■2021年9月 ブログ

9月も終わりました

先月からの緊急事態宣言に合わせ、今月12日まで時短営業を行ってみました。そして、地域の感染状況を考え、まめ蔵独自の時短営業は一旦終了したものの、緊急事態宣言が月末まで延長されたためか、まめ蔵の時短営業が継続していると良い意味で誤解され、来店客数は8月に比べて約7%減少しています。一か月の間には必ずドドッとお客様が押し寄せてくる日があるものですが、押し並べて穏やかな日々を過ごすことができました。その代り、売上も来店客数同様に7%減少となりましたが。

 あっという間に9月も終わり、明日から10月に入ります。一応、10月1日は全日本コーヒー協会が定めた「コーヒーの日」ということもあり、開業以来継続してコーヒー豆の割引販売を実施予定です。先日も、ホームページを見たお客様から「今年も割引あるんですか?」と尋ねられたこともあり、急遽、ホームページのイベント欄を訂正しておきました。もっとも、「秋限定のブレンド始めました!」とか「お得なサービス実施中!」なんてPRはしないので、ひっそりと隠れて行う計画です。秋らしく穏やかな日常の方がいいですから。 

 そこそこの来店があり、毎日コーヒー豆が売れる日々に感謝しながら、深まりゆく秋を楽しもうと思っています。

0 コメント

今日もWebセミナー

今日は生豆商社のWebセミナーの日です。これで何度目のWebセミナーなんでしょうか?コロナ禍でのWebセミナーが普通になってしまい、直接、人に会って話を聞く機会が減ることにストレスを感じています。情報はどうやって得るかが大切なのか、改めて考えさせられます。

今回のテーマは、「コーヒー生豆の受入検査と品質管理について」です。これまで主要コーヒー生産国の情報を伝えてもらいましたが、ついにネタ切れか?という訳ではないでしょうけど、珈琲屋としてはコーヒー生豆がどのような受入検査と品質管理を経て手元に届くのかは興味のある話です。そのせいか、いつものWebセミナーより参加者が多いようです。講師は石光商事(株)で品質管理を担当している木村康哲さんです。

内容は次のようなものです。

・コーヒー生豆の買付後、輸出前のチェック、輸入後の受入検査、品質管理

どのような内容や流れで行われているのか、分かりやすく解説いただきました。

・コーヒー生豆の欠点について

実例に基づいて説明がありましたが、少々の虫食いや欠けについては味覚に大きな影響がないと考えられていると聞き、何か某珈琲屋さんを思い出しました。
・ユーエスフーズでの品質確認について

農産物としての評価を石光商事が行い、カップに注がれる商品として品質確認をユーエスフーズが行っているということかな。

・質疑応答 

 相変わらず接客をしながらの視聴ということもあり、集中できないWebセミナーでした。

0 コメント

4種のチョコレート

昨日、お客様から「お土産です。」といって渡されたのが、「明治 ザ・チョコレート」でした。チョコレートの原料であるカカオの原産国がブラジル、ペルー、ベネズエラ、ドミニカと4種類ありました。3月のブログでも「カカオとコーヒー」というタイトルで触れましたが、異なる植物であってもカカオとコーヒーには共通点があったりします。

カカオ豆はアオイ科、一方、コーヒー豆はアカネ科になります。しかし、栽培地域はどちらも熱帯・亜熱帯地域であり、主な原産国はアフリカや南アメリカなどの南半球の発展途上国の地域が中心であることが共通し、コーヒーの木も、チョコレートの原料となるカカオの木も、降水量や土壌、気温などの育成条件が必要であることも似ています。

カカオが育つのは、北緯、南緯それぞれ20度に囲まれたエリアで、「カカオベルト」と呼ばれ、コーヒーが育つのは、北緯、南緯それぞれ25度の間にあり「コーヒーベルト」と呼ばれて、〇〇ベルトなんて言い方も似ています。

