キャッチフレーズ

妻の実家は加茂郡白川町という、白川茶で有名な場所にあります。子供が小さな時は茶摘みを体験したり、お盆や正月の他にも折に付け出かけてきました。最近はコロナ禍で訪問する機会が減ったものの、白川町は馴染みのある場所です。

 そんな白川町に行った際に時々立ち寄った店が、「コーヒー&レストラン 七曲」なのですが、最近はお店に新たなキャッチフレーズが付いていました。それが、「天国に一番近い喫茶店」です。お店のfacebookには、「1981年創業。周りを病院、老人ホーム、葬儀場に囲まれた過疎地域の天国に一番近い喫茶店です。店主が店(てん)に召されるまで営業予定。」とありました。

 確かに、近くには白川病院、葬儀場の典霊会館、介護施設のサンシャイン美濃白川があります。でも、私が行っていた頃には白川病院しかなく、葬儀場のある場所はJAの直売場だったし、介護施設もなかったのです。そう考えると、結果的に「天国に一番近い喫茶店」になったことになります。それにしても面白いキャッチフレーズです。

 北海道のトマムには「星のリゾート トマム」が運営する雲海テラスがあり、「天国に一番近いカフェ」と言われているけど、何も特徴のないロケーションであっても「天国に一番近い喫茶店」と名乗れるのですから、私には羨ましいばかりです。

 まめ蔵の隣は消防団の屯所があるので、「消防車に一番近い珈琲屋」だと言ってもピンと来ないし、店の前に酒屋と洋品店があるからといっても、特別な意味は持ちません。強いて言うなら、近くに八剣神社があり、神主さんが毎日のように来店されるので、「神に一番近い珈琲屋」と言いたいところですが、「髪に一番縁遠い珈琲屋」なので、ギャグにしかなりません。 

 キャッチフレーズは店に関心を持ってもらう良い材料ではあるものの、「コーヒーの美味しい店」とか、「新鮮なコーヒーの店」なんてのはシラケるし、やはりクスッと笑えるくらいが良いのです。どうやら、まめ蔵にはいいキャッチフレーズが思いつきそうにありませんね。