■ 2021年4月 ブログ

今は根を張るとき

 今年もゴールデンウイークを前にして、緊急事態宣言や非常事態宣言が発出されています。1年前から「お願いします!」を繰り返しているのですから、緊張感も薄れて「お願い」という言葉が薄っぺらく感じてしまう気持ちも分からなくもありません。しかし、本当は人の動きを徹底的に止めて感染拡大を止めなければなりません。既に、大阪では医療崩壊が起こっており、自宅での待機中に亡くなる人が増えているのですから。

 意図を持って偽ったり誇張して伝える人、それに対し真摯向き合う人や目をそらす人、さらには無関心な人、そんな人間を嘲笑うかのように新型コロナウイルスは変異し続けています。全ては人間の行いから生じていることなのですから、個々の人間がどう対処するかにかかっているのですが。

 感染しない、感染させないことを考えながら昨年から席数を減らすなど、コロナ禍での営業を続けていますが、今のように来店客数の減少傾向が続いているのを見ると、「いったい何時まで続くんだろうか?」と不安になったりします。そこで、まもなく4月も終わる頃になったこともあって、昨年の1月~4月までの実績と比べてみることにしました。

 一番気になる来店客数ですが、昨年比84.7%と意外にも減少幅は少ないと感じています。平日の来店客数が少ないことから、70%以下だろうかと考えていたためです。実際は週末の来店客数が増加しカバーしていたのでした。そして、来店客数×客単価=売上となるように、売上も同様に減少しているかといえば、93.2%とそこまで落ち込んでいないのが実態です。その理由は、コーヒー豆の売上が111.1%と前年を上回っているためです。

 昨年には、来店客数の減少は6月以降になると徐々に回復し、11月まで大きな減少は見られませんでしたが、今年はワクチン接種が進むまでは回復しないだろうと考えています。そうなると、コーヒー豆の販売が多少多くなっても全体の売上をカバーするのが難しくなりそうです。まあ、こんな時には背伸びせず、今は見えない所に根を張るときなのでしょう。長い間にはそうした時間をいかに過ごすかが大切になってきますから。

 コロナ禍で暗い話ばかりかといえばそうでもなく、嬉しいこともたくさんありました。以前、初めて彼女を紹介してくれたお客様が婚約した報告をしてくれたり、ふるさとに帰ったお客様が、4月から小学校の教諭として奮闘していることを話してくれました。また、実家の仕事を継ぐために次々と新たな挑戦をしている様子を話してくれる方など、自分の子供たちのような若い方から刺激を受けることもたくさんあったのです。 

 人との関わり方が希薄になったと言われますが、カウンター越しに楽しい話題は尽きません。珈琲屋になってよかったと思える瞬間です。

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曼陀羅寺公園へ

 先週は郡上へ芝桜を見に行きましたが、今週は愛知県江南市の曼陀羅寺公園へ藤の花を見に行ってきました。もっともその前に、家族から頼まれた自宅の網戸の張替えを済ませてからですが。

 愛知県江南市の曼陀羅寺公園は、後醍醐天皇の勅願で建立された曼陀羅寺のお隣にあります。昭和45年、曼陀羅寺の一部(藤棚の部分)を江南市の管理として提供したのが、曼陀羅寺公園の始まりです。今では藤の花の名所となっており、五月の連休を挟んで藤まつりが毎年行われますが、今年も新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止となりました。 

 月曜日の平日とあって訪れる人は少なく、12種類約60本が色鮮やかに咲き誇っている藤棚の下を歩きながら、甘い香りを楽んだものの、僅かな滞在時間で再び車に乗って帰ってきました。感染防止を意識して人との接触を避けた行動となると、何とも味気ないものになってしまいます。

 週に一度の定休日には、様々な花を見ながら目や心を休ませてることが、何よりも楽しみな目的になっています。

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岐阜県の非常事態宣言

 『新型コロナウイルスの感染拡大を受け、岐阜県は23日、県独自の非常事態宣言を発表するとともに、緊急事態宣言に準じた対応が可能となる「まん延防止等重点措置」の適用を週明けにも政府に要請する方針を決めた。対策も発表し、岐阜市など9市の飲食店に26日から5月11日まで、午後8時までの営業時間短縮を要請した。』(岐阜新聞)

