ですが、一般的に多くの店頭に並ぶのは中煎り以降であることを考えると、そのへんの乖離が無いのか気になります。もっとも、都会のコ洒落た自家焙煎カフェでは浅煎りが多いので良いのかもしれませんが。

 花粉症持ちの私には、当然「神の舌」など持ち合わせていませんし、「美味しい」「不味い」くらいしか判別できません。それに、「Qグレーダーのいる店」なんて広告宣伝に利用するほど忙しくないですから。  

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レジが使えなくなる!?

 開業時より利用しているレジシステムのAirレジですが、今日の午後にAirレジのサービスから電話があり、「今のままでは20日からシステムが利用できなくなります。」といった内容の連絡が!「が~ん!」こりゃまいった。と詳しく話を聞くと、事前にプログラム更新の通知がきていたものの、システムのダウンロードがしてなかったので、直接電話で知らせてくれたようです。

 Airレジの端末はリクルートのモニターに選べれて、使用している端末などの機器類は無償でレンタルしていることから、iPadのパスワードを忘れてもレジのみに使用していたので、パスワードのリセットもしないでシステム更新を放置していたのが原因でした。今回、Android版 Airレジアプリの終了により、iPad・iPhone対応のみに変更となると同時に、プログラムが大きく変わってインストールが必須になっていること忘れていたのです。

 このようないい加減なユーザーに対しても、丁寧にきちんと電話対応をしてもらい、無事に新システムでの利用可能な状態に導いていただきました。タダで使っているのに本当に有難い限りです。新システムでの操作方法に慣れるには少々時間がかかるかもしれませんが、便利なように改善されているはずですので、早く使いこなせるようにしたいものです。

 今回、電話での操作指示を的確に行ったり、新しい使用方法について戸惑うことなくできるのも、日頃からパソコンやタブレットに使い慣れている点や、まだまだ頭が柔軟に対応できるからではないかと思うのでした。将来「あ~ITには付いていけない!」なんて日が来るのかな~!?

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旅先でのコーヒー

 今回の旅行先では珈琲屋廻りはしませんでしたが、ホテルやレストランでコーヒーを飲むことも多く、その度に手前味噌になりますが、毎日飲む自分のコーヒーの方が美味しいと感じました。

 自動マシンで淹れたコーヒーやコーヒーポットに入った物が多い中、あるホテルでは、自分でミルを挽いて淹れるコーヒーセットと、北海道で一番古い老舗珈琲店のコーヒー豆が二人分準備されているではないですか。朝日の入る窓際で、淹れたてのコーヒーが飲めるなんて憎い演出です。

 ところが、ミルの挽き具合が極細挽きに合わせてあり、調整し直さなければならない上、飲んだコーヒーもホテルのレストランで飲むコーヒーとほとんど変わらない程度のものでした。確かに心憎い演出ではありますが、自分で挽いて飲む経験がない人にとっては、ただ苦いだけのコーヒーになってしまうんじゃなかろうかと思ってしまいます。

 そうは言っても、旅先で手挽きのミルを使ってコーヒーの香りを楽しみながら、時間をかけて淹れるコーヒーを味わえるのは、旅を普段以上に印象的なものにしてくれる効果があり、ホテルの「おもてなし」の心には充分癒されました。

 コーヒーをどんな場所で何時飲むかというのは、コーヒーの味を何倍にも豊かにしてくれるものですが、今回一番美味しいと感じたのは、カナディアン・カヌーツーリングの途中で飲んだコーヒーです。同行したインストラクターがパーコレーターで淹れてくれて、水面に浮くカヌーの上で飲んだのですが、やっぱりアウトドアでのコーヒーは最高です!

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函館周辺を満喫

 かねてからお知らせしたいた通り、お店を3日間臨時休業にして北海道へ行ってきました。これまで何度か北海道へは行ってはいたのですが、妻が函館の夜景を見たことがなかったので、函館周辺を楽しむ旅行にすべく計画を練ってみました。

 函館といえば、「五稜郭」「元町の教会」「赤レンガ倉庫」の定番を散策し、夜は「函館山からの夜景」です。翌日は函館駅前の朝市で「イカ釣り体験」。海鮮丼は北海道で朝食No.1人気のホテルで腹いっぱい食べ、デザートには函館近くの農園で「さくらんぼ狩り」を楽しみました。

