番組は作られる

 『これが政治的な意図だと思うから。僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういうふうに作りますよ、当然ながら』。あるテレビ局の社員の言葉を思い出しました。それは、「~通しか知らない究極の1日~熱狂!1/365のマニアさん」という番組で、コーヒー・マニアと言われる方が、SCAJ2022の会場に行って、究極のコーヒーを淹れるという内容を観た時でした。

 最近、芸能人を使わないで、素人や表に出ないADを起用したり、中には、タクシー運転手を使いながらドキュメンタル風の映像を作るのが増えてきました。その映像を観ながら芸能人がツッコミを入れたり、感情表現を誇張して映像を盛り上げるというものです。

 しかし、今回のコーヒー・マニア編については随分作りこんだ感が満載で、あらかじめ用意したストーリーをプロ並みにこなしています。これなら安上がりで制作できます。素人感を出すためにか、kalita式ハンドドリップを自動で再現するロボットアームを見て、「初めて見ました!」と言ったり、「雲南初めてかも?」とマニアらしからぬ発言が多数。さらに、問題の多いインフューズドコーヒーを飲んで、「感動しますネ。」なんて言っちゃてるワ、偶然を装ってコーヒーハンターの川島さんに会う演出もわざとらしい。そもそも、会場を歩くルートを考えると映像の順番がバラバラで、不自然にミャンマーの豆や金属ドリッパーを選択するところがよくわからない。 

 本当は、そんなツマラナイ番組のことは書きたくなかったのですが、お客様から「見た?」、「どうなの?」って聞かれたものだから、一応書き留めておくことにします。気分がよくないので、96日に行われた【立命館ポンテ・ガストロノミコ】世界をおいしく、おもしろく、複雑に「コーヒー」の限定公開動画131日(火)1700まで)を観ることにします。

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コメント: 2
  • #1

    斎藤直志 (月曜日, 07 11月 2022 23:00)

    自称、珈琲我が一部の小生の感想は、後味が好くない?なんか鼻につく香りのコンテンツ、そうだ!20年位前に流行った、フレーバーコーヒー(人口又は自然由来の香料をまぶした焙煎豆)を想起させる番組!下世話な表現では、あざとい、わざとらしい!趣味にケチを付ける人は最低だけど、Coffee Loverとしては違う価値観から捉えるニュータイプの世界の人かな?190mlに5g程度の珈琲豆しか入っていない缶コーヒー(調整されたヴィバレッジ)に優劣をつけたがる人と同列か?嗜好品に優劣はなく、味わい方法に王道も無い!Let it be .末筆にて 個人の主義趣向や思考を揶揄する気更々なし、ダイバーシティーの昨今多種多様も然り。でも、なんか芯が生焼けのテクスチャーでした。悪しからず。

  • #2

    まめ蔵 (火曜日, 08 11月 2022 06:34)

    所詮、テレビ番組は意図を持って作られるものですから、腹をたてることはないのです。でも、あの場に居たものとしては大変違和感を感じました。