■ 2020年7月 ブログ

アイスコーヒー

 アイスコーヒーの注文が多くなる季節がやってきました。まめ蔵では、毎朝、アイスコーヒー用に抽出をして準備しますが、最近は、一日に数回の抽出を行う事が増えており、抽出をしながら夏がやってきたことを感じるのです。 

 アイスコーヒーには、当店で販売してるマンデリン・ビンタンリマの豆を使用して、ブラジルやコロンビアなどをブレンドすることなく、コーヒー豆、本来の苦さを知っていただくような、すっきりとした後味の良いアイスコーヒーを意識しています。そのための特別な焙煎もなく、ありきたりな普通の焙煎をしていることもあって、特別なキャッチフレーズになるようなものはありません。 

ましてや、コーヒーのプロ(※)が認めるような評価をいただくこともなく、本当に普通に美味しいアイスコーヒーといったところです。※Qグレーダー(SCAA(アメリカスペシャルティーコーヒー協会)が定めた基準により、コーヒーの品質を評価するための国際認定資格所有者) 

抽出は松屋式で行っており、少し濃く淹れたものを急冷しています。そのため、松屋式で多めの豆を使用することや、一般的にアイスコーヒーは原価を下げることが多い中にあって、逆に原価を上げていることが特徴と言えば、言えないこともありません。まあ、美味しけりゃいいんです。 

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珈琲玩具

 数年前に、コーヒー豆を購入されているお客様から、自作の回転式コーヒーロースターをいただきました。おうちのガスコンロでコーヒー豆を焙煎することができ、豆の種類や焙煎時間などを変えることで、本当に美味しいコーヒーに出会えるアイテムを目指して工夫され、何度かアドバイスした中での試作品の一つです。記念にコーヒー豆の商品棚に置いてあります。 

一般的な手網を使った自家焙煎の難点といえば、火にかけながら手網を振り続けなければいけないこと。10分以上も振り続けるのは、大変な作業です。その点、回転式コーヒーロースターは回すだけというシンプル動作ながらしっかり焙煎ができる工夫が凝らされています。回転する本体部内には金属板の「ハネ」を付けるまでにいたっていませんが、上手に回転しながらよくかき混ぜれば、ある程度ムラができにくい構造です。 

土台部分はガスコンロの五徳に安定して設置可能。日本で一般的なガスコンロに対応するので、安全に焙煎することができます。カセットコンロにも設置できるから、チャフが飛び散っても掃除しやすい庭先で焙煎を楽しむのもオススメです。ただし、庭先では少しの風で火力が変化するため、カセットコンロの周りに風よけが必要となるでしょう。キッチンのガスコンロでやろうものなら、奥様のブーイングは間違いありません。 

これがあれば、「本当に美味しいコーヒーに出会うかもしれない自家焙煎」を楽しめます。もっとも、出会うにはかなりの時間を要すことは間違いなく、再現性も熟練が必要ですから、考え方によっては、信頼できる自家焙煎店でコーヒー豆を購入された方が良いでしょう。あくまでも、焙煎を楽しみたい方の「玩具」ですから。それでも、やってみたい方は、慌てずじっくり、様々な条件やデータを記録して試されることをお勧めします。 

くれぐれも、「スグできる!」、「誰にでもできる!」、「やればできる!」といった類似品のキャッチコピーに惑わされないでください。 

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土岐明智氏と妻木氏

 大河ドラマ「麒麟がくる」の放送予定をきっかけに、隣町にある妻木城跡へ向かったのが昨年の4月でした。それ以降、同じ土岐市内であっても妻木町内に用事もなく、今朝、久しぶりに妻木町方面に車を走らせていると、「妻木しろやま観光案内所」なる看板が目に入ります。 

観光案内所となっているのは妻木公民館で、別名「しろやま公民館」と言われ、館内に併設されている郷土資料室には、妻木城址がある城山の模型をはじめ妻木城主が身に付けた鎧甲冑などが展示してあります。そして、妻木公民館前には明智光秀と妻の煕子をモデルにした、等身大の顔ハメ看板が設置されていました。 

丁度、市内にある土岐市美濃陶磁歴史館では、「光秀の源流 土岐明智氏と妻木氏」という特別展が913()まで開催されており、829()には特別展関連講演会として、「明智光秀と妻木一族」(土山公仁氏)、「崇禅寺の位牌にみる明智氏と妻木氏」(黒田正直氏)という内容の講演が土岐市文化プラザ・サンホールで計画されています。 

新型コロナウイルスの影響で放送休止している、大河ドラマ「麒麟がくる」が830日より放送を再開するようですから、復習する意味でも土岐市美濃陶磁歴史館や特別展関連講演会に行くのもよさそうです。けれど、私は「まめ蔵」で一生懸命焙煎と抽出をすることになるので、土岐市美濃陶磁歴史館に張り付けられた特別展の動画を見ております。これを見るだけでも充分満足です。まあ、聞きたいことがあったら、八幡神社の黒田さんのところに行けばいいしね。 

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カフェをはじめてみませんか?

