妻神社

『昔、下半田川(しもはだがわ)村に、山奥の村では想像できないほどの美しい小治呂(こじろ)と稗多古(ひえたこ)という兄と妹が住んでいた。年頃になっても、付近では二人の美しさにかなう相手が見つからず、ある夜、伴侶を求めて別々に旅に出た。月日がたったある日、村に夫婦に見える二人連れが、疲れた様子でやって来た。その夜、あの美しい兄と妹が住んでいた家に明かりがともり、すすり泣く声が聞こえた。あくる朝、村人が訪ねると、旅人二人が息も絶え絶えの様子。男は「国中探してやっと見つけた相手は妹だった。この世では互いに相手になる人はおらず、もう生きる望みもなくなった。私たちは不幸にも探せなかったが、神になって若い人のために縁結びの役に立ちたい」と語り、事切れた。村人たちは二人を手厚く葬り、一体の石に二人の姿を刻み、社を建てて祭ったという。』

 その社(やしろ)があるのが、多治見市に隣接する瀬戸市下半田川町で、道路沿いの看板を目印に狭い道を進んだ先にある「妻神社」です。妻神社は「さいのかみしゃ」と読み、縁結びや安産などのご利益があるとされ、境内には男根をかたどった石像が鎮座しています。

2021919日の中日新聞「あいちの民話を訪ねて(50)妻神社」によると、妻神の起源は斎ノ神や道祖神に由来し、拝殿が1801年に建立、それ以前にも小さな祠があったと推測されるといいます。現在の社殿は2001年に建て替えられ、毎年3月第3日曜に例大祭が執り行われているとのこと。 

今日、214日はバレンタインデーです。妻や子供達からチョコレートをいただきました。普段から妻には手を合わせておりますが(?)、今回は、妻神社に良縁を感謝し手を合わせたのでありました。