 岐阜県のホームページを見てみると、県内の変異株陽性率が62%と急上昇なっているため、関西圏のような感染拡大によって病床のひっ迫が現実味を帯びており、感染爆発の手前で食い止めたいと大型連休前のこの時期を選んだということです。時短を要請するは岐阜、大垣、多治見、関、美濃加茂、土岐、各務原、可児、瑞穂の9市を適用対象としており、土岐市も対象地区になりますが、まめ蔵としては従来から夜間の営業は行っていないため変更はありません。

 岐阜県は、第4波の非常事態対策として次のような内容を盛り込んでいます。

対策1 「新しい行動様式」の徹底

1)昼夜を問わず、「飲食」「外出」「県をまたぐ移動」については、慎重に判断

2)飲食店をはじめとして、感染防止対策を徹底

3)大型連休の行事の感染防止対策を徹底

4)外国人県民向けの感染拡大防止対策の徹底

5)子育て世帯への生活支援

対策2 医療・福祉対策

1)感染拡大兆候の事前探知に向けた予防的検査の実施等

2)機動的検査の実施

3)変異株への対応 

4)検査能力の充実 

5)「自宅療養者ゼロ」堅持に向けた医療提供体制の強化

6)大型連休中の医療提供体制

7)「オール岐阜」でのワクチン接種の円滑な推進

 昨年のブログを見てみると、

『全国都道府県に発出された「緊急事態措置等」により、4月18日~5月6日中に施設の休止や営業時間短縮の要請を受けた、施設を運営する中小企業及び個人事業主に対して、「岐阜県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金」(仮称)により50万円が支給されるからです。三密を避けるため、遊興施設、商業施設、運動・文教施設、宿泊施設などが対象となりますが、休業を要請しない飲食店、料理店、喫茶店等についても、夜20時から翌朝5時までの夜間の時間帯の営業自粛に向け営業時間短縮する場合(終日休業も含む。)は対象となります。』と似たような内容であり、「三密」という言葉が懐かしく思えるくらい緊張感が希薄になっている現実を知ります。 

 「マスクやアルコール消毒剤が無い!」、「冷凍食品やトイレットペーパーが買えない!」などという事態になった昨年を思い出しながら、緊張感を取り戻せる人が増えるのか気になるこの頃です。癒し効果があるといわれる(知らんけど)コーヒーでも飲んで、落ち着いて行動しましょう。

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PayPay使えませんが

先日、PayPayから営業の電話がかかってきました。「お客様から、まめ蔵さんがPayPayを扱っていないので、扱えるようにしてほしいと本部に連絡がありました。」とのこと。正直、「そんな訳ないだろ!」と思いましたが、「見つけた感のある店。PayPayが使えなくても行きたくなる店にしたいんです。」と丁重にお断りしました。「そうですか。」に、「ま~ね~!」と無い髪をなびかせてやりましたが、電話ではそんな光景は伝わりません。

 もっとも、誰にも見つけられることなくヒッソリと営業を続けることになるかもしれませんが、時々「美味しいと聞いたんで。」といって来店される方があります。そんな口コミのお蔭もあってか、3月・4月のコーヒー豆の販売上位に「まめ蔵ブレンド」が顔を出してきました。初めて来店されるお客様が「先ずはブレンドで。」といって購入されるケースが多い傾向にあるため、感覚的なものではなく数字に表れているのです。

 そうしたお客様が「いつから営業されているんですか?」と尋ねられるように、見つけた感のある店ではあるものの、その「見つけた」が必ず喜びに繋がるとは限りません。出来るだけ心を込めて接客してはいるものの、人によっては感じ方が違う事もあります。あるお客様からは「珈琲専門店なのに、こんなフレッシュを出すんか!二度と来ない!」といって憤慨された方がおみえになりました。

