今夜は営業時間終了後、土岐手話サークル竹の子の交流会を「まめ藏」で行いました。毎回第五木曜日に何らかの交流会を行っており、これまでは、食事をしながらのお喋り会(手話で)を土岐駅前の喫茶店(バークレーさん)を会場にしていたのです。店主がサークルの会員ということと、駅前という好立地で貸切営業してもらったのですが、昨年閉店されたため、場所が遠いという悪条件ではあったものの、日頃からサークルのメンバーにお世話になっているので、開店から1年経過しとことも含めて「まめ藏」を利用してもらうことに決めました。
お店ではいつも食事は提供しておらず、飲み物とデザート類のみに限っているため、地元の惣菜屋さんで弁当と注文し、オーブンを使用して提供できるものや、フルーツを中心の食事しか用意できません。店舗設計に当たっては、将来的なサービス内容の変更も可能なようにガスレンジの設置もできる配管にしてありますが、今回は、そうした意味で実現可能な飲食提供の試験的な意味もあり、お店を交流会の場所にした訳です。
参加者は場所が駅から遠いこともあって、例年と比べて少ない人数でしたが、席数から考えればギリギリ状態です。おおいに手話でのお喋りに盛り上がりながら、最後には手話歌で締めくくったのでした。(一部酔っ払い組は飲み続けていました)「毎月開催して!」という無茶な意見もありましたが、1年に1回ぐらいが丁度いいな~。なんて思っております。
今回は夜間の営業ということもあり、夜に弱い私にとっては予想どうり眠気との戦いとなり、やっぱり、現在の営業時間を延長するのは現実的ではないと感じるとともに、入口の照明に小さな虫が集まるのを見ると、他にも煩わしい課題が出てきそうで、現状維持を決め込むのでした。
お店では、コーヒーに私が作ったクッキーなどを添えています。今回は、抹茶チョコのクッキーとレーズンのビスコッティでしたが、その時々で作った来店者用のクッキーを出しているのです。このように、コーヒーを飲む際には様々なお菓子も楽しまれますが、そのベストマッチな物をマリアージュと言ったりします。
マリアージュとは、フランス語で一般的に「結婚」のことを意味しますが、フランス人はしばしば、もともと二つで別々だった存在があたかも一つの存在のように調和した状態になることを、詩的に「mariage
マリアージュ」と言うそうです。また、ワインの世界では日常的に使われている言葉ですね。ワインと食べ物を一緒に飲食して相乗効果を生む現象のことで、何千、何万という出会いの中でたった一人の伴侶を選ぶ結婚になぞらえて使われている言葉して使われます。
そうなると、コーヒーのマリアジュは無限にあることになり、洋菓子に限らず和菓子との組み合わせも相乗効果を高める食材になります。実際、家では饅頭や煎餅を食べながら飲んだりもします。コーヒーのマリアージュには豆の種類や焙煎度合、淹れ方等により変わるため具体的な事は言えませんが、健康に良い食べ合わせという点では、コーヒーに合う食べ物があるかもしれません。
コーヒーには1000種類以上の成分があるといわれていますが、主な成分は紅茶と同じくカフェインとタンニンです。タンニンは渋みの成分でポリフェノールの仲間なのですが、ポリフェノールは強い抗酸化力を持っており、老化やガンの原因になる活性酸素を無毒化し血管や細胞の老化を抑えるほか、過酸化脂質の生成を抑え動脈硬化など生活習慣病の予防に効果があるといわれています。
具体的には
■一緒に食べるとよい食材と期待できる効果■
○イチゴ、キーウィフルーツ、パパイヤ:疲労回復、整腸作用
○ブドウ、柿、栗、卵:ガン予防、老化防止
○スイカ、うり、バナナ:利尿作用、腎臓病の予防
○ショウガ、唐辛子、ワサビ、ミント:目覚めをよくする、血行促進
そうなると、フルーツを使ったお菓子と相性が良いようですね。
逆に、コーヒーと一緒に摂取してはいけないものを調べてみると次のようなものがありました。
■薬やサプリメント
薬やサプリメントとコーヒーを一緒に飲むと、せっかくの栄養がカフェインとくっついてしまい、栄養効果がないまま体外へ排出されてしまうので避けた方がいいそうです。
■鉄分を多く含む食材、プルーン、ひじき、レバー、ほうれん草