また、チョコレートとコーヒーも原料となるのは果実の「種子」からできており、その種子を焙煎して作られています。特にカカオは乾燥前の発酵という過程が大切です。コーヒーにおいても精製過程での発酵に注力するところもあります。そんな種子から作られることもあって、チョコレートでは「豆から一本のチョコレートまで」(Bean to Bar)、コーヒーでは、「種から一杯のコーヒーまで」(From Seed to Cup)なんて言われることもあります。

 いただいたチョコレートのパッケージには次のような説明が、

■ブラジル 世界有数の熱帯雨林が広がる、ブラジル。大きなくちばしの鳥トゥッカーノなど、個性的な動植物が有名です。大自然が育てたカカオは、フルーティな香り。柑橘のように爽やかな酸味が楽しめます。

■ペルー 空高くそびえるアンデス山脈が連なった、ペルー。可愛らしいアルパカモ有名です。寒暖の差が育んだカカオは、フローラルな香りが特長。ふくよかな味わいと、心地よい渋みが広がります。

■ベネズエラ 大自然が広がる、ベネズエラ。世界最後の秘境とされるカナイマ国立公園が有名です。太陽が降りそそぐ、豊かな大地が育てたカカオ。その特長は、ナッティな香り。芳ばしいコクと旨味が広がります。

■ドミニカ 美しいカリブ海に浮かぶ、ドミニカ共和国。色鮮やかな花々が咲くリゾート地は、カカオの産地としても有名です。その特長は、スパイシーな香り。シナモンのように感じ、重厚な酸味も楽しめます。 

 なるほど、確かにカカオの原産国ごとの特徴が味わえます。エチオピアとコロンビアのコーヒーを飲みながら食べ比べをしているので、口の中はまるで万国博覧会状態です。同時に、カカオ70%のチョコレートからは、カカオ畑で蔓延する極度の貧困、児童労働、強制労働、不公平な貿易等の苦みもしっかり感じられました。

0 コメント

高っかいな~

 2021年の「ベストオブパナマ」の オンラインオークションが 9月 22日に行われ、同品評会で優勝したヌグオ農園(チリキ県)世界最高のパナマ・ゲイシャコーヒー100ポンドをサザコーヒーが2833万円で落札したそうです。サザコーヒーさんは毎年1位の豆を落札し続けているけど、いったい何時まで続けていくんでしょうか?ゲイシャに替わるスターが存在しない間はゲイシャ押しなんでしょうね。

 1ポンドは約460gだから100ポンドだと46kgになるから、1kgで61万円ちょっとなります。焙煎すると約8割に減るので、松屋式で一杯15gを使うとすると原価1万円以上ってことになる!このめっちゃ高いコーヒー豆を使って11月12日には、サザコーヒーKITTE丸の内店などで開催される「第三回 パナマ・ゲイシャ まつり」で提供される予定だとか。好きな人は飲みに行くんだろうな~。まあ、コーヒーが嗜好品であるが故の商売なんでしょうが。 

 そんなことを思いながら、一杯400円で販売している「まめ蔵ブレンド」を飲んでおります。

0 コメント

生協の秋刀魚

秋の味覚の秋刀魚ですが、今年も残念ながら水揚げ量が減って、またもや高値となりそうだとニュースで流れていました。そんな折、妻が生協で購入した新物の冷凍秋刀魚を食べることになり、久々に七輪を使って焼くことになったのです。

 両面こんがりと焼きあがった秋刀魚は、見た目にも細く脂がのっていないため、炭火に落ちた油も少ないことから白い煙も目立たず、近所迷惑の心配も要らないほどです。大根おろしと醤油で美味しく食したものの、何か物足りない感じがします。

 いつものようにガスコンロのグリルで焼かず、わざわざ炭を熾し、庭先で秋刀魚を七輪で焼く光景は、私が子供の頃にはどこでも普通に見ることができました。しかし、今では特別な行為になってしまったようです。時短やお手軽がモテはやされるご時世に、団扇で七輪の火を調節するのどかな一時も悪くなないと思うのですが。

