再びコマーシャル・ムービー?を観る

 Amazonプライム・ビデオのタイトルを見ていたら、『A Film About Coffee』(監督:ブランドン・ロバート)を見つけたので、ハンドピックをしながら視聴してみました。 

この映画は、2016111日に名古屋の映画館で観ており、その日のブログには、「究極のコーヒーとは何か?コーヒーに人生をかけるプロフェッショナル達の熱い仕事ぶりと哲学を追う世界を席巻するコーヒーカルチャーの""を描いたドキュメンタリー。とういのが謳い文句なのですが、コーマーシャル・ムービーって感じでした。」と書いていました。また、「スペシャリティー・コーヒーは浅煎りが一番だの、産地を大切にしているなど、水洗式でないのは良いコーヒーじゃないなど、スペシャリティーなら必ず美味しいと言わんばかりの映像が流れています。」と素っ気ない感想です。 

再び観た印象も変わらず、バリスタ競技会での演出も気になります。一人のバリスタが、「コーヒーは多くの人の手を経てきますが、一番大切なものはなにか?一人の農園主が答えました。」そして、ホンジュラスの農園に場面が移り、“君が売る相手 消費者だ”さらに、 “消費者がいるから私が家族を食べさせ養うことができる”と答えたといいます。しかし、競技大会が行われる都会の光景と、コンクリートブロックで造られた小屋のような家で、「子供が10人、妻もいる。皆で働く」といった農園主の言葉には、消費者の姿は見えず、食べさせ養う家族しか見えないと思えてなりません。 

また、コーヒー豆のバイヤーが農夫たちの前で、「自分たちが飲んでいるのがコーヒーだ!」と言わんばかりに、カプチーノを農夫に飲ませる光景では、農夫の反応が字幕に“I Like it“と出ていましたが、私には「こいつら、こんなもん飲んでいるのか!」といった表情に見えたのは私だけでしょうか。直ぐにペットボトルの水を飲んでるし! 

さらに、エキゾジックな音楽に合わせて「大坊珈琲店」が登場する。「だからサードウェーブなんだ。」と言わんばかりに。違和感ばかりの内容なのですが、この映画が公開される前年に日本に上陸したブルーボトルコーヒーは、2016年には都内3店舗をオープンし、今年に入って広尾と横浜NEWoMan YOKOHAMAへと着実に店舗数を増やし、なんと国内17店舗となっています。だから、どれだけ正しく観ようと思っても現実は変わりません。勝った者が正義なのです。 

「つまんないもの観ちゃった!」って思いながら反省しております。