■ 2021年2月 ブログ

梅林公園へ

 定休日の月曜日、午前中に母親とともに掛かりつけの医院へ行き、自宅に戻ってふと庭を見ると、先日、咲き始めていた梅の花が7分咲き程になっています。天気予報でも最高気温が20℃になると言っていた通り、温かな心地よい天気となりました。

 そこで、梅繋がりというのにこじつけて、子供たちが小さい頃に時々連れて行った岐阜市の梅林公園まで車を走らせます。梅の花が咲く度に思い出す梅林公園ですが、コロナ禍もあって1年以上娘たちと会っていないため、一人想い出に浸ってみようというわけです。(寂しげな親父)

 先日の18日には冬型の気圧配置が強まった影響で、岐阜市でも最大8センチの積雪があり、梅林公園では咲き始めた梅の花が雪化粧したとローカルニュースが伝えていました。その時は、園内の約1300本ある梅は早咲きは8分、中咲きも5分の開花だったのですが、現地に到着するとほぼ満開の状態です。中央の芝生公園の周りにはベンチに座る多くの方が梅の花を楽しんでいる中、外周をゆっくり歩きながら散策しました。

 思い出に浸りながら帰路に着く途中、岐阜市北一色町にある珈琲工房ひぐち北一色店に立ち寄ります。先日、珈琲狂から聞いたコロンビア・サントゥアリオ農園のゴールドウォッシュドを飲むためです。ところが、名前が出てこないので、「ご注文は何になさいますか?」と聞かれ、「コロンビアのダブルアナエロビックのコーヒー飲めますか?」と言おうと思ったにもかかわらず、「ダブルアナエロエロビック」などと言ってしまいます。どうも本性が出てしまったようで苦笑いしていると、「分かりました。」と答えていただけました。(やれやれ) 

 先週は、チェーン店の作り置きコーヒーを連続して飲みましたが、やはり淹れたてで特別なコーヒーは美味しいものです。コーヒーに添えられたミニ・コーヒーゼリーも堪能し、晴天での花見を終えるのでした。

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再びSDGs

 20197月にJICA中部(なごや地球ひろば)でコーヒーサロンIN名古屋が開催され、「コーヒー危機とSDGs」というテーマで意見交換されました。その際、川島良彰氏から「池本先生と一緒にコーヒーとSDGsについての本を出そうと考えています。」と聞いていましたが、いよいよ今年の3月中旬に「コーヒーで読み解くSDGs」という本が出版されることになったようです。

 でも、その頃からSDGsというものに違和感を覚えており、今でも時々マスコミがSDGsを話題にする度に、いったいどれほどの人がSDGsの内容を認識しているのだろうかと思ってしまいます。カラフルに色分けされた17の目標のロゴは見たことある人でも、具体的な目標の一つでも正しく言える人はいったいどれだけいるのでしょうか?

1    貧困をなくそう

2    飢餓をゼロに

3    すべての人に健康と福祉を

4    質の高い教育をみんなに

5 ジェンダー平等を実現しよう

6 安全な水とトイレを世界中に

7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

8 働きがいも経済成長も

9 産業と技術革新の基盤を作ろう

10 人や国の不平等をなくそう

11 住み続けられるまちづくりを

12 つくる責任 つかう責任

13 気候変動に具体的な対策を

14 海の豊かさを守ろう

15 陸の豊かさを守ろう

16 平和と公正をすべての人に

17 パートナーシップで目標を達成しよう

 そして、17の目標にはそれぞれ細かいターゲットが設定されており、全部で169のターゲットがあります。例えば、「5 ジェンダー平等を実現しよう」には9個のターゲットで構成されているのです。

5.1 あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。

5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性及び女児に対する、公共・.私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。

5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。

5.4 公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。

5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。

5.6 国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、ならびにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。

5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。

5.b  女性の能力強化促進のため、ICT をはじめとする実現技術の活用を強化する。

5.c ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。

 これを見た限りでも、世間で某会長が女性差別発言したため辞任を余儀なくされたとか、それを先導したマスコミがそれみたことかと言わんばかりといったことが目立ってはいるものの、「5 ジェンダー平等を実現しよう」に込められた目標にはもっと大切なものがあることに気付かねばなりません。

