絵を見て物語を読む

瑞浪市地域交流センターときわで開催中の、第4回アートキューブ展覧会「やさしい時間をあなたに絵と音楽とお話と」(7月2日~30日)を見てきました。主催するアートキューブ」は2009年に結成され、絵画・音楽・演劇の3つのジャンルで編成した「トライ・アーツ・クラブ」というグループ名でしたが、音楽部門のメンバーが、大幅に入れ替わったため、2018年12月に解散され、新たに「アートキューブ」として再出発されたものです。

 今回は、インターネットの電子図書館「青空文庫」から、小川未明の「月夜とめがね」・太宰治の「雪の夜の話」・島崎藤村の「幸福」などを、アクリル画や日本画などで表現されています。毎回、展覧会と同じテーマで公演が行われ、7月22日(土曜日)には、朗読・演奏・絵画による劇があるようですが、まめ蔵の営業を優先するため見ることは出来ません。

出品されている作家さんは、瑞浪市在住者の有賀正季さん(画家)、栗木栄子さん(イラストレーター)、中山尚子さん(イラストレーター)、増田衣美さん(デザイナー)。そして、多治見市在住者の北村武志さん(画家)、金光紀子さん(イラストレーター)の合計6人は、「アートキューブ」の絵画部門のメンバーですが、馴染みのある作家さんは作風の変化が楽しめます。

作品の中には、新美南吉の「デンデンムシ ノ カナシミ」を題材にした作品が、増田衣美さんと中山尚子さんの二人が描いていたので、気になって電子図書館「青空文庫」から作品を読んでみました。そうなると他の作品も興味が湧き、小川未明の「冷たいメロン」、北原白秋の「この道」、島崎藤村の「幸福」などを読み、最後に北村武志さんが題材にした山村暮鳥の「友におくる詩」を読んだのでした。 

そうすると、今、巷で少しばかり話題になっている「君たちはどう生きるか?」などと言われなくとも、「そんなの自分で考えるさ!」ってな気分になってきます。猛暑の中、冷房の効いた施設で、絵を見ながら物語を読んだ一時でした。