そんな、旬な秋刀魚と栗ごはんを食べながら、御殿様が「秋刀魚は目黒にかぎる!」と言ったように、「秋刀魚は生協にかぎる!」と言いたいところでしたが、今回ばかりは残念ながら言えません。丸々と太った秋刀魚を早く食べてみたいものです。

ところで旬といえば、「コーヒーにも旬がありますか?」と以前に質問されたことがあります。世界70か国以上で生産されているといわれるコーヒーですが、収穫時期は亜熱帯地域では年1回、熱帯地域では場所によって年2回の収穫があります。収穫時期のタイミングに食するのが旬だとすれば、コーヒーは収穫後に一定期間倉庫で寝かせるうえに、日本まで運ばれる輸送期間を考えれば、本当の旬ってのは何時になるんだろうかと思ってしまいます。まあ、現地で飲むのが一番新鮮なんでしょうね。

でも、飲み頃を“旬”だと考えれば色々な時期がイメージできます。コーヒーは生鮮食品だと言う人からすれば本年度に収穫した新豆のニュークロップだろうし、焙煎に拘る人は焙煎したてがいいと言うでしょう。でも、嗜好品であるコーヒーですから、何年も生豆を倉庫で寝かしたエイジングされたコーヒーが好きだと言う人もいますし、焙煎後2週間後くらいがトゲガ無く落ち着いているから好きだという人もいます。人により飲み頃というのは異なるものです。大切なのは、その人がベストだと感じる時に飲むのがいいのです。そこには、他人様や珈琲屋による指図は無用なのは確かです。単に情報さえもらえれば。 

先日、体重が気になり始めて食事には気を付けていたものの、旬な食べ物には理性を失いがちです。天高く馬肥ゆる秋とならないよう注意せねば。

0 コメント

コーヒーメーカー

 最近、バルミューダ社が発売するコーヒーメーカー、BALMUDA The Brew(バルミューダ ザ・ブリュー)が一部で話題になっているようです。バルミューダ社の独自のテクノロジーといわれる抽出法”Clear Brewing Method(クリアブリューイングメソッド)”とやらで、濃く抽出したコーヒー液に、通常のコーヒーメーカーには存在しない第2の注湯口からお湯を稀釈することで、雑味のないクリアな味わいを実現するという、どこかで聞いたことのある抽出法です。そして、コーヒーミルも付いていないのに価格は59400円(税込)とさすがに高級品です。

 それに対抗するように、ミル付きのうえ、アウトドアにも便利で必要なものが一つにまとまった"オールインワン"アイテムな商品が、ダイソーの「アウトドア コーヒーメーカー カップセット」でず。さすがに110円とはいかず1100円(税込)と一桁アップしますが、手動式ミル、ドリッパー、カップ2個がすべてセットになっています。さて、このコーヒーメーカーを松屋式で一杯淹れてみましょうか。

 先ずは、付属のカップにドリッパーを格納し、上からコーヒーミルをセットします。カップの容量は約150ccで、ミルには1杯分しか入らないので、2杯淹れる場合は2度の工程が必要になります。また、ミルの下部には調整ネジが付いており、バネにより上下に動いて挽き具合を調節する仕組みになっていますが、移動歯が上手くスライドしないため、分解しなくてはいけませんでした。こうした個体別の不具合があるのは覚悟しなければなりません。

 松屋式で抽出するため、期待する粗挽きに何度か調節した後、ステンレスタイプのフィルターに入れて注湯しますが、フィルターのメッシュが粗いこともあって微粉が落ちます。松屋式ではなく普通に淹れる場合は、出来るだけ細挽きは避けるべきでしょう。そして、抽出後のメッシュに残ったコーヒー粉を取り除くには水が必要になるため、アウトドアで使用する場合は抽出用以外の水の確保が要ります。 