 一般社団法人SDGs支援機構によれば、2018年3月にユニセフが公表した最新の推計データでは、世界中で18歳未満の子ども時代に強制結婚させられているのは年間1,200万人。たった1日で3万人の女の子が望まない結婚をさせられていることになります。2030年までにこの問題を解決することができなければ、新たに1億5,000万人が児童婚をさせられ、将来への希望を絶たれ続けてしまうといいます。

 また、アフリカや中東、アジアの一部の国々で行われている女性性器切除(female genital mutilation)の実態も見逃せません。切除が行われている国の数は世界約30カ国、切除されている女の子の数は、これまでに2億人以上、15歳未満の女の子の数4,400万人、手を打たなければ2030年までに切除を受けることになる15歳から19歳の女の子の数1億5,000万人以上と推計されます。

 世界人口の半数を占める女性と女児がジェンダー差別なく社会に参加することができれば、多くの国や途上国が抱える経済成長、貧困や教育といった様々な課題解決をすることができる可能性が広がります。ジェンダー差別がなくなれば、途上国を中心に世界で起きている、いたたまれない差別に苦しむ人たちが救えるだけでなく、多ければ2桁の経済成長率や社会開発の成長が見込めるとも言われています。

 こうした事実を知ることも知らせることもしない世の中って、やはり何処かおかしい気がしてしまいます。国内企業のSDGs取組み状況を見ても、女性社員採用を増やしているとか、役職者への登用が多いとかを掲げてはいるものの、そもそも見るべき目標はそれだけではないことを知るべきでしょう。 

 来月中には、「コーヒーで読み解くSDGs」という本が届く予定ですが、はたしてSDGsをコーヒーで読み解くことが出来るのか?そんなことを考えながら、珈琲狂からいただいた深煎りのエチオピア・イルガチャフのコーヒーを飲み干すのでした。「そもそも開発なんてやめればいいのに。」

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春遠からじ

 天気予報によれば今日は冬型の気圧配置で、九州から東海にかけては太平洋側でも雪の降る所があるとか。そのとおり、朝、窓を開けると周りの屋根は白くなっています。土岐市の最高気温は5℃だそうで、冬に逆戻りしたかのような一日が始まりました。

 そんな時、洗面所の鏡の前には、妻が置いた水仙の花が飾られていることに気付きます。庭の早咲きの水仙を飾ったようで、季節は確実に暖かな方に向かっていることを教えてくれます。花を見ることは好きでも、植物の世話をしたり、ましてや花を飾ることなどしない私ですが、妻のお蔭で朝から気分良く過ごせるのでした。

 店に着くと、花壇のパンジーには雪が覆いかぶさっています。そして、その傍らにはチューリップの芽が5cm程頭を出しているではないですか。いかにも寒そうな感じがしてしまいますが、寒さあっての開花になる訳ですから、どんなものにも必要な時間ってものがあるのでしょう。

 巷では、新型コロナウイルスのワクチン接種が一部の医療従事者から始まったといいます。1年前は、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗員乗客が感染し、国内が大騒ぎになっていた頃です。土岐市出身者がいるとかいないとか、根も葉もない噂や誹謗中傷が飛び交っていた時から1年が経過し、これからは誰がワクチン接種をしたかどうかが話題になるんでしょうね。

 そんな混乱した時期が、いずれは過去の話になる日がくるのではないかと思えてくるのは、水仙の花やチューリップの芽を見たからかもしれません。自然の脅威というものは大方、時間が解決してくれることが多いのです。それに引き替えやっかいなのが人間の仕業です。これにはどんなに時間をかけても、同じ過ちを繰り返すという性を歴史が証明しています。 

 さて、オリンピックや株価のバブルといった人間の欲が絡んだ事態は、いったいどうなっていくんでしょうか?こちらは、春遠からじとはならないように思います。

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珈琲散歩

 今朝は定休日だと言うのに雨模様。そんな時は普段と違う事をしておこうと、明日から受付開始の確定申告書を作成します。開業当時からAirレジとクラウド会計ソフト freee(フリー)を導入していることもあり、売上金額は夜には会計ソフトへ自動で同期されているので、こまめに支出金額を入力しておけば楽に確定申告書が作成できます。これで明日には申告書が郵送できます。