 そして、腹ごなしの運動のため、大沼湖でカナディアンカヌーに乗って、摂取しすぎたカロリーを2時間かけて消費したのでした。東海地方の蒸し暑い風と違って、爽やかな風が湖面を揺らすので、緊張感が筋肉にも影響を与えたようで、思った以上にエネルギーを使ったと自己満足したのです。

 その後、洞爺湖と登別の地獄谷・大湯沼、支笏湖と場所を移りながら、夏の北海道を満喫したのですが、主だった観光地にはアジア系の観光客が予想どうりいっぱいです。以前は観光バスでの大移動の光景を見にしていましたが、レンタカーを使った家族単位の旅行客も増えていると感じました。

 さて、明日の朝から焙煎が待っています。コーヒー豆の商品棚がスカスカになっているので、あす中に埋められるか分かりませんが、せっせと焙煎してお客様の要望に答えられるような品数だけは揃えたいものです。

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味覚表現

 お店で販売しているコーヒー豆や「本日のコーヒー」として毎日提供しているコーヒーについて、「どんな感じですか?」、「酸味がありますか?」、「苦くないですか?」等と質問されるので、コーヒーの特性や味覚表現を記載を勧められることがあります。

 確かに、お店によっては次のような説明書きを付けているところもありますね。

■香り・コク・酸味・風味
■甘味・香り・酸味・ボディ(力強さ)
■酸味・苦味・コク・香味

そえぞれの味覚を数値やグラフで強弱を表すなど。

 けれど、味覚については個人の感覚や好みもあるため、一概にそうした表現と合致するとは限りません。そんな訳で、お店では迷われたお客様にはできるだけ、注文していただいたコーヒー以外に、試飲用のコーヒーをお出しするようにしています。「飲まなきゃ分からない」「飲めば分かる」というのが私の考え方です。

 スペシャリティーコーヒーの分野では、「米国スペシャリティーコーヒー協会」(Specialty Coffee Association of America:SCAA) が作成していている「コーヒーテイスターズ・フレーバーホイール」通称フレーバーホイールと呼ばれる「共通言語」を使用して味覚表現しているのですが、今年1月に20年ぶりに更新されたものを見ていると、85もの細分化された表現方法があります。

 ちなみに、中心のホイールには「花・フルーツ・酸味/発行・野菜・その他・焼き・香辛料・ナッツ/ココア・甘味」に分けられ、「フルーツ」ではさらに「ベリー・ドライフルーツ・その他の果実・柑橘類」にホイールが広がり、最後の「その他の果実」ホイールでは「ココナッツ・チェリー・ザクロ・パイナップル・マスカット・青リンゴ・桃・洋梨・グレープフルーツ・オレンジ」と具体的な表現方法にたどり着きます。

 フルーツを感じる酸味といっても、その一部だけでもこれだけあるのですから、お客様が持っている酸味と何処が違うのか?何を味覚として感じていらっしゃるのか的確に説明できる自信がないので、「試飲をお持ちします!」となるのです。フレーバーホイールの中には、「スカンクの悪臭」とか「カビたパン」なんてものあって、経験したことがない無くって「どんなの?」ってのもあります。

 分かりやすく表現方法を細分化しても、最後には「美味しいか」「不味いか」なのですから、これからも試飲をお勧めしていこうと考えているのでした。

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等級

 先日、思い切って夕張メロンを買ってしまいました。いつも作っているロールケーキに使用してみようと、手頃な値段だったこともあって、原価計算も考えずレジに出したのでした。「夕張メロンのロールケーキ」いい響きじゃないか~!ただ、それだけのためにです。

 メロンには夕張メロンのブランドを示すシールが貼ってあります。北海道の形に「共選」と書いたよく見かけるものですが、他にも楕円形にシールに「個選」と書いたものも見たことがるので、チョットその違いを調べるみることに。

 夕張メロンはそのブランドを守るため、夕張市農協のメロンのプロの方が厳しい基準で選果された物のみに「共撰」シールを貼っています。特秀品:糖度13保証、秀品:糖度12保証、優品:糖度11保証、良品:糖度10保証の4等級に分類されており、共選規格に満たなかったものが「個選」の夕張メロンとして流通しているようです。

 日本の農産物がそうであるように、形や網目の見た目の他、糖度も計測して消費者が安心して選択して購入できる仕組みがあります。実に日本らしい消費者に分かりやすい取り組みです。ところがコーヒー豆はというと、だいぶ様子が違います。

