SOYOGO BLENDOを飲みながら

928日に開催される、「第3回 CHALLENGE COFFEE BARISTA」への参加チームが、4月1日、ホームページ上にアップされていました。それによると、参加チームは10チームで次のようになっています。

・コーヒー工房しらはま (神奈川県藤沢市)       

Café de Bell (東京都港区)

SKY CAFE Kilatto (東京都品川区)

HINARI CAFE (東京都港区)

・チームばっぺーた (沖縄県宜野湾市)

・冬青(そよご)珈琲チーム (愛知県長久手市)

ACCEPT COFFEE ROASTER(S) (兵庫県西宮市)

・軽井沢 ひまわり (長野県北佐久郡)

HUG CAFE (兵庫県宝塚市)

・焙煎所諏訪ひまわり (茨城県日立市)

 注目したいのは、10チーム中5チームが関東圏だということです。第1回が10チーム中9チーム、第2回11チーム中8チームが関東圏だったことを考えれば、この大会が徐々に全国的な広がりとなってきたことが伺えます。

 もちろん、都市部に本社を置く企業が多いことから、社員向けのカフェ運営をされていることや、人口の多い地域であればコーヒーに関する仕事の機会も得られるため、関東圏の参加チームが多いことは致し方がないのです。ですが、地方からの参加チームが増えることは素晴らしいことです。欲をいえば、東北地方からの参加があればね。

この地域では、愛知県長久手市から「冬青(そよご)珈琲チーム」が参加されるようです。「では、行ってみますか。」という訳で、愛知県長久手市のモリコロパーク内にある冬青珈琲店に出掛け、中煎りブレンドの「SOYOGO BLEND」を飲みました。(家族連れがおおいため、ほとんどの人はソフトクリームを注文していました。)

ここのカフェは、特定非営利法人楽歩(らふ)が日中一時支援「創楽(そら)」や就労継続支援A型事業「就労支援舞星ジョブ長久手」などを運営しており、「就労支援舞星ジョブ長久手」で自家焙煎珈琲の製造を行い、生豆の選別から、焙煎、袋詰めなどをされています。また、カフェ事業として冬青珈琲店や長久手市中央図書館内の「楽歩カフェ」も手掛けていらっしゃいます。

 今回の参加チームの多くが就労継続支援B型事業である中、就労継続支援A型事業は貴重な存在だといえます。法改正や国によるチェックが厳しくなったことから、就労継続支援A型事業所の経営破綻、障害者の一斉解雇、不正受給等、最近は悪い話題ばかりの障害者就労支援サービス事業ですから、こうした事業が続くことを願っています。

 厚労省の資料によれば、2020年3月で就労継続支援A型に約7.2万人、就労継続支援B型事業に約26.9万人が働いています。そこで働いた賃金は事業所のビジネスで生み出した利益から出さねばならず、全国平均の工賃(賃金)は就労継続支援A型が81,645円に対し、就労継続支援B型事業は16,507円と大きな差があります。(2021年度)

 一方、本社機能を持つ企業の多い都市部では、障害を持っている人の雇用促進と安定を目指し、事業主が障がい者の雇用環境や勤務時間に配慮できる特殊子会社を設立しているとろが多くなっています。この制度は20094月に創設され、厚労省によれば20206月における全国の特例子会社は544社となっており、東京都では168社と一番多いのです。

 それぞれの雇用環境が異なり、障害の程度もダウン症や発達障害、高次脳機能障害者と様々な条件で行われる「CHALLENGE COFFEE BARISTA」ですが、チャレンジできる場所が存在することに大きな意義があると感じています。最近は、全ての職場でリスクを避けるため、「失敗から学ぶ」ことが出来なくなっています。沖縄県宜野湾市のチーム名「ばっぺーた」は沖縄の方言で、「間違えた!」と言うそうです。間違えたら、又やればいいじゃないですか。そんな社会がどんどん無くなっていく中で、この大会が大きく育っていくことを期待しています。 

 同時に期待することは、参加チームや支援する団体にスポットを当てるのではなく、参加者一人一人に光が当たることです。多様性を経営の合理性としてとらえるのではなく、優秀性とか生産性みたいな分かりやすい次元ではなく、生産性や優秀性とかでは測れない個々の魅力を引き出せると良いのですが。もちろん、光が当たることを望まぬ人もいるのでしょうが。私には答えが出せませんね。勝手な想いです。