 午後になっても雨が止まないため、午前と同様に普段と違う事をしてみようと、何年も訪れていないコーヒーショップへ行ってみます。まあ、雨の日の珈琲散歩といったところでしょうか。先ずは土岐プレミアム・アウトレットへ向かいます。

■タリーズコーヒー

 タリーズコーヒー土岐プレミアム・アウトレット店で「本日のコーヒー」のハウスブレンド(335円税込)をShort飲みます。

■ドトールコーヒー

 同じくドトールコーヒー土岐プレミアム・アウトレット店でブレンドコーヒー(275円税込)を飲みます。幸いにも「これから淹れますので3分程お待ちください。」と言われ、淹れたてが飲めることに。

■マクドナルド

 土岐プレミアム・アウトレットから国道19号へ向かい、市内のマクドナルド19号土岐店でプレミアムローストコーヒーS100円税込)を注文します。アウトレットは来店客が少なく店のスタッフが雑談しているくらいでしたが、こちらは国道沿いとあって賑やかです。

■スターバックス

 土岐市内で終える予定でしたが、やはりスターバックスにも寄ってみようと思い直して多治見市へ向かいます。スターバックス多治見光ヶ丘店でドリップコーヒーをShort319円税込)で飲みます。店内はパソコンを開いている人、英語で会話をする外国の方が居るなど、やはり土岐は田舎なんだと実感します。 

 4店巡って淹れたてを飲めたのはドトールコーヒーだけでした。そんなこともあって、どうしても口直しがしたくなり、さらに足を延ばして美濃加茂市のコクウ珈琲へ向かいます。店主とおしゃべりしながらエルサルバドルのコーヒーを楽しみ、店を出ると空には青空が広がっているではないですか。気分も少し晴れて帰路に着きました。コクウ珈琲以外はしばらく訪れることはないかな。

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フイエマウンテン農園セミナー

 今夜はUCCコーヒーアカデミー主催のWebセミナー「ルワンダフイエマウンテン農園セミナー お手入れ編」です。現地のhrough a Cup 専属ツアーガイド Aloys (アロイス)氏によるルワンダとのオンラインにより現地の様子を、オンラインコーヒーツアー”Through a Cup”を運営する玉田侑希さんと疑似体験します。

 実は、玉田侑希さんは、20197JICA中部で行われた「コーヒーサロン」(主催:コーヒーサロン(東京大学 東洋文化研究所 池本研究室) 共催:JICA)の中で、青年海外協力隊として活動したルワンダのコーヒー農園でコーヒー生産者を対象に栽培の技術指導などの報告を聞いていました。彼女はその後、アラビカQグレーダーを取得し、JICA短期ボランティアとしてタイ・チェンマイの農業協働組合にて品質管理の活動を行いますが、コロナ禍で強制帰国となったのち、オンラインコーヒーツアー”Through a Cup”を運営しているのでした。

 Through a Cupを直訳すると「カップを通して」となりますが、彼女は「今日の一杯の向こう側」という表現をしており、一杯のコーヒーが私たちの手元に来るまでの様々なストーリーを、現地の生産者の言葉で届けようとしています。今回のWebセミナーでは、ルワンダの南部に位置するHuye (フイエ)郡のHuye Mountain Coffee(フイエマウンテンコーヒー)と中継を結び、収穫後のコーヒー農家さんがどのような作業をするのかがテーマになっています。

 この農園のある地域は、フイエ郡南部の鉄器で有名な丘陵地帯で、フイエの中でも幹線道路から離れた田舎に位置しますが、コーヒー生産意欲が高い農家が多い地域のようです。農家は小さい畑の中に豆やソルガム(もろこし)を栽培しながら生計を立てており、なかでもコーヒーは貴重な換金作物となっています。そんな農園の中をガイドのAloys (アロイス)氏が歩きながら、10年間成長したカットバックしたコーヒーノキを画面越しに紹介したり、選定の様子を実演してくれます。農園内を歩き回るのですが、けっこう斜面があって画面を見ながら自分自身が歩いているような気分になれました。 

