■2023年9月 ブログ

第3回 CHALLENGE COFFEE BARISTA

東京へ出かけた二日目、928日の午後は、「第3回 CHALLENGE COFFEE BARISTA」を観覧するため品川プリンスホテルへ行きました。第1回がコロナ禍のためオンラインのみの観覧でしたが、第2回目からは応援又は一般での観覧参加も可能となったことから、今回が二度目の観覧となります。

『障がいのある方たちのバリスタコンペティションを行い、「技術の向上」と「新しい雇用の創出」を目指すために開催しています。コーヒーを通して、障がいの有無に関わらず、すべての人がその人らしく活き活きと、命を輝かせて生活できる「インクルーシブな社会」となることを願い企画いたしました。』という大会趣旨に興味を持ち、未だ見ぬ「インクルーシブな社会」とは何かを考えるため観覧してきましたが、今回、少し変化が見られました。

その変化の一つが、技術審査とブレンド審査の順番を入れ替えたことです。昨年はブレンド審査後に技術審査が行われたため、競技参加者の緊張感が長く続いてしましたが、先に技術審査が終了したことで、ブレンド審査に参加した表情が柔らかく会話も多くありました。緊張から解放された笑顔も見られました。

また、スポンサー紹介をブレンド審査時間中にモニターで行い、効率的に消化することが出来ている。MCの女性も誤読も少なくスムーズに進行していました。欲を言えば、ブレンド審査は紙に書いた結果を集計するのではなく、会場内に10個のボタンを設置し押してもうなど、結果をモニターに数字等で表示すれば臨場感や共感を得られる上、集計時間が短縮できて早く審査結果が出せると思います。そもそもチーム名を伏せたブラインド審査なのですから、どのコーヒーが美味しいと評価されるのかリアルタイムで分かることには問題がないのでは。

今回、会場に入って一番驚いたことは応援者や一般観覧者が多い事です。関東圏以外の参加チームが半数あることから、本社機能を持つ企業の多い都市部のチームは、障害を持っている人の雇用促進と安定を目指し、事業主が障がい者の雇用環境や勤務時間に配慮できる特殊子会社を設立してカフェ運営をするところもあります。そのため、会社同士の名刺交換会のような景色が少なくなり、地方の家族的で楽しい応援団が多数みられ、大会を盛り上げてくれていました。

以下は技術審査を見ていた感想です。

1 軽井沢 ひまわり (長野県北佐久郡)

最初のチームということもあり緊張する様子が見て取れました。その為かカップに注ぐ量がまちまちになってしまった。

2 焙煎所諏訪ひまわり (茨城県日立市)

カフェ設立という目標が明確にあり、競技として何をすべきか考えられている。最初に審査員へタイ語とスペイン語で挨拶や、「いいよ!」「せーの」といったチーム内での声掛け、褒め合うことで一体感が生まれているが、そうしたパフォーマンスに拘り過ぎたのか、タイムオーバー気味なのが気になる。

3 SKY CAFE Kilatto (東京都品川区)

 焙煎所諏訪ひまわりとは対照的で、スマートな動作は日頃から行っている安心感がある。抽出やコーヒーの提供は無駄がなくクオリティーは高いが、前者と評価の別れるところではある。

4 ACCEPT COFFEE ROASTER(S) (兵庫県西宮市)

 「ブラックコーヒーが飲めない人が作ったコーヒー」と正直に言ってしまうところが良い。競技の練習をする中でブラックコーヒーが飲めるようになり、抽出後に試飲をしてから提供するスタイルにしたようで工夫がみられる。ただ、コーヒー豆を多めに挽いてから計量するため、二度目の方には挽きたてが提供できないのでは?

5 Café de Bell (東京都港区)

 普段から働いている様子が想像できる手際の良さ。前のチームが使用したコーヒーの香りが移らないよう、少量の豆を一度挽いてから使用する豆を投入している。さらに、挽いたコーヒー粉を茶漉しで微粉を取り除く芸の細かさ。

6 HINARI CAFE (東京都港区)

 Café de Bellと同様に、前のチームが使用したコーヒーの香りを取り除く工程あり。ただ、ミルから直接ペーパーへ粉を落とすことへの評価が気になる。(私がいつもやっていることだけど)

7 冬青(そよご)珈琲チーム (愛知県長久手市)

 車いすのメンバーが一人入っている。そして、車いすに乗りながら抽出を担当するため、テーブルの高さ調整が必要だと感じた。臨機応変に対応できなかったのだろうか?

