■ 2015年10月 ブログ

どえらぁええ陶器祭り

 明日の土曜日と日曜日の二日間に、「下石どえらぁええ陶器祭り」が行われます。今回で19回目となる陶器祭りは、釜元めぐりや、もろ板陶器市などの陶器販売をはじめ、うまいもん広場で美味しい物を食べたり、イベントも盛りだくさんです。お祭り気分でお店も休んで遊びたい気持ちもありますが、いつもと同じように二日間とも営業をします。

 常連のお客さまは陶器関連の方も多いので、閑古鳥が鳴くかもしれませんし、逆に観光客の方々が立ち寄って大賑わいなんてこともあるかもしれませんが、ランチをしていないので、まあノンビリした日になるのではないかと思っているところです。 

 今回で19回目となるそうで、長年お祭りを見ていると、最初の頃はお客さんも窯元も双方が「どえらぁええ」と楽しめた雰囲気がありましたが、窯業の不景気が続いている現状もあってか、「どえらぁええ」と感じるようなお祭りになっているのか微妙です。

 さて、明日はどれだけの人が「どえらぁええ!」と感じて祭りを楽しむんでしょうか?

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コーヒーチェリーティー

 コーヒーの飲用は様々な方法で楽しまれていますが、コーヒーの原産地とされるエチオピアでは、コーヒーの実の外皮と果肉を乾燥させた、「ホチャ」を煎って煮出したものを主に遊牧・牧畜民たちが、長期保存が効くとして利用しています。同じものをイエメンでは、「キシル」と呼んでおり、安価なことからコーヒーの代用として今でも飲まれいます。

 コーヒーの精製過程にできる、コーヒーの実の外皮と果肉のほとんどは肥料として再利用されるのですが、「ホチャ」や「キシル」のように飲用するために加工され、私たちでも飲めるものがあります。それが、エルサルバドルの「カスカラ」、いわゆるコーヒーチェリーティーです。

 近年、世界バリスタチャンピオンシップでトップバリスタがアレンジメニューに使用し、新たなコーヒーの魅力の表現のひとつとして世界的に注目されました。果肉部分がコーヒー豆と同様にポリフェノールを豊富に含む為、その抗菌作用からアンチエイジング効果や糖尿病予防があると言われています。味はローズヒップティーのようで、袋を開封した途端に広がる完熟した果実の甘い香り、そして抽出液は口あたりの優しい甘い味わいが広がります。

 何でも確かめたい!好奇心旺盛な私にとっては格好のネタではありました。「

やっぱりコーヒーは面白い。」メニューに加えようかな~。

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温かいんだから~

 25日、関東地方と近畿地方にて「木枯らし1号」が吹いたと気象庁が発表しました。朝、店に入る時も、ものすごく風が強く寒かったです。いよいよ秋から冬へと移っていくのでしょうか。となると、今年は秋があったのかなかったのか、よくわからないってことになるんでしょうか?いずれにせよ、本格的に寒くなってきているということでしょう。

 そんな寒くなった日には温かいものが食べたいものです。そんな訳で、日曜日に妻と次女の三人で、多治見の絶品おでんが自慢の「のぶ味」に行ってきました。私を除いた二人は既に一度行った事があり、東海地方にしか見られない、こってりした味噌おでんをハフハフしながらいただきました。他にも美味しい料理をたらふく食べて、「温かいんだから~」っていう気分でした。(もう古いか?!)

