■ 2016年11月 ブログ

蒸らしの膨らみ

 お客様がカウンターに座られ、抽出の様子を眺めながら、「膨らむね~!」「同じようにやってみても膨らまないの!」と言われたので、家庭での抽出方法を色々お尋ねすると、ドリッパーは台形の物を使用していることが分かりました。そこで、円錐ドリパーをお勧めしたのです。すると数日後に再度来店され、「ドリッパーを変えたら膨らみました!」といって喜んで話されたのでした。

 そんなこともあって、蒸らしの際にコーヒーの層が膨らむ様子を再現してみました。条件は、コーヒー30gを粗挽きにし、90度のお湯を同じよう注いで蒸らします。炭酸ガスが極端に出ないように、焙煎から2週間経過した豆を使用しました。画像では見にくいのですが、円錐ドリッパーの方が台形ドリッパーよりも若干高く膨らんでます。

 正直、どちらのドリッパーが美味しくなるかは明確に説明できませんが、蒸らしの際に大きく膨らむかは、コーヒー層の厚みの違いによるものです。どうしても横長に広がる台形ドリッパーはコーヒー層が浅くなるため、蒸らしの際に押し上げる部分が低くなってしまうのです。蒸らしによって、お湯の通り道を作ったり、コーヒーの粒子に水分を含ませる役目は同じなのですが、高くドーム状に膨らむ様子は、抽出する人にとって満足感を得られるものです。

 もちろん、焙煎から時間が経過すれば炭酸ガスが自然に放出され、蒸らしの際に膨らむ満足感は得られませんが、コーヒー層が膨らむ現象は単に理屈だけでなく、抽出時の演出効果も加わり、毎日のコーヒーライフが充実したものになります。大切なのは「気分が良い!」ってことです。いわゆる「茶柱が立つ」と同じようで、今日も美味しいコーヒーが淹れられたという喜びが大切なのかもしれません。

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手網焙煎(2)

 以前から考えていた手網焙煎ですが、行う場所を焙煎機の横に決めて、折りたたみテーブルとカセットコンロが置けるようにしてみました。これなら設置や片付けが楽だし、焙煎時に発生する煙も真上の換気口で吸い上げることができ、チャフの掃除も焙煎機と同時に行えば良いのです。多少狭くらしいのですが、地味な作業なのでこれくらいが丁度いいのかもしれません。

 この手網焙煎スペースは、あくまでもお客様が少ない時に遊んでもらうためのものなので、カウンターに座られた方に簡単にレクチャーを行った後、軍手をはめてシャカシャカ振ってもらいます。焙煎してもらった40g程の豆を記念にお持ち帰りいただくため、それらしいデザインのシールを作ってみようと考えています。

 実際どのくらい焙煎体験を希望される方がいるのか分かりませんが、とりあえず自分がやってみたい物にはどんどん取り組んで行きます。喫茶店とは異なり、珈琲屋だから出来ないこともありますが、珈琲屋だからできることを見つけて、楽しいことを考えることが一番だと考えています。

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案内葉書の準備

 今月末に発送する案内葉書をやっと印刷でき、あとは商品名札とレジシステムへの登録だけになりました。頭の中で考えているスケジュールと行動が伴わないのは、今に始まったことではないのですが、年々その乖離が著しくなり年齢を感じてしまいます。

 今回の案内状には、コスタリカのガンボア農園・ブラックハニーの案内を中心に、店内で手軽に手網焙煎体験ができる紹介を行います。また、年末年始の休業日も併せて掲載しますが、キーボードを叩きながら味気ない内容になってしまったと後悔するばかりです。もっと気の利いた文章や記憶に残る葉書にしたいのですが、絵手紙も落ち着いて描けずに「とりあえず!」って作ってしまいました。

 何年か先になって、「だらしなかったな~」と思うのか?「よくやってたじゃないか!」と思うのか?将来の自分がどれくらい成長できるか楽しみです。ま~、ああんまり変わんないと思うのですがネ。