 参加者からサビ病やポテト臭の原因となる害虫への対策、収穫作業での一人あたりの収穫量など、現地から直接声を聞ける体験は新鮮だし、インターネットを通じて世界との距離が縮まっていることを実感します。事前送付されたフイエのコーヒーを飲みながら、ほんのちょっとだけルワンダの農園に旅をした気分です。

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ニッパチの法則

2月になると近所の酒屋の店主がやってきて、「2月と8月は暇だワ~。」と言いながらカウンターに座りホットミルクを注文されます。(この方、酒もコーヒーも苦手なんです。)確かに、2月は毎年来店客数が少なくてコーヒー豆の販売額も減少する月です。ただし、8月については夏場の需要減少もあって、特に8月だけを限定できないような気がします。

商売の世界には「二八(ニッパチ)の法則」という俗語があり、2月と8月に売り上げが下がる状況を示した言葉です。経済産業省のホームペジでも経済解析室ひと言解説集の中で取り上げており、「二八」現象について、第3次産業活動指数などを用いて検証していました。

そのグラフを見る限り、自動車小売業には当てはまりませんが、小売業の活動が2月に落ち込むということは確かなようです。一方で、8月に前後の月に比べて落ち込むかというと、そういう傾向は読み取れません。飲食料品小売業では、むしろ8月の販売量が多くなっています。小売業全体で言えば、2月の落ち込みや12月の盛り上がりが特徴的で、8月の水準は「平均的」と言えそうです。

ただし、百貨店や総合スーパーのような各種商品小売業と織物・衣服・身の回り品小売業では、8月と9月に販売量が明らかに下がるという動きを見せています。さらに、百貨店販売額の約5割を占める衣料品では、2月と8月の落ち込みが顕著にみられます。この結果、百貨店販売額合計でも、2月と8月に大きく落ち込む「二八」現象がはっきりと表れています。

「二八(ニッパチ)の法則」というのは、全ての業種に共通するものではないことは明らかですが、そんな減少になる理由としていくつか挙げられています。

・年二回のボーナスでお中元・お歳暮やバーゲンセールでまとめ買いをした反動が翌月の2月と8月に反動として現れる。

・2月は12月から1月まで出費のかさむ行事(クリスマス・正月・忘年会・新年会等)があり、その反動として2月は出費を抑えようとする。

・季節的に2月は寒く、8月は暑くてお客さまの購買意欲が下がる。

・3月、4月は何かとお金がかかるので、2月は余計な出費を抑える。

・8月はお盆や長期の休暇で旅行などに出かけてしまい、物を買わない。

・そもそも2月は営業日数がすくなく、8月はお盆休みの影響で実質の営業日数が少ない。

 でも、これらの理由は結局のところ言い訳っぽく感じてしまいます。確かに今年はコロナ禍ということもあって来店客数が少ないのですが、そもそも「それでも行きたい店なのか?」ってことだと思うのです。結局は魅力的な店作りができていないことを、「二八(ニッパチ)の法則」だからといって現実を見ていないだけなのかもしれません。

 「二八(ニッパチ)の法則」に似た言葉に、マーケティングでは「2対8の法則」という言葉があります。2016年5月のブログでも取り上げましたが、これは、イタリアの経済学者・社会学者であるヴィルフレド・パレート発表したもので、「社会全体の所得の多くは一部の高額所得者が占めているが、それは国や時代の制度の問題ではなく、一種の社会的自然現象である」と主張しました。この考え方は、所得配分や経済においてだけでなく、マーケティングなど様々な分野に当てはまるとされており、「全顧客の上位20%の顧客が売上げの80%を占める。」とまで言われていることを意味しています。

全ての顧客を平等に扱うのではなく、2割の優良顧客を差別化することで8割の売上が維持でき、高い費用対効果を追求できるというのは難しい課題ですが、私としては、定番商品に飽き足らない一部の方のために、たとえ売りにくい特徴的なコーヒー豆でも、定期的に入れ替えていこうというのが、まめ蔵の変わらない方針なのです。

 

あかん!法則って言葉を使おうと思ったけど繋がらないワ!