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タイムマシン

 お店を始めたことで、多くの人と出会うことができます。昔お世話になった元勤務先の方や、懐かしい知人など、普通の生活をしていたら出会う事は無かったかもしれません。つくづく出会いの場を作って良かったと思います。

 そんな懐かしい人の中には、中学校の同級生もいるのですが、男性の場合はこれまでに何度か会っている事もあり、久しぶりの対面にも普通に接することができるのですが、女性の場合は少し違ってきます。たいていの場合、中学を卒業して進路が別れてしまい、出会う事もほとんどありませんでした。それがいきなり40年後に出合うことになるのです。

 自分の記憶の中には、中学生のイメージしかなく、「〇〇ちゃん」や「〇〇さん」と呼んだ感覚しか残されていません。ましてや、思春期の中学生時代ですから、異性として意識し始めた頃でもあります。その感覚のまま40年後に再会する訳です。相手は自分と同様に年齢を重ねてシワやタルミも目立つのですが、面影は中学生時代と変わらないので、まるでタイムマシンを使ってタイムスリップしたような気分なのです。

 これまで歩んできた人生の背景を知らないまま、どんな会話をしたら良いのか戸惑うこともしばしば。就職、結婚、育児など、その人がどのように生活していたかも知りませんし、既に孫もいる人やバツイチになった人も・・・。「へ~!」「そうなんですか!」など、少しずつ話を進める中で、タイムマシンで隔たったような時間を近づける作業をするのも面白いものです。

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ティピカを紹介するために

 グアテマラのアカテナンゴ地区にあるカルメン農園には、80年以上前に植えられ、選定を繰り返し生産されているアラビカ種の原種に近いティピカの豆があります。 

 今回、新たに11月3日から販売を始めるにあたって、焙煎豆を購入されているリピーターの方々には、葉書で案内状を発送しました。また、ホームページには「イベント」のタブに記事を掲載したところです。後は、値札やレジシステムに登録するなど、細々した作業が残っているのですが、一つ新しい事を始めるにはやるべきことが多くて大変です。けれども、こうした作業も楽しめている事が一番幸せだと思っています。

 机の横に置いたサンプル焙煎した豆の甘い香りを嗅ぎながら、お客さまがどんな反応を示してくれるのか、楽しみながら準備をしています。

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焙煎とカッピング

 11月から新しい豆を扱うため、自宅にある小型ロースターを使って4種類に焙煎してみました。煎り止め温度を3℃ごとに変えて焙煎し、カッピングをしてみたのですが、中々狙いどころが定まりません。何とかして今月中に決めたいのですが、開店前に苦労した作業の繰り返しになりそうです。

 今回、新しく仕入れたコーヒー豆は、SCAJ2015の会場で生豆の商社が試飲サンプルにを行ったグアテマラのティピカです。「ティピカ」とは、アラビカ種の中では最も原種に近い品種で、かつては中米で広く栽培されていました。優れた香りと酸味を持っていますが、サビ病び弱く、多くの日陰樹を必要とし、収穫が隔年であることなどの理由のため生産量は低いものです。そのため1960年代後半からカトゥーラなど、生産性の高い改良品種に取って代わられて、今では希少品種のようになってしまいました。

 カンピングをしてみると、浅煎りでは柑橘系の香りで明るくてきれいな酸味があり、数度の煎り止め温度が異なるだけで、急に丸みのある酸味と甘味と苦味が絡み合ってきます。本当に科学実験のようで、何時もワクワク・ドキドキしながら少年のように楽しんでいます。けれど、楽しんでばかりいられませんので、もう少し調整してみます。

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まめに暮らす

「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」を目標に日々生活していますが、「まめに暮らす」に不安を過らせたのが、胃がん検診のバリウム検査で再検査が必要になったことです。そんな訳で、先日、総合病院で胃カメラを飲んできました。三度目になる胃カメラなので、「三度目の正直」とやらで「ついに来たか?」と不安になっていましたが、「ポリープはありますが、綺麗な胃壁でピロリ菌による胃がんの心配はないでしょう。」との医師からの話に安堵し帰ってきました。

 こうなると、俄然元気回復で自信を持って生活できます。「病は気から」と言いますが、まったくそのとおりです。昨日も4種類焙煎し、まめに焙煎することで少量多品種の品揃えが可能になっています。毎日のように色々な方が豆を購入していただける事に感謝するばかりです。

