郡上散歩

 「國田家の芝桜」を楽しんだ帰り、郡上の観光名所を巡ろうと、先ずは「郡上八幡城」へ行きます。日本最古の木造再建城と知られる郡上八幡城は、廃藩置県とともに廃城となって取り壊され後、昭和81933)年に地元の名士たちによって木造45階建の天守閣が再建されました。天守から見える城下町が魚の形をしているのが良くわかります。

その城の下にある公園には、内助の功で有名な「山内一豊と千代の像」があります。戦国時代から江戸時代にかけての武将で土佐藩初代藩主の山内一豊、その正室である千代は初代郡上八幡城主・遠藤盛数の娘でだと言われています。(諸説あり)

町の中に戻ってから、大正91920)年に建てられた旧税務署を利用した、レトロな雰囲気のミュージアム「郡上八幡博覧館」へ入ります。郡上八幡城との共通券が割引になっていたので来たのですが、メインとなる郡上おどりの実演がコロナ禍で中止となっておりガッカリ。

気を取り直して、重要伝統的建造物保存地区に指定されている「古い町並み」を歩きながら、名水百選第一号に指定された「宗祇水(そうぎすい)」へ向かいました。伊勢地方のように年中玄関先に飾られている注連縄や、軒先に吊るされた消火用のバケツを眺めていると、宗祇水へ続く角地に明治20年創業の元祖肉桂玉本舗「桜間見屋」があります。つい、懐かしくなって肉桂玉を買い求めます。

ちょっと歩き疲れたのでコーヒーでも飲もうと、自家焙煎珈琲店を検索してみると感じのよい店を見つけました。カーナビで登録して車を走らせますが、目的地には空き店舗となった店しかありませんでした。どうやら閉店しているようです。

帰宅してから気になって調べてみると、私と同様にサラリーマンをやめ、コーヒー好きからコーヒー豆の焙煎を学びコーヒー専門店を始めた店でした。開業から22年間営業されていましたが、昨年の2月に閉店されたとのこと。私のように6年が過ぎようとしている身では、何時かはやってくるであろう日ではあるものの、まだまだ想像が出来ない日でもあります。 

 少し遠出をして観光気分を味わいながら、現実も垣間見た瞬間でした。