 以前、ダイソーの「手挽きコーヒーミル」(550円)を使ってみた際と比べると、ミルの性能は数段落ちますが、この「アウトドア コーヒーメーカー カップセット」があれば、バッグパッカーにも手軽に屋外でのコーヒーが楽しめます。高級機種で家飲みするか、チープな道具ながら、爽やかな秋空の下でアウトドアライフを楽しむかは、あなた次第です。

0 コメント

秋花散歩

朝晩は涼しさを感じ、本格的に秋らしくなってきました。それに合わせるように食欲も増し、久々に体重計に乗ると驚く数値を示し、少々焦っているこの頃です。そんな訳で、花を見ながら歩いて運動不足を解消しようと、可児市にある「花フェスタ記念公園」へ行ってきました。

 この公園は、開園時は「可児公園」という名称でしたが、1995年に開催された「花フェスタ’95ぎふ」にちなみ、現在の「花フェスタ記念公園」になったのですが、催しから既に四半世紀が過ぎ、「今も花フェスタをやっていますか」との問い合わせもあるため、109日からの秋のバラまつりに合わせて、「ぎふワールド・ローズガーデン」に名称変更されるようです。

 約80.7ha(バンテリンドームナゴヤ約17個分)もの広大な敷地を歩きながら、東の大花壇に向かうと、見頃を迎えた約35,000株の「ケイトウ」が鮮やかな赤と黄のライン状に植栽されています。その隣の噴水池斜面には、キバナコスモスが秋風に揺られながらオレンジ色と黄色の絨毯のように咲いており、さらに、少し先には彼岸花の群生地が見られます。 

 運動不足解消を目的に歩いているので、バラのウエルカムガーデンやバラ回廊で立ち止まることなく歩き続け、キッチンカーやカフェスペースに誘惑されることなく、ひたすら汗をかきながら外周を歩きました。これで、夕食を野菜たっぷりの食事にし、ダイエットのスタートといったところです。多分、三日坊主になると思いますが。

0 コメント

初松茸

 今日は「敬老の日」ということで、お昼に鬼岩公園にあるペンション・パサージュの松茸ランチをテイクアウトし、家族三人で「初松茸」を楽しみました。母親も92歳と高齢で足腰が弱っているため、外食する機会も減ってきているうえにコロナ禍も重なり、時々、外食店のテイクアウトを利用しています。

 コロナ禍によって生活様式に大きな変化がありますが、高齢者を家族に持つ者としては、これまで利用できなかった外食店のテイクアウトができるようになり、選択肢が増える喜ばしい結果となっています。 

 新型コロナウイルスによってマウナス面ばかり取り沙汰されていますが、従来のままでは経験できなかったWeb会議や遠隔授業、幅広い商品のテイクアウト導入などを後押ししているプラスの面もあることを、こうした日常の生活から感じることができます。

0 コメント

彼岸花を見る

 お彼岸を来週に控え、日曜日に妻がお墓掃除をしてくれたこともあり、今朝、「しきび」を買って一人墓前に供えようと玄関を出ると、庭の隅に彼岸花が咲いていました。なんだか急に秋が深まっていくような気分になります。

 今日は、母親と掛り付け医の診察を受ける日なので、診察後に自宅へ送り届けてから、20169月から5年ぶりに、豊田市内を流れる逢妻女川(あいづまめがわ)まで車を走らせました。逢妻女川の天王橋(丸根町)から男橋(宮上町)間(約450m)の両岸の土手には彼岸花が咲き誇り、毎年多くの方が散策に訪れる名所になっています。見頃には1週間ほど早いのですが、早咲きの彼岸花が咲いているという情報を知り、思い切って出かけてみたのです。

 今年はコロナ禍とあって道案内の看板等出さない予定で、目印になるようなものはなかったのですが、前回、車を駐めた場所を思い出しながら向かうと、早咲きの彼岸花が見えてきました。逢妻女川の誰もいない土手を歩くと、10cm程に伸びた彼岸花の芽が四方八方に出ているのが分かります。今年も川の両岸の土手いっぱいに咲く光景が想像でき、世間のコロナ騒ぎも我関せずといった自然の逞しさがあります。 

