とろみコーヒー

 母親の介護認定更新時期となったため、掛り付け医の元へ母親と共に出かけ、主治医意見書依頼書を提出して記載をお願いしてきました。診察室の前で待っている間、なにげなくコーヒーの話題をスマホで見ていると、こんな記事を見つけます。

 「飲み物にとろみをつけることができる自動販売機を、カップ式自動販売機などを手がけるアペックス(愛知県大府市)が1810月に開発し、医療・介護施設で、食べ物や飲み物を飲み込むための嚥下(えんげ)機能が低下した患者に対し、喉を通りやすいよう、飲み物にとろみをつけて提供している。」と言った内容でした。今では全国の医療機関や高速道路のサービスエリアなど、約200台設置されているというのです。

 今のところ母親の飲み込みについては問題ないものの、(別の意味で飲み込みに問題あり)将来はそうした配慮も必要になるのかもしれません。とろみ付き飲料を必要とされる方は外出される際、あらかじめ自宅で調理したとろみ付き飲料や、とろみ材を持ち歩いているといいます。実際のところ、いったいどの程度のとろみが付いているのか、飲んだ際の印象はどうなのかが気になり、戻ってから試しに作ってみました。

 使用したとろみ材はキューピーの「とろみファイン」で、説明書に記載されたとろみの強さ三段階に合わせ、フレンチドレッシング状、とんかつソース状、ケチャップ状になるよう、グアテマラのコーヒー液でとろみ具合を確かめてみます。とろみ材を加えてかき混ぜると直ぐに変化が見られ、必要な際に手軽に作ることが分かりました。

 そこで、続いて試飲をしてみるのですが、何だかゼリーを飲んできるような感覚で、コーヒーの香りも味も感じにくく、通常の濃さではコーヒーらしさを得られませんでした。飲んだ後に鼻に抜ける香りも少なく、とても残念な気分です。このような状態のコーヒーでも楽しみたい人がいれば、店頭でも提供してもいいのかな?などと思っていましたが、実際のところそのような要望はあるのでしょうか。それとも、とろみのあるコーヒーを飲む老人ばかりの世界になってしまうのか。自分の将来を想像してみるのでした。