ウクライナ&ロシアランチ

昨日、名古屋市緑区有松の旧東海道、江戸時代の街並み保存地区となっている場所にある、有松絞会館1Fの「ユーラシア食堂 さらび」へ行ってきました。このお店は20175月にオープンしており、ユーラシア大陸(中国・ロシア)の料理が楽しめるお店です。

 オーナーシェフの加藤雅春さんは、15歳で名古屋市内の中国料理店に入店して以来、大手ホテルや空港レストランで経験を積んみ、旧ソビエト連邦の国々に関心を抱いたのがきっかけで、30代でロシア料理の腕を磨いたそうです。当時の新聞記事によれば、「大国に常に影響されてきた国々は、持っているものがワイルドでたくましいんです。」と語っておられます。そんな訳で、幅広い料理が楽しめるお店です。

 毎日、マスコミがロシアによるウクライナ侵攻の映像を流している中、悲惨な状況に慣れてしまいそうな自分に不安を抱き、この記憶をキチンと腹に収めるべく、「ウクライナ&ロシアランチ」を注文しました。聞くところによると、在日ロシア人に対する誹謗中傷が耐えないといいます。「ロシアに帰れ」、「土下座しろ」、「収容所送りにする」、といったものから、東京都内のロシア食品店では看板が破壊されたり、ロシア料理店には「店の口コミを荒らすぞ」という脅しもあるそうです。

 新型コロナウィルスが世界で流行しはじめた頃には、身近な場所でもヘイトクライムが発生していましたが、感染に慣らされて無くなったと思ったら、今度はロシアに対するヘイトクライムが起きています。「恥を知れ!」といった気持ちになりますが、人間は愚かな生き物なので、こんなことをいつまでも繰り返すのでしょうね。

 ちょうど昼前のニュース時間帯ということもあって、店内のテレビで流れるウクライナの惨状を見ながら、「ウクライナ&ロシアランチ」(税込1500円)を複雑な思いで食べることになりました。「前菜」、「ウクライナ式水餃子」、「ピロシキ」、「シィー」、キャベツと豚肉、野菜、豆などの具沢山スープの「シィー」は、ロシア人にとって最も身近な伝統的なスープです。美味しいものを食べれば誰でも幸せな気分になるといいますが、戦争を止めて美味しい料理で幸せになってもらいたいと思うのでした。 

 早く平和になることを祈るばかりです。