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二つのナチュラル

ルワンダのキナジ地区のナチュラルとコスタリカのガンボア農園ブラクハニーの在庫が無くなったため、新しく二つのナチュラルを販売することにしました。ひとつは、201810月に一度短期間に販売をした「グアテマラ オリエンテ・ナチュラル」、もうひとつは、「コスタリカ トレス・ミラグロス農園ナチュラル」です。

「グアテマラ オリエンテ・ナチュラル」は、グアテマラ南東部に位置するサンタロッサ県の一部で、アナカフェ(ANACAFE、グアテマラ国立コーヒー協会)が定める8つの生産地区の中の「ニューオリエンテ」とは異なる、「オリエンテ」と言われるエリアの標高1,5001,650mで生産されています。近年では、このオリエンテエリアでのコーヒー生産も増えており、今後も注目していきたい産地の1つです。品種はカトゥーラ、ブルボンなどということです。

「コスタリカ トレス・ミラグロス農園ナチュラル」は、コスタリカの首都サンホセの東に位置するカルタゴ州のトレス・ミラグロス農園の中にある、標高1,6501,850mのイグイート区画で栽培されたブルボン品種の豆です。

 今回、同じ中米という産地で精選方法がナチュラルのコーヒー豆を用意したのは、「グアテマラ オリエンテ・ナチュラル」はブルーベリーのような香り、イチゴジャムのような香りなどのフレッシュなフルーツ感が強い印象なのに、「コスタリカ トレス・ミラグロス農園ナチュラル」は、そうした一般的なナチュラルのイメージとは異なり、ドライフルーツや焼きリンゴといった、濃厚さのあるフレーバーの印象があったからです。 

 定番商品として取り揃えているコーヒー豆とは少し変わった味わいを楽しんでいただくため、二つのナチュラルを試してもらえればと考えたしだいです。さて、反応はいかがなものでしょうか?

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うだつの町並みを散策

 妻が有給消化の休みを取ったので、二人で美濃市中心部にある、国の伝統的建造物群保存地区に選定されたうだつの町並みを散策してきました。この「うだつ」とは、屋根の両端を一段高くして火災の類焼を防ぐために造られた防火壁のことで、裕福な家しか「うだつ」を造ることができなかったため、庶民の願望から「うだつを上げる・うだつが上がらない」の言葉にもなっています。そして、美濃市は福井県の越前和紙、高知県の土佐和紙と並ぶ「美濃和紙」の産地でもあり、「日本三大和紙」のひとつに数えられています。そんな本美濃紙の手漉き技術は2014年(平成26年)にユネスコ無形文化遺産にも登録されており、「うだつ」と「美濃和紙」に関わる場所を運動不足解消も兼ねて歩きました。

美濃和紙あかりアート館

 1階が無料休憩所と美濃和紙のあかりアート製品の販売を行うショップになっており、2階が毎年秋に美濃市で開催される「美濃和紙あかりアート展」の入賞作品を展示スペースになっています。昨年、「美濃和紙あかりアート展」に行きたいと思っていましたが、コロナ禍もあって行けなかったこともあり、雰囲気だけでも味わうことができました。

旧今井家住宅・美濃史料館

 ここは、美濃市で最も古いうだつが上がる、庄屋兼和紙問屋であった町家です。江戸時代中期に建てられ、明治初期に増築されたといわれており、市内最大級の間取りとなっているそうです。また、庭には環境庁が選んだ「日本の音風景100選」にも選ばれた水琴窟があり、心地よい響きを楽しませもらいました。水琴窟よりも心地よかったのが館長さんの説明です。「時間はありますか?」といわれ「たっぷりあります」と答えると、元校長先生らしく分かりやすくて楽しい説明をたっぷり聞かせてもありました。

そば切り まる伍

 うだつの町並みを散策すると時間は既に12時を回りました。そこで、石臼挽きしたそば粉で手打ちした十割・二八のそばを提供する「そば切り まる伍」の暖簾をくぐります。そこで、桜えびのかき揚げと野菜の天ぷら・せいろ十割を食べました。満腹!

