鬼とならぬよう

 来店されたお客様の中に、「孫のために新聞をコンビニでコピーしようと思って!」といって、新聞紙を抱えている方がありました。何のことかと尋ねると、大人気漫画『鬼滅の刃』のコミックス最終23巻が本日4日に発売されたことを記念して、4日の全国紙全5紙(読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、日本経済新聞)の朝刊に、主要キャラクター15人が各紙3人、11面ずつ名言とともに登場する全面広告が掲載されたようです。 

 お馴染みの方だったので、お客様がお持ちの朝日新聞をお借りして見てみると、全面広告がド~ンと出ているではありませんか。『鬼滅の刃』に興味のない私にはキャラクターが誰なのかは分からないものの、かなりの広告料になることだけは容易に想像できます。掲載キャラクターは掲載媒体によって違い、早朝からコンビニエンスストアなどに足を運んだ人も多かったそうです。 

 そんなに『鬼滅の刃』が人気なのかと思いきや、早くもメルカリやオークションサイト「ヤフオク!」には、主に朝刊や、朝刊と夕刊のセットが出品されているそうです。通常、各紙の販売価格は1部当たり50180円(税込)のものが、5紙セットで3,000円の出品もあったというから、新聞を買い漁り出品する人も、それを買う人も、全員が鬼と化してしまったように感じてしまいます。 

 そんな状況を見るにつけ、自分が鬼とならぬよう、距離を置きたくなったのでありました。