 良い意味で期待を裏切ることもあれば、こういった場合もあるものです。口コミにしても「悪い口コミ」も存在するので、そのたびにブレることのないようにしています。大切なのは、わざわざ足を運んでいただいたお客様を、どうやってお迎えするかなのですから。そのためにも、出来るだけ新鮮でよいコーヒーを準備し、楽しめるスイーツも用意しなければなりません。やるべきことは沢山あります。 

 PayPayが使える以上の満足を提供するために。

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郡上散歩

 「國田家の芝桜」を楽しんだ帰り、郡上の観光名所を巡ろうと、先ずは「郡上八幡城」へ行きます。日本最古の木造再建城と知られる郡上八幡城は、廃藩置県とともに廃城となって取り壊され後、昭和81933)年に地元の名士たちによって木造45階建の天守閣が再建されました。天守から見える城下町が魚の形をしているのが良くわかります。

その城の下にある公園には、内助の功で有名な「山内一豊と千代の像」があります。戦国時代から江戸時代にかけての武将で土佐藩初代藩主の山内一豊、その正室である千代は初代郡上八幡城主・遠藤盛数の娘でだと言われています。(諸説あり)

町の中に戻ってから、大正91920)年に建てられた旧税務署を利用した、レトロな雰囲気のミュージアム「郡上八幡博覧館」へ入ります。郡上八幡城との共通券が割引になっていたので来たのですが、メインとなる郡上おどりの実演がコロナ禍で中止となっておりガッカリ。

気を取り直して、重要伝統的建造物保存地区に指定されている「古い町並み」を歩きながら、名水百選第一号に指定された「宗祇水(そうぎすい)」へ向かいました。伊勢地方のように年中玄関先に飾られている注連縄や、軒先に吊るされた消火用のバケツを眺めていると、宗祇水へ続く角地に明治20年創業の元祖肉桂玉本舗「桜間見屋」があります。つい、懐かしくなって肉桂玉を買い求めます。

ちょっと歩き疲れたのでコーヒーでも飲もうと、自家焙煎珈琲店を検索してみると感じのよい店を見つけました。カーナビで登録して車を走らせますが、目的地には空き店舗となった店しかありませんでした。どうやら閉店しているようです。

帰宅してから気になって調べてみると、私と同様にサラリーマンをやめ、コーヒー好きからコーヒー豆の焙煎を学びコーヒー専門店を始めた店でした。開業から22年間営業されていましたが、昨年の2月に閉店されたとのこと。私のように6年が過ぎようとしている身では、何時かはやってくるであろう日ではあるものの、まだまだ想像が出来ない日でもあります。 

 少し遠出をして観光気分を味わいながら、現実も垣間見た瞬間でした。

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郡上の芝桜

 今日は定休日ですが、いつもの時間に店へ出かけて4種類ほど焙煎をします。日曜日にコーヒー豆を買い求める方が集中し、商品棚がスカスカになってしまったのです。そして、10時までにハンドピックを終えて、妻と約束していた場所へ出かけなければなりません。その場所とは、岐阜県郡上市にある「國田家の芝桜」(くにだけのしばざくら)です。

 國田家の芝桜は、岐阜県郡上市明宝奥住にあり、東海北陸自動車道の郡上八幡ICを下りて国道472号(せせらぎ街道)を明宝方面に40分程走った場所にあります。カーナビで電話番号を設定したら道の駅になってしまったため、住所を入力すると方向違いの場所を示してしまいましたが、途中に大きな看板が出ているので迷わず到着します。

 平日とあって観光客も少なく、のんびり散策することが出来るうえに、駐車場や入園料も不要とあって有難いばかりです。この國田家の芝桜は、住人の國田かなゑさんが、昭和36年頃から、コツコツと自宅の周りに芝桜を植えていたそうです、その後、かなゑさんは平成14年に77歳で亡くなりましたが、かなゑさんの遺志を引き継ぎ「國田家の芝桜を愛する会」が芝桜を管理しているそうです。平成4年には「農林水産大臣賞」、平成8年には「内閣総理大臣賞」を受賞されていています。