 お店には様々な方が来店され、中には将来、カフェをはじめたいと思っている人も居て、細かなことについて質問される方がいます。けれど、このコロナ渦では夢を叶えることに躊躇しているのか、はたまた諦めてしまったのか、最近はそんな夢を話す人がいなくなりました。 

予想もしなかった新型コロナウイルスの影響ではありますが、長くカフェを続ける過程においては、思わぬ出来事や要因で窮地に立たされることは必ずあると思います。カフェを開業したことがゴールではなくスタートですから、長く続けることが可能な計画を立てることが何よりも大切なのです。むしろ、こうしたコロナ禍だからこそ、勢いではなく、真剣に計画的な開業を考え直す良い機会ではないでしょうか。 

そんな折、関市のカフェ・アダチでは、「カフェをはじめてみませんか?」というイベントが9月9日(水)14001530に行われます。定員:先着10名、参加費:1,500円(お菓子付)で、コクウブレンドとアダチブレンドを飲み比べをしながら、コクウ珈琲の店主である篠田さんの話を聞くことができるようです。 

フライヤーを見ると、『コクウ珈琲は美濃加茂市にある自家焙煎珈琲店。篠田さんの開業秘話や自家焙煎ならではのお話が聞けちゃうかも・・・。カフェに興味がある方、カフェをはじめたいと思っている方ぜひどうぞ!カフェについて一度じっくり考えてみませんか?』だそうですから、興味のある方は覗いてみてはどうでしょうか?でも、既に定員に達しているかもしれませんので、責任はもてません。(勝手に紹介しているだけですから) 

開業までの過程でお勧めしたいのは、できるだけ多くの人の話を聞くことです。「〇〇さんが、こう言っていた。」とか、「どこどこでは、こうだった。」と言う人がいますが、全ての決定は自分自身が行わなければいけないのですから、言い訳や人任せではいけないのです。そのために、客観的な判断ができるよう多数の意見を聞き、自分に合った術を探すことが何より大切です。答えは自分自身が見出すものですから。そのための参考意見なら、いつでも、なんでもお話しいたします。お気軽にどうぞ。 

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チーズティー&チーズコーヒー

 ブームというものは、いずれ過去のものとなってしまうため、「今、流行ってます!」といったマスコミの情報には関心が無いのです。だから、未だにタピオカミルクティーを飲んだことがありません。その、2019年に世間を賑わしたタピオカミルクティーに続き、新たなトレンドドリンクになるのではないかと注目を集めているのが、「チーズティー」なんだとか。でも、数年たてば忘れ去られる存在になるだろうと、気にも留めていませんでした。 

 ところが、近くのコンビニの入口に「チーズティー」のポスターを見つけ、映える絵面に先月から興味を持っていたのです。 そして、ついに買ってしまいました。それが、2020616()発売! ローソン標準価格 350(税込)巷で噂の新感覚ドリンク「チーズティー」という商品です。ローソンのサイトによれば、 

『最近よく耳にするチーズティー。マチカフェのチーズティーは渡される専用のチーズフォームを自分でいれるよ!まずはそのままふわふわチーズフォームを楽しんで、次にチーズフォームを紅茶とかき混ぜてとろとろのチーズティーを楽しむのがおススメ!専門店でしかできなかった飲み方をマチカフェでも味わえちゃう、巷で噂のドリンクをぜひ、試してみてね!』というので注文します。 

ところが、意外と売れていないのか?レジ入力に手間取ったうえに、氷が入ったプラスチックのカップには缶紅茶を注いだものの、上に注ぐチーズフォームの容器を別に手渡すこともなく、蓋に書かれた「開封前によく振ってください」との文言も忘れて注がれてしまいました。店舗によって専用のチーズフォームを店員が入れることもあるようですが、シャカシャカ忘れてますよ! 

 お店に持ち帰ってから、アイスコーヒーを小さなカップに用意して、チーズフォームを移してみます。これで、チーズティーとチーズコーヒーの味比べが可能になりました。「どれどれ?」と、先ずはチーズフォームを味わった後に、マゼマゼしながら飲んでみましたが、チーズを僅かに感じたのみで、ほぼミルクフォームといった味しかしません。チーズティーとチーズコーヒーいずれも、中途半端というのが正直な感想です。 

 このチーズフォームは自作することも可能のようで、専門店のスタッフによるレシピを見つけました。

①常温に戻したやわらかいクリームチーズ50gに、グラニュー糖15gを入れて混ぜ合わせます。 

②グラニュー糖が混ざったら、生クリーム100ccを加え、さらに泡だて器で混ぜます。

マヨネーズぐらいの硬さになるまでホイップ。材料の比率はお好みで調整してもOKです。 

 クリームチーズやグラニュー糖の量を調節すれば、多少好みの味に出来るのでしょうが、そこまでして飲んでみたい気持ちにはならなかったのです。 

 チーズティーではないですが、コーヒーにチーズを入れる飲み物には、「カフェオスト」なんてものがあります。カフェオストは、豊かな独自の文化を築いてきた北欧少数民族サーミ人が生んだアレンジコーヒーです。「オスト」はスウェーデン語でチーズを意味しており、カフェオストとはチーズ入りコーヒーのことです。熱々のコーヒーにチーズを入れると、溶けてカフェオレのようになるとか、砂糖を入れるとティラミスのような味わいが楽しめるとか書いてるものもありましたが、そもそも、日本で同じチーズが手に入るのか分かりませんし、あまり溶けないチーズを使用するようですから、カフェオストはチーズの食感を楽しみながら味わうコーヒーのようです。じゃあ、チーズをつまみにコーヒーを飲めばって言われてしまえば、身も蓋もありませんが、何せ文化なのですから。

 いろいろ試したい気持ちはあるものの、ズバッ!とはまるコーヒーは意外と見つからない。 

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まだまだ続けます

 お店のことやコーヒーのことを伝えるため、できるだけ時間を作ってブログを書いています。たとえブログを通じで伝える人が少なくても、日々、珈琲屋を営みながら知ったり感じたことを、目に見える形で記録することによって、強く記憶に刻まれたり、書いた時点で新たな気づきが生まれるものです。早い話、結局は自分のために書いているのです。 

 コーヒー豆を購入されるリピーターへ、年に数回送付しているハガキも同様で、広告部分を宛名下部の半分に抑え、本来は情報を乗せるべき裏面に絵手紙を描いています。(印刷ですが)毎回、準備に手間取りギリギリになって一発勝負で描き上げる絵手紙ですが、何を描こうかと考える時間が大切で、季節や気温を感じながら、お客様へ伝えたいものを改めて考える貴重な時間になるのです。 