タンニンが鉄分を多く含む食材と一緒に摂取すると、鉄の吸収を強く阻害します。そのため、鉄と結びついたタンニンはタンニン鉄となり、水に溶けにくくなるので、腸での吸収が妨げられるんだとか。
今日、コーヒーに添えた物の中では、レーズンのビスコッティが食べ合わせとしては良いみたいです。そんなことも話し合いながらコーヒータイムを楽しむのもいいんじゃないでしょうか。
あと1ヶ月程で開幕するリオ・オリンピックですが、リオといえばリオのカーニバルが有名ですね。それと意外に知られていないのが、ブラジルにおけるコーヒー産業の出発点ともいえる場所でもあります。
ブラジルでのコーヒー栽培は仏領ギアナから輸出厳禁のコーヒーの種と苗をフランシスコ・デ・メロ・パリェッタ(遠征隊長)が持ち出して1727年にパラーに植え、そしてマラニオンからリオへ1760年に伝わりました。しかし、当時コーヒーに関心を抱く者は少なく18世紀末までは徐々に広まっていく程度でした。なぜなら、砂糖、タバコ、ココア、藍などの伝統作物と競合していたからです。
ところが、1808年にポルトガル王室と数多くの貴族や商人がリオ・デ・ジャネイロに亡命すると、その資本をもとに19世紀前半からリオ・デ・ジャネイロ州内での生産が本格化します。中でも、地理的に好条件のパライーバ川流域で1830年頃から発展し、1840年には、アメリカでの消費拡大によりコーヒーがブラジル第1の輸出品となったのです。けれど、土地の疲弊によってパライーバ川流域でのコーヒー生産は1870年頃から衰退し、コーヒー産業の中心は広大な土地を有するサンパウロ州、ミナスジェライス州など北部に移っています。州別のコーヒー生産量を見ても、現在は面影もありません。
同時に、このコーヒー産業拡大の時期には、アフリカ大陸から送りこまれた奴隷を農業労働者として重用していたが歴史があります。1888年に奴隷制度が廃止されましたが、その後の農業労働者不足を補うために、ヨーロッパ諸国からの移民を受け入れました。けれど、イタリア人移民が奴隷のような待遇の悪さに反乱をおこし、移民を中止したために再び農業労働者が不足となります。そのため、ブラジル政府は1892年に日本人移民の受入れを表明し、1908年(明治41年)東洋汽船の「笠戸丸」でサンパウロ州のサントス港へと向かったのです。
日本人移民の苦労は何度かドラマにもなっているとおり、移民の殆どは数年間契約労働者としてお金を貯めて帰国するつもりでした。しかし、一部の農場を除きその実情は奴隷と大差ないものであり、あまりの待遇の悪さからストライキや夜逃げも多く発生し、近隣の州やアルゼンチンへと渡る者もあらわれました。1909年に外務省が調査した結果では、笠戸丸で移民し当初契約したコーヒー園に定着したのは全渡航者の4分の1のみであったそうです。
平和の祭典であるオリンピックですが、開催されるリオの過去を知ることで、本当の平和につながることを願いたいものです、けれど、実際の歴史は過ちを何度も繰り返してるように思えるのは私だけでしょうか。
毎朝、妻と飲むコーヒーが最初の一杯になります。今朝も蒸らしで膨らむ様子を見ながら、コーヒーを淹れる時間を楽しいんでいるのですが、この一般的に言われる”蒸らし”について理解している方が意外に少ないことに驚かされます。
コーヒーを淹れる時に、第1湯目(いっとうめ)を注ぎ、粉が蒸れて膨らむまで少し待ちますが、理由は二つあります。
■コーヒーの粉全体にお湯の通り道を確保するため
お湯は一度通った場所に通りやすい性質があるため、全体が湿るように軽く注いでおくと、中心部に注いでも全体にしみわたるようになります。透明な樹脂製のドリッパーの場合、ペーパーにお湯がしみているかが確認できるので、白く残った部分がないか見ることができます。
■多孔質である粉にお湯をしみこませるため
粉には、焙煎で繊維質が壊れてできた多孔質の小さな部屋が存在します。その小さな部屋に、焙煎で生成された香味が格納されているのです。最初にお湯を注ぐことで、部屋の中の気体と引き換えに、お湯が入り込み、部屋内部にある香味のエキスを溶かし出し、部屋内部にエキスを充分溜めるための作業になります。