 郡上市で、「まちづくりのために役立ちたい」という思いをもっている人や団体が行動をおこすためのコーディネートを行う、郡上市市民協働センターのホームページには「國田家の芝桜を愛する会」が紹介されています。そこには、約3500㎡の畑地に芝桜を植栽し、維持管理を地域の方と活動して地域の活性化と観光資源に協力したいとのこと。ただ、高齢化が進んでいるため、多くの方の協力が不可欠だといいます。 

 個人が始めた行動が地域の方々に理解され、さらに発展していき観光資源になっていく素晴らしさを感じます。水田に写るピンク色の景色に見ながら、郡上の春を満喫です。

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コーヒーで煮た納豆

 国産大粒大豆をラオス産のアラビカコーヒーで煮て、納豆菌を使って作った納豆があるというので興味を持って注文してみました。その商品名は「SOYFFEE(ソイフィー)」といい、湘南・大磯の住宅地にある古民家を改装した「Shonan Soy Studio」で作られています。

 「SOYFFEE(ソイフィー)」というネーミングは、SOY+COFFEEを組み合わせたもので、コーヒーの香り付けによって、納豆のにおいが苦手だという人にも手に取ってもらえるようにしたといいます。でも、そこまでコーヒーの香りは無く、そのまま食べても「美味しい!」といった感じはしません。商品紹介では、『SOYFFEEは一般的な納豆の食べ合わせである「ご飯にかける」という食べ方ではなく、コーヒーの香りがするがゆえ、ホットサンドやデザート、サラダなどにかけてもおいしく食べることができます。様々な食べ方でタンパク質やナットウキナーゼといった栄養素や酵素が摂取できます。』とあるので、カナッペ風にして食べてみましたが、納豆は納豆でした。

使用している大豆は北海道産で、栽培期間中に化学肥料は一切使用せず、雑草は機械と手作業で丁寧に取り除かれているそうです。また、沖縄産のミネラルが豊富に含まれる粗製糖を風味付けに使い、体にやさしい食材が選ばれています。栄養価の高い大豆を、もっと多くの人に食べてもらいたいという思いから、新しい加工品の開発を始め、約2年の歳月を経て大豆発酵食品「SOYFFEE」が完成させたそうですが、「湘南・大磯」という場所柄もあって話題になるのかもしれません。数人のお客様に試食してもらいましたが、「う~ん・・・・」といった声しか返ってきませんでした。

 同店では、「Bite for Bite~あなたの一口が 誰かの一口に〜」というメッセージを掲げており、「SOYFFEE」の売り上げの一部を栄養貧困国の子供たちや災害に遭われた方々に届けているそうです。こうした活動は納豆のように粘り強く続けて欲しいものです。 

 食べてみたい方はカウンターで声をかけてみてください。

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ゲイシャを飲みに

 毎年、東京や神戸に出かけてはCOEのカッピングセミナーに参加し、各国の個性あるコーヒーをカッピングしてきました。ブームが去ったと言われながらも未だにゲイシャが上位に入ったり、順位付けの不思議さを感じながらも、ハニー、ナチュラルをはじめ、アナエロビックといった独特なコーヒーをたくさん味わうことができたものです。ところが、コロナ禍でそうしたセミナーも中止となり、普段では味わうことが出来ないコーヒーを飲むことができなくなりました。

 「あ~、ゲイシャってどんなんだっけ?」。あれだけ各国のゲイシャを飲んでいたのに、1年以上も間隔が空くと忘れそうになります。好きでもないけど「ゲイシャが飲みたい!」。そう思って、ゲイシャの種類が多い「カフェ・アダチ」(関市小瀬)へ行きました。ただ、それだけのために。

 午後2時過ぎに到着すると駐車場には車がいっぱいです。驚きながら店内に入ってテーブルに着き、メニューを眺めて「パナマ・ゲイシャ」を注文します。ハリオでハンドドリップする様子を見ながら待っていると、カップに注がれたコーヒーがテーブルに運ばれてきました。「これこれ、この香り。」、久しぶりのゲイシャを飲みながら様々な国のゲイシャを思い出します。