 そんな秋を肌で感じながら、「栗きんとん」や「いもういろう」を食べ、「彼岸花」を眺める時間を楽しむ、そんな生活に喜びを噛み締めているこの頃です。

0 コメント

With コロナ

 8月27日から9月12日まで、岐阜県に緊急事態宣言が発出されました。度重なる緊急事態宣言となり、多くの方が慣れっこになっているといわれる中、自分なりに何か行動してみようと、この期間中を時短営業としてみたのです。密となる時間を短縮することで、確かに来店者数は減少しました。そして、コーヒーの家飲みする方も少し増えたように感じます。ただ、来店されるお客様の感染対策に関する無防備さ、緊張感の無さは以前と変わることもなく、どこか他人事のように思っているかのような気さえします。

 全国的な感染者数は減少傾向にあるような数値になっているものの、下がりきることもなく一定数の感染者が毎日記録されており、この土岐市内においても感染者数ゼロという日はしばらくお目にかかっていません。むしろ、小・中学校、保育園、介護施設や外国人の労働派遣会社など、今後も増えるであろうことが予想されます。

 店の売り上げが減少する事を承知で時短営業したのは、感染者を店から出さないことと同時に、行政からも要請されてもいいない中、店主の思いつきで行ったことに対する反応を見たかったというのもあります。また、将来的なコーヒー豆売り中心の可能性を考えるデータになるであろうと考えました。

 そして、新型コロナウイルスにつては未だ良く分からないものの、ウイルスは無くならないこと、一定数の感染者とともに生活し続けていくことは分かりました。ワクチン接種が進むことにより重症化リスクは軽減されるものの、昨日、土岐市内の介護施設で発生されたというクラスターにおいて、8人中7人がワクチン2回接種済みであるというように、ワクチンによる感染予防という認識も見直さなくてはいけないことも。

 政府において、ワクチン接種証明などによる制限緩和が計画されているようですが、既に欧米なので実施されている状況をみれば、必ずしも感染者の減少に繋がらないことは明らかで、「ほとんどの人が重症化しないので、風邪みたいなものだと考えればいい。仮に重症化や死亡する人が居ても運が悪かったんだよ。」といった感覚になってしまうのかもしれません。ワクチン接種が進めば進むほど潜伏する感染者は増え続けるという、本当にwithコロナの時代なんだと感じました。 

 そんな訳で、12日までの時短営業とコーヒー家飲み応援価格は終了することにいたします。ただし、従来通りの席数削減と感染対策は行います。

0 コメント

代用コーヒーを作ってみた

先月の中日新聞に、岐阜県海津市でコンサルタント会社を営む伊藤由紀さんが、県内特産の富有柿の種を焙煎したコーヒー、「ハリヨの珈琲」を販売したという記事を見つけました。祖父が2016年から県内産の規格外の富有柿を使った柿酢を造り始め、柿酢を造る過程で出る柿の種を見て「ゴミが出ないように活用できないか」との思いを抱いたのがきっかけだといいます。

 記事を読んだ際は、「あ~代用コーヒーか。」といった程度だったのですが、後日、ネット販売のページを見ると、ハリヨの珈琲ドリップバッグ(1杯分)の販売価格が 432円(税込)というのを知ると、「高っ!」と思ってしまいました。柿の種の代用コーヒーを飲みながら、おつまみに柿の種を食べる所を想像すると、クスッと笑えてきたと同時に、柿の種を焙煎するなら「ひまわりの種」や「かぼちゃの種」ならどうなんだろうと考えたのです。

 そこで、「ひまわりの種」や「かぼちゃの種」を用意して、手網焙煎で代用コーヒーを作ってみることにしました。「ハリヨの珈琲」は焙煎家と言われる方と試行錯誤し、味を均一にするために約2年かけて焙煎度やひき方を工夫したようですが、こちらは単に面白そうというだけで行うため、全て一発勝負です。