蒸らしの時間は20秒~30秒などと言われますが、本来はコーヒーの種類、鮮度、粒度(挽き方)、焙煎度、によっても違います。あっさり出したいのか、濃く出したいか、ましてや粒の大きさの違う物であれば、おのずと蒸らしの時間が異なるのは当然です。仕組みや目的に合った蒸らしの時間をタイマーを使って探すの一番です。
蒸らしの後に注ぐお湯は、多孔質の小さな部屋にあるエキスをお湯との濃度差を利用し、浸透圧によって部屋からエキスを引き出すことになります。ですから、コーヒーの層を意識して、常にお湯を細く注いで「濃度差で引き出すぞ!」ってな気持ちで淹れるのです。間違いやすいのは、お湯量が多くなってしまい、抽出層が壊れて、ドリッパー内にお湯が溜まり、部屋と外のお湯との間に濃度差がなくなり、浸透圧が止ってしまうことです。
毎回コーヒーを淹れるたびに、こんなことを考えている訳ではありませんが、理屈を知っていれば蒸らしの時間を待つ余裕も生まれてきます。何事も待つ時間ってものには意味がある訳(たぶん)でして、待てる(余裕のある)人間になりたいものです。
梅雨の晴れ間になった日曜日だからなのか?何か行事があったからなのか?インドのコーヒーが人気だっかのか?(そんな訳ない)久しぶりに店内が賑わしくなりました。ありがたい反面、何組かのお客様が店内に入ることができず、お詫びしながらお断りすることになってしまいました。正直、そんな時があると申し訳なくて残念でなりません。
とはいっても、ひとりで珈琲屋を切り盛りすることに決めているので、自分のできる限界が現在の席数であることには間違いないのです。そして、コーヒーをゆっくり楽しんでいただける空間作りには、やむおえないと理解しています。また、最大の目的であるコーヒー豆を販売するための試飲の場として、お客様との会話のできる余裕も失いたくないこともあります。
今日も、カウンターに座っていただいた方にコーヒーの話をさせていただきましたが、喫茶店ではなくて珈琲屋に来たという満足感を得ていただくことも、大切な役割だと思っているので、今後も続けていくつもりです。幸い、家でコーヒーを淹れることを再開された方もあるので、良いコーヒー豆を提供する励みにもなりました。
インドのモンスーンコーヒーを紹介し始めて5日目になりますが、リピーターのお客様に毎日購入いただき、焙煎も月曜日から連続して行っています。「生産量世界5位でもインドのコーヒーなんて飲んだこともない」っていう方々に、コーヒーの新しい発見をしてもらいたいという思いが、少しですが形になっていることに喜びを感じています。
焙煎をしながら感じることは、欠点豆といわれる未熟豆や欠け豆、貝殻豆などが多いことが悩ましいことです。店で使用している高品質の豆と異なり、モンスーン処理という特殊な精製方法を選択して取り上げたため、ナチュラルという工程を前提にしても、他の豆と比べ物にならない程に欠点豆が目立ちます。画像の白いトレーのものが欠点豆として取り除いたもので、焙煎した豆全体の11%にもなりました。正直、定番商品として扱うには不向きな豆なのかもしれません。
そんなコーヒー豆なのですが、普段のコーヒーと違った香りと味を楽しんでもらうため、残りの期間中もせっせとハンドピックを行います。だって、お客様の喜んでいる顔が見たいですからね。ちなみに、生豆を袋に添付したのがウケているようで、「しめた!」と内心ほくそ笑んでいます。
そんなこともあってか、有難いことに26日(日)を待たずして完売となりました。日曜日に来店予定の方には申し訳ありませんが、ご提供出来なかったことをお詫びいたします。
映画『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』(監督:松尾スズキ、主演:松田龍平)を見ました。おもしろかったので、原作となっている、いがらしみきおの漫画『かむろば村へ』を読むことに。ほとんどの場合は原作の方が面白いので思わず中古本を注文してしまったのです。