 テーブルの上に置かれたPOPを見ると、イベントで「エチオピア・ゲイシャ」が1,000円のところ800円で飲めると書かれています。「では、もう一杯!」という訳で、「エチオピア・ゲイシャ」を注文しました。「パナマ・ゲイシャ」が1,200円なので、ゲイシャを2杯飲んでも2,000円ですから、都会で飲んだことを思えば結構お値打です。 

 口の中をゲイシャの香りに満たして帰路に着きます。たまには、こんな時間の過ごし方も悪くはありません。 

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ネモフィラガーデンへ

お客様から花フェスタ記念公園(岐阜県可児市瀬田)のネモフィラの花が見ごろになっていると聞き、午前中に眼科へ行った後、車を可児方面に走らせました。

 花フェスタ記念公園はバラ園で有名なのですが、バラはまだ蕾もない状態で、西ゲートに車を置いてから東ゲート近くのネモフィラガーデンへ行くまでの間、見所もないまま歩き続けます。ネモフィラガーデンへの看板が見えた頃には、ベニバナトキワマンサクの花が満開に咲き、チューリップが迎えてくれました。

 チューリップを横目に少し上り坂を歩くと、約3000平方メートルの広場に約8万株が植えられたネモフィラが目に飛び込んできます。直径2~3センチほどの青い花がびっしりと広場を埋め尽くし、春風に揺られている中を来園者がのんびり散策をしながらスマホやカメラで撮影を楽しんでいました。私は園内に特設された売店で「青の絶景パフェ」(700円)を購入し、景色よりも甘味を楽しみます。

 ネモフィラで有名なのが、茨城県の国営ひたち海浜公園にある、約530万本のネモフィラが植えられた「みはらしの丘」です。青一色に染め上げ、空と海と丘が一体化したかのような絶景パノラマが広がる光景がテレビで紹介されています。それと比べたら規模は小さいものの、身近にネモフィラを楽しめる素敵な場所です。 

 ネモフィラはアメリカ原産の花です。日当たりと水はけのよい場所なら育つため、どこでも根付きやすいようです。そのため、花言葉でも「どこでも成功」というものがあります。何だかその花言葉を知るだけでも元気が出てくるではないですか。

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今年のデータ

 毎日、コーヒー豆の焙煎を行い、毎日、クッキーやケーキを作る。暇な珈琲屋なのですが、まあままやるべきことがあるのです。開業当時と比べてコーヒー豆を焙煎する機会は増え、一見、珈琲屋らしくはなったものの、新型コロナウイルスの影響で来店客が減っただけなのかもしれません。そんなことを思いながら、今年に入ってからの販売データを整理してみます。

1月から昨日までの販売内訳を項目別(グラフ1)に見てみると、コーヒー豆販売の全体に占める割合は48%とウエートが高くなりました。そして、店内でコーヒーを飲まれる際にもケーキを注文される方が一定割合存在し、お帰りの際にクッキー類を購入されることが分ります。現在のような、コーヒー豆の販売と喫茶を並行して行う形態だからこその実態です。

売れているコーヒー豆の販売をさらに伸ばすため、喫茶を疎かにしてコーヒー豆の充実を目指すこともありですが、そう簡単な話にはなりません。コーヒー豆を購入される方の購入状況(グラフ2)を見てみると、コーヒー豆のみを購入される方は65%で、コーヒー豆を購入したついでに店内でコーヒーを飲む方や、店内でコーヒーを飲んでコーヒー豆の購入を決める方が35%あるため、喫茶の充実も必要になります。当然、喫茶にともなうケーキやクッキーも手を抜くわけにはいきません。 