 でも、「ひまわりの種」や「かぼちゃの種」と簡単にいっても、手に入るものには制限があります。花壇に咲いている向日葵は無いし、普段食べているカボチャの種を集める事も出来ず、結局、「ひまわりの種」はハミスター等の小動物用の餌、「かぼちゃの種」はお菓子やパンに使用する製菓用のパンプキンシードになってしまったのです。

 材料が揃ったところで、手網焙煎の出来る銀杏煎りに入る50gをそれぞれ用意します。遠火の強火でシャカシャカ振りながら焙煎しますが、コーヒー生豆と違って薄くて軽いため、みるみるうちに煙が出始めます。「ひまわりの種」は種に含まれるオイル分が多くて白い煙がたちこめ、「かぼちゃの種」は薄皮が焦げてコンロの周りに飛び散り、そこいら辺に飛んで大変なことに。後から眼鏡に焦げた灰がいっぱいくっ付いておりました。真似する方はくれぐれもご注意を!(臭いも凄い)

 それぞれ6分間の手網焙煎を行いましたが、焙煎後の種を計量すると、「ひまわりの種」が38.5g、「かぼちゃの種」が42.5gとなりました。真っ黒な「かぼちゃの種」ですが、オイル分の多い「ひまわりの種」の方が焙煎によって減少する量が多いことが分ります。

 抽出しようと手挽きのミルに「かぼちゃの種」を入れると、粉になるどころか黒いオイルの塊になってしまい、ミルを分解掃除する羽目になってしまいます。これでは抽出どころではありません。ミルの掃除が終わって「ひまわりの種」を挽くと、なんとか黒い粉状のものになります。抽出して出来上がった液体は、黒い粉から想像できない紅茶のような薄い抽出液ができあがり、試飲すると、見た目と違って苦くて飲み込めないほどです。(毒かと思った!)

 結局、「ひまわりの種」と「かぼちゃの種」を使用した代用コーヒーは大失敗です!種に含まれるオイル分が多いことから上手く出来なかったものと思われますが、再度挑戦してみたいという気分にはなりません。だって、コーヒーの方が美味しいんですから。 

 そんなことを考えながら、ひまわりの種、かぼちゃの種、アーモンドを寒梅粉と小麦粉で包み込み、油を使わない焙煎種スナック「じゃり豆」をかじっております。こっちの焙煎の方が美味しい!

0 コメント

栗の節句

 今日、99日は五節句の1つである「重陽の節句」です。この時期は作物の収穫時期と重なるため、庶民の間では「栗の節句」として「栗ごはん」を食べて祝っていたされています。そんな理由から、栗きんとんで有名な中津川市では「栗きんとんの日」とし、駅前にある「発祥の地」碑の前で神事が行われ、栗きんとんが無料で振る舞われています。(コロナ禍でどうなるんだろう?)

 そんな日だとはつゆ知らず、無性に栗きんとんが食べたくなったので、地元の旭軒製菓輔で今週から販売されたばかりの栗きんとんを買い求めました。しっとりとした甘い栗きんとんが口の中で溶けるのを待って、「本日コーヒー」のエチオピアを口の中に入れます。甘い余韻とコーヒーの苦み、そして、エチオピア・ナチュラルの甘い香りが混ざり合って、一人悦に入っております。

 中津川市が栗きんとん発祥の地とされているだけあって、元祖とされる元禄年間創業の「すや」や、1864年(元治元年)創業の川上屋といった老舗が有名です。ところが、加茂郡八百津町にある1872年(明治5年)創業の緑屋老舗の3代目により、大正時代に商品化したのが発祥という説もあります。まあ、外野の土岐市に住む私としては「美味しけりゃいい」と思っておりますが。

 もっとも、栗の収穫が始まっていないこの時期は冷凍物が使われ、次に九州産の栗、そして地元産の栗といった順で製造されるため、どこが発祥だとか、栗きんとんは〇〇に限るといった、妙にこだわる必要はないようにも思えます。コーヒーもそうですが、生産された背景や現場の実態を知ったうえで、「美味しいかどうか」で選択すればよいものだと思うのです。 