 最近は、友人に紹介されて来店された際にコーヒー豆を購入される方や、ネットで調べて来店される方など、新しいお客さまも徐々に増えてきました。気に入ってリピーターになっていただけると嬉しいのですが、お店の品揃えには限界があります。品種や地域、精製方法の違いを前提に焙煎度合を変えても、世界約70か国で生産されているコーヒー豆を用意することはできません。ですから、お客様のニーズによっては、他店を紹介することも時々あります。

 お客様にコーヒーを勧める場合、「満足していただく」ことを最大の課題にしています。ですから、自分のお店に商品を勧めることも大切ですが、場合によっては、自分のお店には無い品種や焙煎度合の商品をお探しの時は、躊躇なく他店を紹介します。極深煎りの苦目のコーヒーや、流行の1ハゼ前の浅煎りのコーヒーは自分の焙煎分野ではありませんし、特定地域の豆やCOE獲得の豆も扱っていません。それらを無視して自分の豆をお勧めしても、本当の満足を提供できないと思うからです。それよりも、TPOで飲みたいコーヒーは変わるものですから、その中の一つに自分のお店の豆を組み入れてもらえたらと考えています。「毎日飲みたいコーヒー」も大切ですが、「時々あの豆が飲んでみたい」も有りだと思います。

 より多くの品数を用意したいという希望もあります。それは、「自分が飲んでみたい」という欲求に他ならないのですが、商売として考えた場合は無闇に増やすことはできません。ですが、農産物であるコーヒー豆には生産量の増減や価格変動もあります。少しずつ吟味しながら、お客様が満足いただけるような品揃えしていきたいものです。 

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A or B (その2)

 水の硬度による味の変化については何度か確かめてきましたが、最近しばらくは飲み比べていませんでした。そんな時に、川島さんの本の中で、硬度が酸味に影響を与える事が記載されていたので、久しぶりに確かめることにしました。

 以前に飲み比べした際にはブラジルの豆を使用し、確かに苦味の変化を感じたのですが、今回は酸味ということでタンザニアの豆を使用することにします。

 使用する水は、水道水の土岐市の水で硬度17mg/L(2013年6月土岐市広報掲載)と、フランス原産のevian(エビアン)で硬度304mg/Lです。WHO(世界保健機構)によると、0~120mg/l 未満を軟水、120mg/l 以上を硬水と定めているので、土岐市の水は軟水で、エビアンは硬水ということになります。

 ちょうど午後にカウンターに座られたご夫婦がいたので、一緒に試飲してもらったのですが、まるで別のコーヒーのように味の違いがはっきりします。本来すっきりとした酸味を感じるはずのタンザニアが、酸味をまったく感じず、苦味が際立ったものになっています。考えてみれば、日本以外の国では硬水が多いわけですから、同じものを飲んでいても、自分たちが感じている味と違うものを味わっているんだと思うと、何だか不思議な気分になります。

 以前行った試飲の際には焙煎後の経過期間による違いでしたが、今回は水の硬度の違いを確かめながら、同じコーヒー豆でも様々な条件で味わいの違いを再認識し、「あの湧水がいいんだ!」って、こだわる人の気持ちも分からないでもないな~と思うのでした。

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秋の空

 普段から一日の間に何度か外に出て、天気の様子や気温を気にするようにしていますが、今日は青い空が一段と広がっています。秋の空は透明度が高いので、「天高く馬肥ゆる秋」いわれるほど、天にも届きそうなほど青い空です。

 秋の空の透明度が高い理由は、夏場の太平洋側からの高気圧が空気中に水分を多く含んでいるのに対し、秋の大陸から移動してくる高気圧には水分が少ないためのようです。また、春は大陸の地面の土の砂が舞い上がりやすくなっていたものが、秋は夏の間に草が生い茂りホコリが立ちにくくなるんだとか。思わず澄んだ空気を思いっきり吸いたくなります。

 10月に入り涼しくなったこともあり、コーヒー豆の購入が依然と比べて多くなりました。お店でもコーヒーに合う物を出したいと考え、クッキー以外にパウンドケーキも作ってみたりしています。そんな訳で、ロールケーキやパウンドケーキのつまみ食いが増えてしまい、「馬肥ゆる秋」ではなく、「店主肥ゆる秋」にならないように注意したいものです。

