夜桜見物

 コロナ禍のご時世では、夜桜見物もままならなくなりました。一昨年前までは、夜桜見物のために公園で場所取りをする新入社員の光景がニュースに流れ、各地で宴会が行われている様子がバラエティー番組登場しては、酔っぱらいが笑いの種になっていました。ところが、昨年からライトアップもなくなり、桜並木を静かに散策するだけとなったのです。

 そんなこともあってか、妻が「家で花見ができるように桜の盆栽を注文して!」というので、Amazonで「旭山桜」という名の盆栽をポチッと注文したのでした。そして、その盆栽の桜が咲き始めたので、家の中で夜桜見物らしく、娘からもらったワインを飲みながら二人だけの宴会をしてみます。もっとも、二人とも下戸のようなものなので一口飲むだけなのですが。

この「旭山桜」は八重咲きで、華やかで存在感のある花を咲かせます。バラ科・サクラ属の品種名を旭山といい、若木のうちから開花が楽しめる特性を持つ品種であうことから「一才桜」とも呼ばれています。ソメイヨシノよりも開花が遅いので、今日までヤキモキしながら咲くのを待っていましたが、ここへきてようやく開花となったのです。

桜の花芽が春を感じて、一斉に開花の準備に入ることを「休眠打破」というそうです。桜が休眠打破するためには一定の条件をクリアする必要があり、約5℃以下の環境で約3か月ほど厳しい冬を体験することが条件の一つだそうです。つまり桜の開花に冬の厳しい寒さは必須条件で、寒さの厳しい年ほど、桜は美しく咲いてくれというのです。 

「厳しい冬に耐えた桜は、必ず花開く」まるで、新型コロナウイルスで混沌とした世界を耐えきれば、明るい未来がやってくるというような格言の様でもあります。ここ一年が正念場なのかもしれません。