振り返ってみる

 新型コロナウイルスの影響でコーヒーセミナーやイベントが無くなり、妻と計画していた旅行も中止、それでも人生には一時停止のボタンは無いので、あっという間に1年が終わろうとしています。本当は、あっという間に人生は過ぎるはずもなく、色々な出来事に溢れているのに、周りの急激な環境の変化のために気付かないだけなのですが、ここでは1年間のデータを見ながら、改めて珈琲屋まめ蔵としての経過を振り返ってみることにします。 

 まめ蔵も6年目に入りました。開業当時から電子レジを活用しているため、各種データを見ることが出来、6年間の比較データも見えることから、単年のデータだけでは分からないことも、連続したデータを見ることによって分かることも出てきました。珈琲屋と呼べるような店にしたいと始めましたが、道未だ半ばかもしれません。 

●コーヒー豆の販売 

 今年は、各月のコーヒー豆の販売額が前年実績を全て上回りました。顕著に前年実績を上回ったのが4月・5月で、緊急事態宣言の発出によって異常とも思える増加となりました。巣篭りや在宅勤務により飲用回数が多くなり、既存のリピーター購入数が増えたことと、家にいる機会が多くなったからインスタントじゃなくコーヒーを淹れてみようと、新たにコーヒー豆を購入される方が増えたようです。ただし、緊急事態宣言後は在宅勤務や巣篭りの解消もあって、徐々に通常の状態に戻っていきます。 

●来年客数 

 そうしたコーヒー豆の販売が巣篭り特需とも呼べる効果となり、1年間を通した来店客数の大幅な減少があっても、店の売上全体を押し上げて下支えをしています。過去の数字を見ても、今年の来店客数は大きき下振れしているなか、売上全体としては僅かに増加傾向が続いています。この数字を見て、「客単価が上がってよかった。」と喜べない部分があります。将来を見据え、自分の体力や能力の衰えを考えれば客単価を上げることが必須であり、そのためコーヒー豆の販売に比重を置くようにしている訳ですが、こうした急激な変化は望んでいませんでした。今回は、結果的にコーヒー豆の売上げが伸びたことで客単価も上がりました。同じように需要が伸びるとは限りらないことは、この地元の市場から考えれば想像が出来ます。現に、12月中旬からは新型コロナウイルス感染急拡大とともに、来店客数の落ち込みがはっきりしてきました。先が見えない状態です。 

●コーヒー豆のシェア 

 店全体の売上に占めるコーヒー豆の販売額の割合は、当初の2割程から年を重ねるごとに徐々に増加し、3割前半から3割後半へと増え、今年は4割を超える実績となりました。目標は5割以上と考えていたので、順調と言えるのかもしれません。ただ、5割以上のシェアは個人客のみを販売先としている限り厳しいと考えており、喫茶の部分をいかに生かしていくかがカギになります。最近は冬場の新型コロナウイルス感染拡大によって来店客数が減少しており、この影響が出てくるのが年明け以降となると予想されることから、頭を悩ませるところです。(悩んでも仕方がないんですが。) 

●楽しめたか 

 実はこれが一番大切な課題です。「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」を目標に掲げている通り、セカンドライフを充実させるために始めた珈琲屋として、楽しむことが何よりも求めている所です。その点においては、今年も楽しい出会いが数多くあり、外に出かける機会が無くなった状況ではありましたが、貴重な体験をすることが出来ました。こうした喜びを長く続けるためにも、経営基盤を確かなものにしていく必要があります。 

恥ずかしながら、自分から珈琲屋と名乗ってはいるものの、諸先輩方々からは存在すら認められない程度のものです。まだ始めたばかりですから、徐々に徐々に珈琲屋らしくなれればと思っている年末でした。今年も一年間ご利用ありがとうございました。 

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コメント: 2
  • #1

    rakuso (木曜日, 31 12月 2020 10:23)

    今年も今日も終わりですね。私も一年を振り帰りつつ終えようとしています。ぎっくり腰とのこと心配ですが、奥様の手当てとはいえ治りにくいような病気なので心配です。1年間の総括の「商売」を興味深く読ませていただきました。豆が50%近くになるということに興味を持ちました。「焙煎した豆を楽しみながらコーヒーを飲む」至福のひと時という言葉はこのためにあった?そのような人たちが増えてきているのでしょうね。来年はコロナ禍も去り明るい日々が来ることを願っています。よき新年をを迎えてください。

  • #2

    まめ蔵 (木曜日, 31 12月 2020 10:47)

    恩師のセカンドライフの様子を拝見しながら、楽しむことを活力として珈琲屋をしています。またジビエを調達しに行く時があると思いますの、その際はよろしくお願いいたします。