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花の植え替え

 定休日が祝日ということもあって、店舗前のスロープに沿って植えた花を妻に手伝ってもらい、植え替えることにしました。

 午前中にホームセンターで培養土や肥料と一緒に、パンジーとビオラの苗を購入して午後から作業を始めたのですが、私は焙煎をしながらプリンとクッキー生地を作っていたので、ほとんど妻が一人でやってくれました。

 数日前にテレビでパンジーの植え方を放送していたらしく、色々とメモをしていたので、いつもより時間をかけてやっていたようです。おかげで、夕食時に肩がこったと言うので、日ごろの感謝も込めて肩もみをさせてもらいました。本当に、陰で支えてくれる妻には感謝するばかりです。

 パンジーやビオラはまだまだ小さいですが、数カ月たてば沢山花を咲かせることでしょう。店主に似合わず可愛いお店になる姿を楽しみにしています。

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関市刃物まつり

 昨年に続き、関市刃物まつりに行ってきました。今回の目的は、店舗前の芝刈りバサミと芝のはみ出た根を切る剪定バサミ、製菓用のナイフの購入が目的です。それと、妻とのドライブというのがあります。

 関市は700有余年の伝統を持つ刃物のまちです。刃物の名店が、全長1,000mの本町通りに集結し、刃物大廉売市が行われ、市内では古式日本刀鍛錬や刀剣研磨等外装技術の実演、居合道の据え物斬りや抜刀術の実演、刀剣展、アウトドアズナイフショーなど刃物のまちならではの催しが行われます。とても全て見て廻れませんので、昨年同様に本町道りのみの散策となりました。

 先ずは、マーフィー岡田さんの実演販売に見とれて、昨年買って出番の少ないピーラーを思い出し、メタルアート作品を見学してから、目的の商品を探しに廉売市を歩いていくのですが、途中にある中濃法人会女性部会の「税金クイズ」に回答してお茶パックをもらい、関市青少年健全育成会協議会の鉛筆削り指導で削った鉛筆をもらいながら道草をします。ついでに、関商工高等学校の販売する青森リンゴも買いました。

 目的の商品を見て廻るのですが、同じような商品でも国産と中国産も混在し、性能も価格差に表れる事も教えてもらいながら、地元の陶磁器産業と重なる部分も感じつつ、価格重視の妻の意見が強く反映される現実を見ると、良い物だけでは売れないことも実感するのでした。

 廉売市の通りの面して色々な出店があるので、少しずつ食べ歩き、メインは農家レストラン「つるや」の出店する「つるむらさきうどん」を食べたのですが、ツルツルとした食感と、出汁とゴマの風味がマッチした美味しいうどんでした。いつか武芸川町にある農家レストランにも行ってみたくなりました。

 そうそう、最近テレビで取り上げられた関市のPRビデオを張り付けておきます。

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ベトナム式コーヒー

 お昼に郵便局へ出かけるため、「ちょっと出かけてきます。10分ほどで帰ります。」というプレートをドアに引っ掛けて外出し、戻ってみると店主の帰りを待つ一台の車がありました。慌ててお店を開けて入っていただき、事情を説明しながらコーヒーを出しました。

 来店された数人は楽しそうに会話が弾んでいます。そんな時に、「今度ベトナムに仕事で行くんだけど、ベトナムのコーヒーってとっても不味いんだって!」という話題になりました。ちょうど少なくなったお水を注ぎにいっていたので、「よかったらベトナムのコーヒーを飲んでみます?」と声を掛けたところ、興味を持っていただけたので、他にお客様がいらっしゃらない時間を利用し、ベトナム式コーヒーをテーブルの上で抽出しました。

