ドミニカのコーヒー豆

カリブ海に浮かぶ島々のなかで二番目に大きい島、イスパニョーラ島の東側約3分の2を占める国がドミニカ共和国です。西側にはハイチ共和国があり、国の面積は48,442平方キロメートルと九州に高知県を合わせた広さに、人口約1,073万人(2019年:世銀)の国民が住んでいます。

 今回、初めてドミニカ共和国のコーヒー豆を仕入れてみました。カリブ海近隣諸国で有名なコーヒーとしては、ジャマイカのコーヒーが知られています。けれど、ドミニカ共和国のコーヒーは長い歴史があり、海抜700m1500mの山岳地帯で栽培され、品質の高いコーヒーが取れることで有名です。世界の中では生産量36位(2019FAO)となっています。

ドミニカのコーヒーを選んだ理由は、コーヒー豆の品種がCosta Rica95(カティモール系)だったからという単純な理由です。コロナ禍前まで、何度かCOEのカッピングセミナーに出かけた際、同じ品種の豆をカッピングしたことがあり、機会があれば仕入れてみたいと思っていたのです。

Costa Rica95はカトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配種であるカティモールの一種で、コスタリカ国立コーヒー協会研究所 (CICAFE) により選別を繰り返して開発されました。本来、ティモール・ハイブリッドを親として持つことで、さび病に強いという特性が最大のメリットであるカティモールの性質があるのかと思いきや、どうやらカティモールの一種でありながら、さび病への耐性が低いことがWCR(World Coffee Research)のリポートに出ていました。

コーヒー農家にとっては、風味の良さと病害虫への耐性というポイントは死活問題に関わるものです。そういう点では、Costa Rica95生産者にとってあまり人気のある品種なのかもしれませんが、私がカッピングした印象はとても良いものでした。そんな個人的な嗜好で豆選びをし、お客様へ選択肢の一つとして提供しようとする、まったく我がままな店主なのであります。 

 先ほどまでサンプル焙煎を繰り返し、中深煎りで明日から提供できるよう準備しています。商品名は「ドミニカ キスケージャ ワイニー」で、精製プロセスはナチラスとなっており、甘い香りのコーヒーです。気になる方はどうぞ!