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手網焙煎

 コーヒーのことを勉強し始めた頃、当然のように焙煎にも興味を持ちました。しかし、焙煎には専門の機械が必要で、素人には出来ないものだと考えていたのです。そんな時に出会ったのが「手網焙煎」。市販の銀杏煎りを利用し、ガスコンロの上で15分程度振り続けるという、とってもシンプルな仕組みで楽しめるのです。

 やり方は簡単です。コンロに火をつけて、火力を中火のままで以後調整しません。鍋を振る高さの位置を決めてら、小刻みにひたすらシャカシャカと振り続けます。色が付き始め肌色のような気がしたら、熱反応が始まったところです。匂いも青臭いものから少し香ばしさが出てきたような気がして、薄皮(シルバースキン)が剥け始めます。

 そして、表面が縮んでシワが出てくると、1ハゼが始まるタイミングで、パチと音が出たら1ハゼが始まり、パチパチと音が連続してきたら温度を下げないように頑張って振り続けます。1ハゼのパチパチが1分から2分程度続き、そのパチパチが盛んなところが浅煎りといわれるところです。ハゼ音は静かになり止まり、豆面の表面が黄褐色に赤みが重なり、赤褐色に近い感じになります。

 この辺から煙が出てきて多少焦りますが、その後ピチピチと軽い音がし始めます。これが2ハゼの音で、1ハゼのパチパチと明らかに異なるので判別可能です。ここから中煎り、中深煎り、一気に深煎りへと進むため、煙の中で煎り止めのタイミングを見極めるのが大切です。もうちょっとと思っていたら、真っ黒になってしまうこともあります。

 こんな体験をしながら電気によるサンプル焙煎機、現在のガス用焙煎機と使用してきましたが、今でも手網焙煎が懐かしくなります。直接コーヒー豆が変化する過程が見えるからなのですが、それ以上にハラハラ・ドキドキしながら網を振っていたのが楽しかったかもしれません。そんな体験をお客様にもしてもらいたいと考えている所です。

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生垣を綺麗にする

 今日はお店を臨時休業にして、家の庭の生垣を電動バリカンで綺麗にすることにしました。毎年秋に必ず行う作業なのですが、一人では結構な重労働なので、妻との共同作業になります。そんな訳で祝日を臨時休業にしたのでした。

 ここ数日は天気が思わしくなかったため、作業する日を迷って決めかねていたこともあり、晴天に恵まれホッとしています。北からの寒気が近づいていることもああってか、作業を止めて休憩すると冷たい空気を感じますね。

 庭の生垣は随分古くなっているため、所々内部が枯れてしまっており、後何年持つのか気がかりになったと同時に、二人して生垣を電動バリカンで綺麗にする体力がいつまで持つのか、どちらが先になるのか妻と顔を見合わせていたのでした。

 生垣の手入れと同時に、庭木も適当に選定を行って、ゴミ袋の数が12個程になったところで作業は終了です。素人が行う作業ですから生垣はデコボコ波をうっている状態ですが、散髪したようにスッキリとして気分がいいですね。それよりも、明日以降の筋肉痛が心配になります。

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ウィンナーコーヒー

 今日来店された数名のお客様が、ウィンナーコーヒーを注文しながら、ウィーンに旅行に行ったら「ウィンナーコーヒーを飲まなきゃね」と話されていました。海外旅行でヨーロッパへ行かれた話題の最中だったので、タイミングが良かったかも知れません。

 お店のメニューには確かにウィンナーコーヒーがあるのですが、実はメニューを決める時には少し迷いました。もちろんウィンナー付きのコーヒーで迷った訳ではなく、そもそもウィーンにはウィンナーコーヒーがないからです。ウィンナーコーヒーに似ているのは、「カイザー・メランジュ」か「アインシュペンナー」になるからです。ウィンナーコーヒーとはオーストリアの首都ウィーンで発祥したコーヒーの飲み方を日本が勝手に解釈して名付けたコーヒーの事で、ウィーン風のコーヒーということですが、発祥地のウィーンでは「カイザー・メランジュ」(単にメランジュ)が日常的に一番よく飲まれているコーヒーなんだそうです。