注湯の3回目に湯温を下げる工夫や、別のサーバーを使用して抽出後の撹拌をしてから試飲するなど、細かな動作があるが無駄な動きともとられる。

8 コーヒー工房しらはま (神奈川県藤沢市)       

 サーバーに「ここまで↓」と書いたシールが有ったり、カップにコーヒーを注ぎ過ぎて減らすなど、学生らしい未熟さがみられた。

9 HUG CAFE (兵庫県宝塚市)

 チーム紹介が好印象。障害の内容が他のチームと異なるため、どう評価されるのか気になった。しっかり練習したことが見て取れる。

10 チームばっぺーた (沖縄県宜野湾市)

 カフェで働いているだけあって手慣れており安心感がある。

 今回3回目目でありながら大会参加希望チームが大幅に増えたといいいます。次回はブロック予選と本戦という形式を考えられているようで、規模が大きくなり素晴らしいことです。ただ、同時に個々のチームの障害の内容や程度をどのように判断するのかといった競技運営的な面や、参加したチームがその後どのような活動をしているのか?大会参加が意味あるものになっているのかの検証も必要だと感じます。コーヒーというビジネスで新しい雇用が創出できるのか?まだまだ先を見てみたい気持ちになります。

 最後に、大会運営に携わっていたボランティアが昨年と比べ浮足立った感が無い。技術審査が先に行われたことで競技参加者の緊張感が伝わり刺激になったのか、ボランティアの年齢層が高くなったのかは不明ですが、印象はとても良かった。そして、長時間立っているのが辛いので、椅子が欲しい!

 

 

 

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SCAJ2023のセミナー

二日間、SCAJ2023のイベント期間中に3つのコーヒーセミナーへ参加してきました。一応、ここに記録しておきます。

■ダテーラ農園・マスターピース2023試飲会

ブラジルのミナスジェライス州・パトロシーニョ市に位置するダテーラ農園は、2750haという広大なブラジルを代表するコーヒー農園です。2750haというと釧路湿原の2,700haと同じくらい、もっと分かりやすく言えば山手線の内側とほぼ同じ広さになります。このダテーラ農園では、クラシックラインと呼ばれるブラジル独特の香味を待つ豆が75%生産されており、残り24%がコレクションラインと呼ばれ、よりエレガントで、より甘い特性を持つ豆、さらに、今回カッピングを行ったマスターピースと呼ばれる1%のコーヒー豆が生産されています。

 ダテーラ農園のマスターピース・カッピングは20199月にUCC神戸で行った経験があり、個々の豆にはブラジルの音楽や文学、神話になぞらえた名が付けられていました。今年はコーヒー生産を始めた1993年から30周年、オークション開始から10周年となることから、それぞれ記念となる年数が表記されています。

 2019年の際には、エアロビック2種類、アナエロビック11種類、そしてハニーが2種類でしたが、今年は15種類全てがアナエロビックで、イースト発酵や発酵時間の微妙に変えたバリエーションになっています。中には珍しいYellow Gesha 、Yellow Aramosa Paraiso Organicといった品種もあり興味深かったのですが、ここまでアナエロビックにしてしまうと、本来のコーヒー豆の持つ香りってなんだったんだろう?って逆に気になります。

■高品質コロンビアコーヒーの特徴を差別化するための生産工程における革新

FNCコロンビアコーヒー生産者連合会の研究センターCenicafé(セニカフェ)から、ヴァレンティナ・オソリオさんによる講演会です。「革新」とあるため、またもやアナエロビックを中心とした話かと思ったら、環境・土壌・天候に合った品種の選定や、適切な状態での収穫や精選がいかに大切かをデータに基づいた説明が行われました。

Cenicafé(セニカフェ)は1938年に設立され、研究農園として始まり、現在は、おそらく最も古く、世界で最も大きいコーヒーの農学研究でもあります。バイオテクノロジーを駆使して丈夫で品質の良い苗木の遺伝子を研究したり、害虫や病気のコントロール、投資や労働の効率を改善して作物の生産性を高め、農園の経営を良くすることなどを研究しているところです。