小坂家住宅

 うだつが上がる町並みのなかで、最も優美なうだつを構えるのが「小坂家住宅」。この町屋の特徴は、緩やかに膨らんだカーブをもつ「むくり屋根」です。小坂家は江戸時代より造り酒屋を営む小坂酒造場で、市街地で唯一の国の重要文化財に指定されています。ここでは、生酒をお土産に妻が購入。

旧名鉄美濃駅

 大正1210月に開設された名鉄美濃駅は、平成114月に名鉄美濃町線新関~美濃間が廃止され役目を終えましたが、当時の駅舎・プラットホーム・路線はそのまま保存されています。ホームには美濃町線にゆかりのある「モ512号」「モ601号」「モ593号」の路面電車3両が展示されているほか、美濃市出身の野口五郎さんの若かりし頃の写真がいたるところに貼ってあります。そうそう、「私鉄沿線」の歌碑もありました。遊びに来ていた子連れの若い家族は野口五郎さんを知っているのかな?

小倉公園

 小倉山一帯を都市公園としたところで、公園内には遊具や小動物園、芝生広場があり、お城の形をした展望台があります。

上有知湊(川湊灯台)

 こうずちみなと(かわみなととうだい)と読みます。江戸時代に物資運送の玄関口として湊が築かれ、明治時代までこの地方の物流と交通の中心として栄えた場所です。高さ9メートルの灯台は今も夜に灯りが入るそうです。

 

 久しぶりに長く歩くとドッと疲れます。今夜は熟睡できそうなので、また明日からせっせと焙煎しましょうか。

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コーヒーアイテムWebセミナー

 昨日は、店を閉めてから「コーヒーアイテムWebセミナー」を見ます。普段、コーヒー抽出器具などの情報は、カタログやネットの記事、コーヒー愛好家のブログなどを通じて知ることが多いのですが、今回は、HARIO株式会社による2021年発売の新しいコーヒーアイテムの紹介が行われるのです。

HARIO株式会社は1921年創業で、今年100周年に当たることから、個性豊かな新製品がたくさん紹介されています。

V60 1回抽出ドリッパー MUGEN 

星形のリブ(溝)が掘られており、パーパーが貼りつきやすく、抽出時間がゆっくりになる設計で、1回の注湯で淹れる仕組みが特徴です。デモでは、20gの粉を240ccの一投淹れで40秒かけて注ぎ、2分弱で抽出が終了とのころ。※メリタの一投淹れは12杯の目印が付いていますが、これはスケールが必須です。

ダブルステンレスドリッパー

 バリスタチャンピオンなんちゃらさんのモデルとか。ネルに近いデザインで、ネルを手軽に家庭で再現できるそうです。側面と底面のメッシュが異なる仕組みとなっています。※目詰りしないのかな?

プアコントロールケトル

 これもバリスタチャンピオンなんちゃらさんのモデル。注ぎ口と取っての位置が急須と同じように角度があり、右手専用のケトルのみだとか。これにより、湯量をコントロールしやすくなるそうです。※重心が腕の前にくるから疲れそう。

ステンレスマグ ミオルーヴ

 ワールドブリューワーズチャンピオンなんちゃらさんとのコラボ商品で、香りの立ちやすい形状だそうです。

W60ドリッパー

 V60のリブの長いリブだけ残したようなドリッパーに、平底の金属フィルターを組み合わせたものです。ドリッパーにペーパーを使用する方法、ドリッパーに金属フィルターを載せて使用する方法、その間にペーパーを挟み込んで使用する方法と、3通りの方法で楽しむことができるとのこと。※単品で購入するよりお得感あり。だってWだもん!

V60ドリップアシスト

 V60のドリッパーの上に乗せる注ぎ蓋みたいなもの。先ず、中央の溝に注いで蒸らし、その後、外縁に注ぐとポタポタと複数の穴からお湯が落ちて均一に注ぐことができるとか。※これって、ハンドドリップする意味あるのかな?

 これら以外の商品説明もありましたが、どれもこれも既存の商品の組み合わせっぽい。斬新さが今一つと言った感想でした。便利、初心者向け、簡単、なんてのはコロナ禍での巣篭り需要に合わせたみたいで、短期的なウケ狙いっぽく見えてしまいます。昨日も「最近、コーヒーを自分で淹れて楽しむようになりました。」って方が来店されましたが、簡単・便利=楽しい、にはならないこともあるのです。 

 さて、これらの商品の中で、いくつが新しい定番商品となるのでしょうか?