■「カイザー・メランジュ」

手鍋に、深煎りコーヒーと卵黄、グラニュー糖、牛乳を入れ、弱火にかけてホイッパーでかき混ぜ、70°ぐらいになったら火から下ろしてカップに注ぎます。この飲み物は、オーストリアのハプスブルク家の皇帝(カイザー)が好んだといわれています。

■「アインシュペナー」

カップやグラスに深煎りのコーヒーを入れ、ホイップクリームを浮かせます。ウィーン式提供法ではトレイに受け皿をのせ、その上にコースーターを敷き、そしてコーヒーカップをのせます。一緒に砂糖を入れ、水用タンブラーをのせ、タンブラーの上にスプーンをのせるという面倒そうなものです。

 日本でいうウィンナーコーヒーと同じようなホイップクリームをのせたコーヒーは「馬車を操る者」という意味の「アインシュペンナー」という名称のものらしく、元々はウィーンの馬車守が寒い中主人を待つ間に飲んだコーヒーで、コーヒーが冷めるのを防ぐために上にホイップクリームをのせたという説があります。

 メニューを決めるにあたっては、こうした事もあれこれ考えたのですが、結局のところ珈琲屋としての試飲スペースといった考えで、シンプルなメニュー構成にしようと決めたのでした。

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申し訳ありません

 お店の席数は15席、席と席の間隔を広くして、ゆったりとしたコーヒータイムを楽しんでもらいたいと思っているのですが、週末に限っては満足いただけない空間になってしまうことがあります。

 先週末も午後の2時~3時(だいたい毎回同じ)の間に来店が集中し、カウンターのみ空いた状態になりました。そんな所に、多治見から来店された家族や、女性グループ、地元の体協メンバーがドアを開けられたのですが、「申し訳ありません」といってお帰りいただくことになります。

 4時近くになると、潮が引くようにお客様が帰られ、先程までの喧騒が嘘のように静かになります。常連の方が、「BGMがかかっていたんだ!」って気づくくらいですから、本当に店内の空気が変化したのが分かります。そんな事を知ってか知らずか、その後数組の方が来店されてコーヒーを楽しまれますが、せっかく当店のコーヒーを飲みにこられた方には大変申し訳なく思ってしまいます。

 この場を借りて、「申し訳ありません。」

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赤いパッケージ

 今年も昨年同様、12月には赤いパッケージを使用することにしました。クリスマスをイメージして、少しでも華やいだ気分になっていただければと思います。家庭で淹れるコーヒーが一番美味しいと思っているので、いつもよりも上等なチョコレートやクッキーを食べながら、家族や夫婦で飲んでもらいたいものです。

 同時に、数量限定でコスタリカのガンボア農園ブラックハニーを提供することにしました。常時提供しているタラス地区のカトゥーラを使用していますが、ミューシレージを取らずに乾燥させたパルプドナチュラルで仕上げています。乾燥している状態が黒いためにブラックハニーとよばれ、ショ糖の量も多くなっています。苦みが少なく、赤ワインの風味と果物の甘さを感じることのできるコーヒーです。苦みのあるコーヒーが好きな方にはお勧めできませんが、ご夫婦で飲めば二人の関係がさらに甘くなることでしょう?なんちゃって!

 なお、この豆は商社で完売済みとなっているため、手持ちの8kg程度しか提供できませんので、無くなり次第終了とさせていただきます。

 さて、今月中に案内状をだすため郵便局へ葉書を買いに行かなくっちゃ!

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ドリップバッグコーヒー

 今日来店された知人から、「ドリップバッグコーヒーの美味し淹れ方を教えて欲しい。」といって、ドリップバッグの入った箱を渡されました。「う~ん。ドリップバッグは手軽だけど、所詮ドリップバッグのコーヒーだよ!」といったものの、どんなコーヒーなのか確かめることにしたのです。