かむろば村は人口491人の限界集落で、友人が住む長野県売木村は、289世帯、人口 587人 (平成28年5月末現)であり、親近感を持ったことと、「何も売らない、何も買わない、なにもしないで生きてゆく、」を理想に描く元銀行員でお金アレルギーの高見に対して、「そんなの無理だろ!」と思いながらも、なぜか共感してしまう部分があったこともあり、引き込まれて一気に読み終えてしまいました。
「迷ったら自分なんど捨てですまえ。そすたら道も拓けるもんだよ。」「かむろば村ではな、なーんでも解決すんだ。ただな、おめが思ったようぬは解決すねど。人間が神様さお願いするみでな、都合のいい解決ではねえっつうごとさ。んでもな、必ず解決すっから安心すろ。」「神様っつうのはそういうもんさ。なぬもすねえもんさ。人間はなぬがすてすまうべ。」「ただ生きて行く」等々、沁み入る哲学満載の数々に思わず頷いてしまいます。神様が死んでしまう突飛な展開ですが、神様だって死ぬんだから人間も必ず死ぬことに目を背けず、今を生きるってことを笑いながら考えさせてくれます。
あとがきで作者がこんなことを書いています。『昔なら、金を捨て、モノを捨てる人間を清いとか聖人だとかいったが、今はただ迷惑でうざったいだけだ。でも、もしそんな奴がいたら、というのが作品の動機だった。そもそも今の世の90%を金とモノによる苦労が成しているとすれば、彼には残り10%の苦労だけがふりかかるだろう。残り10%の苦労とは何か。生きがい、老い、死、愛、お金じゃどうしようもない問題。』
売木村で、その10%の苦労と楽しみながら向き合っている友人と、ふるさとで90%のものに背を向けながら、楽しみだけを生きがいに珈琲屋をしている自分。形は違えど、同じようなセカンドライフを早めに始めた二人の生き方に、何だか共通しているように感じたのでした。
午前10時半過ぎ、突然の地震警報が広報のスピーカーから流れた。「地震警報です!大地震が来ます!」お店の隣に設置してある広報のスピーカーから、普段と異なるサイレントともに警報が流れた。本当なのか?と思いながらも、「地震だそうです。揺れが来たら机の下に隠れてください!」と店内のお客様へ声かけしました。・・・でも、直ぐには揺れない?!
再度、警報を知らせる広報が流れたので、裏口のドアを開けて放送内容を確かめると、最後に「訓練です!」。・・・「今のは訓練だそうです!」とお客様へお知らせし一安心です。でも、正直訓練で良かった。一瞬緊張したものの、日常では起こるはずわないとタカをくくっているのだから。あっては困るけど、日本全国どこでも地震は発生するのだから、普段から地震発生時の心構えだけは持ちたいと思ったのでした。
その後、来店される方に警報の話題をしたのですが、多くの方が「何を言っているのか、はっきりと聞こえなかった。」と言われ、広報での警報が効果を期待できないと分かり、やはり自分の命は自分で守るしかないと肝に銘じたのです。
明日からの、インド産モンスーン・コーヒーを知ってもらうイベントのため、定休日に何種類かの豆とともに、黄金色のコーヒー豆といわれたモンスーン・コーヒーを焙煎しました。
イベント用の少量販売ということもあって、100gパッケージを使用しますが、何か特徴を出したいと考え、「黄金色のコーヒー豆」を実際に見てもらうことを思いつき、袋に生豆2粒を添付することにしました。
お店では、カウンターに座られた多くの方に、コーヒー3原種というわれる、アラビカ種、カネフォラ種(ロブスタ)、リベリカ種の生豆をお見せし、焙煎を行って初めてコーヒーの香りが生まれることを説明しているので、ある程度の方には生豆の色の違いを理解していただけるのではないかと思います。
世界では約70カ国以上の国々でコーヒー豆が栽培されていますが、実際に自分たちが味わうコーヒーの原産地はごく限られたものになります。生産量や流通等の理由で全てを味わうことはできませんが、せっかく地元に珈琲屋があるのですから、地域の方々に出来るだけ様々なコーヒー産地を紹介していきたいと考えています。
初夏を告げる朴葉寿司の季節がやってきました。妻が実家に帰って、家族総出で恒例の朴葉寿司作りを行い、朴葉餅とともに持ち帰ってくれたのです。
