甘くて苦いルワンダ

先日から、生豆商社が数量限定で販売している、ルワンダ西部のニャマシェケ郡にある、カレンゲラ(KARENGERA)ウォッシングステーションのナチュラルを焙煎しました。

 これまで常時販売しているコプロカ(COPROCA)ウォッシングステーションのウオッシュドの他に、昨年からルチロ郡のムササ(MUSASA)ウォッシングステーションのハニー、ニャマガベ郡のキビリジ(KIBIRIZI)ウォッシングステーションのハニーと、コーヒーの栽培されている標高が1,500mから1,900mまでというコーヒー豆を使用してきましたが、それぞれ個性があって楽しむことが出来ました。
 ルワンダのコーヒーといえば、2016108日にJICAなごや地球ひろばで開催されたコーヒーサロンで、川島良彰さんによる「ルワンダコーヒーの課題と日本の支援」の講演を思い出します。JICAプロジェクトによる栽培からカップまでの取り組みが説明され、栽培技術の向上や焙煎・包装技術の向上、品質規格の見直しや国内需要と品質管理について、ルワンダという国の特徴を踏まえて分かりやすく解説されました。

それまで、ルワンダコーヒーについては何度か講演を聴いていたこともあって、少しずつ産地の様子が変わっていくのが分かり、「あと数年で皆さんのところに届けられる」という言葉が現実味を帯びているのが感じられたものです。そして、こうやって様々な地域のルワンダコーヒーが楽しめているのですから、産地での努力が実を結んでいることを実感します。 

 ルワンダといえば、長年フツ族とツチ族の間に民族対立があり、19944月に起きたフツ系大統領の暗殺をきっかけにフツ族によるツチ族の虐殺がはじまりました。その規模とスピードは並外れており、100日足らずの間に殺された人の数は80万人に上るといわれる「ルワンダの悲劇」が知られています。

 その後、復興政策を推し進め、目覚ましい経済発展に尽力したポール・カガメ大統領の手腕は国際的に高く評価されています。しかし、その一方で政敵を次々と排除し、自身の支配体制を盤石のものにするため、厳しいメディア規制と言論統制を敷いています。体制批判をしたメディアはつぶされ、人権団体も市民グループも社会活動を自由に行う事ができないという、権力に固執する態度は独裁政権そのものといえます。 

 ついつい、甘いナチュラルのコーヒーが苦くなる話になってしまいました。

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コメント: 2
  • #1

    帰山人 (木曜日, 11 1月 2024 12:51)

    ある意味では確かに「群」れてはいるけれども「郡」だよね

  • #2

    まめ蔵 (木曜日, 11 1月 2024 13:59)

    素早いご指摘ありがとうございます。
    何度も誤字を経験しながらも、いっこうに気付かない私です。
    早速、「群」を「郡」に訂正させていただきました。