 そんな拙い絵手紙を集めているお客様もあり、「並べて眺めると素敵ですよ!」とお褒めの言葉をいただきました。たった一枚のハガキには出せなかったものが、幾つか集まると強いメッセージを生むことを知り、何事も続けることの大切さを感じるのです。手元には描いた絵手紙は一枚もなく、全てお客様に差し上げているため、残った画像データを並べてみました。一向に上達しない絵手紙に苦笑しながらも、少しだけニヤっとするのでした。 

 ブログも絵手紙も、まだまだ続けます。 

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やってはいけないこともない

 先週、「5年物のコーヒー・リキュールを使ってコーヒー生豆を漬け込むのは、やっぱり、やってはいけないのです。くれぐれも真似をしないように!」などと書いたら、「美味しく飲めないのは、リキュールに漬け込む時間と焙煎にあり!」と珈琲狂から指導が入りました。どうやら、アルコールに漬け過ぎるとコーヒー豆の成分も抜けるようで、そんな豆を煎る場合は煎り過ぎてしまうんだとか。 

 考えてみれば、昼にアップしたブログを見てから来店されたことになるので、「えっ!そんなことのために来たの?」って驚いてしまいます。まあ、何かのついでなんでしょうが、他に理由が無かったとすれば、それはそれで有難いと同時に、かなりの変わり者でもあります。(前から知ってたけど) 

 そこで、指摘されたリキュールに漬け込む時間と焙煎を変えてみようと、残ったコーヒー・リキュールを使い切って再び試してみることにします。前回、3日間漬け込み、2ハゼ前まで焙煎しましたが、今回は、朝に漬け込んだものを夕方に取り出し、一晩乾燥させて1ハゼ途中で煎り止めしました。ついでに、コーヒー生豆もコロンビアからルワンダに変えてみました。たった8時間程漬け込んだだけなのに、かなり豆が柔らかくなっていることに驚きです。 

 焙煎したコーヒー豆は前回よりもリキュールの香りが少なく、物足りなさを感じますが、ミルで挽いた際の飛び散る香りは華やかで甘く期待が持てます。抽出して試飲をすると、ナチュラル精製のようなフルーティーで軽やかさがありますが、最後に僅かな渋みを感じます。前回のような「しめ鯖」に例えるような生臭さではなく、紅茶を飲む際の渋みに近いものかもしれません。なによりソコソコ美味しく飲めたのです。 

5年物のコーヒー・リキュールを使ってコーヒー生豆を漬け込むのは、やっぱり、やってはいけないのではなく、やってはいけないこともないと分りました。何でも試すことが一番分かりやすいのです。 

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低い認知度

 前回のブログで、集客や認知度アップのために広告媒体に載せたこともなく、口コミや勘違いで来店された方々のリピーターによって、低空飛行を続けることが長く続けるコツだと書きました。これは、ビジネスをする上では有り得ないことで、店舗を経営するためには売上アップが必須であり、客単価×来店客数で売り上げが決まることを踏まえると、集客力と認知度の向上を求める事は当然なのです。 

 ただ、セカンドライフで行っている私にとっては、「失敗しない」ことが大前提であり、事業の成長・拡大よりも、出来るだけ長く継続することが目標となるため、少し視点が異なってきます。若い時ならリスクを取ってでもチャンスだと思ったら進むのでしょうが、リスクを取らないことが最大の強さだと考えています。そのための条件が揃ったからこそセカンドライフで始めた訳であり、誰にでも当てはまるものではありません。 

 現在のようなコロナ渦で多くの事業所が経営を断念する中にあっても、「コロナ渦だから」という自分への言い訳はしたくありません。むしろ、「コロナ渦であっても続けられる」という強い意志が必要だとも思います。たとえ悪条件であっても、持続可能なレベルでいることを模索しながら行動できるのも、ピークを知らないこそ、「再び、あの頃のように!」といった勘違いが起きないのです。 

 だからといって、集客や認知度アップのため施策を何もしていない訳ではありません。一般的に、店舗経営で欠かせないのがGoogleマイビジネスの登録や、利用ユーザーが多い大手口コミサイトに登録するのも有効ですが、有料登録は行っておらず、かってにGoogleや食べログに掲載されています。かわりにWEBサイトを開設し、店舗内の写真や取扱商品を紹介しながら、ブログにとりとめのないことを書き綴っているのです。 

「行ってみたい」という動機付けになるかは分かりませんが、店主の人となりは伝えたいと思い、日々の出来事を記録し続けています。ただし、このWEBサイトを訪れる方は少なく、ましてや、ダラダラと書いたブログを読む人など一握りに過ぎないのですが。早い話、「まめ蔵」の認知度は低いのです。だからこそ、少しずつ認知してもらいながら、細く長く生き延びようという訳です。 

認知度の低さを感じるものとして、今月の「土岐市広報」に掲載された手話のコーナーに、モデルとして私が登場しましたが、「見たよ!」と言った方が殆どなかったことからも明らかです。私としては、普段の格好であるエプロン・バンダナをし、今年春に国立市でオープンした、手話を共通言語に採用した国内初のサイニングストアのスタバを意識したのですが、全く肩透かしに合った気分です。 

 この点だけは、認知度が上がれば良いのに!って思うのでした。 

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コロナ渦での来店

 新型コロナウイルスの感染者数が急激に増えてきました。今月16日の参院予算委員会(閉会中審査)で参考人として発言した、東京大学先端科学技術研究センター名誉教授の児玉龍彦氏は、新宿区に新型コロナウイルスのエピセンター(感染集積地)が形成されつつあると指摘しています。そして、総力で対策を打たないと、「来週は大変になる。来月は目を覆うようなことになる」と危機感をあらわにし、政府・国会・民間など総力をあげての対策を求めたのです。テレビで発言の様子を見ただけでも、切羽詰まった状態に近づいていることを感じるのでした。 