店舗を拡大することも考えず、このまま一人で全ての工程を行うつもりですから、全体のパイを増やす事よりも内容をいかに工夫するかになります。

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コーヒー豆を売りながら

 「緊急事態宣言」の次に待っていたのは、「まん延防止等重点措置」でした。経済もオリンピックも並行しての感染制御など出来るはずもないのに、こんな状態がいつまで続くのでしょうか。新型コロナウイルス感染収束の兆しが見えない中、様々な分野に大きな影響を与えていますが、株式会社コメダホールディングスの2021年2月期第3四半期(2020年3月~202011月)決算説明資料を覗いてみると、地方の珈琲屋にも共通するデータが見えてきます。

 資料の中の「卸売収入の前年同期比推移」は、コメダにおける前年同期比ではあるものの、その卸売収入は来店客の推移と連動するものであり、まめ蔵の来店客数推移ときわめて似たデータになっていました。4月・5月の緊急事態宣言による来店客数激減から、徐々に回復傾向にあった状態が12月から再び感染拡大とともに減少しはじめます。そして、今年に入っても減少傾向には変わりありません。

郊外型喫茶店と珈琲屋と比較することに無理があるかも知れませんが、「豆売りが無かったら、いったいどうなっていたんだろうか?」と思う時が何度もあり、喫茶をメインにしている店にとっては厳しい現実が待っていることを肌感覚で知りました。

 既に、その厳しさが表れているものもあります。スペシャルティコーヒーの市場をけん引してきたと言われる丸山珈琲は、昨年10月に表参道Single Origin Store、鎌倉店、MIDORI長野店を閉店し、西麻布店は物販・商談スペースなどを備えたショールームに、尾山台店は物販とテークアウトの業態に転換しています。喫茶の来店客減少の代わりに店頭での豆売りが増加し、ドリップバッグや通販、スーパーでの売り上げを伸ばし、さらには、コーヒー生豆の卸しも始めています。 

 コロナ禍を過ごしたお客様のニーズがどのように変化し、それに合わせるべきか、じっと我慢するのか、ただ迷うだけなのか、こんなときは「なぜ自分が珈琲屋を始めたのか」を再確認し、楽しいと思えることを選択していこうとコーヒー豆を売りながら思うのでした。

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日常を書き留めるブログ

 コーヒー豆を扱う店をしていることもあり、馴染みのお客様から「自分で焙煎してみた。」とか、「旅先で買ってきた。」、「こんなの知ってる?」といって色々なコーヒー豆をいただくことがあります。「ウチはコーヒー豆、売ってんだぞ!」って気分を害する店主もいるようですが、私は「面白そう!」といって何でも受け入れております。“来る者拒まず、去る者追わず”の主義なので、試して飲んでしまうのです。

 今回も、銀座にあるカフェパウリスタのコーヒー豆を「感想聞かせて。」といって渡されました。カフェパウリスタですから、当然のごとくブラジルのコーヒー豆です。サンパウロ州にあるサン・アントニオ農園のもので、有機表示はないものの、全農園農薬不使用で栽培されていると記載されていました。

 それでは淹れてみようと、15gのコーヒー豆を計ってみますが欠点豆が目に入ってしまいます。他の一般流通品と同じく大型機械で焙煎されているのですから気にしなくともと思ったのですが、やはり気になってしまうので、未熟豆や欠け豆を取り除いたら12gになってしまいました。不足分を加えて松屋式で抽出します。当然、注湯しても膨らみません。浅目の中煎りブラジルとしては、「こんなもんだろ。」というのが飲んだ感想です。

 こんなクダラナイ日常を書き綴っているブログです。日々の出来事や体験したこと、コーヒーについて思ったことなどを手すき時間に記録するのも、老後に「あんなこともあったな~。」と読み返すためだったりするのが主な目的です。そして、もうひとつには、自分がセカンドライフとして珈琲屋を開業する過程で、多くの新規開業された方のブログを参考にしたからです。

 サラリーマン時代の仕事と全く異なる業種を新たに始めるに当たり、同じように新規開業された方の情報は大変有意義であったので、自分が始める際には準備段階から記録しようと決めていたのです。そして、できるだけリアルな内容にするため、実数は公表できないものの、販売推移や割合もグラフにしてブログで取り上げています。そのため、「恥をかけないぞ!」っていう、自分への意識付けにもなるのです。 

