リベリカの話

Nature plantsという投稿サイトに、リベリカコーヒーについて論文が投稿されていると知り、翻訳機能を利用して読んでみました。タイトルは「The re-emergence of Liberica coffee as a major crop plant」、翻訳すると「リベリカコーヒーの主要作物としての再出発」となるようです。

コーヒー豆の品種は、アラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ)で商業的生産量の99%までを占めているといわれ、残りの1%未満のほとんどがリベリカ種とその変種とされるエクセルサ種です。そのリベリカ種は、西アフリカのリベリア共和国付近で発見され、他の種と同じように植民地支配の拡大に合わせて世界中で栽培されていましたが、アラビカ種より香味が劣り、カネフォラ種より病気や環境に弱いという中途半端な存在となって、名前もあまり知られていないコーヒーとなっています。

そんなリベリカコーヒーでしたが、2021 年と 2022 年にアラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ)のコーヒーが世界的な在庫不足となり、価格の劇的な上昇を招きます。生産不足のうえにCOVID-19 の流行重なり、ブラジルの霜害といった複合的な影響もありました。さらには、長期的な持続可能性は、人為的な気候変動の時代において大きな懸念材料となっており、リベリカコーヒーが見直されているというのです。

個人的には、フィリピン産のリベリカ種を取り寄せ焙煎してみたり、お客様からいただいたシンガポールで親しまれているリベリカ・ブレンドのコーヒーを飲んだ経験上、アラビカ種に代わりえるコーヒーになるとは思えリカ種のないのです。ところが、原稿を読む限り、精選処理が適切に行われていれば、高い自然な甘み(コーヒーの品質にとって好ましい特性)、豊かで大胆な口当たり、低い酸味、チョコレートやジャックフルーツなどの熱帯・非熱帯果実の風味を持つといいます。マレーシアとフィリピンのリベリカは、ヨーロッパ、アメリカ、アジアでより広く販売され始めているそうです。

 

将来、アラビカ種の生産が需要を賄えなくなった時、カネフォラ種(ロブスタ)を飲むのか、リベリカ種を飲むのか、それとも諦めてチコリの代用コーヒーを飲むのか、どんな未来がやってくるのでしょうか?

それよりも、リベリカについての情報を知ることができて面白かったな。