有求休暇

今日は急遽、臨時休業にしてしまいました。通常、コーヒーセミナー等への出席や、妻と旅行に出かけるために臨時休業にする場合、事前にお客様へお知らせするのですが、今回は前日に臨時休業を決めました。その理由が“見てみたい”、“行ってみたい”という欲求があったからです。そんな自分の求めに対して店を休むことを選択した、いわゆる「有給休暇」ならぬ、「有求休暇」なのです。今回は、そんな記録です。

■名古屋市美術館

 現在、名古屋市美術館で開催されている『開館35周年記念 ガウディとサグラダ・ファミリア展』が、3月10日(日)終了してしまいます。昨年放送された「NHKスペシャル サグラダ・ファミリア2023〜ガウディ 100年の謎に迫る〜」を見ていた私は、名古屋での特別展開催には是非見に行きたいと思っていたのです。ところが、今度、今度と先延ばしにしていたら終了間際になってしまい、お尻に火がついて名古屋までの電車に飛び乗ったのでした。

「今回開催されているガウディ展は、長らく「未完の聖堂」と言われながら、いよいよ完成の時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリアに焦点を絞り、この聖堂に即してガウディの建築思想と造形原理を読み解いていくものです。図面のみならず膨大な数の模型を作ることで構想を練り上げていったガウディ独自の制作方法に注目するとともに、「降誕の正面」の彫像制作にも取り組むなど建築・彫刻・工芸を融合する総合芸術志向にも光を当て、100点を超える図面、模型、写真、資料に最新の映像をまじえながらガウディ建築の豊かな世界に迫ります。(名古屋市美術館HPより)」

「第1章 ガウディとその時代」から「第4章 ガウディの遺伝子」までを展示する会場には、特別展の終了が近いこともあってか多数の方が入館され、小さな設計図やイラストは近くでゆっくり見ることが出来ません。そのため、音声ガイドプログラムを借り、ナビゲーター城田優の声に耳を傾けながら、ガウディの世界観に浸っておりました。模型の造形美に魅了され、柵を忘れてしまい係員に制止されなど恥ずかしい経験をしたものの、サグラダ・ファミリアを一度は見てみたいと思うのでした

FARMERS PASSION COFFEE

昨年の1010日に名東区一社にオープンしたFARMERS PASSION COFFEE』へ、ネパールのコーヒーを飲みに行きました。株式会社SHANTI SHANTI COFFEE FARMが運営する豊川市の「FARMERS PASSION」の姉妹店となります。以前、ネパールからの留学生に自国のコーヒーを飲んでもらいたいと、豊川の店にコーヒーを注文したことがありました。しかし、豊川では遠いので行けませんでしたが、一社なら一度は行きたいと思っていたのです。

ネバール・ジャンジャのハニーミディアムとブルーベリーのタルトを注文します。すると、見たこのないドリッパーで淹れているので、「珍しいドリッパーですね。」と声をかけると、偶然、店に来ていた代表の池島英総さんが、「コーヒーのかすを樹脂に練りこんだ手作りのドリッパーです。」といって、2種類のドリッパーを見せてくれます。私が小さな珈琲屋をしていることを知り、ネパールの農場での様子やアナエロビックの生豆を見せてくれました。商社の言いなりにならず、農園が主導権を持てるような付加価値の高いコーヒーを作りたいとの思いが伝わってきます。

実は、今年に入ってウクライナへ軍事侵攻を続けるロシア軍に、兵士としてネパール人が雇われる事実を知りました。国内の経済状況が厳しく、深刻な貧困や失業問題が続くネパールでは、200万人以上が外国で働く“出稼ぎ大国”としても知られています。そのネパールで、ロシア軍に雇われて兵士となる人が相次いでいるといいます。ネパール政府は去年12月、その数は少なくとも200人以上に上ると明らかにしました。ネパールの平均月収をはるかに上回る、日本円にして30万円余りの月給がもらえることを条件に、ロシア軍に雇われて兵士になったというのです。また、1年間の兵役でロシア国籍を申請することができるとのこと。コーヒーで豊かになれば、そんな出稼ぎも必要なくなる。甘い理想かもしれませんが、一理あります。そんなことも想像しながらネパールのコーヒーを飲んだしだいです。

■星屑珈琲

 定休日が同じ月曜日ということで、これまで訪問することが出来なかった星屑珈琲です。コロナ禍以降「おひとり専用」のスタイルにされており、将来のことを考えると参考になると思いながら気にしていたものの、今年に入って店主の持病により休業しておられたので残念に思っておりました。ところが、最近になって時短営業されていることを知り、この機会に立ち寄ったのです。

221日よりしばらくの間、営業時間は当日のInstagramX (twitter) で通知するとのことでしたが、更新されていないのでダメもとで出かけましたが、やはり休みとなっていました。「もしおしらせがない場合は寝ているのだと思ってください。」とあるので、寝ているんでしょうね。残念でした。

■北村武志1992-2024

 カレリア織部で314日まで開催中の、「北村武志1992-2024」を見に行きました。北村武志さんの絵は以前から見てきましたが、独特な色使いの人物画が特徴的です。「作品の中の若者たちの瞳は、現代社会に生きる迷いと希望の光を見つめています。」と話されているように、見る側に様々な事柄を想像させます。また、これまでに見たことのない作風の作品もあり、今後の作品も楽しみです。 

 “見てみたい”、“行ってみたい”という欲求だけで過ごした一日でしたが、どこか後ろめたく感じてしまうのは、やはり急に休んだからでしょうか?または、ただの貧乏性なのでしょうかね?