コーヒーの実の完熟度合いによって有機酸や多糖類が増えることや、発酵時間が長ければコーヒー豆の評価となるスコアが良くなる訳でないことをデータとして検証されていました。また、生豆の水分量による食品安全性についても検証されています。ただ、こうしたデータに基づいた研究が現場のコーヒー生産者にどのように届き、活かされるいるかが少し不明な点もあります。

■キリマンジャロコーヒー~キリマンジャロコーヒーの試飲とタンザニア生産者・輸出者のご紹介~

 5月にUCCコーヒーアカデミーで行われたタンザニアコーヒーのセミナーへ参加したため、また同じスタッフじゃないですか?と思っていたら、今回は、生産者や輸出業者への仲介を目的としたセミナーのようです。

 それぞれの農園や輸出業者が扱うコーヒー豆を実際にカッピングしますが、セミナー参加者が多いのに30種類もカッピングするため、カッピング用のテーブルは渋滞状態でした。30種類の中でロブスタが4種類ありましたが、意外にもロブ臭の少ないものもあります。また、ドライの状態でナチュラルやハニーを強く感じても、実際にカッピングすると期待するようなコーヒーではなかったりと、カッピングの面白さも味わいます。 

 コロナ禍以降、こうしたコーヒーに関するセミナーを受講する機会が減った私にとって、今回は貴重な体験をした二日間になりました。

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水素焙煎珈琲とゲイシャソフト

27日と28日の二日間を使用し、東京ビッグサイトで開催中の、「SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2023SCAJ2023)」へ行ってきました。このイベントに2014年から出かけているのですが、今年は過去最大級の出店と来客数になるのではないかという人気ぶりです。

 以前は、ロースター、レストラン関係者、自家焙煎店や開業予定者の名札が目立っていたのですが、今年は一般の来場者が大変多かったように感じました。そのためか、生豆商社関係のブースよりもカフェ飲料や抽出関連雑貨といったブースに人が集まっていました。

 とりあえず、片っ端から試飲をしまくってコーヒーをチェックしながら各ブースを巡ります。ついでに、コンビニ部門のセブンカフェでブルマンブレンド、ファミマでエチオピアブレンドも飲みますが、100円代の価格でコーヒーを提供できる事業規模に改めて驚かされます。

 そんなことを思いながら歩いていると、高速道路のサービスエリアにあるコーヒー自販機のトーヨーベンディング㈱のブースでは、コーヒールンバのメロディーが流れる自販機が2台設置され、パナマゲイシャの試飲をしておりました。SCAJ2023のイベント用で、現実に採用予定はないようです。

 会場内には焙煎機の展示も多くあるものの、どちらかといえば家庭用の小型焙煎機が多いように感じます。いったいどれくらいの方が家庭で焙煎されるのか分かりませんが、興味深く拝見しました。また、ロブ臭の少ないベトナムのコーヒーや、カスカラシロップにスパイスを加えたクラフトコーラなども魅力的でした。

 気になったのは、入場口近くにあるUCCのブースで、水素焙煎コーヒーの試飲と説明がなされていたことです。一般的に大規模工場では焙煎の熱源に天然ガスが使用されていますが、UCCでは燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素を熱源とする水素焙煎機及び、水素供給システムの開発・実装を進めているそうです。

 この焙煎機は水素・化石燃料の単独、併用の使用も可能で、微密な焙煎プロファイルコントロールによって、既存の熱源よりも多彩な味覚表現が可能だと謳っています。試飲はコロンビアSUP100%の豆でしたが、特別感は無かったような気がします。(あくまで個人の感想です)

 この素晴らしい水素焙煎機を全ての工場で稼働する計画があるのか担当者へ質問すると、あくまでも従来型の焙煎機と併用し、一つの焙煎方法として取り入れるんだとか。まあ、水素供給システムの開発という課題もあるだろうし、そもそも水素を脱炭素で精製できるかというのもあるからな~。ちなみに、アンケートに回答して水素焙煎珈琲50gをいただきました。

 もう一つ気になったのは、長蛇の列が出来ていたサザコーヒーのブースです。ブースの上に「ゲイシャを食べるソフトクリーム」と書かれており、ゲイシャのコーヒー豆をマイクロパウダーにしてソフトクリームに練りこんだゲイシャソフト(1,000円)が大人気です。並ぶのが大嫌いな私ですが、列が少なくなったタイミングで列に入り、ゲイシャの香りがするソフトクリームを食べました。(まあ、こんなもんね) 

