『美乃坂本』駅へ

二十数年ぶりに、『美乃坂本』駅へ行ってきました。サラリーマン時代に転勤で4年半程中津川へ通勤した際の最寄駅です。あの頃は駅員もいたのですが、今では中津川駅が管理する業務委託駅となり、日中は有人の時間帯もあるものの、早朝・夜間や昼の時間帯は無人駅となる寂しい駅になってしまいました。

 土岐市駅から当時30分で『美乃坂本』駅に着くのですが、早朝は寝過ごして中津川まで行ってしまったり、仕事帰りに先輩に駅前の居酒屋へ誘われ、気持ちよくなって多治見駅まで寝過ごす経験を何度もした思い出深い駅です。

 その『美乃坂本』駅が、2027年開業予定(確実に遅れるもよう)の『品川』~『名古屋』間リニア中央新幹線の岐阜県駅(仮称)になるというので、工事の様子を見てみようと久しぶりに足を運んだという訳です。駅前は以前と比べても寂れてしまい空き地が目立ちます。コンビニも無く、見渡す限り山と畑と昔ながらの“古き良き山里の風景”が残された静かな町といった光景です。

 そんな『美乃坂本』駅の北側には、山を切り開き、大規模な工事が進んでいる様子が分かります。リニア中央新幹線活用戦略研究会基盤整備部会が平成27年に発表した『リニア岐阜県駅周辺整備基本計画』では、現在の美乃坂本駅の北側に広大な駅前広場を設け、その先にリニア中央新幹線の(仮称)岐阜県駅が開業する予定となっており、完成予想の絵を見ると別世界の都会的な光景になっています。本当か?と思わず声が出てしまいますが、果たして計画通りにいくのでしょうか?

 駅へ向かう途中の道は何ヵ所も工事が行われており、国道19号線や中央自動車道へのアクセスを考慮した拡張工事が目立ちます。また、岐阜県の郡上地域から下呂地域を経由し、 東濃地域へ至る約80kmの地域高規格道路となる濃飛横断自動車道の整備も行われており、“古き良き山里の風景”はいずれ無くなってしまうんでしょうね。 

 そんな思い出の『美乃坂本』駅を訪ねた記録です。