 そんな中にあっても、経済を回していかないといけないと「Go To Travelキャンペーン」は、東京を除くといった歪な形で始まろうとしています。確かに、観光業に関連する収益の落ち込みは激しく、前年の数パーセントしか売り上げの無いところが多いのが実情です。また、そうした観光地の飲食店も同様で、人手の減少が即、売上の減少に繋がる状態であり、先日営業にやってきた電子決済のセールスマンの話を聞いても、閉店に追い込まれている話を幾つも聞きました。 

 地方の観光地でもない立地にある「まめ蔵」においても、新型コロナウイルスの影響は大きく、来店数の減少は4月・5月の数字を見ても明らかです。7月中旬が終わってデータを更新しましたが、前年の来店客数を上回ることは出来ず、概ね前年の9割近くに留まっています。(昨年の6月上旬は旅行、7月上旬は入院治療があり一時的な減少) 

 来店客数というものは、地域のイベントや定期的な女子会(あえて女子という)の開催によって増減することがあり、一か月の間にも上下の幅があったりするものです。ところが、5月下旬から7月中旬までのグラフをみても分かる通り、ほぼ一定の来店客数を維持しているのです。コロナ渦によって人が集まる機会が減少し、それでも「まめ蔵」を利用されるリピーターの存在が、意外にも浮き彫りになった形です。これが、現在の「まめ蔵の集客力」といえるでしょう。 

 そうしたリピーターの方々に支えられてはいるものの、店の売上は客単価×来店数できまることから、減少することには変わらず、その不足分をコーヒー豆の売り上げでカバーしてきました。しかし、経済の落ち込みが続けばコーヒー豆の売り上げも減少していくことは明らかであり、打開策を考えなければなりません。よく安易な打開策として行われるのが、売り上げが減少しても収益を維持するため、原材料費を下げて補うことです。「安い原価の品に切り替えても分かんないだろ?」です。でも、これが一番やってはいけないことです。 

 幸いなことに「まめ蔵」は、これまでピークといったものを経験していません。というか、ピークはいらないと考えているので、広告媒体に載せたこともなく、口コミや勘違いで来店された方々のリピーターによって、底辺の少し僅かばかり上を狙いながら経営してきました。「上がれば落ちるけど、これ以上落ちても大怪我しないレベル!」というのが長続きのコツだと信じているので、この方針は変えないでいこうと思っています。それがコロナ渦でも生き残る術かもしれません。 

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やってはいけない

 調理台の整理をしていると、奥の方からコーヒー・リキュールが出てきました。「確か、5年前にお菓子作りに利用しようと作ったな。」と思い出し、その際の残り物であることが判明します。「さて、どうしたものか?」と考えた末、「以前、発酵食品のヨーグルト、甘酒、味噌でコーヒー生豆を漬け込んで焙煎したっけ。」と、5年物のコーヒー・リキュールを使ってコーヒー生豆を漬け込んでみることにしました。 

 製菓用に使用したブランデーのボトルに三日間漬け込みましたが、これが良くない!コーヒー生豆が膨張して取り出せなくなり、とんでもなく苦労しました。漬け込むビンを誤るという、やってはいけないことをしてしまいました。 

 苦労して取り出した生豆を焙煎しますが、雨の日が続いているので天日乾燥が出来ません。止むを得ず湿った状態から焙煎を始めることにし、10分程弱火で乾燥に費やして、その後火力を上げて焙煎をしました。リキュールに含まれる糖分のせいか、通常の焙煎時の色と比べ黒くなっています。そして、コーヒー豆から香るリキュールの風味が心地よく、大成功の予感がします。 

 ミルで挽くとさらに香りが飛び散ります。期待しながら抽出し、カウンターに座っていたお馴染みさんにも提供し、2人で仲良く試飲してみました。二人とも???さらに、???美味しくない!何んだこれは?記憶にある味だけど何だろう?スパイシーは漬物のようで、でも魚の干物のようで、なんだろう?なんだろう?結局、2人が出した答えが「しめ鯖」でした。 

 しめ鯖の味がするコーヒーは飲みたくない!5年物のコーヒー・リキュールを使ってコーヒー生豆を漬け込むのは、やっぱり、やってはいけないのです。くれぐれも真似をしないように!

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久しぶりの臨時休業

 今日は下石町のお盆で、町内にある常福寺に出かけ、法要後に配られる施餓鬼旗(せがきばた)をもらい、お寺からの帰り道となるお墓参り際に墓石の傍らに飾ります。例年、その日は午前11時から営業を再開しますが、妻が「お盆だから、たまには休んだら?」というので、素直に臨時休業することにしました。今年は新型コロナウイルスの影響もあって、コーヒーのイベントもなくなり、これまで臨時休業することも殆どありませんでしたので、久しぶりに定休日と合わせた二連休となります。 

 時間もあることから遠出をしたいところですが、やはり三密によるコロナ感染が気になり、人出の多い観光地へは行く気持ちになりません。世間では、観光庁による国内観光需要喚起を目的とした「Go To Travelキャンペーン」が間もなく開始されますが、「Go To Troubleキャンペーン」にならなければ良いと思っています。妻から、「今年中の旅行は無いから。」と釘を刺されているため、我が家には無縁のキャンペーンとなりそうです。 

 そこで、月曜日の定休日では出来ないことをしようと、近くの美術館等へ行くことにしました。 

 先ずは、多治見市のセラミックパークMINO内にある岐阜県現代陶芸美術館です。こちらでは、「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展が8月16日まで行われています。本来7月5日までの開催予定でしたが、新型コロナウイルスによる影響で期間が変更となったことから見ることが可能となりました。 