岐阜県の飛騨・東濃地区や長野県の一部では、昔から農業・林業の作業において、昼食を畑や山で取ることが多く、携帯性が良く朴の葉と酢飯の殺菌効果で日持ちする朴葉寿司が、今でも各地域の特色ある具材で作られています。
この朴葉寿司を食べると「夏がやってくる~!」っていう気分にさせてくれる季節料理になっており、毎年お世話になっている妻の実家には感謝するばかりです。ごちそうになるだけの私は、ただただ感謝しか言えませんね。
その朴葉寿司と一緒に我が家に来たのが、長女が贈ってくれた父の日のメロンです。メロン生産量日本一の茨城県産の2種類のメロン。今朝、妻がNHKの朝の情報番組「うまいッ!」で取り上げていた夕張メロンを見て、「あんなのが食べたいね~」と言っていたのを見透かしたようにメロンが届き、タイミングの良さに驚いてしまいました。
閉店後の片付けをして帰ってくると、「ちょっと来て」と呼ばれて何だか様子がおかしい。いきなり一升瓶を持たされて写メを撮られた。???どうも一日早い父の日のプレゼントのようだが、お酒が苦手なことを知っている娘にしては不思議な行動だった。
プレゼントにもらったのは、福島県会津若松市にある宮泉銘醸㈱の純米吟醸酒「寫楽」です。娘が東京に行った際、今までに飲んだことのない「寫楽」に出会って気に入り、福島に住む友人に頼んで酒蔵まで買いに行ってもらったお酒だそうです。だから、いきなり写メを撮って、その友人に証拠として送ったらしいのです。
お酒の方は、会津産米五百万石を使用し、イタリア産白ワインを思わせる切れと上品な香りです。ネット通販の文言を使うなら、「しぼりたてのフレッシュ感、上品で爽やかな果実系の含み香、やわらかくまるい口当たり、なめらかで含んだ後は切れが良い喉越し、ふくよかな旨みを全て逃すことなく、瓶に詰め込みました。」ということでしょうか。確かに美味しいのですが、お酒の弱い私は、お猪口に三杯飲んだだけでソファーに寝転んでダウンしてしまいました。
結局、喜んで飲んだのは娘と妻だったような、びっくりした父の日のプレゼントとなりましたが、ダウンするまでは気持ちよくなれたので良しとしましょうか。だけど、あの一升瓶を空けるのはいつになることか?
インドのモンスーンコーヒーを紹介しようと考えてから、中々作業が進まぬまま時間が経過し、やっとリピーターの方へ案内はがきが出せる状態になりました。我ながら他人事のように焦れったく感じます。全て一人で行うわけですから、サボればどんだけでもサボれるし、「コラッ!」って叱る人もいないので、自分の意識の持ちようというのが大切になりますね。
自分一人で何もかもできる満足感はあるのですが、日々の都合に合わせてしまいがちになり、ついつい後回しにしてしまうこともあります。そんな時には決まって、書斎に貼ってある張り紙を見て戒めます。「成功の為の7つの心がけ」と「カフェ・セオリー」という箇条書きなのですが、その中で特に「迷いが生じた時は継続する意味を考えろ」とう言葉です。自分がなぜ今の仕事をしようとしているのかを振り返り、初心に戻ってモチベーションを上げるのです。
今回の案内はがきの作成も「よし!今夜のうちに片付けるぞ~!」ってな気持ちで終わらせました。情けない話なのですが、そうした根気というのは年齢とともに衰えてくるものです。10年後どうなっているのか心配な部分もありますが、色んなものに興味を待ち続けて、少年の気持ちで取り組んで行きたいものです。
暑い日が続いてくると、自然にアイスコーヒーの注文が増えてきます。店内は冷房を入れているので、コーヒー好きのお客様はホットの注文が圧倒的なのですが、たまにはアイスコーヒーを飲んでみたくなるのでしょうネ。
お店で提供しているアイスコーヒーには、インドネシアのマンデリン・ビンタンリマを使用しています。力強く、クリーンな味わいのマンデリンは、心地よい苦味と共にマンデリン独特の風味が広がり、苦味の中にしっかりとしたボディー感のあるアイスコーヒーになります。クリーンな味わいが後味をさっぱりとさせ、「さあ、もうひと頑張り!」という気分にさせてくると思います。
ちなみに、某コーヒーチェーンで話題になった氷とコーヒー液の割合なんですが、使用するガラスコップが意外に大きいので、氷80gでコーヒー液210cc前後となり、原価率無視の贅沢なアイスコーヒーになっています。