 まめ蔵でも、お客様から依頼があった時のためにドリップバッグを作れるようにしてはいますが、積極的に作って販売してはいません。色々な理由があるのですが、一番は味が落ちてしまうからです。豆をあらかじめ挽いてしまうのに、いつ飲まれるか分からないことや、フィルターの構造上、短時間でお湯が落ちるので、細挽きで雑味が出やすいことなどがあるからです。また、ドリップバッグ本体やパッケージの価格を考えると、販売されている商品に使用されている豆の品質が分かってしまい、自分の持っているイメージが悪いこともあります。

 ちなみに、渡されたドリップバッグは縦長の構造で、まめ蔵で使用している横長の物と比べると、注湯時にドリップバッグの多くがコーヒー液に浸かってしまい、雑味が出やすいものでした。また、細挽きの8gのコーヒーは一般的なドリップバッグコーヒーと同じで、コーヒーの成分が一気に出てしまうため、高温のお湯を使ったりすれば苦いだけのコーヒーになりやすいのです。

 そんな事を思いながら、少しでも美味しく飲めないかと試行錯誤してみます。一般的な淹れ方、ポットから直接ドボドボと淹れてみる、注湯温度を4段階に別けて淹れてみる、松屋式っぽく蒸らし時間を長くし、濃いコーヒー液にお湯を加えるなど、その中で何とかいけそうだったのが湯温を80度で淹れたものでした。気づいてみると10袋も使って、少々もったいない感じがします。

 このドリップバッグの袋を取り出す時に、入っていた箱には宣伝文句が書いてありました。『5つ星のプレミアム・グルメ・スペシャリティーの評価を獲得した、上位1%の世界で最も質の高い高級豆を使用しています。』・・・!!思わずツッコミが入ってしまう。 コーヒーに星幾つってのはないし、プレミアムコーヒー
は、SCAJ、COEカップ評価76点以上(カップ評価項目において全項目が5点以上)のことだし、グルメコーヒーは、ITC(国連)の基金とICO(国際コーヒー機構)の協力し、コーヒー生産国が高品質なコーヒーを生産するため、1997年からその土地に合った在来種を栽培して、生産国の経済的自立を促進するために進められた国際プロジェクトのコーヒーのことだし、スペシャルティコーヒーは、SCAJ、COEカップ評価80点以上(カップ評価項目において4項目以上が6点以上)(※他にも色々あるのですが)って、何でもかんでも良さげな言葉をつないで、どうなのって思ってしまいます。

 やっぱり、ドリップバッグはドリップバッグなのです。

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昼間の曽木公園

 日中雨が降っていたのですが、幸いにも一時間程雨が止んでいたので、車で10分かけて紅葉真っ盛りの曽木公園まで行ってみました。今ちょうど「曽木公園もみじまつり」として、11月11日(金)~月20日(日)まで午後5時30分~9時の間ライトアップが行われており、このサイトの写真のように幻想的な景色になります。 

 けれど、昼間の様子となると、モミジやイチョウの木々が綺麗に色づいているものの、「逆さモミジ」が映し出される池の水深は浅く、膝も隠れないほどの浅い池が公園のあちらこちらに作られており、ライトアップされた夜に見るような吸い込まれる水面をイメージことはできません。

 この時間は数人の方が散歩されているだけで、夜のような人混みや立ち並ぶ屋台の喧騒など微塵もなく、田舎の小さな公園といった感じです。私としては華やかな夜景の姿よりも、素朴な紅や黄色の木々の間を落ち葉と触れ合いながら散策するほうが好きです。

 今年で18回目なるライトアップですが、最初の頃は曽木町の有志の方が自費で始められたようで、まちおこしとして実行委員会ができてからは、規模が徐々に大きくなってライトの数や屋台の賑わいも増してきました。今では観光バスが立ち寄ったり、新聞屋、テレビや雑誌に取り上げられるほど恒例のイベントになっています。

 肝心の夜のライトアップの鑑賞はというと、妻が「寒いし、毎回同じだし。」といって腰が重たいので、今回はどうなるか分かりません。

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僕はコーヒーがのめない(6)

 今日は一日中雨模様のため、近くの山へ紅葉でも見に出かけようかといった気分にもならず、ゴロゴロとしており、何だか憂鬱になります。そして、夕方には母親と一緒にインフルエンザの予防接種に出かけることに。昨年は運悪くインフルエンザにかかってしまい、久しぶりに辛い経験をしたため、同じような経験をしないよう今年はしっかり準備します。