 この二日間の間には三つのコーヒーセミナーも聴講し、コーヒー漬けの生活をすることができました。ただ、疲労はピークに達しており、昨晩は久しぶりに爆睡したしだいです。体力の衰えを感じた、SCAJ2023といったところです。

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世界を旅するコーヒー事典

 週末に予約していた、『世界を旅する コーヒー事典』(著:川島良彰)が届いたので、定休日の月曜日に店で作業しながら読みました。副題に「旅するように学ぶ、世界のコーヒーの基礎知識」とあるように、本文の8割が世界のコーヒー産地を紹介しています。アフリカ・中東編、アジア・太平洋・北米編、中米・カリブ海編、南米編と、なんと36の国や地域を網羅し、大変楽しく読むことが出来ました。

 とはいえ、「基礎知識」とはいうものの、川島さんのこれまでの活動内容を少しは知っている私には、「あの時は、そうだったのか。」、「あれから、そんなことになっているのか。」という楽しみ方ができるのですが、予備知識のない人には果たしてどれくらい「旅するように学ぶ」ことができるのでしょうか?

 ましてや、コーヒー産地が植民地時代を経験し、冷戦時代の代理戦争となった内戦や民族間の争いなど、本書をきっかけに一歩踏み込んで学ぶことのできるエッセンスが多数盛り込まれてはいても、いったいどれだけの人が知ろうとするのか気になってしまいます。

 世の中が、「スペシャリティーだけがいいコーヒーだと思う人」や、「貧しい人から買ってあげよう」といった誤った感覚を持ったままでは、「コーヒーの品質に関心を持つ」物差しも本来とは異なってしまいます。

 そのためには、消費者が賢くなければいけないと同時に、コーヒーの販売に関わる人々が正しい基礎知識を持つべきであり、そのために「コーヒーの基礎知識」という副題なのかなとも思ってしまいました。そのうえで、消費者は生産者の現状を知り、生産者は消費者国の市場を知り「互いを理解する」とのになるんでしょうね。

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孫の写真

先日、現代陶芸美術館(多治見市)で三島喜美代さんの作品を観てきましたが、90歳を超えながらも未だに、「好奇心が一番。そして実現するまで諦めない。面白いことばっかりやってきて今がある。命懸けで遊んでます。」という三島さんの言葉に刺激を受けました。

日頃から興味のあることには「なぜ?」を繰り返しながら、実際に体験してみたり、見てみたりを実践してはいるものの、はたして自分が成長しているのかといえば?マークがついてしまいます。サラリーマン時代には、部下社員の育成を目標にしながらも、自分が成長できる状況ではなくなり、新たな環境に身を置く意味もあって珈琲屋を始めました。そして、これまで多くの刺激を受けながら取り組んできたところです。ところが最近では、何だか燃料不足気味といった感が否めません。

そんな時、娘から孫の写真が送られてきました。2か月前まではハイハイも出来なかったものが、今では捕まり立ちを頻繁にするようになったそうです。子供だから当然なのでしょうが、成長よりも加齢による後退を防いで現状維持を願う私とは大きな違いです。孫の成長に目を細めながら、まだまだ奮起しなければと思ったしだいです。

そんな自分に刺激を与えるため、来週には東京へ出かけて「SCAJ2023」の空気に触れながら、産地セミナーを聴講したり、様々なコーヒーを飲みまくって、コーヒーにたっぷり浸ってこようと計画しています。そして、「3 CHALLENGE COFFEE BARISTA」も観覧し、自分の知らない世界へ首を突っ込んでみます。 

田舎のちっぽけな珈琲屋ですが、時には孫のように捕まり立ちしながら違う景色を覗いても良いかな?と思いました。

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Googleで

先週のとある日、珍しく混み合う時間帯があり、カウンターに座る方が何組かありました。カウンター越しにちょっとだけ会話をすると、最初は愛知県瀬戸市からのご夫婦、二組目は愛知県春日井市からの女性三人組、そして最後は愛知県豊川市から来店された女性二人です。いずれも県外からのお客様で、ショッピングや観光をした後にGoogleで検索して店選びをしたそうです。