小型焙煎機を使用しているので、一回当たりの焙煎量は200gパッケージ袋3つ分をこまめに焙煎しています。どういう訳なのか知りませんが、土曜から毎日ケニアの焙煎が続いています。
今朝も朝一番にケニアを焙煎し、ハンドピックを行っている最中に注文が3件あり、慌てて再度焙煎を行いました。接客しながら焙煎ができるのも、午前中の来客が少ないことも功を奏して(?)、豆の補充できる状況にホッとしています。
確かにケニアの販売数が多いこともあるのですが、日によっては先日のようにコロンビアばかり購入されることもあり、思わぬお客様が重なって豆不足に陥ることにもなります。有難いことなのですが、せっかく欲しいと思った豆を欠品させるにはしのびないので、せっせと焙煎を始めるのです。
焙煎をしながら香ばしいコーヒーの香りに包まれ、「今日も楽しい時間が過ごせるな~!」と、一人喜んでいます。今朝のお客様から「嫁さんが豆を切らして市販の豆で淹れたら、不味くて飲めんかった!また買ってきてって言われた。」という話を聞くと、ますます嬉しくなっちゃいますね。
今日は小雨の一日になるので、書斎にこもって「旅のしおり」作りに専念です。今回、改まって「旅のしおり」を作ろうと思ったのは、結婚30年を記念しての旅行となるので、以前に娘が作っていたのを思い出し、普段ペーパー一枚で旅行日程を書き留めていたものを、学生時代の修学旅行をイメージして作成しました。
旅行先は北海道です。これまでに家族で何度も訪れている場所ですが、妻が函館の夜景を見たことがないと言うので、函館と洞爺湖周辺に絞ったのんびり旅にしようと思っています。あらかじめガイドブックを妻に渡しておいたので、立ち寄りたい場所をピックアップし、行程表にまとめて「旅のしおり」らしくなりました。
北海道の観光地は、ご多分に漏れず外国人観光客で溢れかえっており、マナーの悪い一部の人達によって気分を害することが多くなりました。函館や洞爺湖も例外ではないようで、旅行を申し込んだ代理店の担当者からも、いろいろなトラブルがあることをお聞きしました。そんな訳で、観光客が大挙しないような穴場を探すのも旅行計画の楽しみです。さて、どんな旅になることでしょう?
昨年に植えたブルーベリーの苗に、再び実が付いています。まだまだ実の数は少ないですが、実のなる果物ってのは、成果となって表してくれるのでうれしいですね。
このブルーベリーの苗は、お店で行った中学校の同窓会で、担任の先生が自宅から持ってきていただいたものです。一応記念植樹ということになるので、枯れてしまっては申し訳ないということもあり、肥料をやって大事に育てています。
ちなみに、コーヒーの木は苗を植えてから、だいたい4年で結実します。熱帯、亜熱帯地域の雨季のように、まとまった雨が降った後に一斉に開花するようで、ジャスミンのような白い花が一面に咲く風景が、まるで雪景色のようだとも言われます。
お店の方は、毎日お客様をお迎えすることができているので、花の咲いたような笑顔でコーヒーを淹れていますが、中年男性の笑顔では何という花に例えれば良いのでしょうかネ?どんな花でも実がなるので、お客様にお持ち帰りいただけるような実にしたいものです。
これまで秋から春にかけて咲いてくれた花々を、定休日を利用して植え替えしました。今回も妻が休みを取って手伝ってくれたので、案外短時間で作業が終わり、暑い日差しの中でも楽しくできます。
前日にホームセンターで購入した花の苗は、日々草、ガーベラ、そしてスーパーチュニア・ビスタというペチュニアを品種改良したものです。スーパーチュニアという聞きなれない名前の花でしたが、調べてみると中々良い花のようです。
苗の価格も他のものと比べて5倍程もあり、品種改良されただけあって、さすがに良い特徴がいっぱいです。
■特長その1
低温や日が短くても咲く性質があるため、春早い時季から晩秋まで連続して開花
■特長その2
低温に強く関東以西で冬越しが可能
■特長その3
勝手に次々と分枝するので、摘芯しなくてもボリュームいっぱいに
■特長その4
日本の暑さ、蒸れにも強く、梅雨あけ後も傷まない
■特長その5