 そこで、病院での待ち時間を使って先日購入した、『僕はコーヒーがのめない(6)』(原作:福田幸江、作画:吉城モカ、監:川島良彰)を読んだのでした。
「極上コーヒーには極上の理由がある。ブルーマウンテン山脈に立ちこめる深い霧。その霧が晴れ、花山達が目にしたのは、山の急斜面を覆う広大なコーヒー畑が広がる。その中でも一番最初に朝日が当たる区画はモーニングサンさんと呼ばれ、世界最高のブルーマウンテンコーヒーを産むという。そのおいしさの秘密に迫る!!」、前号に続いてブルーマウンテンコーヒーの内容に始まり、抽出や焙煎に話題が徐々に移っていきます。コーヒー産地は遠い国の話になりますが、抽出や焙煎となると身近に感じてくるので、どこまで踏む込んだ内容になるか興味が沸いてきます。次号が楽しみです。

 インフルエンザですが、予防接種をしていてもインフルエンザに感染しないという訳ではないようです。感染しても症状が軽いというだけなのだそうで、何だか少々残念になりますが、やらないよりやったほうが良いので、後は体調管理に気をつけて冬を乗り切りたいものです。

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アウシュヴィッツのコーヒー

 以前に読んだ『コーヒーが廻り 世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液』(中公新書、1992)の著者である、臼井隆一郎氏の新著『アウシュヴィッツのコーヒー コーヒーが映す総力戦の世界』をやっと読み終えた。やっとと言うのは、腰痛で椅子に座って本を読むことが辛かったことと、そもそも痛みがあると何もしたくないといった精神的なものだった。それに読みやすい小説ではないため、歴史的な語句をGoogleで頻繁に検索したり、文章では理解できなかったヨーロッパの歴史をYouTubeの動画で学習するなど、ページをめくるスピードが遅くなったせいもあります。

 そうまでして時間をかけ何故読んだかといえば、「コーヒー」に関わる題材であると同時に、アウシュヴィッツという狂気の殺人工場を同じ人間が作り上げた事実が、単に歴史上の出来事ではなく、ヨーロッパの植民地支配の歴史と多くの戦争によって起きてきたことを忘れないためでもあります。

 この本の内容については、「はじめに」に記載されたものをそのまま転記します。『戦争が総力戦の段階に入った歴史的時点で、戦時と平時が明快な区別線をもたなくなった。コーヒーを飲みたいという個人的な欲求が国民的欲求となり、それが国民的欲動となって植民地獲得の動きと化し、ついには世界総力戦に入り込む。そうなれば、一杯のコーヒーさえ飲めれば世界などどうなっても構わぬと考えていた人間が、どのような世界に入り込んで苦しむことになるかの典型例をドイツ史が示していると思われるのである。そして、そのドイツを見続けていると、その回りにアラビアやアフリカの国々が蝟集し、ついにはユーラシア大陸を貫いて極東アジアや日本をコーヒー色に染め上げる筈である。』

 コーヒーが日常生活に溶け込んでいたドイツだからかこそ、兵士の指揮を上げるためにコーヒーが使われたり、アウシュビッツの毒ガス室に送り出す言葉に利用されるなど、コーヒーを扱い者として辛い過去を記憶に留めておきたいと思ったと同時に、イギリスのEU離脱やアメリカでトランプが大統領選挙で勝利し、韓国の政治経済が危機的状況と重なる混沌とした時代で、ロシアや中国がほくそ笑んでいる様な世界情勢の中、「歴史は繰り返す」という言葉がついつい脳裏に浮かんでしまうのです。

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寒っ!!

