コーヒー産地のこと

 59日、ロシアでは第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利した戦勝記念日を迎え、記念式典や軍事パレードが行われました。その演説の中で、アメリカ、北大西洋条約機構(NATO)、ウクライナ政府を批判し、それらの行動がロシアの安全を危険にさらしたと訴えました。また、ウクライナの「ネオナチ」に言及し、ウクライナが全体主義者や過激な国粋主義者、ナチのシンパに牛耳られているという根拠のない言説を流しています。

 そんなプーチンこそ独裁者だという国は多いものの、世界人口の71%が独裁に分類される国々に住んでいるという実態があります。アメリカのオックスフォード大学が運営するOur World in Data(データで見る私たちの世界)を見ると、1789年から2021年までの政治体制の変遷が分かる動画があります。これを見ると、ほんの100年程前には自由民主主義国はほんの僅かないことを知ります。

 このデータでは、政治体制を「閉鎖的な独裁制」、「選挙の独裁制」、「選挙民主主義国家」、「自由民主主義国」に分類しており、「閉鎖的な独裁制では、市民は複数政党による選挙を通じて政府の行政長官または立法府のどちらかを選ぶ権利を持たない。「選挙の独裁制では、市民は複数政党の選挙を通じて行政長官と立法府を選ぶ権利があります。しかし、結社の自由や表現の自由など、選挙を有意義で自由で公正なものにする自由が欠けている。「選挙民主主義国家」において、市民は、有意義で、自由で、公正で、かつ、複数政党による選挙に参加する権利を有する。「自由民主主義国では、市民はさらに個人的および少数派の権利を持ち、法の下では平等であり、行政の行動は立法府と裁判所によって制約されている。と説明しています。

 カーソルを個別の国へ動かすと国名と政治体制が表示されますが、コーヒー産地のエチオピア、ケニア、タンザニア、ルワンダ、ブルンジ、キューバ、ニカラグア、ホンジュラスなどの多くの国々が独裁に分類されるのです。珈琲屋としては当然知っている事実なんですが、コーヒー豆を購入される方やカップに注がれたコーヒーを飲む方の、いったいどれくらいの方が、この事実を知ってコーヒーを楽しんでおられるのでしょうかね?