ここにもコロナの影響

 冬の風物詩でもある寒天作りを見に行くため、恵那市山岡町下手向方面へ向かいました。山岡町でも寒天作りが行われているところは下手向、上手向と呼ばれる地域ですが、今年は暖冬でもないのに干棚は沢山あるものの、白く輝く寒天が少ないように見えました。

 それもそのはず、新型コロナウイルスの影響がここにもあり、有名老舗和菓子店の羊羹等の原材料として採用されてきた細寒天も、コロナ禍によって百貨店や観光地の土産物店等での和菓子販売数が減少し、そのため和菓子店から受注が激減したというのです。

 そこで、寒天作りをしている事業所の「水野寒天」では、寒天の生産過程で出る天草の残渣(ざんさ)を地元農家に肥料や飼料として提供してきたことから、生産されたコシヒカリを「寒天米」としてブランド化し、細寒天とのコラボ商品を開発してネット販売しているそうです。

 

 毎年のように見てきた寒天作りの光景でしたが、見えないところで生き残りをかけた取り組みがなされています。普通に見ることができた「冬の風物詩」も、普通でないことに気づかされた思いです