こちらも初物

お昼にお客様から差し入れがあり、「朴葉寿司」を頂きました。毎年、そのお客様から頂いており、本当に感謝するばかりです。この「朴葉寿司」を食べると、梅雨入り前の農作業をイメージさせます。昨日はイチジクのロールケーキを今年初めて提供しましたが、今日は初物の「朴葉寿司」と初物が続きます。

岐阜県の飛騨、中濃、東濃地域や長野県の一部食べられている「朴葉寿司」は、農業や林業を生業とする人たちが、昼食を畑や山で取ることが多かったため、携帯性が良く朴の葉と酢飯の殺菌効果で日持ちし、また近隣との作業の助け合いでまかないにも便利な朴葉寿司が広まったようです。妻の実家も毎年親戚が集まって沢山作っているので、林道を車で走った際に風に揺らぐ朴葉の木を見つけると、ついつい食べたくなってしまいます。

「朴葉寿司」と名の付くものは奈良県にも見受けられますが、柿の葉ずしと同じく、握った米の上に酢しめの鯖の切り身を乗せただけの小ぶりなもので、色々な具が乗っている岐阜県の朴葉寿司とは異なります。こちらの由来は、江戸時代中期、紀州の殿様が熊野の漁師に年貢を課したため、漁師がお金を捻出するのに夏鯖を塩でしめ吉野川筋の村に売りに来たそうです。その時期が夏祭りと重なり、お祭りのごちそうとして旧暦5月の節句(6月5日)などの夏の祭事に、握った米の上に生鯖の切り身をのせ、これを朴の葉で包んだものが起源となっているようです。 

そういえば、今朝、「夕食は朴葉寿司を作るよ。」と妻が言っていました。どちらが美味しいか食べ比べといきましょうか。ただし、「おまえのが美味しい。」としか言いませんがね。