もし傷んでも回復力に優れるので、また鑑賞できる姿に再生する
■特長その6
強光線に強く、真夏の直射日光下でも元気に生育
■特長その7
生育旺盛なので、少しの株で広い面積を覆うことが可能
さすが、ペチュニアの栄養系品種の中でも群を抜いて強いというこの品種「スーパーチュニア・ビスタ」がどんな花を咲かせるかが今から楽しみです。
2年前に島根へ旅行した際、お土産店で見かけたのが「コーヒー糖」でした。その時には「へ~。」とスルーして他のお土産を購入したのですが、最近になって新聞記事に「コーヒー糖」が少し扱われていたので、気になって取り寄せてみることに。何事も気になったら確かめたくなります。
製造しているのは島根県雲南市にある西八製菓㈱で、パッケージには「ふる里の味 コーヒー糖」とあります。砂糖とコーヒー粉で作られた塊は「そのままでもお召し上がり頂けますが」とあるように、噛み砕くには硬いのですが、口に含んでいると砂糖が溶けて甘さとコーヒーらしき風味が拡がりますが、「お湯で溶いてお飲み下さい。」の方が妥当だと思います。カップに入れてお湯を注いでみると、何だか薄めのインスタントコーヒーっぽい感じで、子供やお年寄りにはウケそうな極甘でした。
気になったのが「ふる里の味」です。「ふる里の味」といえば伝統的に和菓子のイメージで、この周辺では「竹皮羊羹」「多治見あられ」「八百津せんべい」といったところでしょうか。けれど、島根県で西洋のコーヒーを使ったお菓子が「ふる里の味」というのが不思議です。製造元のホームページを見ていると、こんなことが書いてありました。『コーヒー糖はもともと大阪で生まれたお菓子です。戦後すぐに当時貴重なコーヒーを手軽に飲むために考案され、その後、40年あまり伝統の製法で作り続けられてきました。最後まで作り続けてこられた清水製菓さんが廃業されると聞いて、西八製菓が製法を受け継ぎ幻の味を作り続けています。』なるほど、商業が盛んな大阪生まれなんだ。
さて、そうなると以前の新聞記事には、「1889(明治22)年に、北前船でコーヒーが運ばれていた史実を示す帳簿が、南越前町河野の町立図書館に保存されていたことを地元識者が突き止め、仕入れ記録には、大阪にあったと見られる問屋から「コーヒ糖」計二十四箱を仕入れた」とあったが、確かに大阪と関わりがあるものの時代が離れているため、私が飲んだ「コーヒー糖」とは別物のようです。
分かったような、分からなかったような結末でしたが、口には甘かった記憶だけが残りました。
その昔、大航海時代に「黄金色のコーヒー豆」と言われたものがありました。それは、17世紀にババ・ブータンが持ちこだとされるインドのコーヒーです。
かつて大航海の帆船の時代、コーヒーをインドからヨーロッパの港まで輸送するのに約半年かかり、この長い航海の間に船倉に保管されたコーヒー豆は船倉で通常の緑色から黄金色(黄色)に変色してしまいました。そのコーヒーを飲んでみると、独特な香りのする今まで飲んだことのない美味しいコーヒーに変わっていた、という逸話があるのがインドのモンスーンコーヒーと呼ばれているコーヒー豆です。
現在では、モンスーン期(6月末~9月)である12週間~16週間の間に、インド南西部のマラバール海岸の倉庫に保管しているアラビカコーヒーを、アラビア海で発生した南西風に晒す製法を行ないます。この製法では、定期的にかき混ぜる等管理を徹底して行い、コーヒー豆は6~7週間程の時間をかけて黄金色の豆にしているそうです。
「黄金色のコーヒー豆!?」聞いただけで飲みたくなった私は、サンプルを取り寄せてみましたが、生豆に含まれる水分が非常に少なく、一般的な生豆(ブラジル)の色より、はるかに黄色がかっているのが特徴的です。焙煎して試飲してみると、酸味も苦味もマイルドな独特の香ばしいさがありました。
そんな訳で、他の珈琲にない特色を持つ「モンスーンコーヒー」(黄金色のコーヒー豆)を期間限定で紹介しようと思っています。リピーターの方への案内状などを準備しながら、何とか6月中には実施したいですね。ちなみに、インドのコーヒーだからといって、決してカレーの匂いはありませんしスパイシーでもありません。(当然か!?)
