コーヒーだけどコーヒーじゃない

SCAJ2022の展示会場では、普段では見ることのない様々なコーヒー関連商品を知ることができました。その中で、幾つかの展示ブースで紹介されていたのが「カスカラシロップ」です。炭酸割りで試飲させてもらいましたが、店頭で提供するほどの魅力は感じませんでしたが、面白そうなので帰ってから注文してみたのです。ついでに、会場では試飲できなかコーヒーの花を使った紅茶も。

 これまでコーヒーに関わる商品を取り寄せ、飲んだり食べたりして確かめたので、今回の物を合わせて並べてみます。

■コーヒー蜂蜜

コーヒーの花のお開花時期に合わせてミツバチが集めた蜂蜜です。主にグアテマラ産が国内で手に入ります。

■珈琲の果肉ジャム

長崎スコーコーヒーパークで販売されている、コーヒーの果実を使用したジャムです。しかし、そもそもコーヒーの果実は種であるコーヒー豆がほとんどであるため、果肉を使用したジャムは餡子のような硬さとなっています。

■カスカラ

まめ蔵で「カスカラ(コーヒーチェリーティー)」として提供しているのは、エルサルバドル産のカスカラです。コーヒー産地では、果肉除去機で果肉を取り除かれますが、そのほとんどは肥料として再活用されます。一部の国では完熟の果肉を精製してカスカラとして輸出されています。

■コナレッド

 コーヒー果実の外皮と果肉には、抗酸化物質のポリフェノールやカフェインが含まれています。それらを取り入れた健康兼エネルギードリンクが「コナレッド」です。名前の通りハワイのコーヒー産地であるコナの名前が使われていますが、パイナップルジュースが加えられており、本来の果実の甘味よりも濃くなっています。

■カスカラシロップ

 コーヒーの果肉から作られたカスカラを、日本国でレモン果汁、てんさい糖を加えてシロップにしたものです。炭酸水で割って飲むと、少し甘いジュースといった感じで楽しめます。コーヒー産地で肥料にしかならなかった物に、新たな付加価値が生まれています。(どこのカスカラかは不明)

■コーヒー花茶

 受粉後のコーヒーの花を摘み取ってハーブティーにしたものです。この商品は小笠原諸島父島で作られた物です。国産ということもあって、ティーバッグ1300円(税込)は少々お高い。

 これらのコーヒーに纏わる商品の話をお客様にすると、必ず「コーヒーの味がするんですか?」と質問されます。でも、コーヒーノキの種を焙煎してコーヒーになるのですから、コーヒーの味なんかする訳がないのです。コーヒーだけどコーヒーじゃないんです。いや、コーヒー豆じゃないんです。

 全日本コーヒー公正取引協議会2022104日に公表した、「CFTニュース&息抜き」のQ&Aには、『大豆を焙煎しコーヒーと称することはお止めください。アナゴを使って「ウナギのかば焼き」と称するようなものです。日本政府が加盟する国際コーヒー機関の協定第 27 条には「コーヒーでないものをコーヒーと称することを避ける」よう求めています。』とあるから、一応、上記の商品はコーヒーなのかな? 

(※最新2022協定では第29条へ移っているようです。)