 ルート・ブリュック(19161999)は、オーストリア人の父とフィンランド人の母のもとに生まれ、幼少期をストックホルムで過ごします。蝶類の研究者で画家でもあった父の影響で自然や美術に親しみ、学生時代は建築家になりたいという夢を持ちますが、周囲から反対されて断念し、グラフィックデザインに転向します。すると、その繊細で詩的な世界観がアラビア製陶所の目にとまり、1942年に美術部門のアーティストとして入所します。 

 しかし、陶芸の経験も知識もなかったことから、アラビア製陶所で懸命に技術を習得し、1950年前後に職人たちと共に独自の成型技術を開発して、巧みな釉薬技法とスタンプやエングレービングによる加飾でオリジナルの陶板をつくりました。果物や鳥、建物など日常的なモチーフを描いた陶板です。そして、50年代後半からは具象から抽象表現へと変化していきます。もともと「建築家になりたい」という希望をもっていたこともあり、1970年代後半から教会や市庁舎など公共建築のための大型壁画を手がけます。数千数万という膨大な数のタイルを手作業で組み合わせ、繊細さと力強さと共存するモザイク壁画は、高度な技術と類まれな造形・色彩感覚が融合しています。 

 現在、日本巡回展のためにフィンランドで製作された、ドキュメンタリー映像「ルート・ブリュック タッチ・オブ・ア・バタフライ(RUT BRYK : Touch of a Butterfly)」(製作:エスポー近代美術館、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団)がオンラインで公開されています。ブリュックの生い立ちと人生、主要な作品についてわかりやすく紹介し、よりプライベートな目線で、ブリュックの人となりやクリエイションの根源に触れることができます。また、北限の風景を切り取った美しい映像は、私たちを「まだ知らないフィンランド」へといざなってくれます。(約50分) 

 次に向かったのは、多治見市御幸町3丁目の御幸公園前に、先月仮オープンした多治見西浦記念館です。NPO法人多治見西浦伝承会により、629日に期間限定で仮オープンしており、~仮オープン記念企画展「明治天皇と多治見」~ 期間:2020629()~719()を見ます。明治天皇が伊勢への御巡幸の途中に多治見の西浦家にお泊りになり、西浦家が「行在所」となった日が629日だそうで、この日を記念し、明治天皇御巡幸の様子と西浦焼等の展示を楽しむことのできる企画展となっています。記念館は三つの蔵を改装して展示スペースとなっており、受付をされていた多治見西浦伝承会の方にたっぷり説明をしてもらいました。 

 雨が降ったり止んだりの一日でしたが、美術館や記念館を見ながら、いつもと違った空間に浸るのもいいものです。 

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水野さん、水野を巡る

 私の名前は「水野政明」。水野家で生まれ、「政明」という名をもらいました。特別良い名前でもなく、特別悪い名前でもない、時々、テレビや映画のテロップの中に「政明」という名を見ると親近感が湧く程度です。姓名判断によると、「中年、晩年と確実に豊かになっていきます。」とか、「独創性や奉仕性の高い仕事や職場で成功し、広範囲な交際をすれば、運気が上昇します。お金や物が集まってくる運勢をもっています。」とあるものの、お金や物が集まる気配は微塵もないことから、名前による影響はないようです。 

 今回、自分の名前のルーツともいえる「水野」という姓について、改めて知っておこうと思いました。特に理由はありません。強いて挙げれば、ルーツとなるであろう「水野」という地名を以前から知っており、なんらか関係があるのではないかと思っていたからでしょうか。老い先短くなった人が、過去を振り返るようになることとは関係がありません。(たぶん)

そもそも、日本人が姓を名乗るようになったのは、明治8年2月13日に公布された「平民苗字必唱義務令」によって、すべての国民に苗字(姓)を名乗ることを義務付けたからです。江戸時代まで、日本において公的に苗字を使用したのは、原則として公家及び武士などの支配階層に限られ、一種の特権とされていました。そうした特権意識を利用し、一部の農民や商人にも与えて利用されていたものの、私の先祖がそれらに該当することはなく、明治以降に姓を名乗ったであろうことは容易に想像が出来ます。 

 水野という姓の由来には諸説ありますが、その一つとして、清和源氏の末裔の源満仲の弟の源満政の子孫が、尾張国春日井郡山田壮水野(愛知県瀬戸市)で地名にちなんで名乗ったのが始まりとされており、現に、水野の姓は全国で1位:愛知県2位:岐阜県と瀬戸市に関わりのある地域に多く住んでいます。 

 尾張国春日井郡山田壮水野は、現在の瀬戸市水野地区と呼ばれる所にあり、瀬戸市の北西に位置し、愛知環状鉄道中水野駅があります。水野団地やみずの坂などを中心とした住宅団地、瀬戸市の産業を支える工業団地が存在する地域の中で、文献上で「水野」の地名が表れるのは、永仁6 年(1298) の『熱田社領新別納郷等注文案』にある「水野上御厨」です。「上」は水野川上流部を指すものと考えられ、「水野」は現在の品野地区も含めて水野川流域を指す所領名であったようです。江戸時代には、上・中・下の水野三村という地名がありましたが、残っているのは上水野、中水野という地名だけです。 

 そこで、「水野さん、水野を巡る」という訳で、水野ゆかりの地を歩いてみようと思います。ただ、同じ水野であっても、水野地区のことはさっぱり分からないので、平成29429日に開催された、瀬戸の魅力再発見・平成29年度まちめぐり「水野地区」の資料と使って、その一部を巡ってみることにします。 

