コロナ禍でも

 コロナ禍でも、コーヒー豆を購入される方が絶える日がありません。そして、そのコーヒー豆を購入する理由や状況も様々なのです。時として、微笑ましくなって幸せな気分になるから珈琲屋はやめられません。 

 「実家のお母さんが来ると、いっぱいコーヒー飲むから豆の減りが早いの!」そうボヤいていたお客様。今朝、その母さん本人が来店され、「私、コーヒー好きだから沢山飲むの。いつも娘が買っていくコーヒー豆をください。自分の分は自分で買わなきゃね!」そういって、購入履歴からコロンビアのコーヒー豆を購入されました。家内安全。 

 見慣れぬ若い女性が来店され、「〇〇の嫁ですが、主人が買っていたコーヒー豆をください。」とのこと、どうやら、2人目の子供が生まれてから節約する為、コーヒー豆を買うのを我慢していたご主人に、「誕生日だから買ってあげようと思って。」と奥さんが買いに来てくれました。「今夜はごちそうですね!」と冗談交じりにケニアのコーヒー豆を渡すと、「主人は子供が喜ぶものでいいよって言うんです。」だって。ごちそうさまです。 

 「主人が好きなコーヒー豆は私の好みに合わないの。」そう言ってコスタリカの豆を購入された奥様。「主人のコーヒーはコーヒーメーカーで淹れるの。面倒だから。でも、このコーヒー豆は私がハンドドリップで美味しく淹れるの。」そう言って帰られる姿が凛々しく見えました。知らぬが仏。 

 地方の小さな珈琲屋でも、ちょっとしたストーリーがあるのです。