 前日からの放射冷却の影響で、今朝は今季最低気温をとなりました。この地方では朝の気温は4℃を示し、お店に入って温度計を見ると、室内の温度は16℃です。「寒っ!!」と思わなってしまい、それまで冷房に設定したエアコンを暖房に切り替えてスイッチオン!です。決して自分が寒いからではなく、お客様を暖かくお迎えしたいという気持ちからなのですよ。

 秋を通り越して一気に冬になったような気分ですが、アメリカの大統領もトランプ氏に決まったことで、景気の方もさらに冷え込むんじゃないかと危惧している人も多いのではないでしょうか?大統領任期交代後の春になっても、「寒っ!!」ってことにならないように願いたいものです。(マジで)

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有機栽培コーヒー

 昨日来店されたコーヒー好きのお客様から、「有機栽培のコーヒーは美味しいの?」って尋ねられました。一瞬戸惑いましたが、「そもそも有機栽培は美味しい美味しくないではなく、農薬を使わないから環境に負荷を残さないなど、地球レベルでのサステイナビリティーの話ですから。」と答えました。

 有機栽培コーヒー豆はオーガニックコーヒー豆と言われ、普通のコーヒー豆と、豆自体は何も変わりはありません。一般的にオーガニックとは、農薬や化学肥料を使わない農業・農法のことを言い、農薬や殺虫剤、化学肥料などを使わずに、自然(オーガニック)な方法で栽培されたコーヒーをオーガニックコーヒーと呼んでいます。最近の健康ブームも相まって食品の安全に気を使う人が増えおり、そのような需要を受けて、嗜好品としてのコーヒーにもオーガニックな豆を取り扱うお店が増えてきました。

 日本だと「オーガニック」は健康に良いイメージや品質が良いイメージがありますが、「オーガニック」という認証は栽培方法を中心に検査しているので、「農薬を使わないから環境に負荷を残さない」ということは証明できても「品質が良い」とか「健康に良い」ということとは、基本的に関係がないのです。そもそも農法のことですので、「オーガニックだから美味しい」というのは説明がつきません。

 日本で有機栽培と言えば、カルガモ農法のように高い技術と手間が必要ですが、コーヒーの場合は「手間をかけずに、ただ放置しているだけ」のコーヒー農園がオーガニックの認証をとることも出来るのです。確かに農薬を使わずに努力をしておいしいコーヒーを作る農園もあるようですが、何の努力もせずに放置しているだけの農園も多数存在し、実際に区別がつかないことが一番の問題だと思います。「オーガニック認証があれば高く売れる。」そこだけに目を付ける人もいるのです。

 ちなみに、オーガニックコーヒーであるための認定基準は、過去3年以上の期間、農薬、殺虫剤、化学肥料などを未使用の土地で採取されたでものあること。また、コーヒー豆の加工工程においても添加物、加工補助剤等の使用していないことなどの基準が設けられています。このような認定基準をクリアした珈琲豆には、USDA(オーガニック認定全米統一基準)をはじめとする、世界中に多く存在する認証団体がオーガニックコーヒーを証明するラベルを付けることを認めるのです。

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肩書き

 先日友人から、こんなメールが届きました。「〇〇市の〇〇コーヒーの焙煎豆をいただきました(秋限定)。添付冊子も読み、 国際審査員、こだわりの豆を直接輸入とか・・・味は人それぞれで、印象としては、まめ蔵とそんなに変わらない感じがしました(と言うことは、良い豆をまめ蔵では提供していると言う事ですか?ははは!!!)それでは」

 何とも他愛もない内容でしたが、そのコーヒー屋さんには行ったことがあり、私自身も特別な美味しさを感じませんでした。お店の常連さんも噂を聞きつけて買いに出かけとたそうですが、「焙煎日はいつですか?」と尋ねても、店員さんは「分かりません。」と言われてがっかりしたと言っておられたのを思い出します。

 まめ蔵で使用している豆は、一般的にスペシャリティーコーヒーと呼ばれる品質のものです。けれど、お店では「スペシャリティーコーヒーの店」などと宣伝している訳でもなく、単に高品質の豆を使用しているくらいしか話していません。その理由は、特に肩書を必要としないと考えているからです。お店を大きくしたいとか、店舗を増やしたい、従業員を雇っているとかの事情があれば、商売上の肩書はとても大切な宣伝ツールになりますが、私は地元の珈琲屋さんを長く続けたいだけなので、今のままで構わないと思っています。