 まめ蔵を選んでいただいたのは有難いのですが、果たして満足いただけたか気になる所でしたが、幸いにも会計時には「美味しかったです。」、「来てよかったです。」と言って頂けたので一安心しました。でも、Googleの口コミってのも当てにならないですから。「あくまでも個人の感想です。」という程度の情報です。私自身は、Googleや食べログで店探しはするものの、口コミの内容は全く気にしていません。基本は運任せで店へ突入しています。(よって、まめ蔵の口コミも読まない。)

 Googleでお店探しをする際、Google マップで位置を確認するのですが、時にはストリートビュー機能を使って実際の店舗の様子を見たりします。そのストリートビューの画像が結構古いものだったので、まめ蔵に来店されたお客様から、「全く店舗が映っていなかったから心配だった。」とか、「前は薬局やってたんですか?」などと言われたものです。

 ところが、最近になってストリートビューが更新されたようで、ちゃんと現在の状態が見られるようになりました。ストリートビューカーが店の前の道路を走る姿を見てやろうと思っていましたが、残念ながら見逃したようです。 

 この世の中には、便利でお節介な情報が山のように溢れています。自分一人で留めておけば良い情報も、コメンテーター気取りで書き込むことに喜びを感じる人も多く、惑わされることも多くなりました。だからこそ、運任せで店へ突入し、時には失敗も経験しながら店探しをするのも楽しいものです。

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遊ぶ 見つめる 創りだす

祝日の定休日を利用し、現代陶芸美術館(多治見市)で『三島喜美代~遊ぶ 見つめる 創りだす~』(916日~ 1126日)を観て来ました。三島喜美代(1932年生まれ)さんは、大阪市と土岐市を制作の拠点として活動されており、土岐市内にも作品が屋外に展示されています。

20216月の産経新聞による取材では、「わたし、ゴミば~っかり作ってます。」と答えているとおり、新聞や雑誌などの印刷物は読み終えたら無用のゴミとなることに着目し、廃棄物を割れやすい焼き物の陶器に置き換えています。「溢れる情報への危機感や情報化社会の現代性」、「脆さ、不安感、危機感」を表現した作品が多数展示されており、少年雑誌や週刊誌の記事が転写や手書きで内容が、「それ見たことある!」と思わず声が出てしまいました。

1932年生まれということで、現在90歳を超える高齢を考えると、「何とエネルギッシュなことか!」と思っていたら、今年2月の東京新聞取材では、「好奇心が一番。そして実現するまで諦めない。面白いことばっかりやってきて今がある。命懸けで遊んでます。」とのこと。私も好奇心旺盛で、面白そうなことに首を突っ込んではいるものの、何かを実現するまで諦めないようなものがありません。ただただ、遊んではいるけれど。(命懸けでもない) 

ちなみに、先週の土日は臨時休業し、二人の娘たち夫婦と私達夫婦の三組で、静岡県伊東市へ家族旅行をしてきました。伊東市の観光名所で遊び、見つめ、名物の山葵漬けを作ったしだいです。まあ、簡易版『まめ蔵~遊ぶ 見つめる 創りだす~』といったところでしょうか。 

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もうヒガンバナが!

今朝、自宅のリビングの窓から庭を見ると、ヒガンバナの花芽が何本も出ているのを見つけました。先日までは何も無かった所に突如、アスパラガスのようにニョキニョキで姿を現し、先端には苞が見られ、数日中には赤い花の蕾が顔を出すことでしょう。そして、お彼岸前には放射状に広がる花を咲かせます。確実に秋を迎えていますね。

朝ドラの牧野万太郎は、「雑草という名の草はない。草花には、そこで生きる理由がある。」と言っているとおり、ヒガンバナの根は河原の土手や田んぼや畑の畦道をしっかりと固めてくれ、雑草を駆逐してくれることから、農家が田んぼや畑の畦道に植えていました。さらには、球根の有毒性や臭いによる効果で、モグラやネズミの被害にあわないといいます。

ヒガンバナの球根には、リコリス属(ヒガンバナ属)の植物に見られる、強い毒性のある「リコリン」という物質が含まれており、人間が誤食すると死に至る場合もあるそうで、子供の頃から球根には毒があることは知っていました。ところが最近になって調べてみると、そのように強い毒を持つにも関わらず、飢饉や戦争などで食料が不足した時の食糧とされた時代もあったようです。江戸時代頃まで、根茎を数日間水にさらして毒抜きをし、でんぷんだけを取り出して非常食にしていたようです。(試しませんが) 

