珍宝焼

 たこ焼、お好み焼、どら焼、今川焼、タイ焼、おやつになる〇〇焼の数ある中で、「珍宝焼」というものがありました。この珍宝焼は愛知県小牧市にある田縣神社(たがたじんじゃ)の境内の屋台で販売されていたもので、タイ焼のように珍宝の型で焼いたおやつです。 

 実は、先日、御朱印集めを始めた妻のため、「面白い神社があるけど行く?」と言って、小牧市の田縣神社と2k程離れた場所にある、犬山市の大縣神社へ誘ったという訳です。初詣を分散して行っているということもあって、境内にはいくつも屋台が並んでおり、その中で一つに「珍宝焼」というのを見つけ、母親への土産として買ったのでした。(母親は笑って完食) 

 後から調べてみると、チョコバナナのバナナを珍宝形に成形して販売している「ばなちん」や、珍宝を模した棒付きの飴の「授かり飴」、珍宝の焼き型に生地を流し込み、フランクフルトを入れて焼き上げた焼き菓子「珍呆参」などというのもあるようです。 

 なぜこのような珍宝に関係した幾つもの品があるかというと、この田縣神社は五穀豊穣の神「御歳神(ミトシノカミ)」と子宝・安産の守護神「玉姫神(タマヒメノミコト)」を祀る神社で、古来より男茎形をお供えする風習があったとされており、その風習は今なお続いているからです。そのため、神社の境内には多様な男根(男性器)の奇石やオブジェなどが奉納されており、本殿および奥宮に「大男茎形(おおおわせがた)」と呼ばれる木彫りの巨大な男根を御神体として祀っています。 

 田縣神社では、毎年3月15日に豊年祭(ほうねんまつり)と称して、直径60cm、長さ2m余りの大男茎形(男性の性器)を毎年新しく檜で作成し、それを厄男達が御輿に担ぎ御旅所から行列をなして奉納し、五穀豊穣、万物育成、子孫繁栄を祈願する神事が行われ、地元のテレビ話題になっています。今のようなコロナ禍では、いったいどのように行うのでしょうか? 

そんな珍宝焼を見つけて喜んでいる私は、還暦を過ぎたと言うのに思春期のようにはしゃいでおります。まったくバカバカしい限りですが、接客を伴う飲み屋ではしゃいでいるよりは良いのかも知れません。そういえば、昨年、三河特産珍宝(ちんぽう)柿の汁をニカラグアの銘園ブエノスアイレスのコーヒー豆に含浸させた、世界初の珈琲豆「珍宝」ってものを焙煎していた御仁もいたっけ。