妻籠・馬籠散策

 運動不足解消のため、妻籠・馬籠間をハイキングしたのが2017年8月でした。それから4年が過ぎた今日、年休消化で休みを取った妻と共に二つの宿場町を散策してきました。

 先ずは、国道19号線の坂下町を過ぎた長野県境から右に入り、中山道42番目の宿場である妻籠へ向かいます。町営駐車場には5台程の車しか停まっておらず、以前、訪れた時と違って淋しい感じがします。そして、宿場町の通りに出ると観光客は歩いているものの、チラホラと言った程度で、何よりも驚いたのが茶屋や観光土産の店がほとんど閉まっており、まるでゴーストタウンのようです。高札場から脇本陣、寺下の町並みを歩きますが、多くが木戸を閉めており、色鮮やかな郷土玩具や茶屋が並ぶ通りも物静かな状態です。

 丁度、昼時とあって、寺下の町並みに新しく出来た「好日珈琲」さんで、「そばのガレット」を食べることにしました。店内では一組の観光客と地元のお年寄りが休憩しています。観光地にしては珍しく、地元のお年寄りの方が「そばのガレット」を食べているので違和感がありましたが、どうやら、南木曽町の経済対策として行っている地域応援券を使用しているようです。

 お店を出てから地元の方に話を伺うと、「私も土産物店をやっているけれど、土日以外は観光客も少なく気が滅入るから閉めてるの。」とのこと。緊急事態宣言が解除され、徐々に観光客も増えてきているようですが、お年寄りが運営している地方の観光地では、続けていくこと自体が厳しいように感じます。

 続いて、中山道43番目の宿場である馬籠宿です。馬籠宿に入ると妻籠宿と違って観光客の多さが目立ちます。そのためか、宿場町の左右にある土産店や茶屋のほとんどが営業しており、五平餅、お焼き、手焼きせんべい、といった食べ物の臭いが漂っています。そんな光景を見ながら石畳の上り坂に疲れ、休憩に入ったのが茶屋の「四方木屋(よもぎや)」です。抹茶と羊羹のセットをいただき、ホッと一息入れました。

 お店の方に伺うと、「緊急事態宣言中(馬籠は岐阜県)は店を閉めていましたが、9月中旬から観光客の数が急に増えてきました。けれど、感染者がまだまだ多い時期だったので、この店は開けられませんでした。だって、病院が近くにないから、もし感染したら大変なことになるでしょ。」とのこと。なるほど、痛し痒しといった観光地の現実も知ります。 

 そんな妻籠・馬籠の散策を楽しんだ秋の一日でした。