 例えば、ブラジル:主に欠点豆の数によってNo.2~No.8区分されたり、スクリーンサイズ(大きさ)分けられる。コロンビア:主にクリーンサイズ(大きさ)分けられ、プレミアム・スプレモ・エクストラなどに分類される。グアテマラやコスタリカ:産地の高度により分けられる。というように、味覚による選別というより、見た目の善し悪しや標高の高い産地は良い豆が取れるという価値観だけで評価されているのが一般的です。そんな理由もあって、カップ・オブ・エクセレンス(COE)が味覚評価の物差しとしてもてはやされている現状があるのです。

 等級ってのは、誰がどのような目的で選ぶかによって変わります。とにかく安く夕張メロンのブランドを楽しみたいのなら「個選」を買うだろうし、カップ・オブ・エクセレンス(COE)の点数に少し届かなくても、それに近い品質がお値打ちに飲めるなら、私はそちらを選ぶと思います。

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七夕飾り

 今年も我が家では、玄関に七夕飾りをしました。欲張って短冊は一人3枚使って願い事を書いたのですが、はたして全て願いが叶うのでしょうか?

 笹竹に短冊をつるして願い事をするようになったのは、江戸時代からだそうで、手習いごとをする人や、寺子屋で学ぶ子が増えたことから、星に上達を願うようになったのだとか。「字が上手に書けますように」などど違って、強欲な希望ばかり書いてしまったのではないかと、少々反省したしだいです。

 こうした季節ごとの行事も、我が家ではできるだけ続けてきており、行事を通じて家族との会話や過去の出来事を思い出しながら、日本的な風習を楽しんでいます。

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慌ただしい定休日

 暑い日々が続く中、曇りがちな一日となったものの、日中の気温は急上昇です。

 定休日の今日は、朝にお店に出かけてクッキーの生地作りを行った後、かかりつけの眼科へ行きます。いわゆる加齢による緑内障って訳で、何年も前から点眼薬で進行を抑え、定期的に視野の変化を観察しているのです。幸い今回も変化はなく、点眼薬を処方してもらいましたが、病院は待つ時間が長いので半日潰れてしまいます。

 午後からは免許の更新手続きへ向かいます。安全運転に人一倍関心があるので、特別に120分コースの講習会を選択(?)。もちろん、諸般の事情により青い免許証であります。講習内容は主に飲酒運転による悲惨さや罰則について、説明時間の多くが割かれていたように感じましたが、平成26年中の交通事故死者数が4,113人で、自殺者の総数25,427人との対比を考えると、交通戦争なんて言われた時代が信じられない感じです。でも、いつ加害者になるかもしれないので、安全運転には充分注意したものです。

 更新手続きの帰りに買い物を済ませ、夕食の準備を終えて妻の帰りを待ち、一緒にお墓の掃除へ出かけます。お盆を前にお墓の周りの草刈を早朝に行う計画でしたが、朝から日差しが強くて熱中症になることを懸念し、夕方涼しくなるのを待って行うことにしたのです。

 そうして、あっという間に一日が過ぎてしまいました。あれもこれも、もっと色々したいと思いながらも、時間は一秒たりとも待ってくれません。8月のイベントのプランはあるものの、作業が進まない焦りを感じつつ「9時過ぎると眠いわ~!」とベットに入るのでした。

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ホタルを見ました

 昨夜、自宅の近くでホタルを見ました。別にホタルを見るのが初めてだという訳ではなく、住んでいる所は田舎なので、子供の頃には近くの小川に沢山飛んでおり、捕まえては蚊帳の中に放して遊んでいたものです。

 子供たちが小さい時には、土岐市の下水処理場で行われたホタル祭りや、鶴里町の小川に舞うホタルを見に行ったこともあります。

 けれど、今日見たのは家から数十メートルほどの離れた側溝に、ホタルが何匹もいたので驚いたのです。側溝といっても所謂ドブですから驚きも倍増!妻が夜道を歩いている時に見つけたらしく、娘と二人で見に行った報告を受けて、再び娘の案内で私が見に行った訳です。ホタルがいそうにない所で見つけると、何だか不思議な気分ですね。

 昨日から暑さが増して来たので、ほんのチョットだけですが、涼しい気分にさせてくれた出来事でした。

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カップ・オブ・エクセレンス(COE)