 使用する豆は、もちろんベトナムのロブスタです。濃い麦茶のような独特の豆の臭いを嗅いでいただいた後に、ベトナム製の抽出器具で練乳の入ったガラスコップにコーヒーを淹れます。練乳と混ぜる前にスプーンで味わってもらいましたが、全員が「不味い!」。けれど、練乳と混ぜたコーヒーを飲んだ後は「〇〇ドリンコの〇〇コーヒー!」「缶コーヒーの味がする!」との意見が。

 試飲をしていただいた後に、コーヒー豆にはアラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ)があり、それぞれどんな特徴があるかなどを説明したところ、大変興味を持たれたようです。コーヒーの知識が少し増えることで、これからのコーヒータイムが今までとちょっと違ったものになるお手伝いが出来たことを、帰りに際の「楽しかったワ!」という言葉に感じることができました。

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障害者差別解消法?

 昨晩、手話サークルで行った通訳練習文に「障害者差別解消法」という言葉が出てきました。これまでも時々目にした言葉なのですが、「障害者への差別をなくす法律ができたんだ。」程度の感覚でしたので、あまり深く考えることもなく過ごしてきました。けれど、何となく気になり、家に帰ってから調べてみたのです。

 内閣府のホームページによると、国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定されました(施行は一部の附則を除き平成28年4月1日)。という内容ですが、条文を読んでも何だかよくわかりません。そこで、日本障害者フォーラムが作成した、「障害者差別解消法って何?」と題した冊子を見ることに。

 これまで「障害」とは、目に見えない、歩けないなど、その人が持っている性質だけから生じると、多くの場合考えられてきました。しかし、それだけではなく、そうした個人の性質のため、働けなかったり、さまざまな活動に参加できなかったりするような社会のしくみ(人々の偏見、建物や制度など)にも問題があり、そのような社会のしくみと人のかかわりから「障害」が生じると考えられています。

 また、社会でさまざまな活動をする時に、障害のある人が、障害のない人より不利になることが多く見受けられます。今までは、そうした不利の原因をその人の持つ機能障害のせい、と考えてきました(「障害の医学モデル」の考え方)。しかし、国連でつくられた障害者権利条約は、機能障害のことを考えないでつくられた社会のしくみ(社会的障壁)に原因がある、としました。

 今回の「障害者差別解消法」は、昭和45年に制定された「障害者基本法」の第四条、①差別する行為を禁止し、②社会的バリアを取り除くための合理的な配慮をしないと差別になる、と定めているものを具体的に実現するための法律ということが言えます。

 考えてみたら、昭和45年の障害者基本法から40年以上経過しても道半ばというのは、「差別」というのは永遠の課題のような気がしてなりません。人種、宗教、国籍などなど、「人類みな兄弟」という言葉に真実味の感じられないことばかりですから。

 気になる事柄をちょっと立ち止まって考える事、日常には必要な事なんですが中々出来ませんね。

 

 

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いつもの場所で

 今日もいつもと同じように家を出て、開店の準備をしながら不足したコーヒー豆を焙煎しました。その日によってケーキを準備したり、クッキーの生地作りなどを行うのですが、開店後に来店される方のために、少しばかりトーストと卵も用意します。

 実のところ、お店を始めてから頻繁に来店される、ある年配のご婦人のためにトーストと卵を用意しているというのが本音かもしれません。「私はコーヒーの味は分からないけど、ここのコーヒーは美味しいわ。」そう言いながらカウンターの隅に座り、「ありがとう。」と何度も言ってコーヒーを飲み、美味しそうにトーストを食べられます。卵は決まってスプーンで叩いて殻を割り、こぼさないように注意をはらっている姿を見ながら、高齢にはキツイ距離を歩いてこられる様子を想像し、「今日もお会いできて良かった。」と思うのです。

 そんなお客さまがいつも座られる場所に空白の日が続くと、ついつい心配になるのですが、どうも入院されたという話を聞き、心配と同時に寂しくなるのでした。

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コンビニコーヒーは、・・・

 定休日を利用して「コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか」川島 良彰著(ポプラ新書)読んでみました。これまで川島さんの本を読んだり、何度か講演を聞いてきていたので、興味を持って読み進めましたが、意外にも「コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか」の答えは特別なものではありませんでした。 

