こんなこともあります

先月、イチゴを使ったビスコッティとパウンドケーキを作りましたが、その時に使ったイチゴのリキュールを使用して、イチゴ風味のコーヒーを作ってみようと思い立ちます。

数年前にコロンビアのCOEカッピングセミナーに参加した際、アナエロビックのコーヒーがイチゴミルク風味だったことに驚いた経験があったのです。どんな酵母や環境で発酵過程があったのか謎ですが、あの感覚を味わいたくなり、試しにイチゴリキュールに一日漬け込んで焙煎してみることにしました。もちろん、コーヒー生豆はコロンビアを使用したのです。

 そもそもイチゴリキュールは小さな小瓶しか用意してないので、手網焙煎用に50gだけ生豆を準備してリキュールに漬け込んでおきます。そして、半日程乾燥させた後、手網焙煎を始めますが、予想どおり表面がみるみると黒くなってきます。表面の色を気にせずハゼ音を頼りにじっくり焙煎を進め、2ハゼ過ぎに煎り止めしてから冷却しました。 

 しばらくしてから豆を挽いてみると、コーヒー粉は中煎り程度と想像よりも浅く、抽出後に飲んでみると、強いリキュールの香りの後に渋みがやってきます。まったく思い描いていたイチゴミルク風味は無く、ただただ不味い飲み物になっていました。完全に失敗です。救われるのは、手網焙煎で行ったことでリスクを最小限に抑えたことでしょうか。まあ、こんなこともあります。