 先日、「ブログ読んでいます。お店に来るのは少ないんですが。」というお客様が、帰りがけに声をかけてくれました。将来はカフェをしてみたいと話してくれました。そんな方のためにも、できるだけリアルなことを書き留めていくつもりです。スイーツのように甘くなく、コーヒーのように苦い現実も伝えていきます。そして、商売として豊かにはならないものの、心豊かなセカンドライフを送る姿も。

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水玉模様

昨日は、母親を担当しているケアマネージャーと打ち合せ後、多治見市へ買い物に行った帰りに虎渓公園に立ち寄り、花見でもしようかと車を走らせます。ところが、前日の雨のせいで多くが散ってしまっていたのです。そこで、若松屋の五平餅と田楽をオープンテラスで食べながら、ピンク色のツツジと新緑を眺めておりました。豆腐田楽と五平餅でお腹いっぱいになり、出されたお茶を飲み干すと、懐かしい水玉模様の湯呑です。

 この水玉模様の湯呑は、食堂やテレビの刑事ドラマでよく見かけるデザインです。佐賀県の有田などで焼かれていますが、土岐市でも「水玉汲出」といって泉町を中心に、全盛期には年間で15万個ほど出荷されたそうです。古き良き時代の空気を漂わせる愛らしいデザインは、町の集まりや家庭の団欒の中に必ずあったものです。

 サラリーマン時代に縁あって、水玉模様を作り出す作業を見たこともあります。コロンとしたフォルムに藍色の帯に塗られた釉薬の部分を、一つずつ研磨機で削りを入れて均等に模様を作る光景は職人技というべきものでした。泉陶磁器工業組合にはジャンボサイズの水玉汲出が飾ってあったことを覚えています。

 「汲出」という言葉は聞き慣れないかもしれません。茶会の席で客がそろうまでの間に、茶碗に湯を汲んで出すことで、その茶碗を汲出茶碗と言うのですが、一般的に、「汲出」はお客様にお茶をお出しする時に使う湯呑みのとき、家庭などで各自が自分用に使う「湯呑み」と使い分けられているようです。 

 昭和レトロ感のある水玉汲出でお茶を飲みながら、昼食の替りに田楽と食べた定休日のひと時でした。

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夜桜見物

 コロナ禍のご時世では、夜桜見物もままならなくなりました。一昨年前までは、夜桜見物のために公園で場所取りをする新入社員の光景がニュースに流れ、各地で宴会が行われている様子がバラエティー番組登場しては、酔っぱらいが笑いの種になっていました。ところが、昨年からライトアップもなくなり、桜並木を静かに散策するだけとなったのです。

 そんなこともあってか、妻が「家で花見ができるように桜の盆栽を注文して!」というので、Amazonで「旭山桜」という名の盆栽をポチッと注文したのでした。そして、その盆栽の桜が咲き始めたので、家の中で夜桜見物らしく、娘からもらったワインを飲みながら二人だけの宴会をしてみます。もっとも、二人とも下戸のようなものなので一口飲むだけなのですが。

この「旭山桜」は八重咲きで、華やかで存在感のある花を咲かせます。バラ科・サクラ属の品種名を旭山といい、若木のうちから開花が楽しめる特性を持つ品種であうことから「一才桜」とも呼ばれています。ソメイヨシノよりも開花が遅いので、今日までヤキモキしながら咲くのを待っていましたが、ここへきてようやく開花となったのです。

桜の花芽が春を感じて、一斉に開花の準備に入ることを「休眠打破」というそうです。桜が休眠打破するためには一定の条件をクリアする必要があり、約5℃以下の環境で約3か月ほど厳しい冬を体験することが条件の一つだそうです。つまり桜の開花に冬の厳しい寒さは必須条件で、寒さの厳しい年ほど、桜は美しく咲いてくれというのです。 

「厳しい冬に耐えた桜は、必ず花開く」まるで、新型コロナウイルスで混沌とした世界を耐えきれば、明るい未来がやってくるというような格言の様でもあります。ここ一年が正念場なのかもしれません。

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