 むしろ、この本は、川島さんのコーヒーに向き合う姿勢を、これまでに取り組んできた事柄を中心に記したものになっていることは、目次を見てもうかがえます。

第1章 コンビニと高級ホテル、コーヒー価格の差はなぜ生まれるのか
第2章 まずいコーヒーには理由(わけ)がある
第3章 品質基準を明確にし、品質のピラミッドを作るために
第4章 なぜ、JALのコーヒーがおいしくなったのか
第5章 生産者と消費者は対等なパートナー
終 章 コーヒー屋ほど面白い商売はない

 これまでに、川島さんが発信してきた内容を分かりやすく噛み砕いたものとなっており、特に目新しい情報はなかったのですが、むしろ、巻末の石脇さん(石光商事)との対談の方が、気心の知れた間柄が分かる本音の会話で面白かった。

 コンビニコーヒーが企業努力によって美味しくなっており、今後も変化し続けるであろう内容は、コーヒーを扱う自分にとっても、真面目にコツコツと良い物を提供し続けなければいけないと感じさせ、明日も美味しいコーヒーを出したいと思わせるのでした。

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コーヒーを飲みながら

 お店に来店される方の多くは、コーヒーを飲みながら、友人と共に楽しい会話をすることを目的にされていますが、一人でコーヒーを飲みながら、雑誌や本を読む方や、カウンターに座ってコーヒー談義や世間話を楽しむ方もあります。

 それぞれのお客様がコーヒーを楽しむ時間を満足していただくため、どんなことができるのだろうかと色々考えるのですが、一番難しいのが、カウンターに座ってプライベートな話をされる時、ドラマのような気の利いた言葉が出ない事です。あたりまえと言えばそうなのですが、ウイットに富んだ話や、センスのある会話はまだまだ未熟な私には無理なのです。

 気の利いた言葉が出ない分だけ、少しは美味しいコーヒーを淹れようと、お客様の好みに合った豆を選びながら提供している日々です。せめて、コーヒーを飲みながらリラックスした時間を過ごしていただきたいと思っているのです。

 今日も、初めて来店される方が何組かありました。お帰りになった後に、「満足していただけたのだろうか?」って、ちょっとだけ気になります。

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SCAJ 2015(2)

 普段と違う環境に自分が入ると、感覚が鋭くなったり、高まる緊張感で見るもの聞くものが新鮮に感じるものです。SCAJ2015の会場で行われた、バリスタチャンピオンシップ準決勝を観戦しながら、若い人たちがチャレンジする姿を見るとワクワクしちゃいます。

 15分間でエスプレソマシンを使ったコーヒーを3種類提供するこの競技は、限られた時間の中で豆や抽出を通じて、一杯のカップに込めた想いを演出効果たっぷりに提供するものですが、こんなお店があったら高くても飲んでみたいという思っちゃいました。実際には、チャンピオンになったお店は大繁盛し、バリスタは並ぶお客様を横目でマシンとにらめっこになるんだろうな~?あくまでも競技なのだから仕方がないか。

 競技会の後に参加したのが、ルワンダの生産国セミナーです。以前、名古屋のJICAでもルワンダに関するセミナーがあって、当時の駐日大使がスピーチされましたが、今回は一か月前に赴任されたばかりの女性駐日大使です。なかなかパワフルな方で、女性はやっぱり凄いです!(男性が情けないのか?)

 ルワンダのコーヒー生産に関する具体的な内容を知ることができましたが、特に日本の青年海外協力隊として活動している男性からの発表は、現地の生産国としての目線と違って、日本人としての感覚で感想を述べられていることもあり、興味深く聞くことができました。

 セミナーの中で4地域のコーヒーを試飲し、興味をもったものが2種類ありましたが、実際にお店で取り扱うかはまだ未定です。ですが、こうした特別な場所に来ると、わざわざ臨時休業してでも遠く離れた東京に来る甲斐はあったと感じます。

 

 

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