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雑誌を頂きました

 お客様から、「コーヒーの特集記事があったから読んでみたら?」と頂いたのが、雑誌「 アンドプレミアム(& Premium)」の2月号でした。この雑誌はマガジンハウスが月刊発行しているライフスタイル情報誌で、2月号の特集記事が「おいしいコーヒーライフ。」なのです。

 雑誌の冒頭には、「このところ在宅時間が増えたこともあって、自分で豆を挽いてコーヒーを淹れるという人がぐんと増えているようです。そのコツコツと手間をかける作業に気持ちを鎮めてくれる心地よさもある、と気付いた人も少なくありません。また、自分で淹れることを経験することで、コーヒーに関する情報にも敏感になり、コーヒー専門店での楽しみ方も深くなってきました。そんな今だからこそ久々に、おいしいコーヒーのある生活について特集します」とあるように、アンドプレミアム(& Premium)では20151月号から6年ぶりにコーヒーを取り上げています。

記事では、デザイナーやモデル、クリエーターなどのコーヒーライフを紹介したり、プロに教わるお菓子とコーヒーの他、各地のコーヒー屋さんが多数掲載されています。その中には、丸山健太郎氏、林秀豪氏のインタビュー記事もあり、林秀豪氏は、最近、急増中の小規模ロースターについて、また、これからこの世界を志す若者たちに、何かひと言をと聞かれて次のように答えていました。「最近は、マイクロより小さな、いわばナノロースターも多いんです。ところが、そのうちの多くが数年で閉めてしまうというデータがあります。売れないからなんです。原料がいくらよくても、技術が伴わなければ、あるいは、よきマシンがなければ、まともな焙煎はできません。技術を磨いて、少しでも感動と驚きを与えられるものを焙煎してほしいと思います。ともかく、飲み手の期待にmeetするのみならず、exceedするものを提供していく。それが基本ですね」。あははっ、頭が痛いわ!

技術が伴っていないうえに、よきマシンというより普通の焙煎機を使用している私には頭が痛い内容です。けれど、「飲み手の期待にmeetするのみならず、exceedするものを提供していく」という感覚は常に意識しているところです。そのへんのところに繋がる文章が最初の「おいしいコーヒーの今と、これから。」のなかにもありました。

「そんな小規模ロースターが街に増えた先に待つもの。それは差別化の時代ではないでしょうか。・・・これは、今どきのロースターによくある光景かもしれません。念のために言えば、こうした各要素はどれも決して悪いものではなく、むしろ優れているからこそ取り入れられているもの。大切なものはさらに、その店にしかない、そのオーナーにしか出せない要素をどれだけ盛り込めるか、ではないでしょうか。通り一遍のパッケージだけでは、訪れる客のコーヒー体験もパッケージ化します。残る店と残らない店があり、残る店には、そこだけの何かとそれをつくれる人が常にあるのでしょう。」 

う~ん。私はそんな「人」になるため精進しなければと思うのでした。

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今年の節分

 今日は節分ということで、さっそく、柊イワシと豆まきセットを準備しました。これで、夜に恵方巻きを食べれば、我が家の恒例行事を無事に終えることができます。夫婦と年老いた母との三人暮らしのなかでも、昔ながらの季節の行事ができることに喜びを感じます。

ところで、今年の節分は22日となるようです。3日でなくなるのは1984(昭和59)24日以来37年ぶり、2日になるのは1897(明治30)22日以来124年ぶりのことだそうです。節分は季節を分けるという意味の雑節で、本来は各季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬の前日それぞれを指していました。それが、そのうち立春の前日だけが残ったものとされており、立春が定まれば節分もその前日として定まるわけですが、私にとって初めての22日の節分には少し違和感を覚えます。

国立天文台のHPを見てみると、「1太陽年の1365.2422日と1365日の差である約6時間ずつ遅くなる一方、うるう年には4年前より少し早くなるというパターンがあるため、しばらく2月4日の中に納まっていた立春の日が令和3年には2月3日へ移り、その前日たる節分も連動して22日へ移ったという次第である。」とあります。なんだか分かったようで分からない話でした。 

