土壌改良

今朝、自宅を出る際、妻がプランターに挿し木で育てた紫陽花の花が、鮮やかなピンク色に染まっているのを見つけました。挿し木の元となった紫陽花は青色なのですが、プランターに入れた土壌に石灰等を入れたらしく、狙った色に変化したようです。

紫陽花の花色はpHで変化する事が広く知られています。紫陽花の色は、その花に含まれるアントシアニンと土壌に含まれるアルミニウムの化学反応によって決まるようで、もともとアントシアニン本来の色味であるピンク色になるものが、土壌が酸性(pH5.05.5)だと土壌に含めれるアルミニウムが溶けやすくなり、紫陽花の花に含まれるアントシアニンと結合し青色に変化するそうです。

日本は火山大国であるために酸性の土壌が圧倒的に多く、アルカリ性肥料の石灰窒素、硝酸ソーダ、硝酸石灰や卵の殻などを加え、土壌がアルカリ性(pH6.06.5)になれば、土壌に含まれるアルミニウムは溶けにくく、花色はピンク色になるんだとか。もっとも、アントシアニンが含まれない白色や品種によっても異なるようですが。

 土壌改良で思い出すのが、『ブラジルの不毛の大地「セラード」開発の奇跡』(地球選書)です。強酸性の土壌を石灰で作物のできる土壌にしていくという内容でした。しかし、1970年代には、サンパウロ近郊で日本政府が移住した日本人の土地を確保する代わりに、ブラジルに対して無償で化学肥料を提供したことから、土壌はpH四・〇以下の強酸性となって荒廃を招いたという事例もあり、光も影もありって感じなんですが。 

 綺麗な紫陽花を見て、そんなことを考えるのでありました。