 日中は最高気温が30℃を超える日が続き、まだまだ残暑厳しいですが、確実に季節が変化していることを実感した朝でした。

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電話の声

「〇〇です。」、いつも名字ではなく、名前のみを名乗るお客様です。「コロンビア二つですね。ありますよ。」そう伝えると、「じゃあ、後から行きます。」と返事があります。いつも簡単な会話のみですが、それだけで通じるお客様は、店から30m程の自宅から歩いて来店されます。

 「マスター、席、空いてる?」、週に何度か来店される二人組のお客様は、毎回、運悪く混み合う時間に来店されるため、「まめ蔵はコメダになっちゃったな~!」と愚痴を溢すことが多くなりました。「たまたまですよ。いつもはガラガラですから。」そう返事をしても、「オレらの指定席に座れなくなったワ。」と嘆いておられます。

 「○○ですが、仕事帰りに寄りますから5時過ぎます。」、そういって電話をくれるのは、タンザニアの浅煎りが好きな奥様のため、自宅への帰り道を遠回りして来店されるお客様です。在庫が無い時には急いで焙煎しますが、そんな時はいつもより嬉しい気分になります。家族への気持ちがこもったコーヒーを焙煎できる喜びが加わるからです。

 「○○です。お久しぶりです。」、そうやって旧姓のまま電話をくれるのは、土岐市内で仕事をしていたものの、いろいろあって実家へ帰った女性です。今では結婚もし、新しい職場で活き活きと働く様子を電話で話してくれます。数か月に一度くらいコーヒー豆を電話注文してくれ、そのたびに電話の声のトーンが変化し、少々気にかけていましたが、今回は地元の方言が沢山出てきてホッとしました。すっかり馴染んだようです。 

 お店の電話には、様々なセールス電話がかかってくることが多いのですが、このようにホッコリする電話も時々かかってきます。でも、稀に「モーニングありますか?」って問いには、「メニューにはありません。」とはっきり答えています。一応、珈琲屋ですから。

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秋色

9月に入り、朝晩は涼しさを感じるようになりました。そんな時期に我が家では、毎年のように松茸料理を食べに行っていたのですが、最近めっきり足腰が弱くなった母親のために、料理のテイクアウトを取るようになりました。今年も9月早々にお店に連絡し、仕事帰りに車で持ち帰ると、しばらくの間、松茸の香りが車内の残っておりました。

 そんな折、お客様から美濃加茂市にある、山之上農園の梨「秋月」を頂きます。先日、妻が購入した、「幸水」、「南水」に、頂いた「秋月」と三種類の梨を食べ比べることができます。果汁が豊富でみずみずしく、甘さと酸味のバランスも絶妙な「幸水」、梨の中でも特に甘さに優れた品種として知られる「南水」、新高と豊水を交配した品種に、さらに幸水をかけあわせ、和梨を代表する品種それぞれの良いところを併せ持つ「梨の完成系」と呼ばれている「秋月」。ゆっくり堪能させていただきます。

 よくみれば、松茸料理も梨もみんな茶色です。とある、秋のイメージの色を問うアンケートによれば、1位は「茶・ブラウン系」(約62%)、2位は「橙・オレンジ系」(約50%)、3位は「黄・イエロー系」(約29%)となっているそうです。まさに秋色づくしの物を食べております。

 そして、近いうちには「栗きんとん」や地元名物の「いもういろう」と、美味しい物が揃ってきます。夏場に数キロ痩せてきたのに、急に食欲が増してきて元に戻るんではないかと心配しているしだいです。

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製氷機、おまえもか!