とりあえず、124年ぶりの節分の行事を恙なく行うため、帰りに妻が予約した太巻きを購入して家に帰ることにします。「鬼は外!コロナ外!」

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希少なビール

 日常的にお酒を飲まない私ですが、昨年、お隣の瑞浪市釜戸町に誕生した「カマドブリュワリー」に出かけます。醸造されたばかりのビールが醸造所で前日に販売開始となったこともあり、翌日なら買えるだろうと思い、2人の娘婿へのプレゼントとして送ろうと考えたのです。コロナ禍のために1年以上会っていない義父として、その存在を忘れられないようにとの僅かながらの心遣いというわけです。

 この「カマドブリュワリー」は株式会社東美濃ビアワークスの醸造所であり、20204月設立され、1112日に初醸造されたばかりの新しいクラフトビールのメーカーです。ちょっと前までは地ビールと呼ばれていましたが、今ではアメリカで使われているクラフトビールという言い方が主流になっているようです。

 地ビールが盛んになったのは、1993年に細川内閣がバブル崩壊後の経済停滞に対応するため、規制緩和による経済活性化の方針を打ち出したことがはじまりです。1994 4 月の酒税法を改正し、ビールの製造免許に必要な最低醸造量が2,000 キロリットルから60 キロリットルへと引き下げられ、発泡酒製造が原則自由化されました。それを期に、1990 年代後半には多くの企業が地ビール製造に参入した背景があります。

 株式会社東美濃ビアワークスの社長を務める東恵理子さんはユニークな経歴の方で、釜戸町の出身で、北海道テレビの報道記者や、青年海外協力隊の隊員としての勤務経験があるほか、まちづくり会社の立ち上げや、全国の地域活性化事業を手掛けたこともあるそうです。多治見まちづくり株式会社に勤務していた岡部青洋さんと知り合い、クラフトビールによる地域活性化を企画し、中津川市出身の醸造家、丹羽智さんに協力を仰いでビール造りを始めたんだとか。

 地元の陶芸家らと共同でビールに合う器の開発も進めているそうで、クラフトビールを通じて東濃地方の活性化に貢献したいということらしい。「生まめを まめに焙煎し 楽しくまめに暮らす」をモットーにしている呑気な私と違って素晴らしいかぎりです。地ビール醸造企業の設立が、立地する地域の再生や雇用、関連する中小企業の発展、さらには、住民のクオリティオブライフや観光産業の変化にどう及ぼすか、今後が楽しみになりそうです。

 酒飲みではない私ですが、大手ビールメーカーが提供するような「万人向け」かつ「高品質」なビールとは一線を画すビールを、価格がやや高くても日常的に好んで飲み続ける消費者は少数派ではないかと思います。ある意味、コーヒーにも同じようなことがいえる訳で、地ビールが自家焙煎コーヒーと同様に、ニッチマーケットであることを認識しておかなければならないと思いながら車を走らせます。

 ちなみに、クラフトビールのクラフト(craft)は英語で「技術」「工芸」「職人技」などを意味する言葉。クラフトビールとは、小規模な醸造所がつくる多様で個性的なビールを指します。これって、なんちゃら焙煎士ってのと似てないか?個人的には地ビールでいいじゃん。ネーミングや肩書、パッケージも大切ですが、コーヒーと同じく飲み続けてもらってなんぼの飲み物ですから、町民に「釜戸にきたらコレ飲まな!」といってもらえるようになるんだろうか。ビールとコーヒーでは業種はちがうものの、何かしら共通点を感じながら現地に到着です。

 工場(こうば)という感じの醸造所の前にはベンチがあり、正面の入口ドアに向かって歩いていくと、壁の張り紙に「完売しました」という文字が見えます。唖然!昨日から販売になったんじゃないの?車へ戻ってHPを見ると、確かに醸造所での販売開始は前日からでした。念のため通販サイトを覗いてみると、ここにも「SOLD OUT」の文字が! 「買えんのかい?」これでは希少ビールとなってしまい、気軽に飲めそうにもありません。普通なら、希少だから手に入れたいと思うのかもしれませんが、希少なコーヒーって言葉に慣れ親しんでいるせいもあって、急に気持ちが萎えてしまいました。 

 そんなこともあって、希少なクラフトビールが釜戸の地ビールと呼ばれるようになるまで、ここはしばらく待つこととしようと決め、コーヒー豆とお菓子を送ったのでありました。

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