ガラス造形展

秋を感じる涼しい朝、店の掃除を済まそうと車に乗ると、スピードメーターの下に初めて見る!ビックリマークのランプが黄色く光っています。何のマークかも分からないものの、とりあえず車は普通に動くので、ディーラーがオープンするまで様子見で車を走らせました。

 ディーラーの店頭へ行き、「ビックリマークが出て、istopランプが点滅するんだけれど。」と説明すると、「それはバッテリーが弱っている症状です。朝、急に涼しくなったのが影響したのでは?」という回答。バッテリー交換の見積書を見て驚きながら、とりあえず充電する意味でも車を走らせようと、多治見市のカフェ&ギャラリー「ガレリア織部」へ向かいました。

 ガレリア織部では、『飯田尚央・飯田将平 ガラス造形展』(9月30日~10月12日)が行われており、宙吹きガラスの高度な技法を駆使して、ガラスという素材の持つ流動的な美しさと造形美を楽しみます。父である飯田尚央さんの卓越した熟練の技術と、息子さんである飯田将平の躍動する瑞々しい感性による美しい花器、茶器、酒器等のうつわやオブジェなど100余点を鑑賞しました。

 お二人は、愛知県常滑市に工房兼ショップ「グラスワークス楽」で活動している吹きガラス作家です。常滑市といえば焼物の町として有名ですが、一見、陶器や磁器とガラスは無縁のように感じます。しかし、陶器はボディが粘土の状態で、その上にガラス質である釉薬がかかっているもの。一方、粘土がガラス化しているボディの上にガラス質の釉薬がかかっている、つまりボディ、釉薬ともにガラスに近づいているものが磁器なのです。陶器と磁器の区分は、ガラス化に必要な材料の割合の違いにあり、ガラスと焼物の極めて近い関係にあるといえます。

町内には、ガラスのような透明感と漆器を思わせる風合いの「ぎあまん陶」を作り、国内のみならず海外からも注目を集める工房もあります。とはいっても、ガラスでしか成し得ない美しいフォルム・色彩、光に照らされる姿は、息を吹き込まれたガラスがまるで呼吸しているかのような見応えがあります。 

秋を感じた日に、芸術に触れた一時でした。