■水野代官所跡 

18 世紀後半、この地域で大洪水などの災害が相次ぎ、加えて役人の不正や農村の困窮などの問題が山積するようになってきました。そのため、天明元年(1781)に大改革を行って現地に代官所を置き、所付代官を赴任させることになりました。水野代官も天明元年に設置され、初代代官には林奉行の水野正恭が就いたそうです。現在、水野代官所跡地には小学校が建っています。 

■三社大明神社 

三社大明神社は中水野の村社ですが、初めは水野三村の氏神であった尾張戸神社の里宮として創建されたと伝えられています。社叢の中には、「マルバタラヨウ」というモチノキ科のモチノキとタラヨウとの交雑種の植物があり、平成8年(1996)に学会誌に新種として報告され、市指定天然記念物に指定されています。葉の違いなどの説明書きがありましたが、さっぱり分かりませんでした。

■東光寺 

 臨済宗妙心寺派の寺院で、定光寺の末寺として永正元年(1504)に雪心和尚により開基と伝えられています。 

■殿様街道 

 東光寺近くから定光寺方面に繋がる道は、尾張藩主の行列が通ったことから「殿様街道」と名づけられています。尾張藩初代藩主徳川義直が葬られた定光寺への墓参りの道として、また、水野で行われた狩りのために通う道でもあったようです。 

 そんな水野地区を雨中に巡っていると、中水野駅近くにコーヒー・サクラさんがあったことを思い出します。そこで、場所を思い出しながら店舗へ向かい、テイクアウト用のサクラブレンド(200円)を注文します。エアロプレスで淹れたコーヒーを飲みながら、ひょっとすると、ご先祖様が住んでいたかもしれない水野の地を後にしたのでした。 

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雨を止めて

 『空の神様 どうか雨を止めて下さい』、こんな絵手紙が届きました。確かに、「令和27月豪雨」と名称が定められた今回の大雨は各地で災害をもたらしています。そして、まだ終わってくれることなく、梅雨前線は来週にかけても日本付近に停滞するようです。 

明日10()11()にかけては九州北部から中国地方、東海の山沿いなどで雨が強まる見込みです。多い所では2日間で300500mmの雨量が予想され、大規模な土砂災害や河川の増水、氾濫、低地の浸水などの恐れがあります。「恵みの雨」と呼ばれることもあれば、今回のように厄介者扱いされる雨ですが、自然界にとっては必要な雨ですから、何とかして付き合うしかないのです。 

コーヒーが育つうえにも、雨はとても大切なものです。育てるのが非常に難しいコーヒーの木は、雨、日当たり、温度、土質といった四つの条件が揃わないと育ってくれません。降雨量は、年間1500mm2500mmと特別多くも少なくないところで大丈夫ですが、必ず必要なのが、成長期に雨が多く、収獲期に乾燥している、つまり雨季と乾季があるという環境必要です。日本の年間の降水量が1700mmくらいですから、日本よりももうちょっと雨が降るくらいの環境で育っているんだなという感じです。 

コーヒーの花の開花にも雨は必要で、雨季の始まりの「雨」にあわせて開花します。この、コーヒーの花を咲かせるこの雨のことを「ブロッサムシャワー」などと呼ばれています。私が開業前にハワイの農園に行った際にも、前日までツボミの状態だったコーヒーの花が、夜に降った雨によって一斉に開花した光景を目にしました。 

振り続ける雨は困りものですが、雨が降るからこそ起きる素晴らしい出来事もあります。相手は自然ですから、上手く付き合うしかないのかもしれませんね。 

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願いの叶う人、叶わない人

 今年の七夕は、雨で星空を見ることが出来ませんでした。朝になって新聞を取りに行くと、玄関先に飾った七夕飾りには、短冊が跡形もなく無くなっています。家族の願いは聞き入れてもらえなかったようですが、梅雨前線による洪水や崖崩れにも見舞われることもなく、別の意味で感謝すべきでしょう。一夜にして全てを失った九州地方の方々を思うと、お見舞い申し上げますとしか言えません。 

 そんな一夜にして大きな変化が起きたのは、625日の日本時間深夜に行われた、カップ・オブ・エクセレンス(COE)エチオピア2020の国際オークションです。エチオピア初のCOEオークションで、スコア91.04を獲得して優勝したシダモ地区のニグセ・ゲメダ・ムデ(Niguse Gemeda Mude)のナチュラルプロセス・品種74158は、最高落札価格185.10ドル(2万円:1ドル107円換算)/lb.で落札されたのです。 

シダモ地区の村で、3 ヘクタールのコーヒーを栽培し、さらに 10 ヘクタールで野菜、小麦、テフ、大麦、竹の作物を栽培していた農園主は、年間15,000キロのレッドチェリーを生産してアフリカン・ベッドで自然乾燥させていました。しかし、そのコーヒー豆の販路は、地元の民間バイヤーとエチオピア商品取引所「ECX」に販売する術しかありません。それが、COEオークションによって努力に見合うお金を手に入れ、これまでの願いが叶ったことになります。 

今回、エチオピアで初のCOEオークションということもあってか、87点以上のスコアを獲得し入賞して国際オークションにかけられた28農園のコーヒーの平均落札金額は28.44/lbとなり、全ロットの累計落札額は134万ドルで、日本円にして約14千万円となり、過去最高額を記録したそうです。まるでご祝儀相場だ!(コーヒーにもご祝儀相場があるのかな?) 

 一位のロットは、1aを予想通り丸山珈琲を中心にしたグループが落札しましたが、1bは猿田彦珈琲が単独で落札しています。さて、1bをどんな戦略で販売するのか気になるところです。これまでのCOE一位は、ニカラグア:カトゥーラのナチュラル、グアテマラ:ゲイシャのウォッシュド、エルサルバドル:パカマラのアナエロビックです。コロナ渦でカッピングの機会を得ることができず、気になっても飲めないのが残念でなりません。 

 さて、願いが叶って大金を手に入れたエチオピアの農園主は、親戚縁者や業界の人々が多数押し寄せ、ある意味、人生が大きく変わってしまうんだろうな~。そんな大きな変化を望まない私の願いを書いた短冊は、「少しだけダイエットできますように。」でしたが、風に飛ばされ願いは叶わないのかな? 

