七草なずな

明日17日は、七草粥を食べる日です。我が家でも、妻がスーパーで七草セットを買い求めてきており、例年通り七草粥を朝食として食べる予定です。七草は早春にいち早く芽吹くことから、邪気を払う効能があるとされ、無病息災を祈って七草粥を食べると言われています。

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。これら七草を6日の夜、まな板の上で包丁の背などでトントンたたいて細かく柔らかくしておき、翌日の朝にお粥に入れて七草粥としていただく風習が残っています。その際、まな板の上で七草をトントン叩いて刻むのに合わせて歌う「七草なずな」という童歌があるそうです。

それが、こちら

♪♪七草 なずな 唐土のとりが 日本の国へ 渡らぬ先に ストトントントン ストトントントン♪♪これを数回繰り返しながら七草を刻むそうです。

 私はまったく記憶にないので、コーヒー豆を買われる70代後半のお客様に尋ねると、「知ってるよ!」といって、一節歌ってくれました。「子供の頃におばあさんが教えてくれたけど、覚えているもんだな~。」と笑顔で話してくれます。地方によっては多少歌詞が異なるようですが、まな板を包丁でトントントンと叩くリズムは同じようです。

童歌に出てくる「唐土(とうど)」とは、昔の中国のことです。この歌には、中国から飛来する渡り鳥である害鳥を追い払う「鳥追い」の意味があるようです。渡り鳥が運んでくる害虫や疫病が農作物に流行しないよう追い払うため、まな板をトントン叩くような「鳥追い」は、信越地方の一部の風習として残っていると聞きます。

 長野や新潟の雪深い地域では、子供達が仲間を集めて雪でかまくらを造り、14日の夜になると拍子木を打ち、鳥追い歌を歌いながら集落中を回り、最後に自分達の雪穴に帰って、餅や菓子や持ち寄ったご馳走を食べて一夜を過ごす風習があるんだとか。子供にとっては貴重な夜遊びの経験で、きっとワクワクするイベントでしょうね。

鳥追い歌はその地域によって異なり、その方法も違っているようで、地域によっては持ち回りで鳥追い宿を提供するところもあるとか。いずれにせよ、雪国の子供達に地域の協働性を育む一つの手段として受け継がれてきたようです。 

そんな「七草なずな」の存在を知ったので、今夜は妻が買ってきた七草セットを童歌でも歌いながら刻むとしましょうか。