 友人の話に出てきた珈琲屋さんのように、「国際審査員のいる店」っていうのはは、一度は飲んでみたいという興味が湧きます。ですから、遠方から訪れる方も多いのでしょうね。多くは「Qグレーダーの店」というのがあり、Qグレーダー資格試験に合格した優秀な方が居るお店にも何度か行きました。面白いのは「焙煎士」という肩書です。何の資格制度もありませんが、「焙煎士のいる店」ってだけで違いの分かる珈琲屋さんって感じになりますね。さらには「プロ焙煎士」ってのや、「天才焙煎士」ってのも出てきて、思わずツッコミをいれたくなります。けれど、こうした肩書は商売上には大変有効なものになるのです。コーヒー豆を見るのではなく、肩書で判断してしまうのが人間なんですから。

 こうした肩書や広告宣伝方法に意見する気もなく、ただただ傍観しているのみですが、その人達がどのような考え方で焙煎をしているかは大変興味があります。私自身が焙煎を始めるまでに多くの方に会って話を伺いましたが、焙煎に対する考え方は様々でした。特別なルールや基準が存在しない(焙煎度合はあります)訳ですから、熱の加え方や加熱時間、生豆の状態まで、焙煎する人の考え方しだいなのです。だからこそ、同じ豆を使っても味に差が出てくるから面白いのかも知れません。

 ちなみに、「焙煎士」になれる通信教育ってのもありましたが、そこに魅かれる人もいるなんて驚きでした。

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土岐市社会福祉大会

 ブログを通して日々の出来事やコーヒーの事など、お店や生活に関わる内容を書き留めていたのですが、最近は中々記録できませんでした。 実は、その原因は腰痛です。20数年前にぎっくり腰になって以来、寒くなって疲れが溜まったときに必ず腰痛に悩まされるのです。ここ数日痛みが和らいだので、ぼちぼちと再開していきます。

 今日は、土岐市社会福祉協議会主催の社会福祉大会が行われ、手話通訳を担当するため参加してきました。今年で61回目となる大会では、地域社会で様々な社会福祉活動を行っている方々が表彰され、社会が多くの人達に支えられて成り立っていることを改めて感じることができます。年に数回程度の通訳しかできませんが、活動の裏方としてお手伝いを今後も続けていたいと思うのでした。

 大会の後半は「健康とは?楽しくできる健康づくり」と題した講演会です。岐阜市のエアロビクス・インストラクター広田章子さんによる、健康づくりのための手軽な運動と心も体も健康になるためのポイントについて講演されました。肩こり腰痛改善体操もあるというので、通訳も程々にして参加者とともに体操を行いましたが、残念ながら一度だけやっただけでは効果がないようです。通訳しながら腰痛も改善できるなんてラッキーって思ったのですが、そんなに甘くはないのです。

 あ~早く腰痛が改善しますように。(しばらくは整体通いが続きます。)

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珈琲屋??

 土日の二日間は普段よりも多くのお客様が来店され、ケーキ類やクッキーが完売となり、コーヒー豆も残りわずかになりました。そのため、今朝からロールケーキを2種類、りんごケーキ、プリン、ビスコッティー4種類と、お菓子ばかり作っていたのです。

 なんとか午後のお客様へケーキをお出し出来る状態になって一安心でしたが、肝心のコーヒー豆は焙煎できぬままです。少ない商品数にもかかわらず、コーヒー豆を購入するために来店されたお客様へは、幸いにもご希望の豆をお渡しできたのですが、明日からの販売用コーヒー豆が底をついてしまいました。夕方から数種類の焙煎を行いましたが、明日の朝は焙煎に力を入れて取り組まければなりません。

 珈琲屋なのに、ほぼ一日ケーキやクッキーを作っていたので、「珈琲屋??」などと自問自答しながら、「まあいいや!焙煎もケーキ作りも楽しいから!」と変に納得してしまうのでした。コーヒーであれ、ケーキであれ、「美味しい!」と言ってもらえることは喜びなのですがらね。

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