 個人的には、恵那・川上屋よりも旭軒の方が好きだな。

0 コメント

ちょっと前の雑誌ですが

2015年4月発行と、ちょっと前の雑誌なのですが、『食の探究 (別冊日経サイエンス205)』、にコーヒーの記事があるというので読んでみました。内容は、食欲と味覚、健康の観点から食生活を考える「味覚とダイエット」、美味の科学的な背景に迫る「おいしさのサイエンス」、持続可能な食糧供給への提案「食糧供給の課題」、農産物をめぐる環境問題を取り上げた「農作物クライシス」の4テーマで食の最前線を紹介すというものです。

 その中で、【Chapter 2】おいしさのサイエンスで取り上げられたのが、「科学で味わうコーヒーの魅力」と題した、イリカフェ社会長であるErnesto Illyによるコーヒーの味と香りはどのようにして生まれるのかを、イリーらしくエスプレッソを通して解説されているものでした。訳者による補助説明「訳者ノート」で分かりやすくガイドされており、松屋式のペーパドリップしかしていない私も、今後はエスプレッソに挑戦してみようかと思ってしまいました。

Chapter 4】農作物クライシスでは、「コーヒーを救え」としたフリーランスライターのH.ロズナーによる、「さび病」に関する遺伝的多様性を強化する試みについての内容です。コーヒーに限らず、農産物には病害虫対策は欠かせないものであり、その術として品種改良や遺伝子組み換えが行われて、強い除草剤に耐性を持つ品種が作られてきたものの、今では、その除草剤に対する耐性を持つスーパー雑草も現れてきたそうです。 

6年前の雑誌なのに古さを感じさせないのは、それから大きな変革も起きず未だに「さび病」対策が話題となり、コーヒーの味覚について様々なウンチクが巷に溢れているからでしょうか。ついでに私が気になった記事は、「食欲の暴走 なぜ食べるのをやめられないのか」と「どっちで太る?カロリーか炭水化物か」でした。夏痩せしない理由は運動不足だと分かってはいるものの、他に原因はないものかと探してしまいました。

0 コメント

恵那駅までドライブ

 JR恵那駅に併設された明智鉄道の恵那駅で、「極楽」ゆきの切符を購入しました。改札口で駅員さんに「極楽まで一枚。」と言うと、「往復ですか?」と聞かれます。もちろん記念に購入するだけなので片道にのみとしましたが、結構、観光で利用する人が多いようです。

 手渡された切符は、懐かしさを感じる硬券と呼ばれるものです。これは、日本の明治の鉄道創業期より使用されていた厚紙で出来た切符のことで、ボール紙の素材で出来てきおり、厚さ0.7ミリ程のものです。いわゆるA型券(30×57.5mm)といわれるサイズで、切符としては一番身近な大きさです。57.5mmなんていう中途半端なサイズなのは、鉄道の技術が明治時代に海外より輸入された際、切符の印刷機も同じく輸入されたために、現在まで変わらず使用され、このA型券は世界の硬券の基本サイズとなっているようです。(私は鉄っちゃんではありませんが)

 購入した「極楽」ゆきの切符は、大切に財布の中にしまっておきます。万一の際に、三途の川を渡る時はに、渡し船の料金が必要らしいからです。一説によれば、渡し賃として六文が取られるそうです。江戸初期の貨幣価値では、六文は現代の3百円程度のお金だったと言われていますから、私の財布の中身でも充分お釣りがきそうです。

 これで、いつでも「極楽」ゆきが保証されたようなものですが、残念ながら、「極楽」ゆきの切符には改札鋏の鋏痕がありました。ということは、使用期限は本日までとなって、未来では使用不可となります。(分かりきったことですが)まあ、お遊びはそのくらいにして、隣の観光物産館「えなてらす」に向かいます。