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大口町のヒマワリ

 「定休日の月曜日が一日中雨だなんて、どこにも行けないじゃないか!」そう呟くと、「行くとこあるよ!」と妻が答えます。はぁ?「先ず、市役所で胸部レントゲンをやって、保健センターで大腸がん検診のキットをもらい、スーパーで茄子と卵を買って、JAの窓口で地域振興券を買って!」、「そうそう、サイドボードの上に、おばあちゃんが郵便局で手続きしてきほしいって、書類があるから!」、「書斎の机にレントゲンのハガキを準備しといたから!」 

 結局、雨の中いろいろな場所に行かせてもらいました。でも、休みを味わった気がしません。そこで、お客様からの情報をもとに、愛知県丹羽郡大口町へ車を走らせることにしたのです。なんと、大口町下小口の五条川沿いには、6月上旬だと言うのに「ヒマワリ」が咲き誇っているというのです。そして、先日の中日新聞にも紹介されたと言います。 

72日の中日新聞によれば、このヒマワリ畑は、大口町内の米農家「服部農園」代表の服部忠さん(47)が地主から借りた土地に育てたということです。町内農家から預かった田んぼ97ヘクタールで、田植え時に作業車のタイヤから落ちた土で道路を汚したり、トラクターが遅くて道を詰まらせたりすることを気にしており、農業を続ける中で、知らず知らず世話になっている地域の人に喜んでもらおうと育てたんだとか。 

ヒマワリ群落は大口町総合運動場北東の約2,200平方メートルもあり、主に耕作放棄地や雑草で作物が育ちにくい畑を選びヒマワリの種をまいたそうです。大口町役場近くにの駐車場に車を停めて、五条川沿いを雨の中を歩いていくと、想像したよりも背の低いヒマワリが一面に咲いています。あいにくの雨で太陽に向かって咲いてはいないものの、一足早く夏を感じる光景を楽しみます。 

その後、お店に戻って無くなったパウンドケーキを作り、一日はあっという間に終わるのでした。

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covid-19が世界のコーヒーセクターに与える影響

 国際コーヒー機関(ICO)から、4月に「covid-19が世界のコーヒーセクターに与える影響」というレポートを出しています。新型コロナウイルスのパンデミックは、公衆衛生上の危機的状況を招き、世界経済に大きな影響を与えている中、GDPの推移とコーヒー消費量の間の相関関係の関連付けを試みるというものです。 

 なにせ英文ということもあり、ネットの翻訳機能でコピペを繰り返して読んでみましたが、結局どうすんの?ってな気持ちになります。国際コーヒー機関(ICO)は、カフェやレストランなどの外食産業が閉店し小売店の売上が急激に減少したこと、また、家庭におけるコーヒーの需要が巣篭りで微増していることを認識した上で、「COVID-19パンデミックによる直接的・間接的な影響を原因とする世界的景気後退により、世界的なコーヒーの需要はより深刻な影響を受けることが予想される」予測しています。 

ソーショルディスタンスという社会的な距離の取り方では、小売や観光といったホスピタリティの部門の大部分が停止することになり、宅外消費に深刻な影響を与え、コーヒーの需要全体に影響を与えますが、この不足分を家庭での消費量の増加で補うことがでれば、コーヒーの消費量は減少しません。けれど、価格に敏感な消費者は、危機以前に購入していたコーヒーより安価なコーヒーで代用しはじめるのです。 

 さらに、ICOは世界のGDP成長率が1%減少するたびに、コーヒーの消費量が0.95%減少すると試算しています。これをコーヒー豆の量に換算すると、世界GDP成長率が1%減少するたびに世界のコーヒーの需要は160万袋(160キロ計算)減少するんだとか。こうしたGDP成長率の大幅低下や世界的な景気後退の影響は、それに比例して大きくなると予測されており、年率23%のペースで安定的に需要が増加していたコロナ禍以前と比較し、コーヒー消費は減少に転じるとしています。 

 COVID-19パンデミックがコーヒー生産者、取引業者、焙煎業者に与える影響について、消費者の理解が得られれば、効果的な緊急時・復旧対策が可能となるといってはいるものの、具体策は何も記されていません。「高っかいコーヒーを有難がって飲めよ!」って言えば良いのに、それも出来ない国際コーヒー機関(ICO)なのです。そんなんだから、グアテマラが国際コーヒー機関(ICO)から次の収穫シーズンをもって離脱するって言ったりするんです。 

そもそも、国際コーヒー機関(ICO)は、コーヒー生産国に輸出割り当てを課して、国際市場に流通するコーヒー豆の量を人為的に制限することで、価格の低迷防止と図ることを目的とした国際コーヒー協定(ICA)を、ICOの総会で決定します。しかし、輸出割当制度が崩壊して、割当が削除されたまま幾度も延長されたり、2007年協定以降は見直しもなく、最大の消費国であるアメリカが脱退したり入ったり、また脱退したり(トランプ政権で)と進む方向が定まらないのです。 

本来、貿易価格を反映すべき国際商品先物市場のコーヒー価格は、まるで金融商品のように操作され、需給バランスを反映しない名ばかりの先物価格が貿易価格を決定するようになっている今、国際コーヒー機関(ICO)の役割はあるのだろうかと思うのでした。 