先週から製氷機の調子が悪くなり、いつもの大きな氷ではなく、水っぽい小さな氷ばかり作り出します。しまいには本体横から水がチョロチョロと流れ、明らかな水漏れの症状が出てきました。修理業者に依頼しようにも営業中には修理できないため、何とか週末を乗り切ろうとコンビニで氷を買ったり、100均で氷を作るトレイを買って応急処置をしました。エアコンといい、「製氷機、おまえもか!」といった気分です。

 そして、定休日に保守業者へ連絡して修理を依頼すると、担当者が夕方に店へやってきてきれました。そして、製氷機を覗くと、「給水用の電磁弁の一部に亀裂が入っています。」とのこと。良く見ると、樹脂製の水バルブに亀裂が見て取れます。「この亀裂から水漏れしているため、充分に製氷板に水を吹き付けられないので大きな氷にならないんです。」と説明を受けます。

 初めて知ったのですが、業務用製氷機が氷を作る仕組みは、製氷機上部に設置された格子状の金属製の製氷板へ下から水が吹き付けられ、その吹き付けられた水が徐々に冷却され凍っていくのです。出来上がった氷の中央が凹んでいるのは、下から吹き付けられた場所になります。

 そんな製氷機の仕組みを聞きながら雑談していると、エアコンの修理業者と同様、保守業界は人材不足とのことで、特に若い方の離職率が高いことを知ることになります。今回も、本来の担当エリアの人が退職意向を示しているため、エリア外の方が訪問してくれました。この方、実は前職でコーヒーマシンの設置や保守をしていたそうで、コンビニやスタバなのどのカフェチェーンでの私見を話してくれ、中々興味深い話を聞くことが出来ました。不幸中の幸いって感じです。 

 そんなこんなで製氷機は無事修理が完了し、今日も大きな氷を沢山作り出してくれます。アイスコーヒー、バンバン作れますよ~!

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ガレリア織部へ

多治見駅裏にある「ガレリア織部」で行われている、『中山尚子展 九月の庭』(92日~914日)を妻と一緒に見に行ってきました。中山尚子さんといえば、まめ蔵の店内に飾ってある絵を描いた方です。ここ何年間は宮沢賢治や新美南吉といった作家の童話を題材にした絵を見てみましたが、他にも音楽や海外の童話をモチーフにした作品が多くありました。

 案内状に描かれた作品は、新美南吉の「デンデンムシ ノ カナシミ」を題材にされた作品で、7月に瑞浪市地域交流センターで行われたアートキューブ展覧会にも出品されています。童話の内容はちょっと後ろ向きな感じがして好きではないものの、悲しみを抱えたデンデンムシが水面に人の姿となって投影され、なんだか癒されてしまいます。

 同じ新美南吉の作品でも、「うた時計」は村の少年が「清廉潔白の廉だよ。」と自分の名前を言い、「清廉潔白というのは、なんにも悪いことをしないので、神様の前へ出ても、巡査につかまっても、平気だということだよ」と言われたことで、時計屋のドラ息子が実家から盗んできた時計を返すといった、ちょっと微笑ましいのが好きです。

 案内状には次の文面も添えられていました。『園芸業を営む主人との暮らしの中で植物は常に近くにありました。園芸のお仕事を手伝いながら43年間、絵の仕事も続けてきました。最近は庭作りに力が入り季節のうつろいが絵の中にも入り込んでいます。ガレリア織部での展示空間に合わせ沢山の新作を制作しました。ご覧いただけましたら幸いです。』とあります。多くの作品に、園芸と同じく地面に近い目線で描かれた作品が多かった印象です。 

 タイトルの「九月の庭」には、そうした園芸業からくる言葉なのでしょうが、私には、9月は夏から秋への季節の変わり目と同時に、秋雨と呼ばれる多雨な季節であり、台風も多く上陸する季節を想像させます。背の高い植物は支柱を立てたり軒下に取り込む準備をし、涼しくなってくることから、植物が元気を取り戻せるよう追肥をする時期を考えると、人間も何かしら体力をつけたり知識を増やし、今後に備える季節だと感じました。

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今年も行きます

コーヒーに特化した国際見本市「SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2023SCAJ2023)」が、9月27日(水)から29日(金)まで東京ビッグサイトで行われます。今年も、コーヒー関連の取引業者に招待券を送ってもらい、事前登録を済ませて27日・28日の二日間出かけることにしました。

SCAJ2023のテーマは”Celebrating 20 years of SCAJ with you!”だそうです。SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)設立から20周年にあたり、皆さんと一緒に祝いましょう!っていわれても、SCAJの会員でもない私にはピンときませんが、こうしたイベントがあることで様々な情報を自分の目で見て感じることができるため、感謝はしたいと思っております。 

そんな訳で、9月27日・28日の二日間は臨時休業となりますから、どうぞご理解願います。

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