かぐや姫の散歩道

 今朝、お店の掃除を済ませてから、お客様に聞いた可児市今渡の太田橋付近へ向かいました。ここは、2018年の12月に太田橋のたもとにある「今渡の渡し場跡」と彫られた石碑を見に来ましたが、その反対側には「かぐや姫の散歩道」と呼ばれる、木曽川渡し場遊歩道があるというのです。

  木曽川渡し場遊歩道は、江戸時代中山道が初めて木曽川を渡る場所として栄えた渡し場のあった場所です。役目を終えた左岸は、次第に荒れ放題の竹藪となり、ゴミの不法投棄の温床になる恐れのある場所になっていました。

 そんな中、この地区の人達から、「このままではもったいない。何とか整備して、埋もれた景観を甦らせ、市民の健康づくりや憩の場所にしたい」という声があがり、今渡自治連合会と土田連合会により、木曽川左岸一帯の整備を提案され、会議や現地調査を積み重ね、ボランティアが募集されて、平成206月には「木曽川左岸遊歩道友の会」が設立されたそうです。

 そうして生まれた木曽川左岸遊歩道友の会の手によって、整備された竹林の遊歩道は約600mで、生い茂っていた竹を粉砕し、粉砕された竹チップが地面に敷き詰められて歩きやすくなっています。京都の野宮神社から天龍寺北門を通り大河内山荘へ抜ける約400メートルの「竹林の小径」よりも長いものの、観光名所としては認知度が低いようで、散歩する人は数人でした。

 竹林に入ると直ぐに、「アベマキ」と「シラカシ」の種類の異なる木が根元を一つにして生えている「夫婦木」があり、タデ科の多年草である「ミズヒキ」も見ることができます。竹林を抜けると、木曽川を支配・監視するために作られた「土田川並番所跡と杭跡」があり、太古の昔に森林あとであった「化石林」を見ることができます。

 帰り道に竹林を外れると、「夜泣き岩」なるものがありました。その昔、平家の武将の妻が身を投げた場所らしく、月の澄んだ夜に岩の上で白装束で髪を乱して立つ女性が立っているという伝説があるんだとか。なんだか、「かぐや姫の散歩道」というネーミングは似つかわしくないのですが、色々と歴史を学べる散歩道ではあります。

  京都の「竹林の小径」へ行けない方は、身近な場所で同様の雰囲気が楽しめるのでお勧めです。