日中の気温が30度を越える日も出てきたこの頃、花壇の花も夏の花に植替える季節になりました。秋から長く咲き続けてくれたパンジーやビオラも、「もう無理だ~。」と言わんばかりに萎れかけています。そんな訳で、来週の月曜日には花の植替えを計画しています。
花の植替えをするといっても、これまで妻に任せっきりであり、今回も天気が良ければ休みを取って手伝ってくれるというので、全面的に甘える予定なのです。ですから、どんな花を植えるのかはホームセンターに行ってから、販売されている花と予算を勘案して決まります。なにせ決定権は妻にあるのですから、お任せする私は「ハイ!」と快く返事をするのみなのです。
ちなみに、夏に植えるのに適している花には次のものはあるようです。
■マリーゴールド
強い日差しにも立派に咲き、育てやすい夏の花です。根に害虫を撃退する効果があるので、野菜や他の植物との寄せ植えにも便利なようです。夏の暑い時期に元気をくれる鮮やかな色が花壇を明るくしてくれます。
■ペチュニア
通称「花壇の女王」と呼ばれるほど、花壇やプランターの寄せ植えに利用されています。花の大きさや色が豊富で、自分好みの雰囲気を選べることも人気の理由のようです。
■サルビア
ブラジルが原産で暑さに強く、真っ赤な花を咲かせてくれます。1本植えられているだけでも存在感があり、開花期が長いことが特徴なんだとか。
さて、どんな花で花壇だ彩られることでしょう。楽しみ!楽しみ!
今朝は涼しい朝を迎えました。そんな朝には、店舗の左右に設置されている排煙用の窓を開け、爽やかな外気を思いっきり取り入れます。
お店の中に置いてある観葉植物の葉がユラユラと揺れ、コーヒーの香りで一杯になっていた店内の空気が一度に入れ替わったようです。とは言うものの、朝の焙煎を行っているので、また新しいコーヒーの香りで充満してしまうのですが。
こうした何気ないことで気分も一新し、「さあ、今日も一日始まるぞ!」ってスイッチが入る感じが心地よいのです。梅雨の時期にはできない、初夏を満喫できる時間を楽しめるのがいいですね。
お店では毎日「本日のコーヒー」として、日替わりで色々な産地や品種のコーヒーを紹介しています。ただ、世界で70カ国以上の国々が生産しているコーヒーですから、お店で紹介できるコーヒー豆の数は限られたものになってしまいます。そんな理由もあって、これまでにグアテマラやコロンビアなどの産地から、普段紹介できない農園のコーヒーを期間限定で販売してきました。
お客様が飲んだこともない産地を提供したいという想いと同時に、自分も未知なコーヒーを焙煎して確かめたいという夢もあるのですが、生産量が極めて少なかったり、仕入れ価格が異常に高価なものなどは中々実現させることができません。オーストラリアのコーヒーもその一つです。
世界におけるオーストラリアのコーヒー生産量の割合は、何と0.0001%以下と言われています。極めてゼロに近い生産量なもんですから、市場には出回ることは少ないですし、特別な機会がなければオーストラリア産のコーヒーを飲む機会はないかもしれません。コーヒー栽培の歴史は意外と古く、1880年から始まったとされています。しかし、品質が悪かったり収穫高不足などでなかなか日の目を見なかったようで、現在では政府機関の協力のもと、品種が見直され高品質のコーヒーが作られるようになりました。主要産地はケアンズから1時間半くらいのところのマリーバ地区で、国内の約7割が生産されています。
今回、お客様に提供できる生豆が入手出来なかったため、焙煎したものを購入したのですが、その豆はニューサウスウェールズ州にある、マウンテントップ農園のものです。農園が位置する場所は標高300~400mと、高品質コーヒーの産地としては低いのですが、亜熱帯気候のこの地域は主要コーヒー産地の標高1200mの気候に該当するそうです。豆はアフリカ由来のK7という品種なので、アフリカらしい酸味が強くボディがあるイメージでしたが、気候や土壌、その他様々な条件がアフリカとは異なるために、どちらかというと優しい味わいで、「さっぱり爽やか」といった感じでした。
購入したコーヒー豆は少量のため、多くの方に試飲をしてもらうことができませんでしたが、これからも興味のあるものをサンプルとして取り寄せ、お客様に紹介できるようなイベントを行っていきたいと考えています。