栗の節句

 今日、99日は五節句の1つである「重陽の節句」です。この時期は作物の収穫時期と重なるため、庶民の間では「栗の節句」として「栗ごはん」を食べて祝っていたされています。そんな理由から、栗きんとんで有名な中津川市では「栗きんとんの日」とし、駅前にある「発祥の地」碑の前で神事が行われ、栗きんとんが無料で振る舞われています。(コロナ禍でどうなるんだろう?)

 そんな日だとはつゆ知らず、無性に栗きんとんが食べたくなったので、地元の旭軒製菓輔で今週から販売されたばかりの栗きんとんを買い求めました。しっとりとした甘い栗きんとんが口の中で溶けるのを待って、「本日コーヒー」のエチオピアを口の中に入れます。甘い余韻とコーヒーの苦み、そして、エチオピア・ナチュラルの甘い香りが混ざり合って、一人悦に入っております。

 中津川市が栗きんとん発祥の地とされているだけあって、元祖とされる元禄年間創業の「すや」や、1864年(元治元年)創業の川上屋といった老舗が有名です。ところが、加茂郡八百津町にある1872年(明治5年)創業の緑屋老舗の3代目により、大正時代に商品化したのが発祥という説もあります。まあ、外野の土岐市に住む私としては「美味しけりゃいい」と思っておりますが。

 もっとも、栗の収穫が始まっていないこの時期は冷凍物が使われ、次に九州産の栗、そして地元産の栗といった順で製造されるため、どこが発祥だとか、栗きんとんは〇〇に限るといった、妙にこだわる必要はないようにも思えます。コーヒーもそうですが、生産された背景や現場の実態を知ったうえで、「美味しいかどうか」で選択すればよいものだと思うのです。 

 個人的には、恵那・川上屋よりも旭軒の方が好きだな。