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げなげなばなし

 「げなげなばなし」というものがあります。「あれは〇〇〇やげな。」、「あの人○○○やげなよ。」といった噂話のことです。私は東海地方だけの方言だと思っていましたが、どうやら全国各地で使われているようで、意外にも九州地方でも使われており、宮崎県では、「げなげな話はウソじゃげな。」とか、鹿児島県では、「げなげな話をすいもんじゃなか。」といった使い方がありました。 

 もともと、伝聞を表す「げな」を重ねて、「話」を修飾した言葉であり、「げな」は、気配を表す「げ」に、断定の助動詞「なり」のついたもので、文末に伝聞の意を表す「げな」を用いるところから昔話のことだったようです。今では、不確実な噂話の際に使われており、さらに不確実な噂話がまるで真実のように伝聞されています。 

 最近、この東美濃地方でも、再び新型コロナウイルスの感染が確認されていますが、感染された方々に対する誤った噂話(情報)が拡散されています。中には生死に関わる醜い内容であったり、明らかな名誉棄損と思われるものまで、この「げなげなばなし」によって伝わっているのです。正直、そんな話を耳にするたび、「自分の身に置き換えられる想像力がないのか?」と感じてしまい、コロナより恐ろしい人間の闇の部分を見るのです。 

 そんな時に、「コーヒー美味しかったです。」といって、コーヒー豆を買われる際、「コーヒーのことを書いたお勧めの本はなんですか?」と尋ねられました。そこで、迷わず、『コーヒー「こつ」の科学』(著:石脇智弘)、『コーヒーおいしさの方程式』(著:田口護+旦部幸博)、『コーヒーの科学』(著:旦部幸博)の三冊をお勧めしておきました。 

 「この三冊の本を読めば、きっと一杯のコーヒーも味わい深く楽しめますよ。」と、お伝えしましたが、この情報は「げなげなばなし」ではなく真実なのであります。 

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ステッカー

 岐阜県では、感染防止対策の指針となる「コロナ社会を生き抜く行動指針」に沿った感染防止対策をオール岐阜で進めており、今回、県内の各事業所、店舗が感染防止対策を実施していることをわかりやすくPRするため、新型コロナ対策実施店舗向けステッカーを作成したようです。 

そのステッカーの入手を希望される方は、「申込書」(土岐市用)と「宣言書」(土岐市用)を郵送で土岐市役所危機管理室へ送って下さいと、先週末に土岐市役所から案内状が送られてきました。ステッカーを貼ることで、その店舗が感染防止対策を実施していることを利用客にわかりやすくPRし、「そこの事業者は、感染防止の意識が高まり」、「そこへの利用者は、安心して利用できる」という効果を狙ったものです。 

新型コロナウイルスによって客足の減った、飲食店、小売業、宿泊施設・観光施設などの観光業、ゲームセンター等、理美容業、マッサージ店は宣言書のみで審査され、カラオケ・ライブハウス、パチンコ店、キャバレー等の接待を伴う飲食店、スポーツジムおいては感染防止マニュアルの作成が義務付けられてはいるものの、おおむね形式が整っていれば交付されそうです。早い話、「ステッカーがあるから安心して来てね!」ってことを周知し、客足を取り戻そうという施策です。 

 施策の趣旨のとおり、ステッカーで利用者に分かりやすくというのはいいのですが、各店舗が宣誓書どおりに感染防止に取り組んでいるか行政が確認することもなく、安易に交付して「安心して!」とPRすることに疑問を持ってしまいます。ステッカーを貼る各店舗が、本当に感染防止の意識が高まるのだろうか?形式的なものになるのではないかと、宣誓書を書きながら考えていました。 

 そして、先ほど届いたステッカーを入口ドアに張り付けたものの、利用者がどの程度ステッカーの意味を認識しているのか?そもそも関心があるのか?最近のお客様を見ていると、お客様自身の感染防止意識の低下自体が気にかかるところです。多くのお客様が感染拡大前のような感覚で利用しており、「新しい生活様式」とは無縁のように思えてなりません。中には、「第二派なんてこない。」という意見を持つ人まであるくらいですから。 

 まめ蔵では出来る限りの感染防止に取り組みますが、出来ればコーヒー豆を買って、家でゆっくりくつろぎながら飲んでもらいたいものです。 

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短冊に願いを

 1940年のディズニー映画「ピノキオ」の主題歌として、ジミニー・クリケットが歌ったのが『星に願いを』です。その歌は、「小さな世界」「ミッキーマウス・マーチ」と並んで、ディズニーを象徴する代表的な曲として知られています。その一年後の1941年(昭和16年)、日本では文部省発行の「うたのほん 下」に童謡『たなばたさま』が唱歌として掲載されました。 

そんな訳で、7月に入った早々、我が家でも七夕飾りをいつものように玄関先に行ったのです。童謡では「のきば(軒端)にゆれる」なので、玄関先ではないのですが、他に適当な場所がないので仕方がありません。そして、いつものように家族が思い思いの願い事を、いくつかの短冊に書き込みます。ついでに、離れて暮らす娘たちの分も代書して飾り、「星に願いを」という恒例行事も無事終えます。 

そんな矢先、テレビのニュース速報で「美濃加茂市の男性がコロナに感染しました。」との情報が。中日新聞によれば、「男性は6月23日に38度の発熱と全身の倦怠感があった。発症前2週間の間に、東京都と神奈川県を訪れていた。感染経路は確認されていない。同居家族2人のうち1人に発熱の症状があるといい、ともに今後PCR検査する。」とあり、さらに感染者の数は増えそうです。 

今年の短冊には「コロナ」の文字が加わっていましたが、県内の感染者がこれ以上増えないことを願うばかりです。『星に願いを』の歌詞に、「星に願いをかけるとき 君が誰でも関係ないさ 君の心に願うことはなんでも 叶うのさ」とあるように、願いを叶えてくれると良いのですが。 

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