 ここ「えなてらす」では、栗きんとんバイキングが行われており、恵那市内で販売されている栗きんとんが一つから買えます。今回は、神奈川県に住む娘たちへ6個の箱詰めを作って送ることにしました。選んだのは、長島中野の「菓子匠三久」、明智町の「大木菓子舗」、大井町の「銀の森」、大井町の「菊水堂」、岩村町の「松浦軒本店」、長島中野の「良平堂」の6個です。つぶつぶ感やさらさら感といった食感や、甘味の違いなどが店ごとに異なるため、楽しんでもらえればと思っています。 

 今日は秋空の下、人との接触を避けたドライブで一日を終えます。

0 コメント

秋の味覚、一つ頂きました

 秋の味覚といえば、この地方では「栗きんとん」が有名ですが、無性に食べたくなるローカルフードに「いもういろう」があります。隣町の駄知町にある妻木屋菓子舗のもので、地元でも予約しておかないと手に入らないと言われる名物です。木枠の蒸し器で時間をかけて蒸すため数に限りがあり、午前中には完売してしまいます。

実は、昨日の昼に妻が電話をしたところ既に完売となっており、無いとなると更に食べたくなって、今朝、店を抜け出して買いに行ったのです。季節商品の「いもういろう」は秋にしか食べられないため、今年、初の味を噛みしめて「本日のコーヒー」ケニア マサイAAを飲んでおります。

食べごたえのある大きさで、1個150円(消費税込)とリーズナブルとあって、私が店を出ると次のお客さんが入って行きました。これでは、午前中に無くなってしまうはずです。商品棚には他のお菓子は並んでおらず、閑散とした店内ですが、手書きで大きく書かれた「いもういろうあります」の文字のとおり、今はこの商品が店の看板商品なのです。店の奥では、店主が「いもういろう」の仕込みをしている姿が見えます。古びた菓子店ですが、そんな風情のある店だからこそ、この「いもういろう」が食べたくなるのかもしれません。 

秋の味覚、一つ頂きました

0 コメント

3分で読める

 岐阜県への緊急事態宣言発出を受け、自分なりに出来ることをしようと始めた時短営業です。当然、時短した時間が暇になる訳で、Amazonnプライムで映画を観たり、いくつか本を読み返しております。その中の1つが、『3分で読める!コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語 』(宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)です。

 宝島社の「このミステリーがすごい!」編集部による短編集ですが、この本を最初に手に取った際、「何か変だな?」と違和感を感じます。自分が同じようにカウンターに座って読む姿が、表紙のイラストに似てはいるものの、店内の配置がおかしいのです。厨房側のドアがステンドグラスになって、裏口ドアというよりお客様入口ドアにしか見えません。それに、コーヒーカップが並ぶ食器棚も客席側に配置され、とても実用的ではありません。

 さらに裏表紙には、『コーヒーを片手に読みたい、喫茶店にまつわるショートショート・アンソロジー。“チーム・バチスタ”シリーズの田口先生が喫茶店を開く?「『愚痴喫茶』顛末記」海堂尊。喫茶店で大好きな彼に別れ話を切り出される「フレンチプレスといくつかの嘘」岡崎琢磨。誰もが試したことがあるのでは? あのおみくじ器が主役の「おみくじ器の予言」佐藤青南など。3分で心揺さぶられる物語、25作品を収録。』と、人気作家をごちゃ混ぜにした内容に統一感なし、おもくじ器なんぞ試したことなしの、読む前から期待薄でした。

 案の定、一話3分で読める筈もなく、複数の作家が喫茶店という舞台の設定で描くため、一人の作家がショートストーリーを描くのと違って、どこか内容や背景が似通っている部分が存在し、読んでいるのか読まされているのか分からなくなりました。まあ、実際には起きる筈もないストーリーが小説なのですが、現実の喫茶店では、ショートストーリーでは語れない長編物語が結構あるのです。 

 まあ、非現実の時間に想像力を膨らませるのも悪くないものです。さて、焙煎を始めますか。

0 コメント