 先日、コーヒー生豆商社のメルマガに、「6月30日のグアテマラオークションを以て、2016年の中米オークションが締めくくられます。」といったタイトルで、中米オークション動向とCOE変更点について、いくつかの変更点が記されていました。これまで、お店で扱うコーヒー豆については、高値のCOE商品をあえて販売しませんでしたが、業界の流れには興味あるのでCOEについて改めて整理してみます。
 カップ・オブ・エクセレンス(COE)とは、各生産国において、その年の最高のコーヒーを選出するために開催される品評会のことです。審査は厳選された国内及び国際審査員であるカッパーによって選ばれ、審査会のプロセスの中で最低5回のカッピングが行われます。継続的に高得点を獲得したコーヒーのみが、審査会の次の段階へと進み、一握りのコーヒーだけが栄誉あるカップ・オブ・エクセレンス(COE)の称号を授与されるのです。その後、審査結果と共に各国にサンプルが送付された後、インターネットオークションを通して、世界中のコーヒー輸入会社やコーヒーロースターなどによって高値で落札されます。
 農園経営者は国内の授賞式で栄誉ある称号と高値の報酬を受け取り、一方、オークション参加者の多くは、顧客に最高の品質のコーヒーを提供するだけでなく、受賞農園の経営者と直接の関係を築く事にも関心を持ち、多数のコーヒー関係者が産地を訪れ、継続的な取引に発展する可能性が高まり、収益を長期的に安定させることにもなるのです。
 この、カップ・オブ・エクセレンス(COE)の発端となったものは、国連の基金と国際コーヒー機構が1997年に協力し、世界のコーヒー生産国が高品質なコーヒーを生産するため、「国連グルメコーヒープロジェクト」として、その土地に合った在来種(主にティピカ・ブルボン系統種)を栽培し、生産方法の開発支援、発展途上生産国の経済的自立を促進するために進められたのが始まりです。そして、その流れを汲んで1999年にカップオブエクセレンスが誕生したのです。
 この新しく開発された高品質のコーヒーのテストマーケットとして、アメリカや日本などが中心となり、世界最大の生産国であるブラジルを対象に準備を進めましたが、ブラジルでは従来からカッピングの長い実績と歴史に強い誇りを持っており、主にアメリカ側の審査方法に抵抗ありました。けれど、品質管理方式が全くスペシャルティコーヒーには適用できないとして、ブラジルの品質管理、即ち、従前の「クラシィフィカドール」(ブラジルの鑑定士)を総て排除することを決断し、審査を実施したのでした。
 そして、1999年10月に初めて、「ダブル・ブラインド」方式で国際審査会が実施されます。従来のブラジルの「クラシィフィかドール」と呼ばれる人達は、審査会場に立ち入りが禁止され、窓の外から国際審査会を覗いていました。そして、2000年に2回目の「カップ・オブ・エクセレンス・ブラジル」が開催され、この国際審査会で84点以上を獲得した総てのロットが、インターネット・オークションにかけられており、日本からは2社が始めて2ロットづつを落札しました。これが日本のカップオブエクセレンス落札・購入の始まりです。
 その後、カップ・オブ・エクセレンス(COE)への参加国は、2001年にはグアテマラが、2002年にはニカラグアが加わり、現在ではブラジル、ブルンディ、コロンビア、コスタリカ、エルサルバドル、、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、ルワンダと増えています。

 メルマガの記されていたグアテマラオークションの結果を、オークションを主催するNPO団体であるACE(Alliance for Coffee Excellence Inc.)のホームぺジを見てみると、落札量世界第1位の日本の生豆商社での名前の他、TERAROSA OFFEE(韓国)、LUSSO COFFEE(韓国)、ORSiR COFFEE [歐舍珈琲](台湾)、グラン・クリュ・コーヒー(香港)といった、日本以外のアジアの国々の名前が目に付きます。

 カップ・オブ・エクセレンス(COE)は、生産者と販売者が共に有益になる制度ですが、ともすれば利益優先に走ってしまい、過大な謳い文句で消費者に高く売りつける方法に利用されたり、組織的や意図的に価格を操作されてしまう可能性も出てきています。なんだか、フェア・トレードにも似ているような怪しげな動きも垣間見れたりするのです。

 幸いにも「COEのコーヒーください」っていうお客様はいませんので、地元に根ざした珈琲屋として、最良と思われるコーヒー豆を選定して今後も提供していこうと考えています。

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